まだ設定が拙かった時期で申し訳ない…(2021年からの作者より)
俺は逃げ出した。
あの俺を拘束していた施設から。
最初は良かった。温かい言葉を貰い暖かい食べ物を与えてくれた。
それが、俺の人生の中で二番目に幸福な時間だったかも知れない。
でもそれは急に終わった。自分の名前が番号で呼ばれるようになった。最初の人ももう既に冷たく凍り切った言葉しかかけて来なかった。
別に良かった。冷たくされているのは慣れていたし、もっと酷い目にあってきていたから。
でも、『進撃の巨人』になってからどうしても頭の中でフラッシュバックする言葉やシーンがある。それはあまりにもめちゃくちゃでごちゃごちゃしているけど、アレが現実だってわかる。
だって、父さんと母さんの記憶だから。
父さんは周りから言われていたけど、クズっていう部類の人間なんだと思う。
酒を毎日飲んでる飲んだくれで、母さんが居なかった時は他の女の人と気持ちいいコトをしていたし、基本的に周りの迷惑を考えないで行動してみんなから嫌われていた…俺も嫌いだ。
何せ、父さんは俺を売った張本人だから。それに、間違えて俺が最初に女型になって女体化した時、真っ先に化け物と言ったのは父で、そのあとの生活で俺の処女膜を破ったのも父だ。あの時の激痛は幼いながらも覚えている。
母さんの記憶もある。お腹の中にいた時も、まだ普通に家族として暮らしていた時も俺の事を気にかけてくれていた。なんでこんな良い人が父さんみたいな人と番になっているのかよく分からないけど、毎日俺に語りかけて守っていた事は見た。
……まだ母と父は生きている。
未だに俺を産んだ事に関しては恨んでいるし、憎んでいる。だが、同時に愛している。……なんでこんな思いをさせられたのに愛さなきゃいけないのか、ぐちゃぐちゃになりそうで、押し潰れてしまいそうでとっても怖かった…今でもまだ気持ちの整理なんてものはつけちゃいない。
まだグログロとしている。
そして、あの実験で始祖になった時にチャンスだって思った。
ここから脱走できるんじゃないかって。だから逃げたんだ。
それで、母と父に会えるんじゃないかって…最後に記憶に見た母さんはとてもこけていて、弱っているように見えた。だから…早く行ってあげないと…って。
だから、俺は壊した。人の体を。俺は食った。人の命…ただの肉片を喰った。
それからしばらく逃亡生活が続いて…でも結局は1人で…母がどこにいるかも、父がどこにいるかも分からなくて…途中から本当は居ないんじゃないかって考えて…孤独なんじゃないかって思いついた時に泣き出したんだ。
でも、それは違ったんだ。
己の口や喉元を赤黒く塗りつぶしながら生きてきて、その罪は決して洗い落ちることはないだろうって…でも、それでもそんな人類の敵の俺でも助けてくれる人が一人だけいたんだ。
その人は…顔がマスク?で隠れているから分からなかったし、今でも素顔なんて見た事ないけど……。
あの時言ってくれた言葉も覚えている。
それは…………
今、俺は寝ている。平穏だ。
「懐かしい…夢を見たな」
でも、酷い夢だった。一種の悪夢かな?
まあ…いいか…今を満喫しよう。昔の話だ。
しかし…平穏かぁ…今俺の生活は平穏なのだろうか?
寝ている時かあの人の声を聞く時はとても穏やかになれる。
未だに自分の呪いが鬱陶しく感じる。何故こんな世界にしたのだろうか、こんな世界にはヒーローというものが居るらしいが……実際、昔の
なのに…。
いや、もういいんだ…今の世界を俺が変えられる筈が無い……。
でも、もし変えられたらなぁぁ……。