超越男「ネタカードなのにネタを描写から感じられなかった」(´・ω・`)
オーケストラ「嘘っ、私達の使い手運無さ過ぎ!?」Σ(゚Д゚)
雪と凪のデュエマに決着が付いてから3分が経った。最初は疲れているように見えた凪も、既に次のデュエマの準備を終えていた。対して傍観者となった雪は疲れからか少しウトウトしている。
「お待たせ~。準備終わったよ」
「了解っす。じゃあカットお願いします」
凪の準備が終わったのを確認すると、憐は床に置いてあったデッキを凪の前に置く。憐の近くには超次元は置かれていないように見える。
「準備完了。それじゃあ、ダイスロォォォォル!」
「会長、それ違うゲームじゃないっすか?」
そう突っ込みながら凪が振った後に憐もダイスを振る。出目は憐の方が大きい。よって先行は憐からとなった。
「じゃ、始めるっすよ~。《ベル・ヘル・デ・スカル》をマナゾーンに。ターンエンド」(マナ1)
「ドロー。《佐助の超人》をマナゾーンに。ターンエンド」(マナ1)
お互いに自然文明が入ったデッキ。マナを伸ばしてから戦うデッキ同士であるのならば、序盤は静かな展開になるだろう。
「ドロー、《カナシミドミノ》をマナゾーンへ。2マナで《ダーク・ライフ》。山札の上から2枚見て、1枚を墓地、1枚をマナへ。ターンエンド」(マナ3)
「ドロー、《白騎士の聖霊王 HEAVEN》をマナへ。2マナで《白騎士の霊騎 ラジューヌ》を召喚。ターンエンド」(2マナ)
マナと墓地を肥やす憐に対し、《ラジューヌ》を召喚した凪の顔は険しい。マナを伸ばしたかったのだろうが、初手が悪かった。しかし、《ラジューヌ》が出せただけマシだったと考えても良いだろう。
「ドロー、《フェアリー・ライフ》をマナへ。4マナで《社の死神 再誕の祈》を召喚。効果で墓地のカード2枚をマナゾーンに。ターンエンド」(マナ6)
「ドロー、《XII》をマナへ。2マナで《フェアリー・ライフ》。1マナチャージしてターンエンド」(マナ4)
「綺麗な動きだなぁ・・・・・・」
ダーク・ライフで墓地に送られたカードとダーク・ライフ自身を《再誕の祈》で即座にマナへと変える綺麗な動きに、眠そうにしていた雪は目を奪われる。2→4→6という綺麗なマナの伸び方と、闇文明の得意とする墓地肥やしを上手く利用した憐のプレイングは、凪や生徒会で戦った子よりも上手に感じた。
――しかも、死神と名の付くクリーチャーが場に居るというのも大きい。
恐らくだが、憐のデッキは死神デッキ。組み合わせとしては黒緑だろう。死神で黒緑、それも《バロム》のデッキとなれば、憐が使っているデッキがどんなデッキなのか大体分かる。先程見せた《ダーク・ライフ》からの《再誕の祈》の動きはまさしく雪の知っているデッキのソレだった。
「ドロー、《母なる聖域》をマナゾーンへ。4マナで《デスライオス》を召喚。効果で《再誕の祈》を破壊」
「《ラジューヌ》を破壊」
「ターンエンド」(マナ7)
「ドロー、《ラジューヌ》をマナへ。5マナで《アスティノス》を召喚。効果で山札の上から3枚を表向きにして、《白騎士の無限龍 ウルフェリオス》を手札に。ターンエンド」(マナ5)
漸くデッキが動き始めた凪に対して、憐は次の一手をどうするべきか思考する。次のターンにウルフェリオスが出てくることはない。初手の事故具合から、2枚目の《アスティノス》辺りが出てくる位だろうか。ただ、それをわざわざ許すわけにもいかない。
「ドロー、《デスライオス》をマナへ。7マナで《ダークマスターズ》を召喚」
「・・・・・・」
公開ハンデス3枚ドラゴンが場に現れる。その厭らしい効果で凪は自分の手札を渋々、ではなく即座に、見てみろとでも言いたげにこれでもかと見せつける。
え?渋々じゃなくて見せつける?可笑しくない?と思った方も居るだろうが、理由はすぐに分かった。
「《バイケン》2枚・・・・・・だと・・・・・・!?」
「さぁ!3枚ハンデスしたいならしてみなよ!ほらほらどうしたー!」
あまりに予想外の手札に憐は驚く。だが、すぐさま冷静になり、《ウルフェリオス》のみを墓地へと送った。7マナで1枚ハンデスとはしょぼいものだが、仕方がない。
「因みに会長、何で《バイケン》2枚も握ってるんすか」
「だって憐のデッキならロストソウルある可能性大でしょ?マナも7以上だったし警戒してたんだけどなぁ」
任意効果ってそれズルくない?と不満らしい凪に、憐は《ロストソウル》を《ダークマスターズ》に変えた自分を賞賛していた。ナイス自分。ナイス判断。
「危なかった・・・・・・。ターンエンド」(マナ8)
「ドロー、《バイケン》をマナへ。2マナで《フェアリー・ライフ》。1マナチャージしてターンエンド」(マナ7)
「ドロー、マナはチャージせず、3マナで《ボーン・おどりチャージャー》。効果で山札の上から2枚を墓地に。マナへ置いてターンエンド」(マナ9)
先程は上手くバイケンを躱すことに成功した憐だが、動き過ぎた為に手札が思うように動けない程に枯渇している。トップで良いカードを引けば状勢を大きく変化させられるだろうが、それまでに凪が仕掛けて来ないとも限らない。
「ドロー、《バイケン》をマナへ。4マナで《超次元 ホワイトグリーン・ホール》。《勝利のプリンプリン》をバトルゾーンに出して効果で《デスライオス》を指定。《ホワイトグリーン》の効果によりマナゾーンから《ウルフェリオス》を手札に戻し、ターンエンド」(マナ7)
「成る程、進化を想定して《デスライオス》か・・・・・・」
《ダークマスターズ》がWブレイカーなのに対し、《デスライオス》は1枚。普通であれば《ダークマスターズ》では?と思った雪だったが、直ぐにその理由に気付く。白騎士と同じで、死神にも死神という名称を進化元にするクリーチャーが存在する。それを警戒してのことだろうと判断していた。
「ドロー、マナはチャージせず、《ダークマスターズ》の上に《死神明王ガブリエル・XENOM》を進化」
「出た、レアリティ詐欺カード」
「どこが天使だどこがー!」
憐の出した進化クリーチャーへの反応は違いこそあったが、コイツ頭可笑しい。という点に置いては雪と凪の考えは一致していた。
《死神明王ガブリエル・XENOM》。闇のコスト7の進化デーモン・コマンド。進化元の条件はエンジェル・コマンドまたはデーモン・コマンド1体という破格の緩さを誇る。その割りにはパワーは11000と十分にあり、尚且つ――
「《XENOM》でシールドを攻撃する時、効果発動。自分の山札の上から3枚を墓地に置いて、《勝利のプリンプリン》を破壊。更に墓地から《バロム・クエイク》を手札に戻します」
「ぜっったいアンコモンじゃないよねソレ。もう私、レアリティの基準がわからないよ・・・・・・」
「ワイトもそう思います」
3枚墓地肥やしに相手クリーチャーの破壊、エンジェル・コマンドかデーモン・コマンド1体の墓地回収を持つという、もうコイツ一人で良いんじゃないかな。とさえ思わせてしまう驚異のスペックを誇る。雪や凪は何故コイツをアンコモンで彫ったのか、一度会社に問いただしてみたい程だった。
「シールドをWブレイク」
「受けます。あ、S・トリガー《フェアリー・シャワー》。効果で山札の上から2枚見て1枚を手札に、1枚をマナに」(マナ8)(シールド3)
「ターンエンド」(マナ9)
《ウルフェリオス》を進化させる為の《勝利のプリンプリン》が破壊されてしまったが、凪の顔に焦りはない。《XENOM》への怒りは多少あるが、この程度では負けない。
「ドロー、2マナで《ラジューヌ》を召喚。ラジューヌの効果でコストを1軽減し、6マナで《ラジューヌ》の上に《ウルフェリオス》を進化」
「げっ、《ウルフェリオス》出てくるか・・・・・・」
進化でやられたなら進化でやり返す。奇しくも白騎士の進化クリーチャーと死神の進化クリーチャー。どちらも時代を代表するカテゴリーの対決だ。
「でもパワーでは負けないっすよ。《XENOM》は11000っすからね」
「む、でもパワーで勝つ必要はないからね。《ウルフェリオス》でシールドを攻撃時、メテオバーン」
《ウルフェリオス》のパワーは9500。残念ながらパワー11000の《XENOM》を倒すことは出来ない。が、《ウルフェリオス》の真骨頂はメテオバーンによる大型白騎士の踏み倒し。雪との試合でも局面を大きく変化させたその能力は、パワー差など関係なく《XENOM》を葬ることの出来るクリーチャーを呼ぶことが出来る。
「2枚を表向きにして、よしっ、《HEAVEN》を《ウルフェリオス》の上に進化。《佐助の超人》はデッキの下に」
「バカー!?どんだけ運良いんすか!」
《HEAVEN》の降臨は憐の場のクリーチャーの全滅を意味する。
「凪さん、やっぱり運良いよなぁ・・・・・・良いなぁ・・・・・・良いなぁ・・・・・・」
雪、あまりの凪の運の良さに自分の運の無さを悲観する。多色デッキで3枚捲り多色が1枚も無かったのがかなり堪えているようだ。おお神よ、何故こんなにも運に差があるのですか・・・・・・?美人だからか?美人だからなのか!?
「《XENOM》と《デスライオス》をシールドに、シールドをT・ブレイク」
「受けます・・・・・・S・トリガー《フェアリー・ライフ》。1マナチャージ」(マナ10)(シールド5)
「ターンエンド」(マナ8)
「良い攻防戦ですね~・・・・・・」
「ん?あぁ、まぁそうだね、白騎士対死神。それも《HEAVEN》まで出てるしお互いに攻撃もしてるしね」
「でも、それももう終わりかもしれないっすよ?」
雪がこの試合を見る限り、お互いにクリーチャーを展開し殴り合うという、正にデュエマといった感じの試合だった。中には「攻撃してるのが残念」などという人も居るが、雪からしたらこれこそがデュエマらしいと感じられたのだ。
凪もそれには同感で、共に背景ストーリーでも関係のあった白騎士と死神が対面している。それもエース級が出て殴り合っているのだから楽しいものだと感じていた。もしこれがAR、もしくはVRで出来ていれば、と思う程には。
そして、このデュエマで憐は自身の切り札を切る。もう公開はされているし雪や凪は勿論予想しているだろうが、この盤面で、ましてや《HEAVEN》など出されてしまっては、それに応えるしかない。
「ドロー、マナはチャージせず、10マナ」
「相変わらずバロムのコストは重いなぁ・・・・・・」
「録画しとけば良かったかなぁ・・・・・・」
好きなカードはバロム。好きな文明は闇。そんな憐の切り札は、初の多色である自然と闇のバロムの名を持つクリーチャー。大地の力を取り入れた、大地が産んだ悪魔神。
「マナゾーンの《デスライオス》を進化元に、《悪魔神バロム・クエイク》をマナ進化!」
パワー13000。コスト10。自然と闇のバロム。その効果は、同族以外の殲滅。
「《バロム・クエイク》の効果でデーモン・コマンド以外のクリーチャーを全て破壊する。《HEAVEN》を破壊」
「強いなぁ・・・・・・」
凪のこの『強い』というのは、この効果だけを指すのではなく、《バロム・クエイク》というクリーチャーの全てを指す。
まずマナ進化という場にクリーチャーを必要としない点。それまでのバロムは場にクリーチャーが居なければ進化出来ない事から、進化元を除去されてしまいがちだった。しかし、マナからならば話は別だ。雪が戦った生徒会1年のようなランデスタイプでもなければ早々進化元で困ることはない。
次にデーモン・コマンド以外の全体破壊効果。これについては詳しい説明は不要だろう。
そして最後に、《バロム・クエイク》のもつ他のバロムとの明確な違い。それは――
「《バロム・クエイク》の効果で、相手のクリーチャーがコストを支払わずにバトルゾーンに出る時、相手はそのクリーチャーをバトルゾーンに置くかわりに自身のマナゾーンに置くことになる」
踏み倒しメタ、と言われるものである。
通常、クリーチャーをバトルゾーンに出すにはマナを支払う必要がある。
が、例外というものは存在する。
例えば超次元と名の付く呪文でサイキック・クリーチャーが出る時、果たしてサイキック・クリーチャーのコストをプレイヤーは支払っているだろうか?
答えは否、だ。超次元呪文はサイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出す呪文である為、カードの効果によりコストを支払わずにクリーチャーをバトルゾーンに出すことが出来る。S・トリガーによる召喚も、S・トリガーという能力のおかげでコストを支払わずに召喚がされている。プレイヤーはそれらの能力を活用することで、マナに必要な枚数のカードが無い状態でも、コストの大きいクリーチャーをバトルゾーンに出すことが出来る。
つまり、《バロム・クエイク》の持つ踏み倒しメタという能力は、それらの能力を丸ごと無意味なものに変えてしまう強力な効果となる。
「バロム・クエイクでシールドをT・ブレイク!」
「受けるよ。S・トリガーは・・・なし」(シールド0)
「ターンエンド」(マナ9)
《HEAVEN》も消え、《ウルフェリオス》のような踏み倒し、革命チェンジさえ封じられては、もう凪の手札にこの1ターンで戦況を変えることが出来るカードはない。
「ドロー、・・・・・・《コバルト・ウルフェリオン》をマナへ。5マナで《アスティノス》を召喚。効果で3枚を表向きにして・・・・・・白騎士は無い、か・・・・・・ターンエンド」(マナ9)
「ドロー、《デスライオス》を召喚。《デスライオス》を破壊。効果は・・・・・・分かってるっすね」
「《アスティノス》を破壊・・・・・・あーあ、負けたかぁ・・・・・・」
「今回は俺の勝ちっすね。《バロム・クエイク》でダイレクトアタック」
凪と憐の戦いはこれにて終わった。雪と凪の戦いよりも短かった筈の戦いは、その場に居た3人にとっては更に短く感じられた。
用語解説
攻撃してるのが残念:何を隠そう公式の発言である。公式がEXWINを推奨していくスタイルは多分、デュエマくらい。
遅くなりました。はい、いつものことですね。
というのも、色々とハーメルン内で面白い小説やエタったかと思ってた小説の復活などがあり大興奮していたのが原因です。スミマセン。
デュエマの大会でもなかなか良い試合が出来て満足でした。ZEROハンドって良いカードやなぁ・・・・・・
今回は凪vs憐となりました。副題は白騎士vs死神ですね。で、そろそろエースクリーチャーの殴り合いとかの描写をして練習しておきたいなぁーと思っていたのですが・・・・・・
エースクリーチャー出たらほぼゲーム終了やんけ
となってしまいました。《HEAVEN》とか《バロム・クエイク》とか全体除去搭載してるクリーチャーはデュエマをすぐ終わらせてしまいかねませんね・・・・・・特に《バロム・クエイク》はデカい単騎マグナムみたいなもんですから、出たら詰むデッキは本当に詰みますし。
ネタデッキ同士の対決かと思いきや憐がちょっとだけガチとなりました。クロニクルデッキが出るとどれだけ強化されるのかよく分かったんで白騎士クロニクル待ってます。
次は竹宮さん側の話となります。多分。慎重に書かなければ・・・・・・