「弘司の奴まだ戻ってきていないのか・・」
俺は未だに戻ってこない弘司の事を心配していた。
「弘司なら一度エジプトに帰りましたよ」
「なぬ?」
アンドリューがそんな事を言ってくる。
「ご両親の墓参りですよ。
それと奏獄寺さん達には黙っていましたが弘司には心から愛している方がいるのです。
その方が父親の仕事の都合とかでエジプトに来ているとの事で」
「はあ」
弘司の奴・・水くさいじゃねえか。
「それで帰ってくる時に連れてくるとのことです」
「は?」
いやいや待てよ、弘司の恋人って父親の仕事の都合でエジプトにいるんだろ?
連れてきていいのか?
「ああ、それなら心配はいりませんよ。
その方の父はお二人の交際を許しているようですから」
「なんと!・・ってかアンドリュー俺の心読んだな」
それってほぼ許嫁じゃねえか。
なんとも羨ましい限りだ。
ピピッ!
「あ、今弘司から連絡が来て明日午前中にはこっちに帰ってくるとの事です」
「そうか」
翌日、俺達は空港に弘司達を迎えに行きベースで帰還パーティーを開いた。
「やあ、錬、皆!ただいま!それと紹介するよ俺の恋人、安藤理恵だ」
「ひ・・弘司君の彼女の安藤理恵です!よろしくお願いします」
「わお・・」
花村さん同様に物腰の柔らかい礼儀正しく返礼してきた。
「それで弘司、安藤さんは・・」
「ああ、彼女はビートライダーズには入らないよ。
彼女の本業は父親を受け継ぐ美術家だからね」
弘司がそう言っていると安藤さんはスケッチブックを広げ一生懸命何かを描いていた。
「お、早速理恵のスイッチが入ったか」
「どれどれ・・」
安藤さんは俺達の今はしゃいでいる風景を描いていた。
「ふわお!」
芸術!安藤さんの絵は非常に上手いといっても過言ではない領域だった。
皆その絵に釘付けになっていた。
「ん?お前等食わないのか?」
・・チキンを一生懸命ほおばっている烈太以外は
「相変わらずだな理恵の絵は」
「もう!弘司君ったら褒めすぎだよ~」
「はは」
笑い合う弘司と安藤さんの光景を見て俺達までも微笑ました。
「・・そうだ!安藤さんに折り入ってお願いが」
「はい、なんですか?」
俺はふと思いつき安藤さんにお願いした。
「今はまだここにはいないんだけどさ、俺にも愛している人がいるんだ」
「その人とあなたの絵・・ですね?」
「ああ」
安藤さんは察してくれたようだ。
いつかマキがこちら側に来る時を信じて俺は安藤さんに絵を頼んだのだ。
「分かりました!その時私全力で描かせていただきますね!」
その頃、ユグドラシル
「ねえ、プロフェッサーにお願いがあるんだけど」
「なんだい?十六夜君改まって」
「そろそろジュフティーの奴を始末する事を許してくれないかな?
いつまでも目障りだからさ」
「そうだね・・彼のデータは十分といえるし・・」
橙成の要望に凌馬はしばらく考える。
「よかろう。ただ面倒事を増やすのはごめんだよ?」
「OK」
凌馬は橙成の要望を了承した。
だが後に面倒事が増える事を未だ知らない。
「十六夜、水野弘司の新しい情報だ」
剛紀が橙成に見せてくる。
「!ほう・・その件は武富、お前に任せる」
「はっ!」
橙成の命を受け出る剛紀。
「ふふ・・あはははっはは!紙粘土の希望は紙粘土以下のものか!・・
この僕がズタボロに引き裂いて壊してやるよ!水野弘司・・ジェフティー!」
橙成の妖しい笑がこだました。
・・・
「これは!?・・」
数日経ってスピリットファラオのベースを訪れるとベース内は荒らされていた。
「・・やられた!・・」
スマホを持って立ち尽くす弘司
「弘司?・・まさか!・・」
俺は弘司の瞳から光が消えた表情を見て推測した。
「理恵が・・実家にも帰ってきていない・・」
「なんだって!?」
思った通りだった。
スピリットファラオのベースをこんなにまでも荒らしているから恐らく・・
「・・許さない!・・絶対に!・・行ってくる!」
「弘司!?待て!俺も・・」
俺の声が届いていないのか弘司はベースを飛び出していってしまった。
「弘司・・僕が追います!」
「ああ、頼んだぞアンドリュー」
彼をアンドリューに任せるしかなかった。
・・・
弘司はヘルヘイムを走っていた。
「!やはり来たか」
ユグドラシルのクラックより少し前で橙成と剛紀が弘司の前に立ち塞がった。
「理恵を・・どうしたあー!?十六夜橙成ぃー!」
「こいつを見な!」
「なっ!?・・」
見ると理恵が木に縛り付けられ剛紀が大量のロックシードでインベスをコントロールし彼女の周りを取り囲み、今にも襲わせようとしているではないか。
彼女は気絶させられている。
「あははははっはは!どうだい水野弘司、この作戦のお味はさあ?!」
橙成は高らかに笑っていた。
「貴様!・・そんな事はさせない!変身!」
弘司は変身しまず理恵を取り囲んでいるインベス達を一掃しようとするが・・ピシュン!
「グッ!?・・」
「おいおい、そんなに易々と助け出せると思ったのかい?紙粘土の分際でえ!」
インベス達に接触する直前にエツィオの矢に止められてしまった。
「ならまずは貴様等を倒す!」
[カシスエナジー♪]
前の戦いでエツィオから奪ったカシスエナジーロックシードを解錠する。
[サモン!ミックス!ジンバー・カシス!ハハーッ!]
ジェフティーはジンバーカシスアームズとなる。
「変身」
剛紀も変身し迎撃してくる。
「うおおおおー!」
ジンバーカシスの能力によりジェフティーのゼロ・シフトが向上する。
「ごっ!?」
鎧武・烈を追い詰める。
「むう!?・・そこまで僕の力を使いこなしているとはね・・でもジェフティーはいいのかい?このまま攻撃しても」
「何がいいた・・ハッ!しまった!?・・」
エツィオにそんな事を言われジェフティーはようやく気が付く。
このまま鎧武・烈を攻撃し続ければ彼の握っているロックシードが落ちインベスの制御が出来ず否応なしに理恵がインベス達に襲われてしまう事に。
「クッ!?・・卑怯な真似を・・」
「そう、お前もお前の両親も甘ちゃんだったよアハハハ!」
ジュフティーはソニックアローを投げ捨ててしまう。
「フッ!僕の勝ちのようだね・・ではさよならだ。
安心しな彼女はまだ生かしといてやるよ結構良い女だからな。だから紙粘土はゆっくり逝きな!」
[LockOn!カシスエナジー!]
「があああああああー!?・・・」
エツィオは自身の非道な作戦により丸腰になったジェフティーを彼は逃さず一撃を放った。
その一撃により変身が解除され木に打ちつけられる弘司。
「がふっ!?・・この・・!?」
せめて苦しまぎれの一撃でインベスを追い払おうと戦極ドライバーに手を伸ばす弘司だがある異変に気付く。
「そんな・・ドライバーが!?・・」
先程、エツィオは放った一撃の後に高速で弘司の戦極ドライバーを狙いもう一発撃っていたのだ。
そのおかげでドライバーは粉々に破壊されてしまったのだ。
「およ?紙粘土以下になっちまったかあ!良い気味だ!あははははっは!」
「ま・・まて・・」
笑いを上げるエツィオと鎧武・烈はインベスを戻し、理恵を抱え社内に戻っていく。
弘司は気を失ってしまう。
「弘司!こんな所に!やっと見つけ・・」
アンドリューがやっとのことで弘司を発見した頃にはもう遅かった。
「いや、まだ脈はあります!間に合う!だけど・・」
血を流す弘司を見て驚くアンドリューだが彼の生死を確認し安堵するが・・彼の壊されてしまった戦極ドライバーをみやる。
「奏獄寺さん達に報告しなければ!バナージ!頼みます!」
アンドリューはユニコーンインベスのバナージを召喚し弘司を抱えたまま乗り帰還していった。
次回!
エツィオ達の策略により瀕死の重傷を負った上戦極ドライバーを破壊、最愛の人を連れ去られてしまった弘司。
錬達は彼の容態を心配する。
弘司は壊れたドライバーを持ったまま彼が初めて調査したエジプトの神殿にいるという夢を見るその中である者に出会い。自身のとある驚愕の真実を聞かされる。
その真実とは!?
「血を受け継ぎし者 中編」