ユグドラシル
「ぐむ・・」
「珍しいね彰君、君がそこまで傷付いて戻ってくるとは」
「いくらなんでもヘルヘイムの樹海の水棲インベスをあれだけ相手にするのはあれなんだが」
「はは」
なんとか戻った彰は凌馬に今回のことを報告した。
「ふむ・・」
それを聞いた凌馬はある物を見て、何か思いつき、それを持って研究室を出る。
その頃、貴虎のところではまだマナがマキを折檻していた。
「お話中の所悪いんだけどちょっといいかい?」
「何よ?プロフェッサー」
そこに凌馬が入ってきて、マナを宥め、貴虎にこう言った。
「貴虎、前に話した例の一件について少し彼女を借りたいのだが」
とマキを借りたいと言ってきた。
「はあ!?」
当然マナは怒りながら問いただした。
「まあ、そう怒らないでくれたまえよマナ。
これでも私はマキに名誉挽回のチャンスを与えるつもりだけだからね」
凌馬は怒るマナにこう答えた。
「何?・・・成程ね・・・そういう事ならいいわ」
凌馬の理由を聞いてマナはなんとか落ち着きを取り戻し、不敵に笑った。
凌馬がマキに与えた任務とは、凌馬ある物をマキに見せた。
マナは
「何?その古臭い絵は?」
その西洋で描かれたような、古い絵が描かれた資料を見て言った。
そこには、船を破壊しているタコや海で暴れるサメなどが描かれていたまるで手配書のようだった。
凌馬はマキに
「この中に描かれている怪物は、中世の時代に悪名を轟かせた怪物だ。この六体の怪物がヘルヘイムの海の何処かにいるらしい。いや、正確に言えばその怪物の元になったインベスがいるという方が分かりやすいかな。マキ、君には瑠峰くんと協力してこの六体の怪物を全て探し出して欲しいのだよ」
という任務を与えた。
「なるほど、報告にあった海にその怪物がいるということは、中世時代からクラックが現れていたということになる」
「その通りだよ」
貴虎は凌馬の意見に納得し、彼女を見てしばらく考え、
「マキ、これが最後だと思え。もし、六体全部見つけられなかったら・・分かっているな」
貴虎はマキにそう言うと、マキは了解した。
凌馬はマキにあるロックシードを二つ渡す。
「これは?・・」
「新作のロックビークルだ。一応予備も持っていってくれたまえ」
それは新型で水中バイク型ロックビークル、ハスマリナーだった。
もう一つは、予備用である。
「・・・」
マキは、複雑な気持ちになっていた。
実は錬についてだった。
錬の再三の説得で彼女の中ではかなり心が揺らぎ、錬と一緒にいたいという気持ちが出てきていたのだった。