「はあ、はあ・・・」
マキは場を離れていた錬を追って走っていた。
自分の嫌な予感を紛らわせる為に。
「これは!・・・錬の!・・・」
ふとマキは足を止める。
そこにはベシルが自分にもしもの時があった時の為にと紅蓮旗が突き立てられていた。
「錬・・・お願い間に合って!・・・」
マキは紅蓮旗を手に取り再び走り出した。
その頃
「クッ!?・・・」
「これで終わらせてあげるわ!」
万事休すか!?・・フレイムバロンの矛先が俺を狙う。
そして彼女がブラッドバナスピアーを振り上げ俺に届く寸前・・
ゴゴゴ!・・
突如地面が揺れ出した。
「な、一体何事!?」
「んなっ!?・・」
マナは突然の事態に驚き、俺は見据える。
その視線の先には・・黒い竜の姿があった。
「ワレノヤスラカナネムリヲサマタゲルオロカモノハナニモノダ?!」
そしてその異形は言葉を発する。
「な、なんなのよコイツは!?」
フレイムバロンは初めて遭遇したその異形に驚きを隠せない。
これはもう間違い無い!・・
「ソイツはオーバーロードだ!一日に二回も遭遇するとは・・!」
「オーバーロード?何なのよそれ!?」
オーバーロードの事を知らない?
ああそうか、戦極凌馬の奴が伝えていないにのかもしれない。
「オーバーロードかなんかは知らないけど・・私の邪魔はさせないわ!」
「マナ!やめろ馬鹿!オーバーロードはそんじゃそこらのインベスとは遥かに桁が違うんだ!
いくらお前でも奴に敵いっこない!」
俺は必死にマナを静止させようと説得を試みる。
だが
「フン!貴方の言う事なんて聞く訳ないじゃない!はっ!」
説得は虚しく終わり、フレイムバロンは黒き竜のオーバーロードへと仕掛けてしまう。
「フン!・・ショセンソノテイドトイウモノカニンゲンノチカラハ!」
「なんですって!?全く効いてない!?」
フレイムバロンは自身の攻撃がそのオーバーロードには痛くも痒くもない事に驚愕する。
そして、奴からの圧倒的な威圧感と殺られるかもしれない恐怖を感じ、そこから動けなかった。
「ツマラン、ムウン!」
「うっ!?・・・」
オーバーロードの反撃により変身は強制解除されマナは地面に叩き付けられてしまう。
「マナ!」
俺はすぐに急いで彼女へと駆け寄る。
「くうっ!?・・」
マナは気を失いかけている。
「ツギハオマエカ?!」
「しまった!?」
オーバーロードが今度は丸腰の俺へと仕掛けてくる。
不味い・・この距離では変身が間に合わない!
諦めかけたその時・・
「はあっ!」
ピシュン!
どこからともなくソニックアローの矢がオーバーロードに向かって飛んできて、奴は仰け反った。
「ナニモノダ!?」
オーバーロードは叫ぶ。
「はあはあ・・間に合ったのかな?・・錬!」
「マキ!来てくれたのか!?」
エンプレスがオーバーロードを牽制していた。
「ロックオン!」
[サイヤッ!ザ・フール・アームズ!いざ征かん!討つ獣、エイエイサイヤー!]
彼女のおかげで隙ができ、俺はザ・フールアームズへと変身する。
「錬!これ!」
「お?」
エンプレスが不足していた紅蓮旗を投げ渡してくる。
「よしいくぞマキ!」
「ええ!」
俺とエンプレスはオーバーロードへと身構える。
「ニンゲンゴトキガワレラヲナメルナ!」
奴も仕掛けてこようとした。
だが・・
「ナニ!?・・ナンダコノカンジハ!?・・シカタナイ!」
「!?」
どうしてか奴の動きが突然止まったかと思うとその場から姿を消してしまった。
「とりあえず・・一件落着か」
「お姉様!」
変身を解除したマキはマナへと駆け寄る。
「大丈夫、気を失っているだけだ。
でも、傷は大きいから早く帰って手当してやらないといけないぞ」
「よかった・・」
予想外の事態により調査は一旦この辺で打ち切られる事となった。
そして・・
「フタタビメザメヨ!タナトスヨ」
あの黒き竜のオーバーロードがタナトス死体の元へと現れ、力を注ぎ始める。
すると死んでいたはずのタナトスが蘇ったのだ。
「ムウ?・・コレハコレハラハブサマカンシャシマス!
スマヌニンゲンアイテニユダンシタ・・」
タナトスは自身を蘇らせたラハブと呼んだ黒竜のオーバーロードに感謝した。
「ヨイ。ワレラニドレダケノニンゲンガアラガウカトクトミルトシヨウ」
「ハッ!」
そう言うと二人は海へと帰っていった。
一部始終を傍観していたサガラは
「成程、あいつが出てきたという事は・・奴等も本腰を入れて動く気だな。さて・・彼等はこれにどう対応するのかね」
そう呟き樹海から出た。
恐らく今回で一旦この作品の更新は止まるかもしれません。
この読者提案シナリオ考案先の方も中々忙しいようなので
オリジナルに精を出していきたいと思います