まぁ、どうにかしてみせますよ・・・・・・殿堂め、ちゃっかりXIIまで持って行きやがって・・・・・・
一応次の話からは新制限でやってきます。今回のブライゼは許して下さい・・・・・・
「《ヴォーミラ》の効果により、墓地から2マナで《ドゥスン》をバトルゾーンへ、ターンエンド」(マナ6)
黒の世界に黒き太陽が昇る。見る者を魅了するその美しき姿からは、まるで本当にそこに実物があるかのような錯覚を覚える。
[empty-humanは、カードをドローした]
憐がターンの終了を告げると、即座にempty-humanはプレイを開始する。
先程から迷いのないプレイを見せるempty-humanを見ていた憐は、empty-humanの正体がAIなのではないか?と思い始めた。
デュエマを何年もして来たプレイヤーでさえ、迷いという動作を捨てきることなどまず出来ない。何故なら、プレイヤーが人間であるからだ。人間である以上、思考せずには居られない。速攻デッキであったとしても、何をマナに置くか、どの順で攻撃するか、くらいは考えるものだ。しかし、アレは完全にそんな人間の行動を見せていない。異常だと言えるだろう。
更に、アレは声を出さない。チャット機能を駆使してデュエマをしている。声を出せない障がいを持っているのかも、という予想は元から憐の考えにはない。人らしい迷いが一切ないプレイに言葉を発さず、更に自分でカードを動かす動作を見せない。勝手にCPUが動かしているのだ。
疑わしい点を挙げればきりがない。が、憐の結論はある程度固まっている。
きっと、アレはCPUそのもの。デュエマのVRシステムのバグにより生じたデータなのでは無いだろうか?
憐の推測はあくまでも予想の域を出ない。結論を出すには少々情報が足りないのだ。
[empty-humanは、マナの6枚をタップした](マナ6)
[empty-humanは、《黒神龍ブライゼナーガ》を召喚した]
「う、《ブライゼ》……来るか」
empty-humanは感情を見せない。しかし、そのデュエルからは、確かに相手を倒すという意志を感じる。
勝利、きっとそれが、empty-humanの存在理由なのではないだろうか、と憐は考えた。
[empty-humanは、《黒神龍ブライゼナーガ》の効果を解決]
骸骨の竜が、暗闇の世界で咆哮を上げる。その音波による攻撃を受けたempty-humanのシールドは粉々に砕け、遂にブライゼシュートの力が発揮される。
[empty-humanは、シールドゾーンの5枚を見た]
[empty-humanは、シールドゾーンの3枚を表向きにした]
《ブライゼナーガ》というクリーチャーを一言に纏めるとすれば、それは『危険』だろう。危険を冒すからこそ、反側級の力をあのデッキは持っている。
[empty-humanは、シールドゾーンの 《ハイエイタス・デパーチャ》をバトルゾーンへ出した]
[empty-humanは、山札の上の《龍仙ロマネスク》をマナへ置いた](マナ7)
[empty-humanは、相手のバトルゾーンの4枚をマナへ置いた(マナ10)。《堕魔 グリペイジ》《堕魔 ヴォガイガ》《堕魔 ヴォーミラ》《堕魔 ドゥスン》]
一瞬にして《デ・スザーク》1体となる憐のバトルゾーン。あらかじめこうなるだろうと思ってはいた憐だが、焦りは隠しきれない。
憐はデュエル・マスターズというものについての知識は豊富だ。だからこそ、ブライゼシュートというデッキが一度動けば、相手が逆転する可能性は低いということも、高確率で入っているカードも、全て把握している。
もう既に、《デ・スザーク》による牽制は、何の意味も持たないということも。
「・・・・・・キツイ、な」
[empty-humanは、バトルゾーンの《ハイエイタス・デパーチャ》を墓地へ置いた]
[empty-humanは、シールドゾーンの《コクーン・シャナバガン》をバトルゾーンへ出した]
[empty-humanは、山札の上の《コクーン・シャナバガン》をマナへ置いた](マナ8)
[empty-humanは、山札の上の《偽りの王 ヴィルヘルム》をマナへ置いた](マナ9)
[empty-humanは、マナの《怒流牙 サイゾウミスト》を手札へ加えた]
[empty-humanは、バトルゾーンの《コクーン・シャナバガン》を墓地へ置いた]
第一陣では、堕魔が全滅。続く第二陣はマナ加速と回収により体制を整え、更に――
[empty-humanは、マナの《偽りの王 ヴィルヘルム》をバトルゾーンへ出した]
[empty-humanは、マナの《龍仙ロマネスク》をバトルゾーンへ出した]
大地から、2体のドラゴンが現れる。多色のドラゴンの中でもかなりの強さを誇る凶悪な効果を持つ2体の龍を前に、憐は笑っていた。
5cでここまで強く動くプレイヤーは、今まで目にしたことが無かった。雪も5cを扱えると言うが、正直、これよりとは思えない。自分には、今の自分のデッキでは、腕では、コイツには、勝つことが出来ない。憐の浮かべた笑顔はそういった諦めの表れであった。
[empty-humanは、《爆殺!! 覇悪怒楽苦》の効果を解決]
[empty-humanは、シールドゾーンの《爆殺!! 覇悪怒楽苦》をバトルゾーンへ出した]
[empty-humanは、相手のバトルゾーンの5枚を墓地へ置いた。《卍 デ・スザーク 卍》《堕魔 ヴァイシング》の進化元《堕魔 ドゥポイズ》《堕魔 ヴァイシング》の進化元《堕魔 ヴォガイガ》《堕魔 ヴァイシング》の進化元《堕魔 ヴォーミラ》《堕魔 ヴァイシング》]
黒き太陽が、沈む。巨大なスクラップ・マシーンに掛けられた黒き朱雀の姿は、見るも無残な形へと変容していた。
[empty-humanは、山札の上から 5 枚をみた]
[empty-humanは、バトルゾーンの《爆殺!! 覇悪怒楽苦》を墓地へ置いた]
[empty-humanは、見ている《偽りの王 モーツァルト》をバトルゾーンへ出した]
[empty-humanは、見ている4枚を山札の下へ置いた]
龍以外の戦場に立つ者を殺す竜を統べる偽りの王。身体に纏った鎧は色とりどりに輝き、深い闇の空間にわずかな光を齎す。
しかし、その光が憐を救う訳でも無い。寧ろ、巨獣の軍団は、憐にとっての絶望でしかない。
[empty-humanは、《龍仙ロマネスク》の効果を解決]
[empty-humanは、山札の上の4枚をマナへ置いた。《偽りの王 ヴィルヘルム》《ハイエイタス・デパーチャ》《ハイエイタス・デパーチャ》《ハイエイタス・デパーチャ》](マナ10)
仙界に佇む龍は、空の人間へ恵みを与える。過剰な恵みは土地を傷ませ、マナは徐々に減るだろうが、そんなものは些細なことでしかない。
[empty-humanは、《偽りの王 ヴィルヘルム》の効果を解決]
[empty-humanは、相手のマナの《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》を墓地へ置いた]
[empty-humanは、《偽りの王 ヴィルヘルム》の効果を解決]
[empty-humanは、山札の上の《ボルバルザーク・エクス》をマナへ置いた](マナ11)
《ヴィルヘルム》により、憐のマナが削られる。一方は恵みを、一方は災害を。流石は高コスト多色ドラゴンと言った所だろうか。
[マナの《フェニックス・ライフ》を墓地へ置いた](マナ10)
[empty-humanは、ターン終了した]
「ドロー」
憐のターン。山札からカードを引く。何が来ても勝てる気がしない。殆ど諦めてはいる。しかし、憐はサレンダーを、絶対に、100%勝てないという場面以外ではしたくなかった。
だから今、この場に立ち続ける。
「8マナ、《デ・スザーク》を召喚っ」
暗黒の朱雀が再び飛翔する。が、今の《デ・スザーク》には本領発揮に必要な魔導具が存在していない。cipで単体除去出来る程度のクリーチャー。
「《デ・スザーク》の召喚時効果で、《モーツァルト》を破壊」
[empty-humanは、《偽りの王 モーツァルト》を墓地へ送った]
これが、憐の精一杯の足掻きだった。あの場面で最後に《デ・スザーク》を引いたのは、もしかしたら、クリーチャーが応えてくれたのかもしれないなと、現実味の無いことを憐は考えていた。
もし、もしも相手が呪文を封じて来なければ、次のターンを凌げる可能性が無い訳でもない。
が、あまりにも確率的に有り得ないことである。自分のシールドが全てトリガーであったとしても、猛攻を防ぐのがやっとといった所だろうか?
或いは、このデッキに2枚入っている《ガリュザーク》、1枚はマナにあるが後1枚がシールドに入っていれば・・・・・・もしかしたら。
「ターン、エンド」
だが憐は冷静に自分の敗北を分析する。次に相手は高コストのクリーチャーを出して来たとして、何を出されたら確実に敗北するのか。
《龍世界 ドラゴ大王》、《光神龍スペル・デル・フィン》・・・・・・この2枚がまず真っ先に思い付く。呪文とクリーチャーを封じられれば完全敗北だ。特にキツいのは《スペル・デル・フィン》だろう。
[empty-humanは、カードをドローした]
[empty-humanは、手札の《コクーン・マニューバ》をマナへ置いた](マナ11)
[empty-humanは、マナの10枚をタップした]
[empty-humanは、《勝利宣言 鬼丸「覇」》を召喚した]
「・・・・・・あぁ、」
すっかり忘れていた。スピードアタッカーでT・ブレイカーでEXターンを得ることの出来る違法レベルのカードが入っていることを。
[empty-humanは、《勝利宣言 鬼丸「覇」》でプレイヤーを攻撃]
[empty-humanは、《勝利宣言 鬼丸「覇」》の攻撃するときの能力を発動]
《勝利宣言 鬼丸「覇」》のEXターン獲得方法は簡単だ。山札をお互いに捲って、自分のカードのコストが相手より高ければ良いだけ。あのデッキならば常に8以上でなければ勝てないと思った方が良い。
[empty-humanは、山札の上から 1枚を表向きにした。《「覇道」の頂 シュラ・ベートーベン》]
「ガチンコ・ジャッジ・・・・・・《デ・スザーク》」
[empty-humanは、表向きの《「覇道」の頂 シュラ・ベートーベン》を山札の下へ置いた]
憐は、表向きにされた《卍 デ・スザーク 卍》を山札の下へ置く。これで相手はEXターンを獲得。これで本当に《ガリュザーク》1枚頼みだ。
[(ガチンコ・ジャッジ結果)(10)empty-human《「覇道」の頂 シュラ・ベートーベン》vs(8)俺《卍 デ・スザーク 卍》]
[empty-humanは、《勝利宣言 鬼丸「覇」》の効果を解決]
[《勝利宣言 鬼丸「覇」》は、相手のシールドを3枚ブレイク]
竜の上から放たれた太刀による斬撃が、憐のシールドを襲う。
トリガーは・・・・・・ある。あるのだが――
「S・トリガー《テック団の波壊Go!》。効果で「覇」を破壊」(シールド2)
[empty-humanは、バトルゾーンの《勝利宣言 鬼丸「覇」》を墓地へ置いた]
もう、そんなものでは止まらない。憐の敗北を書き換える程の力を持っている訳ではない。
[empty-humanは、《偽りの王 ヴィルヘルム》でプレイヤーを攻撃]
[《偽りの王 ヴィルヘルム》は、相手のシールドを2枚ブレイク]
来て欲しい。そう願い、シールドを見る。
「何も・・・・・・無いです」(シールド0)
無慈悲にも骸の竜が憐の下へ、この決闘の終止符を打ちに進行する。
嘗ての生命力を失いつつも、骸骨の竜は主人の命令を実行する。空の人間に脱け殻の竜。どちらも空となった器同士。お互いにお互いが失った者であることを理解して主従でいるような、ただのカードゲームだというのに不思議とそんな気がした。
[empty-humanは、《黒神龍ブライゼナーガ》でプレイヤーを攻撃]
憐の目の前に広がる風景が、インクが零れたかのように黒く染まる。
全ては審判の日の為に――
「・・・・・・あ、れ」
気付けば、帰り道の途中で憐は立っていた。
雨は徐々に止んでいるようで、傘へと落ちる雨音は先程よりも静かだった。
何か、忘れているような気がする。ここで何かがあったような・・・・・・
「考えごとをしていたんだっけ・・・・・・?」
ボーっとしていたのは、考えごとに集中し過ぎていたからだろう。きっと。そう思うことにして憐は前へと歩き始める。
「何でこんな安心してんだろ、俺」
胸に抱いた恐怖の理由を、深く考えようともせずに。
遅くなりました。来年には受験生ですから、英語の勉強が忙しくなって来ました。決してALTER EGOにハマり過ぎて執筆が止まりかけた訳ではない。決して。
今回は見事殿堂発表で殿堂入りを果たしてしまったブライゼ君VS魔導具(調整中)のデュエルでした。そう、憐のこの魔導具、彼が弄くって一時放置してたデッキで完成していないんですね。しかも水魔導具も入っていない。勝てる筈が無かった。
次回は竹宮さん側、material worldの方を更新する予定です。デュエマ描写がもしかしたら・・・・・・まぁ、もしかしたらですけどね。
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