龍雅家の水神さん   作:リュオネイル

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え~、今回は話の展開上、内容が薄いし進んでいないかと思います。
それでも楽しんでいただけたら幸いです!


第3話

 

「ふぇぇ……もう電車もバスも、当分乗りたくないよぅ……」

「足代は貸しだぞ、冬空コガラシ」

「くそう、また借金が増えちまった……!」

 

 幽奈が連れ拐われたことを聞いた俺たちは、雨野から借金をしてなんとか長野の『立入禁止』と書かれた場所まで来ていた。

 

「この中か!?」

「あぁ。誅魔忍軍の資料によれば、龍雅湖とは日の光の届かぬ地底湖らしい」

「な……なんか空気がヒンヤリしてるね……」

 

 こゆずの言う通り、洞窟の奥へ進むと肌寒く感じるほど空気が冷えるのが分かる。そして、洞窟の奥へ進むと出口らしき光が見え、その先に行くとかなり広い湖の中心に江戸時代にありそうな感じの城が見えた。

 

「そして、その畔に佇むのが黒龍神の城『龍雅城』。頭上の灯りはおそらく全て妖怪・釣瓶火だな……。城内にも配下の妖怪がごまんといるだろう」

「洞窟ン中にこんなモンが……!」

「うぅ……なんだか寒気がしてきたよぅ……」

 

 だけど、幽奈があそこに囚われているんだ……ぜってぇに助けねぇとな!

 

「……少々備えておくか」

 

 俺が龍雅城を睨みながら決意すると、狭霧は両手で印を結ぶ。すると狭霧の体から突如煙が上がった。

 

「狭霧!?」

 

 突然のことに驚く俺。やがて煙が収まると、そこには黒が主体の全身タイツ姿の狭霧が現れた。

 

「(全身タイツ……!?)」

「じろじろと見るな……!」

 

 予想もしなかった姿に驚く俺に苦無(クナイ)を構える狭霧。

 

「な……なんだよその格好!?」

「狭霧ちゃんカッコイ~!」

「最近習得した術でな。“霊装結界”という。身に着けている限り、あらゆるダメージを肩代わりしてくれるという代物だ。この先どこにどんな罠があるかわからんからな」

 

 たしかに……俺も出来ることなら、習得してみてぇな。修行したら習得できるかな?

 

「問題はここからだ。私が警備の目を掻い潜り、幽奈を連れ帰ることはおそらく可能……。だが、それではまた黒龍神たちが幽奈をさらいに来るやもしれん……」

「そんな……!」

「ん~……それなんだけどな、こういうのはどうだ?」

 

 俺は狭霧とこゆずにここに来るまでに考えていた作戦を話す。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

「…………」

 

 玄士郎さまたちが部屋を出ていってから、どれくらいの時が経ったのだろうか。あれから幽奈さんは柵の外を見てはため息をつくばかり……。

 

「……あの、幽奈さま」

 

 僕はそんな幽奈さんに話しかける。すると幽奈さんはハッと我に返って僕の方を向く。

 

「あっ、は、はい!なんでしょう?!」

「……その、僕がこう言うのもなんですけど……数々の無礼、失礼しました」

 

 僕は正座のまま手を立てて頭を下げる。有り体に言えば、土下座をした。僕のいきなりの謝罪に慌てる幽奈さん。

 

「えぇ!?あっ、あのっ!どうか頭をあげてください!?」

「いいえ。強い龍雅家を作るためとはいえ、嫌がる幽奈さまを無理矢理嫁入りさせるような真似をしてしまい、申し訳なく思っております」

「た、たしかに、会ったばかりの人のところにお嫁にいくというのはちょっと驚きましたけど……」

「承知しております。ですが、これも我が龍雅家を強く、安泰にするため……幽奈さまには、是が非でもここに嫁いでいただきたいのです」

 

 僕が幽奈さんに頼んでいることは、人として失礼なことだと思う。だが、頭では分かっていてもどうしようもないのが現状なのだ。

 

「……あの、なら一つ……お聞きしてもよろしいでしょうか」

「はい、僕に答えれることならばなんでも」

「どうして、あなたはそんな悲しそうなお顔をしてらっしゃるんですか……?」

「っ。……そんな、顔をしてましたか?」

「はい。……その、あの人が色々な物を着せているとき、どことなく寂しそうな顔をしているのが見えていたので……」

 

 あぁ、やっぱり見えてたか……これでも抑えてた方だと思ってたんだけど……やっぱり顔には出ちゃってたか。

 

「話す前にお願いがあるのですが……玄士朗さまや朧さまには、言わないでくださいね?」

「え?……は、はい」

「では……幽奈さまと、似ているんですよ」

「似ている、ですか?誰とですか?」

「話すと長くなるのですが……」

 

 僕が幽奈さんに“あの事”を話そうとしたその時だった。

 

「おいコラ色ボケ黒龍神!幽奈を解放しろー!」

 

「ッ!?なんだ?」

「コガラシさん!?」

「コガラシ……?ということは、やはり幽奈さまを取り返しに来たわけか……」

 

 僕が外の騒ぎに耳を傾けていると、襖を勢いよく開けて配下の魚人妖怪が入ってきた。

 

「オロチ様!ただいま城門にて、不審な人間を取り押さえました!」

「そうか。やはり幽奈さまを取り戻しに来たか。……で、その賊は?」

「ハッ!現在、玄士朗様と朧様の前に連行いたしました!」

 

 玄士朗さまと朧さまが、か……まぁ、幽奈さんを取り返しに来たくらいだから、何かしらの力があるとみてもいいが、朧さまが側にいる。あの方ならば何かあっても対応できる。

 

「分かった。お前たちは城の周りの警備を固めろ。念のため、仲間がやってこないとも限らん」

「ハッ!」

 

 僕が指示を出すと、魚人は敬礼をしてその場を去った。

 ……さて、と。それじゃあ僕も、動くとしようかな。どうやら()()()()()()()がいるみたいだからね。

 

「申し訳ありません、幽奈さま。僕はこれから仕事に向かいます。何かありましたら、すぐに駆けつけますので」

「え、あ、あの!?」

 

 困惑する幽奈さんを他所に、僕は襖を開けて部屋を出ていった。




次回は(もしかしたら)明日に投稿しまーす!
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