尚、この小説を書いているときかなり頭が痛かったです……(ヤバイですね☆)
今回、かなりグダグダな気がしますが、目を瞑って読んでください!(懇願)
それでは、今回も本編を、どうぞ!
『朧。生まれは違えど、あなたもあの方の子……。私の子も同然と思っているわ』
まだ私が幼い頃。奥の間に呼び出された私の前には、大きな簾があり、その向こうから女性の声が聞こえる。当時の黒龍神様の奥方であり玄士郎さまの母上の御前様だ。
『勿体のうお言葉にございます、御前さま』
私は跪いたまま返す。御前さまは不安そうに言葉を漏らす。
『……今のままではいずれ、外の神々に敵うものが玄士郎ただ一人になってしまう。朧……玄士郎を一人にしないで。強い龍雅家を作って……!』
『承りました、御前さま。ありとあらゆる手段を厭わず、龍雅家を強く……!』
『よくぞ言いました、朧。……そこで、あなたに紹介したい方がいるの』
紹介……?私に?新しくお目付け役を仰せつかった者か……?
私が御前さまの言葉を脳裏で反芻しながら考えていると、御前さまは声を掛ける。
『オロチ。入りなさい』
『ハッ、御前さま』
御前さまの言葉に横の襖から少年の声が聞こえ、振り向くと横の襖が開き、肩まで伸ばした黒髪に右目に私と同じ刀の鍔を眼帯にしている見た目は私と同じ位の男子だった。
『朧。この者が、これからあなたと共に玄士郎を守っていく従者。名はオロチです』
『お初にお目にかかります、朧さま。オロチと申します。以後、お見知りおきを』
そう言って指をたてて頭を下げるオロチ。……見たところ、ごく普通の少年のようだが……。
『朧、オロチはとある事情でこの姿になってはいますが、いずれは龍雅家にとって大きな戦力となるでしょう。勿論、あなたもですよ、朧』
『ハッ!』
御前さまの言葉に、私とオロチは頭を下げる。そして私は決意した。龍雅家を強く、どこにも負けないくらいに強くすると。そのためならば……。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「さて、幽奈と狭霧を解放してもらおうか」
そう言いながら冬空コガラシは肩を回しながらこちらに近づいてくる。
「こ……こここコガラシ……さん……!?」
「信……じられん。いったい何が……!?」
冬空コガラシの仲間である幽奈さまや狭霧とかいう娘も目を見開いて驚いている。すると、他の魚人妖怪たちも騒然としていた。……致し方ないこと。よもや、玄士郎さまが倒されるとは思っても見なかったのだから。
「お……お逃げください、朧さま!!オロチさま!!玄士郎さまを下す相手など、我々ではとても……!」
「……幽奈さまと狭霧さまは渡せん」
「しかし……!」
私の言葉に狼狽える魚人妖怪の肩に手を置くオロチ。
「ここは僕たちに任せて。君達は玄士郎さまを」
「は……ハッ!!」
「御武運を……!」
魚人妖怪たちはそう言って玄士郎さまが飛ばされた方向に走り出した。
対する冬空コガラシは退治する私たちを見て問う。
「……やる気か?」
「下郎めが……!」
私は冬空コガラシを怒気を発しながら睨みつけ、呟くと瞬時に冬空コガラシの背後に移動し、腕を刀に変化させて背中を切り裂く。
「っ!?」
「私は先代黒龍神の尾より生まれ出でた護り刀──神刀・朧」
「……俺は、冬空コガラシだ」
冬空コガラシはそう言って拳を振るう。私は瞬時に避けるが、その拳圧は凄まじく、胸元の着物が破れ始めた。
「私の本気の斬撃ですら薄皮一枚斬れぬとは……嫌になる程頑強だな」
私は冬空コガラシの拳打を避けながら分析する。
「そしてこの拳撃……。玄士郎さまは狭霧さま以上の結界を何重にも纏っている。それを只の一撃で全て破り尽くしたということ……!まともに喰らっては、私では塵も残らぬだろう。だが、勝算はある」
冬空コガラシの拳打を避けてはいるものの、その拳圧は凄まじく、徐々に胸元の着物が破れていき、ついにその下が露となってしまった。
「「女だけは殴れぬ」……と」
「……。お……オマエ、女だったのか!?」
「やはり気付いてなかったのだな……!」
予想はしていたが、実際に驚かれると存外腹が立つものだな……!私は予備の布でサラシを巻きながら怒気を孕ませながら呟く。
「こっ、コガラシさん!?どうみても女の子じゃないですか!」
「(女だったのか……!)」
幽奈さまはいつからか気付いていたらしく、狭霧さまからは言葉に出ずとも驚かれているような気がする……。
「……斬る!」
「朧さま」
私は片手を刀に変化させながらまた斬りかかろうとするとオロチがそれを止めた。
「む……?オロチか」
「朧さま。確かに朧さまでは、冬空コガラシは殴れないでしょう。しかし、捕らえられてしまえばそれで終わりになってしまいます。ここは、僕に任せてはいただけませんか?」
「……おまえに、か……」
……確かに。私の本気の斬撃すら通さない頑強さだ……。私がイタズラに斬り続けてもいつかは捕らえられてしまう。
「……分かった。お前に任せよう」
「お任せください」
オロチはそう言って冬空コガラシに向かって歩き始めた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「なんだ?次はアンタが相手か?」
僕がコガラシに歩み寄ると、コガラシは拳を閉じたり開いたりしながら聞く。
「うん、そうだよ。言っておくけど、朧さまと同じ風だと考えない方がいいよ」
「そうかよ。どっちにしても、幽奈と狭霧は返してもらうからな」
「ハハッ、ずいぶんと強気だねぇ……
僕は脳裏にあの男の姿を思い浮かべながら目を細めてコガラシに聞く。
「……?なんのことだ?」
「あぁいや……知らないならそれで構わないよ。僕の正体を聞けば、嫌でも思い出すと思うけど」
そう言いながら僕は刀を抜きながらコガラシに歩み寄る。
「……テメェの、正体?」
「……今すぐ、見せてあげるよ」
僕はそう言うと一気に距離を詰め、すれ違い様に刀を横一閃に振るう。が、コガラシから少し離れたところで立ち止まり、刀を見ると刀身が大きく折れていた。
「あちゃ~……妖怪が打ち鍛えた妖刀なのに、こんなにポッキリと……流石は、朧さまの本気の斬撃でも斬れない頑強さ、感心するよ」
「そうかよ。で、どうすンだ?もうこれで降参か?」
「いやいや、決断が早すぎるよ。まだ僕は負けてないからね」
僕は笑顔で言うともう一本の刀を抜いてコガラシとの距離を詰め、今度は縦振りに振るう。案の定、刀は鍔の上から数㎝残して刀身が折れた。
「……これで、テメェの武器はなくなったな。そんじゃ、次はこっちから……」
「アハハッ、君ってせっかちさんかな?……誰の武器がなくなったって?」
「ぁ?……っ!?」
コガラシは僕の言葉に不信感を抱いたのか、眉間にシワを寄せる。すると何かを察知したのか、その場から大きく後ろに飛び退いた。
その次の瞬間。さっきコガラシがいた位置に龍の頭の形をした水の塊が襲い掛かってきた。
「な、なんだっ!?」
「おぉ、勘がいいね!まさか今のを避けられるとは思ってもなかったよ!」
突然の攻撃に目を見開いて驚いているコガラシ。僕も今の攻撃を避けられるとは思っておらず、手を叩きながら喜ぶように驚いた。
「……テメェ、一体何者だ?」
「僕はね……オロチ。でもそれは、この姿での仮の名前。本当の僕の名前は……
水の神にして日本神話にその名を轟かす伝説の生物────『八岐大蛇』だよ」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「や、八岐大蛇……だと!?」
優男──オロチの正体の名に俺は目を見開いて驚く。
『八岐大蛇』──日本神話を知っている者なら、その名を知らないヤツはいない。それほど有名なヤツだ。
でも、たしか八岐大蛇って大昔に退治されたはずじゃ……?
「正確には、退治されても魂までは滅せないんだよ」
オロチが俺の心を読んだかのように話し掛ける。
「そもそも、僕たち伝説の生物や妖怪、神などは倒されて肉体は滅んでも魂だけは現世に残って、力を蓄えるんだ。やがて長い年月を経た魂は力を取り戻して、肉体を取り戻すんだよ」
「そうだったのか……ってことは、お前はもう力を……」
「いや、僕はまだ完全には力を取り戻せてはいないんだ」
「な……っ!?」
オロチの言葉に俺は驚いた。ならなんで……!?
「確かに僕の力は完全には戻っていない。……でも、僕の場合はある程度力を取り戻せば肉体を持てるようになるのさ。その代わり、本来の力を取り戻す時間が長くなっちゃうけどね」
また俺の心を見透かしたように話す。クソ……アイツ、人の心を読む力でもあるのか!?
「……それで、どうするつもりだよ?オロチさんよ……」
「そうだね……それじゃあ……『我』の実力を試させてもらおうか」
ん?……今、アイツの雰囲気が少しおかしくなかったか……?
オロチの雰囲気が変わったと思ったら霊力が大きく跳ね上がり、その反動で地面が揺れた。
「おっとと……!?」
「なっ、ななっ、なんですかぁ!?」
「あ、あの男の雰囲気が変わったと思ったら、急に地面が……!?」
近くにいた幽奈や狭霧たちも突然の異変に戸惑っていた。やがて揺れが収まり、普通に立てれるようになってオロチの方を向くと……そこには、驚くべき姿のオロチがいた。
腰まで伸ばした黒髪は七つの龍の頭の形をした水の塊になり、手足には黒い鱗のようなものが生え、肌の色は死人のような青白さに変貌していた。
「ふぅ……このような姿を見せるのは、いつ振りか……」
オロチ……いや、八岐大蛇は薄ら笑みを浮かべながらそう呟いた。
感想と高評価、どうぞよろしくお願いします~!( ゚∀゚)ノシ