起きたらチェンジ・ザ・ワールドしてた件   作:change

17 / 36
前回のあらすじ
メガマナロック「お前を殺す」デデン
委員長「やっちまえ《剣》ッッッ!」
雪「何やってんだよ団長ッ!」


完全防御作戦

《メガマナロック》によりマナをチャージして使用出来るのがたったの2マナという危機的状況に追い込まれた雪。しかし焦りは一切見せず、淡々と作業を進める。

 

「ドロー、《超次元リバイヴ・ホール》をマナへ置いて2マナで《傀儡将ボルギーズ/ジェニコの知らない世界》を唱えます。効果で委員長の手札をランダムにハンデスします」

 

スノーフェアリーの次は《ジェニー》の集団が、その得物を持って委員長へと走り出す。やがて委員長の下に辿り着いた一体の《ジェニー》が、映像にある委員長の手札をカッターで切り刻み、手札の表記数が1減る。

 

「手札の《メガ・マナロック》を墓地へ」

 

これにより次のターンに雪は全マナを使用出来るようになる。が、それはターンが回って来たらの話だ。

 

「ターンエンド」(マナ7)

「ドロー、《革命の鉄拳》をマナへ置いて《リュウセイ・ジ・アース》で攻撃」(マナ6)

 

咆哮を上げて敵へとその鋭利な牙を向く《リュウセイ・ジ・アース》。雪のシールドは既に0だ。この攻撃が通ってしまえば、雪の敗北が決定する。

 

《リュウセイ・ジ・アース》が一度距離を取ってから雪へと物凄い速さで空中から接近する。正に絶体絶命の状況だ。

雪は手札の一枚を即座にバトルゾーンへと表向きにして出す。

 

「ニンジャ・ストライク5、《怒流牙 佐助の超人》を召喚。効果でドローして1枚捨てます」

 

風を纏いながら現れる緑のシノビ。《佐助の超人》は自分の主へと接近する獰猛な竜を目にするや否や、即座に手印を組む。

 

「その時、捨てた《バイケン》の効果で《バイケン》をバトルゾーンに」

 

《佐助の超人》の背後で突如として巻き起こる激しい水の渦。その渦の中心から、自分と同種の存在を感知する《リュウセイ・ジ・アース》。そしてその瞬間、《リュウセイ・ジ・アース》の足元から同じように渦が発生する。

 

「墓地のカードを1枚マナチャージして、《バイケン》の効果で《リュウセイ・ジ・アース》をバウンス」(マナ8)

「《剣》で攻撃」

 

《バイケン》により強制的に撤退させられた《リュウセイ・ジ・アース》に続き、仇を取らんとばかりに《剣》がその自慢の剣で雪の息の根を止めにかかる。

 

「ニンジャ・ストライク3、《ハヤブサマル》を召喚。《バイケン》の効果で1ドロー。《ハヤブサマル》の効果は自身に。ブロッカーとなった《ハヤブサマル》でブロック」

 

しかしそれも雪には届かない。《剣》の攻撃は寸での所で神速の如き速さで主の下へと飛んで来た《ハヤブサマル》に防がれる。

 

「ターンエンド」

「ニンジャ・ストライクで召喚された《佐助の超人》を山札の下へ置きます」

 

――おぉ、耐えたぞ!

――受け強っ!

――汚い、流石ニンジャ汚い

 

雪と会長の白熱する試合に、会場も突然のシノビの登場に盛り上がっているようだ。

 

「ドロー、《フェアリー・ライフ》をマナへ置いて、5マナで《雷鳴の守護者ミスト・リエス》を召喚。更に4マナで《解体人形ジェニー》を召喚」(マナ9)

 

赤いバイザーを付けた黄金色の機械と共に現れる《ジェニー》。ジェニーは1枚しかない委員長の手札を削り取る。

 

「《リュウセイ・ジ・アース》を墓地へ捨てる。効果で山札の上から1枚を見て手札に」

「《ミストリエス》の効果で1枚ドロー。ターンエンド」

 

クリーチャーの効果でお互いに手札を増やす。しかし雪の潤っている手札に対して、委員長の手札は1枚と貧しい。盤面も雪の方がクリーチャーが多く並んでおり、劣勢かと思われた雪がいつの間にか優勢になっていた。

 

「ドロー、《超戦龍覇 モルトNEXT》をマナへ置いて、7マナで《超戦龍覇 モルトNEXT》を召喚。《禁断~封印されしX~》の封印を墓地へ」(封印4)(マナ7)

「《ミスト・リエス》の効果で1枚ドロー」

 

熱い魂を持った竜人が戦場へと駆けつける。委員長のデッキのエース、《モルトNEXT》は仁王立ちで主の指示を待つ。その瞳には勝利の2文字が浮かんでいた。

 

「《モルトNEXT》の効果で超次元ゾーンの《闘将銀河城 ハートバーン》をバトルゾーンへ」

 

《モルトNEXT》の背後に聳え立つ紅と蒼の2振りの巨大な剣が確認出来る今にも動き出しそうな城。《ハートバーン》の登場に雪は自分の手札を確認し、相手が攻撃してくることを予想し準備をする。

 

「《モルトNEXT》で攻撃」

「ニンジャ・ストライク7、《斬隠オロチ》を召喚。《ミスト・リエス》の効果で1枚ドロー、《バイケン》の効果で更に1枚ドロー」

 

《ミストリエス》と《バイケン》によるドロー加速は雪の手札を更に潤す。《オロチ》と呼ばれた青い蛇を従えるクリーチャーは、《佐助の超人》と同じように目の前で手印を組む。

 

「《オロチ》の効果で《モルトNEXT》を山札の1番下に置き、進化でないクリーチャーが出るまで捲って下さい。そうして出たクリーチャーをバトルゾーンに出し、残りは好きな順序で山札の1番下に置きます」

 

《オロチ》は自分の乗っていた蛇とはまた別の蛇を生み出す。良く見れば生きている蛇ではない。水を操って作られた物だろうか。先程水を上手く使って見せた《バイケン》と同じ斬隠の名を持つシノビなだけあり、水を扱うのは十八番のようだった。

 

「バトルゾーンの《モルトNEXT》を山札の一番下へ置き、《無双竜鬼ミツルギブースト》をバトルゾーンへ」

「《ミスト・リエス》の効果で1枚ドロー」

「《ハートバーン》の効果でスピード・アタッカーとなっている《ミツルギブースト》で攻撃」

 

右手に盾、左手に赤く燃える剣を持った竜が素早い動きで空中を移動する。翼に付いているブースターにより加速した《ミツルギブースト》の攻撃が雪の目前にまで迫る。

 

「ニンジャ・ストライク5、《佐助の超人》を召喚。《ミスト・リエス》の効果で1枚ドロー、《バイケン》の効果で更に1枚ドロー」

 

しかしその攻撃に反応しまたもや出現する《佐助の超人》。突如として現れた《佐助の超人》に驚いた《ミツルギブースト》は思わず減速する。その隙を逃さず、《佐助の超人》はこの試合で初めて現れた時と同じ手印を組み、斬隠の龍を呼ぶ。

 

「《佐助の超人》の効果で1枚ドローし、《バイケン》を捨て、《バイケン》の効果で《バイケン》バトルゾーンに。その後、墓地の《フェアリー・ライフ》をマナへ。更に《バイケン》の効果で《ミツルギブースト》を手札へ戻す」(マナ10)

 

またもや手札へと強制的に戻される委員長の操る竜。仲間が目の前で同じ手でやられたことに、《剣》は怒り狂う。

 

「《剣》で攻撃」

「ニンジャ・ストライク7、《怒流牙 サイゾウミスト》を召喚。《ミスト・リエス》と《バイケン》2体の効果で計3枚ドローし、《サイゾウミスト》の効果で墓地の3枚を山札に加え、シャッフル。その後、シールドを1枚追加。攻撃を受けます」

 

怒り狂う《剣》の雪への強烈な一撃は、新たに現れた盾に防がれる。仕留めきれなかったことに《剣》も委員長も苦い顔をする。

 

「トリガーは無しです」

「マズいな・・・・・・ターンエンド」

「《オロチ》《佐助の超人》《サイゾウミスト》を山札の1番下に送る」

 

――・・・・・・

 

気付けば騒がしかった会場が静まり返っている。ふと気になった雪は横目で会場の生徒を見る。

 

誰もが、この試合を瞬きもせずに見ていた。

 

たったの1ターンで、何体ものクリーチャーが現れては消えてを繰り返し、鮮やかに強力なクリーチャーの攻撃を防ぐプレイヤー。

会場に集まった生徒達の心は、完全にこの試合の虜になっていた。

 

雪は視線を大量の手札へと戻し、勝利のビジョンへと手を進める。

この勝負に勝つというその一心で。

 

「ドロー、《フェアリー・ライフ》をマナへ置いて、5マナで《超次元リバイヴ・ホール》。効果で超次元ゾーンから《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》をバトルゾーンに出します」

 

雪の頭上の空間が裂け、そこから骸骨の馬に乗った貴族の様なクリーチャーがバトルゾーンを駆け抜ける。

《ガンヴィート》は青い炎を纏った2本の剣を持ち、自分の持っている剣より巨大な剣を咥えている《剣》へと勝負を挑む。

 

《剣》が『力』の剣ならば、《ガンヴィート》は『技』の剣である。地面が割れる程の力で剣を叩きつける《剣》の攻撃を的確に避け、《ガンヴィート》は《剣》の懐へと自慢の剣を2本とも突き刺す。

 

「《ガンヴィート》の効果によりタップされている《剣》を破壊します」

 

体中が青い炎に焼ける《剣》を確認し、撤退する《ガンヴィート》。《剣》の最期の咆哮が静寂の支配する会場に大きく響く。

 

「更に4マナで《解体人形ジェニー》を召喚。効果で委員長の手札の《ミツルギブースト》を墓地へ捨て、ターンエンド」(マナ11)

 

手札0、バトルゾーン0。最初は誰がどう見ても勝利目前であった委員長は、シノビの奇襲により今や完全に劣勢となってしまった。

このドローに賭けるしかない、と慎重に山札へと手を伸ばし、一番上のカードを指先で掴む。

 

「・・・・・・ドロー、・・・・・・・・・・・・ターンエンド」

 

アニメや漫画の主人公なら、引けていたかもしれない。

だが、現実は非情だ。

委員長はこのターンで盤面をひっくり返せるようなカードを、引くことは出来なかった。

 

「ドロー、《フェアリー・ライフ》をマナに、4マナで《フェアリー・シャワー》、効果で山札の上から 2 枚を見て1枚を手札に、1枚をマナに。2マナで《傀儡将ボルギーズ/ジェニコの知らない世界》、効果でランダムにハンデス」(マナ13)

 

しかし雪は徹底して委員長の逆転の可能性を潰す。もしあの手札のカードが万が一にも《ボルシャック・ドギラゴン》や《革命の鉄拳》であった場合、押し切られてしまう可能性がある。それならば油断は禁物、確実に勝ちに行く。

 

「手札の《メンデルスゾーン》を墓地へ」

「5マナで《超次元ドラヴィタ・ホール》、効果で墓地の《傀儡将ボルギーズ/ジェニコの知らない世界》を手札へ加え、超次元ゾーンから《時空の不滅ギャラクシー》をバトルゾーンへ」

 

《ガンヴィート》の様に空間の裂け目から出現する《ギャラクシー》。機械で出来た天使は主を守護するように雪の目の前に降り立った。

 

「ターンエンド」

「・・・・・・ドロー・・・・・・、ターンエンド」

 

カウンターカードが引けない。攻撃出来るクリーチャーを出した所でシノビに防がれる。委員長はただただ、カウンターカードがハンデスされないよう、引いたカードを雪にハンデスさせるのが精一杯だった。

 

「ドロー、《超次元フェアリー・ホール》をマナへ、2マナで《傀儡将ボルギーズ/ジェニコの知らない世界》、効果でランダムにハンデス」

「《剣》を墓地へ」

「更に4マナで《Dの牢閣 メメント守神宮》をバトルゾーンに、ターンエンド」(マナ14)

 

雪が《メメント守神宮》を展開したことにより、風景のフィオナの森が黄金に輝く《メメント守神宮》へと切り替わる。念には念をと展開した《メメント守神宮》はシノビや超次元獣といった雪のクリーチャーに防衛の力を与える。

 

「ドロー・・・・・・ターンエンド」

 

委員長の顔付きが変わる。遂にカウンターカードを引いたのだ。委員長は手札の《ボルシャック・ドギラゴン》がハンデスされない様に祈る。

しかし、それはすぐに無駄なことだったと理解するはめになる。

 

「ドロー、《ミスト・リエス》をマナへ、7マナで《テック団の波壊Go!》を唱えます。効果はコスト5以下のカードを指定します」

「・・・・・・5以下?」

 

――・・・・・・バトルゾーンにそもそもクリーチャーが居ないのに何で・・・・・・?

――・・・・・・んん・・・・・・?

 

「そうか、雪ちゃんの狙いはそれだったのか・・・・・・!」

 

委員長や会場に居る憐のような観察眼に長けたデュエマプレイヤー以外の生徒は疑問に思った。

バトルゾーンにあるコスト5以下のクリーチャーなど、委員長のバトルゾーンに存在しないからだ。

そして、雪は具体的に何を対象にしているのかを声に出す。

 

「委員長さんの《禁断》に付いている封印を全て、手札へとバウンスします」

「・・・・・・あっ!」

 

《禁断》に付いている封印はルール上全てコスト1のカードとして扱う。その裁定を雪は利用した。初めから、全てこの為の時間稼ぎだった。

相手が《禁断》を解放してくれれば良かったのだが、それまでにドラゴンの猛攻を完璧に凌げるとは思っていなかった。

だからこそ、雪はシノビやハンデスを使い、委員長の打てる手を次々と消去していった。《禁断》が除去出来る環境が揃うまで。

 

《禁断》が解放され、委員長の背後にあった石像の石の杭が全て外れる。石像も茶色から色を取り戻し、緋色の槍を持った赤い悪魔の様な姿をした《ドキンダムX》へと覚醒する。

力を見せつけるかのように《ドキンダムX》が天へと咆哮すると、雪の場の全クリーチャーへと持っている槍と同じ形状の槍が降る。

 

「バトルゾーンの7体のクリーチャーに封印を付けます」

 

――山札残り1枚・・・・・・!

――ギリギリだぞオイ・・・・・・!

 

山札残り1枚となった雪は、この試合を自身の勝利で終わらせる必殺の1枚を使用する。

 

「そして残りの7マナを使用し、《超次元ガード・ホール》を唱えます」

 

《超次元ガード・ホール》。その効果は光か闇の種族にコマンドを持つコスト10以下のサイキック・クリーチャーを出すというモノなのだが、今回の雪の狙いはそっちではない。

 

「その効果で、《ドキンダムX》をシールドへ送ります」

 

天から《ドキンダムX》へ向けて青白い極光が降り注ぐ。光はバトルゾーンだけでなく、プレイヤーと観客を巻き込んで、会場内を白く染め上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて光は収まり、雪は閉じていた目をうっすらと開ける。

 

 

 

 

 

 

目の前には地面に突き刺さっている《ドキンダムX》の持っていた槍と宙に浮いている『WINER YUKI』の表記。

 

「勝者、白菊 雪!」

 

審判を勤めていた教師の発言と共に、それまで静かだった会場内から歓声が上がった。




文章にすると長く感じますが、まぁまぁ普通の長さの試合です。(もしかしたら感覚が狂っているのかもしれない)

ボランティア終了しました。誘った、もとい騙した生徒会の奴が当日の本番直前に風邪を装い欠席するという許されない行為を犯したりしたのですがね。完全に他の生徒会メンバーと「面倒くせ~・・・・・・」と言いながらやってました。ハイ。

さて、今回の試合内容は『モルネク剣』VS『5c超次元シノビ』となりました。『5c超次元シノビ』はかなりヒヤヒヤしますね。特に終盤の様な山札残り1枚の状況になったりした時とか。
実はこのデッキかなり気に入ってまして、ジョーカーズ15体の攻撃を防いだり、ゴリラ17体の猛攻を防いだりなど、奇跡の様な演出を偶に見せてくれます。
物語中に出てきたこのデッキに《悠久》が入っている理由はゲームセット直前の状況を見て貰えれば分かると思います。

■盾0■山1■マナ15■墓地6■手5(『悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス』、『不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー』、『テック団の波壊Go!』、『光牙王機ゼロカゲ』、『不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー』)■BZ 7+7+1(15)(『斬隠蒼頭龍バイケン』(封印1)、『雷鳴の守護者ミスト・リエス』(封印1)、『解体人形ジェニー』(封印1)、『斬隠蒼頭龍バイケン』(封印1)、『時空の凶兵ブラック・ガンヴィート』(封印1)、『解体人形ジェニー』(封印1)、『時空の不滅ギャラクシー』(封印1)『Dの牢閣 メメント守神宮』)

合ってる筈。本当は友人が《ボルシャック・ドギラゴン》引いた時にサレンダーしたのでそれ以降はそれまでの手札から次の一手を考えてました。なので山札が1枚残ったのは本当に奇跡です。因みに《ガード・ホール》でなくとも、もう一枚《テック団の波壊Go!》があったので、確実にサレンダーされなくとも殺せてました。

次回は凪と家で会話するのがメインでしょうかね?いやまぁデュエルかもしれませんけど。

感想や評価は勿論、しおりを挟んだりお気に入りにして貰えるだけで、作者は相手のターンの始めにクロックを毎ターン出すくらい幸福感を得ます。
次回も宜しくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。