今回は主人公の東風谷蒼汰がなんで雄英ヒーロー科に入れたのかは書いていません。どうやって入ったかというとヒントはタグの原作じゃない方ですね。
中学生3年生のあの日、
真っ暗な場所からスーツを着た男たちによって口汚く罵倒されながら光指す其処へ引きずられるかのように力づくで連れ出されつつも俺は過去を思い出し、過去を顧みる。
ただ一つ、ただ一言でもあの日の俺に言うことができるとするならば。俺はこう告げるだろう。
「
と。
「
光の中から出てきた見覚えのあるほっそりとしたシルエットがそこからそう俺を呼ぶ。呼びかけに対して口を動かして答えようとするも、口は糸で縫い付けられでもしたかのように全く動いてくれない。それもそうだろう。今の俺は両手両足全ての骨を折られ、そのまま数日?数週間?それすらわからないほどずっとこの倉庫の奥底で何も与えられず、すでに物言わぬものとして放置されていたのだから。死ぬ一歩手前まで衰弱しているのが医者でも何でもない自分でもわかる。そして大方この折られた骨を元通りのきれいなものに治すことはかなわないだろうということも。そして俺がもう一度”
「彼はあの組織の一員じゃない。ましてや
シルエットはそう言って俺を無理やり引きずってきた刑事たちに訴える。刑事たちは少し困惑した様子だった。それもそうだろう。両手両足の骨を折られているとはいえ俺がヒーローでもないのにこの場にいることはおかしいのだから。
「頼む。この通りだ。」
しかし、刑事たちの前で頭を下げた彼の思いをくみ取ったのか、それとも何か別の目的でもあるのか。刑事たちはその場に俺を置いて立ち去って行った。
「しかし、東風谷青年。」
彼が俺にそう声をかける。しかし、俺は彼と目を合わせたくなくて、合わせることができなくて、そのまま顔を伏せたままでいた。呼びかけに答えることなく、力なく項垂れたままの俺を見てシルエットは何かを察したのか、そっと俺の肩にその嘗て彼が携えていたのものとは到底かけ離れた骨ばったその弱弱しい手を置いた。
「つらかっただろう。キツかっただろう。だけどもう君が守ろうとし続けた彼女と君の安全は大丈夫だ。君が自分を犠牲にして守り抜いた彼女は既に警察の方で保護したし、ここには私と…」
彼がそう言うと、彼の横に上から現れた緑色のジャンパースーツに体への負担を抑えるためのサポーターと蹴り技を使うためのアイアンソールを身に纏った青年が現れ、フードを外してからにっかりとした笑顔で
「僕が来たから!!」
嘗ての平和の象徴を受け継いだそのまぶしい笑顔を俺に見せた。
これは幼馴染の俺と同じ無個性で夢を笑われても、それでもなお夢を描き続けて最終的にすべての宿縁を消し飛ばすと同時に夢をかなえたアイツと、無個性でもヒーローを、”空”を目指した俺の熱い高校時代の物語。
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