仮面ライダー鎧武~異質な戦種   作:カオスサイン

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EP七十七「異界の神殿Ⅹ 血を受け継ぎし者 中編」

「皆さん!」

アンドリューが大慌てで帰ってきた。

彼の背には大怪我を負った弘司の姿が

「弘司!?おい!・・」

「う・・錬・・皆・・」

「お前は今は安静にするんだ」

「ありがとう・・」

痛みをこらえて気が付いた弘司を俺はソファーに横にさせ応急治療した。

「・・皆さん、聞いて下さい・・」

アンドリューが重い口を開き、こう言った。

「なんだって!?弘司の戦極ドライバーが粉々に破壊された!?」

「なんと!?・・」

「ええ・・」

皆驚いている。

エツィオと鎧武・烈が非道な手段を取り追いつめられたらしい。

そして、俺は嫌な事を思い出してしまった。

遥か昔の事の様に感じるが、白いアーマードライダーに戦極ドライバーを壊され、力の渇望に執着したがゆえにヘルヘイムの果実に手を出してしまい、インベスへと変貌してしまった黒影、レイドワイルドの初瀬亮二の事・・そして俺が最初に倒した少女のインベスの事を・・

このままでは弘司も彼の二の舞になってしまうかもしれない。

だが、そう思う一方でふとある事を思い出す。

煉獄鬼牙・・アーマードライダーネメシスという身でありながら果実にも手を出し、タイラントインベスに変貌したにも関わらず彼は不安定だった初瀬とは違い、完全にインベスとしての力をコントロールしていた。

最悪のパターンを想定しそして・・よし・・

「ちょっと思い当たる節がある・・ちょっといってくるぜ。皆は弘司の傍にいてやってくれないか」

「ああ、いいぜ」

俺は鬼牙の情報を掴む為光流さんを訪ねる事にしたのだった。

・・・

「・・ハッ!?・・此処は・・もしかして・・」

弘司はとある場所に立っていた。

破壊された戦極ドライバーを持ったまま

忘れもしないその場所は彼が両親の死後、初めて調査したエジプトにある神殿の中の一つでありこの戦極ドライバーを拾った場所でもあるのだ。

夢なのだろうか?

「一体なんだって俺は此処に?・・」

弘司はこの神殿の仕掛けを思い出しながら奥へ奥へと進む。

しばらく進んだ先には

「「これ以上この先に進むのならあなたはまた新たな戦いへと誘われるわ」」

「あなたは!」

白い少女が突然現れ、更にこう言ってくる。

「「あなたの生まれた理由はそんな生易しいものじゃないの・・」」

「どういう事です?あ・・」

弘司が聞き返そうとすると少女は消えてしまう。

弘司は再び歩み最深部へと辿り着いた。

「やはり宝物はないか・・」

以前調査した時も戦極ドライバー以外に祀られているはずの宝物はなかった。

それでも他に見落としがあったかもしれないと弘司は引き続き調査しようと乗り出そうとすると

「オ主が思っている様な代物は此処にはもうこのワシが持つ物以外何もありはしない」

「!?」

突如、背後から異形の者が現れる。

「インベス!?・・ではない?何者なんですか?」

「フォッフォッフォ」

朱鷲の様な顔つきで青緑の鎧を着たそれは高らかに笑う。

すると周りがヘルヘイムの風景へと変化した。

でも何かが違った。

「!?」

「ヘルヘイムの渓谷じゃ」

「渓谷?」

弘司は突然の事に驚く。

「っとワシはオーバーロード、トート!」

「トートだって!?・・」

トートと言えば古代エジプトの神の一人ではないか。

「今はこの様な姿になってはいるがね。水野弘司、ずっとオ主を待ちわびておったぞ」

「?」

「なんじゃはじまりのあ奴はほとんど言わんかったのかの?」

トートがいうはじまりのあ奴とは恐らくあの白い少女の事だろうか。

「俺の生まれた理由が生易しいものではないとか言ってたが・・」

「その理由がどうしても知りたいか?」

「・・ああ!」

「フォッフォ!」

弘司の返答を聞き、トートは驚愕の言葉を口にした。

「オ主はこのトートの血を受け継いだ者なのだ!」

「何!?・・」

トートの発したとんでもない一言に弘司は開いた口が塞がらない。

「もしかして俺の両親はこの事を・・」

「当然知っていた。だがオ主の両親が殺された事との関連性は無い」

「・・・」

弘司は暗い顔をする。

「もう今の俺に戦う力は無い・・だけど・・」

弘司は叫ぶ。

「もし本当に俺の中に神の血が宿っているというなら・・世界をこの手で守りたい!」

「それでこそ神の血を受け継ぐ者の心じゃ!」

「え!?・・」

いつの間にか壊れた戦極ドライバーをトートが持ち、なんと修復していたのである。

「ああ!・・」

「ほれ!オ主にはまだ力があるのだ」

トートは修復した戦極ドライバーを弘司に返す。

ベースカラーが黒から青緑に、カッティングブレードは金色に変化していた。

「それと神の血を受け継ぎし者にこれを」

「これは・・」

今迄見た事が無いロックシードをトートは渡してきた。

「さあ、オ主が禁断の果実をどう掴むのか・・行け!我が子孫よ!」

「ま・・まだ聞きたい事が・・」

トートが輝きを放ち、弘司は目を眩ませられた。

・・・

「水野!お前・・」

「・・ハッ!?・・あれ?・・痛くない・・それに・・」

弘司が目覚めて、彼の看病をしていた海崎は驚く。

弘司の傷は何故か完治していた。

トートの血の加護のおかげか?

彼の手には戦極ドライバーとトートから渡されたロックシードが握られていた。

 

 

 

 

 

 




次回!
新たな力を得る事が出来た弘司は自身の戦いに終止符を打つ為、そして最愛の人を取り戻す為ユグドラシルへと一人向かう。
彼の新しい力とは?!
「異界の神殿11 血を受け継ぎし者 後編」
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