無感動な少女と魔眼使いの少年   作:なるなる

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お待たせ!待ってないって?そんなこと言うなよ。


五話「似ている二人」

ーいろはー

 さっきの提案から魔女を捜索して、十数分。

「ありました、ここです。」

「随分と奥に隠れてたな。」

「さすがに複数に魔法少女に狙われたら逃げたくもなるわよ。さっきは小物一匹だから気が大きくなってたんじゃない?」

 やちよさんが、私の方を見ながら言ってくる。

 

 

「小物…。」

「やちよさん、言い過ぎですよ流石に。」

「とりあえず、その分のハンデは付けたつもりよ。ももこと二人で頑張りなさい。強くなった実力とやらをせいぜい発揮してね。」

 しゅうたさんがフォローしてくれているが、それでも言葉は私の胸に刺さっていく。

「、、、、、、、、」

「いちいちムカつく言い方だな。こっちは、アンタの都合で提案を飲んでるってのにさ。」

 

 

 ももこさんは、やちよさんの言い方があまり好きではないみたいだ。というより…。

(やちよさんのことも、あんまり好きじゃないみたい。)

「別に合わせなくても結構よ。それならそれで、私と戦って勝てばいい話だけど。」

「まぁまぁ、二人とも落ち着いて。」

 しゅうたさんはまたしても、二人の間に割って入り円滑剤になっている。

 

 

「あの、ももこさん気にしないでください。私の実力が足りてなかったのは本当ですから・・・。それに、この結界の中にキュウべえもいるかもしれない。だから、頑張ります、私!」

「ふっ、見ものだわ。」

「くぅぅぅぅ…!」

 そんなやり取りを終えて、私たちは中に入っていく。

 

 

 

ーももこー

 結界の中に入ると、早速使い魔たちが囲んできた。

「くそっ、こいつら早速囲んできた…。」

「背中は任せて下さい援護します!」

「あぁ、アタシは一気に突破口を開く!やちよさんに先を越されてたまるか!」

 

 

 いろはちゃんの頼もしい声に任せて、私は正面を見据える。攻撃的な上段の構えを取り、意識を正面にいる敵だけに向ける。

「--------‼」

 一匹の使い魔が襲ってくると同時に、他の使い魔も群れをなしてやってくる。アタシは上段の構えから、魔法で一気に剣を肥大化させて振り落とす。

「せりゃぁっ‼」

 その瞬間、正面に居た敵は潰され瞬く間に消滅していく。群れを成したお陰で簡単に道を開けることができた。後は、周りの敵に牽制しつつここを抜けて最深部を目指す!

 

 

「お先に失礼するわよ」

 アタシが道を開けるより早く、やちよさんが先を行く。最速最高の戦い方を、この数瞬で考えたと思うとゾッとする。

「くっ、やっぱり早いな…。いろはちゃん、急ごう!」

 先を急ごうとする、アタシをいろはちゃんが止める。

 

 

「あ、あの、待ってください!」

「なに立ち止まってるの!そんなノンビリする時間なんて。」

「、、、、、、、、」

 いろはちゃんが立ち止まって、明後日の方向を見ている。アタシもそこに視線を向ける。

「いろはちゃん?」

「プギュ?」

 

 

 そこには、いろはちゃんが探している小さいキュウべえが居た。

「…いました!小さいキュウべえ!」

「いろはちゃん!今は魔女を狩ることが優先だ!」

 アタシが早口でそう言うと、いろはちゃんは少し躊躇う。

 

 

「でも、私はあの子に会いに来たんです。ちゃんと、話す事さえ出来れば私はそれで…。」

「そりゃあ、楽観的すぎるよ。いろはちゃんの願いが関係してるのかも知れないけどさ。そのキュウべえに会えたからって解決する保証はないんだろ?」

 いろはちゃんの大事なことが関係してるかもしれないが、もし違ったら一からやり直しだ。アタシもしゅうたも手伝ってやりたいが、今回の提案に勝たないと話にならない。

 

 

「それは…そうですけど…!」

「またこの町に来る必要があれば、あいつだって邪魔しにくるはずだ。だから、今は魔女を優先しよう。」

「、、、、、、、」

 いろはちゃんは何故か素直に納得できてない感じだ。

「モキュ!」

 小さいキュウべえがアタシたちに向かって語り掛けてくる。何だろう?

 

 

「キュウべえ…?」

「キュッ、モッキュ!」

「なんだ、どういうことだ?」

「付いてこいってこと?」

「キュ!」

「それってもしかして魔女のところ?」

「モッキュ!」

 何故会話が成立しているのか分からないが。自然と言っていることが分かった。

 

 

「ははぁ、なるほど…。チビスケも魔女を優先して倒せってさ。」

「そうなの…?」

「キュ!」

「、、、、、、、うん。…分かった、じゃあ案内して!」

 チビスケがいろはちゃんの声に反応する。多分大丈夫だろう。多分だけど

 

 

「ただ、信じて大丈夫なのかはちょいと不安だけどな。」

「でも、キュウべえが知ってたら。迷わず辿り付けますね。」

「うん、普通に戦ってたらやちよさんに追いつけないし…。ここはひとつこのチビスケに賭けてみるか!」

「はい!」

 いろはちゃんが元気よく返事をする。

 

 

 結界の中を進みながら話をする。少し走っているため、一定の場所に留まらないことからあまり使い魔に襲われない。現に最初の一回以降は数匹現れるが、ソウルジェムを弄ってもらったお陰でいろはちゃんの調子が良く、見つけたらアタシが突っ込む前に倒してしまう。遠距離武器の強みがあるな。

 

 

「これで勝てたらいろはちゃんも仲間入りだな。」

「仲間入り?」

「神浜市の魔法少女のね。」

「そんな嬉しいものですか…?普通ライバルが増えたとか…。」

「アタシは嬉しいよ友達が増えたみたいでさ。」

「、、、、、、、」

 アタシの言葉にいろはちゃんは少し照れた様子を見せて、顔を逸らした。

 

 

 

 

ーしゅうたー

 千里眼を使いやちよさんの位置を特定し、末来視に切り替えてその後の通り道を予測する。そして、偶然を装って遭遇する。

「どうも、やちよさん。奇遇ですね。」

「ルール違反じゃないかしら?こういうことは。」

 首を傾げてとぼけて見せる。やちよさんが呆れた顔をしてため息を吐く。

 

 

「ルール違反じゃありませんよ。()()()()()()()()()()()()()これがルール、というか条件です。でも、俺はいろはちゃんを追っていたら偶然をそこについて、話を聞いただけです。」

「それでもよ、あからさま過ぎるわ。」

「それに、俺は今この結界にただの魔法少女として来てます。魔法少女が魔女の取り分で争うのは日常茶飯事でしょう?まぁ、俺は嫌いですが。」

「だったらなぜ?こんなことをしても意味は薄いでしょう?」

「助けるって決めたからですよ、あの子を。一度助けたら、最後まで面倒を見る!それが助ける者の在り方でしょう。」

 またもや、やちよさんはため息を吐く。先程より更に呆れた顔をしていた。

 

 

 

「あの子、誰かに似てると思ったら。やっぱりあなたね。」

「そうですか?そんな感じします?」

「えぇ、特に頑固な所がそっくりよ。脆いのに一生懸命になる所も。呆れるくらいにね!」

 やちよさんが言葉を言い終えると、俺に向かって槍の一撃を叩きこむ。末来視で何とか一撃を刀の腹で逸らす。

 

 

「流石ね、前会った時よりも強くなったんじゃない?」

 やちよさんが不敵な笑みで聞いてくる。

「どういたしまして!これでも()()の都合上、嫌でも強くならなきゃやってられないんですよ!」

 刀を構え直す。その時やちよさんが走りだす、当たり前だこんな相手に時間を掛ける方がアホなのだ。なので走りながら戦いに持ち込もうとする。やちよさんは結界の最深部が分かるのか、一直線で走っている。俺はと言うと、この状況を打破することが出来るが迂闊に使えないでいた。

 

 

(ここで、消耗したら後々面倒なことになりそうだ。クソ!迂闊に魔眼が使えない。)

 魔眼も万能という訳ではない。使用制限もあるにはあるし、使用中は体力の消耗も激しくなる。そして、そのままズルズルと引き伸ばされ、気付けば結界の最深部に辿り着いていた。

 

 

 

ーいろはー

 あれから数分が経ち、急いだお陰で何とか早く着くことが出来た。

「モキュ!」

「ここ、最深部の入り口…。」

「あぁ、この先は魔女のプライベート空間だな。半信半疑だったけど、本当に案内してくれるとはね。」

 やっぱり、この子を信じてよかった。でも、もうやちよさんって人が来てるのかな?

 

 

「私たち、一番乗りですか…?」

「あぁ、追いつかれる前に乗り込むよ。」

 私の不安が混じった質問に、ももこさんは少し勝気な感じで返してくれる。

「はい!」

 ももこさんの言葉に支えられながら、結界の最深部に入る。

 

 

「--------‼‼」

「なっ‼いろはちゃん、危ない!」

「えっ!?ふぁあ‼」

 ももこさんの警告の声も虚しく、私は吹き飛ばされてしまう。

 

 

 今のなに…?

 

 魔力の波みたいな…?

 

 

 起き上がるとそこには、やちよさんとしゅうたさんが居た。

「あら、遅かったのね。」

(今の魔力、この人なんだ…。)

 しゅうたさんの魔力では無く。やちよさんの魔力だ、しゅうたさんは魔力が各段多い訳ではなく覇気がすごいのだ。調整屋に行くときの戦いで分かった。

 

 

「ザリザり…☆…◇…。」

「一撃で魔女が…気絶してる…。」

「待ちくたびれて魔女と遊んじゃったからね。」

「スマン、あんま足止め出来なかったわ、魔女は手出し出来ないから…。」

「おい、冗談きついぞ…。いくら何でも早すぎる…。」

「早すぎる…?あなたたちが遅すぎるのよ。これ位の力量差があるのはももこなら想像できたでしょ…?」

 (嘘でしょ。これで遅いなんて、精いっぱい急いで来たのに。)

 

 

 私たちの急ぐは、彼女にとっては急いで無いのと変わらないらしい。明らかに経験が違う、天と地程の力量差がある。

「くっ…。」

 ももこさんが歯噛みをし、しゅうたさんも悔しそうな顔する。

「さ、あなたたちの負けも決まったようなものね。」

「、、、、、、、」

 私も、まだ諦め切れずにいる。

 

 

「だけど特別に、もう一度チャンスをあげるわ。」

「え、もう一度…?」

「えぇ、あなた、魔女を一人で倒しなさい。そうすれば、実力を認めてあげる。私の食べかけなのは、ちょっと残念だけどね。」

「、、、、、、、、」

「バカにするのも大概にしろ!人を弄んで!」

 私が無言になったのを見て、ももこさんが声を荒げる。

 

 

「ももこ抑えろ。お前がどうこうできる問題じゃない!やちよさんもやちよさんだ!何でもっと言い方を考えない!こうなるのは目に見えてるだろ!」

 しゅうたさんも、ももこさんを抑えながらやちよさんに向けて注意をする。少し声に怒気が含まれているのが分かる。でも…。

(でも、何だかただ怒ってるのと少し違うような?)

 

 

「なによ、せっかく考え直したのにひどい言い方ね。それにしゅうたの言う通り、これはあなたの問題じゃないわ。どうするかはこの子次第よ…。」

「くっ…。」

 やちよさんの言葉にももこさんは黙り込んでしまう。

「さぁ、どうするの?」

(…さっき、ももこさんが言ってたみたいに。また、この町にくる必要があるかもしれない…。)

 私は決意を固めやちよさんに言い放つ。

 

 

「今ここで魔女を倒してみせます。」

「そう、それなら見せてみなさい、神浜の魔女をを倒すところを。」

「頑張れよ、いろはちゃん。」

「兎に角、目を凝らせ今の君なら見えるはずだ。あの魔女の動きが。」

「はい…!」

「さぁ、魔女が動くわよ…。」

 魔女が動き出す。

 

 

「ももこさん、キュウべえのことお願いします!」

「ああ、任せといて!」

「しゅうたさんも、アドバイスありがとうございます。何とか頑張ってみます!」

「うん、ここで見てるから!頑張って来て。」

 私は駆け出し、攻撃の範囲内まで行く。ここなら私の攻撃も届くし、相手の攻撃も良く見れる。勝とう!勝ってあの小さいキュウべえに教えてもらはなきゃ、あの子のことを。

 




 因みに、主人公の強さは神浜一です(迫真)。(魔眼のお陰)
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