ポケットモンスターS   作:O江原K

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第113話 怒涛の決着技

 

シルバーの覚醒と共にゴルバットもクロバットに進化した。これが何を意味するか、

クロバット使いのキョウでなくとも大半の人間はすぐに理解した。

 

「・・・シルバー・・・そうか、とうとうやったんだな!」

 

「ええ!私たちが思っていた以上に深い絆で結ばれていたみたいね!」

 

シルバー陣営だけでなく、場内からも祝福の大歓声が上がった。クロバットに進化

するにはトレーナーへの絶対の信頼と愛情が必要だ。付け焼刃ではなく時間をかけ、

常日頃からの積み重ねによりそれが可能になる。それが形になって現れた素晴らしい

瞬間はいつ見ても興奮を誘い、同時に胸を熱くさせるものだった。

 

 

「ちょ、ちょいと待った!バトル中に進化!?そんなんアリかい!」

 

「・・・反則ではないな。どこにもそれを禁止するとは書かれていない」

 

異議を唱えるアカネだったが、審判団はもちろんナツメからも諦めるようにと

言われるだけで、その主張はすぐ却下された。

 

「シルバー!シルバー!シールーバ—————ッ!!」

 

ただでさえ秩序を守ろうとする協会側として戦うシルバーたちのほうが多く支持を

集め、歓声が大きかったというのにとうとう応援はワンサイドになった。流れが

一気に傾き、全ての要素がシルバーに味方し後押ししているかのようだ。

 

「ふ・・・ふっふっふ!クロバットに進化したくらいで何を騒いどるんや!うちの

 優勢は変わらん、こんなトコから大逆転なんかどう考えてもありえんわ!」

 

「・・・オレたちにもう弱点はない。残るポケモンの数だの相性の有利不利だの・・・

 もはやそんな話は超越した。今のオレたちには誰も勝てやしない、お前でもな」

 

「アホな冗談を・・・ほんなら試したろやないか—————っ!シンシア!」

 

 

バトル再開だ。アカネのカビゴン、シンシアがクロバットに向かっていく。一方の

クロバットはというと何もせずその場で飛び回っているだけで、攻撃する気配がない。

 

「・・・出遅れた!素早さならカビゴンなんかに負けるはずがないのに・・・」

 

「進化した直後のせいか!?ポケモンのほうがまだ変化に慣れていないのか!」

 

クリスとゴールドがこれはまずいという声を出したが、キョウがそれを否定し解説する。

 

「いや、違う。追い詰められているが彼・・・いや、彼らは極めて冷静なのだ。

 さっさと勝負を決めてやろうというアカネに勝つにはこれが最善だ。あの動きは

 立派な技の一つ、かげぶんしんだ!素早いクロバットなら自然な動きで分身を

 造り出すことが可能!よく見ているがいい、面白いことになるぞ」

 

カビゴンはずつき攻撃に出た。しかし分身に惑わされ、攻撃は外れてしまう。

その隙にクロバットはもう一度かげぶんしん、有利な状況を作り上げていく。

 

「・・・ビ、ビガ——————ッ!!」 「そうそう、そいつが本体や!やったれ!」

 

「シャアア—————ッ!!」

 

分身を避けて攻撃できたとしても、クロバットが持ち前のスピードで華麗に回避する。

かわしたところでカビゴンの背中を翼で打ちつけた。本来のつばさでうつ攻撃よりも

威力が弱いが、このヒットアンドアウェイ作戦を続ければ、少しずつではあるが

カビゴンにダメージを蓄積させることができる。今回の戦いはポケモンが攻撃を

受けるとトレーナーにもダメージが入る。地道だが、確実な攻め方だった。

 

 

「ガァ—————っ・・・」 「ハァ————・・・ハァ————・・・」

 

カビゴンとアカネが明らかに疲労し消耗している。攻撃は空振り続き、相手の

一撃一撃は弱いが何度も食らい続けて苦しい状態だった。

 

『これは上手いぞシルバー!着実に、一歩ずつ劣勢を押し戻していく————っ!』

 

一発逆転を狙いたい場面で我慢を重ね、冷静に指示を与え続けるシルバーにクロバットが

しっかりと応える。精密性の高い動きとスピードを維持し、アカネたちを翻弄していた。

アカネのカビゴンも同族たちに比べたら素早いほうだがさすがにクロバットが

相手ではどうしようもない。一度距離を取るために後退し、呼吸を整える。

 

「・・・ふっ、うちとしたことが油断してたわ。あんたらのパワーアップは

 どうやら本物のようやな。もうちょいで勝てるからいうてただ突っ込むだけじゃ

 ホンマに逆転負けするハメになったで・・・危ない危ない」

 

「考えなしに突進しようが策を考えようが無駄だ。お前たちに勝ち目はない、

 さっき警告してやったはずだ。オレはお前が死のうが廃人になろうが全く

 関心がないから躊躇わずにとどめをさす。棄権するならいまのうちだ」

 

これまでの悲壮感や焦りは一切ない。完全にアカネを見下ろしていた。確かに

残るポケモンの数には差があるがこの戦いはトレーナーが倒れて試合終了という

道があるだけに、カビゴンに大ダメージを与えてしまえばアカネも動けなくなる。

シルバーの勝利、その可能性が高まっていった。もはや夢物語ではない。

 

 

「あいつの底力を侮っていたのはどうやらおれたちだったみたいだ。まさか

 あの状態からここまで持ってくるなんて・・・おれもまだ修行不足だ」

 

「そのとおりね。早く棄権させないと危ない、そればかり考えてちっとも

 シルバーくんを信頼できなかった。でも・・・この人は違った」

 

外から試合を止める権利を持っているのはサカキだ。これ以上は危険だとして

いつタオルを投げてもおかしくない状況が続く中でもじっと動かずに立っていた。

サカキとシルバーが親子であることを知るキョウが小声で語りかける。

 

「フフ・・・どうだ、自分の戦い以上に手に汗握るものだろう、実の子が

 こうしてバトルをするのを眺めるというのは。しかしよくここまで我慢した。

 私はアンズが同じ状況になっていたらもう終わらせていたところだ」

 

「そうだな、それもまた愛情だ。だがわたしたち親子は普通ではないのでな。

 覚醒の可能性を秘めているのなら限界を超えても試合は続行させるさ。

 もし無理矢理終了させたら今度こそあいつに親子の縁を切られてしまうだろう」

 

シルバーがあと一つきっかけがあれば大きな成長を遂げるということにサカキは

気がついていた。一週間のトレーニング期間中にそれを本人に伝え、眠る力を

引き出す訓練を行うこともできたが、やはり実戦、それも賭ける物が大きい

大一番にシルバーが自分で覚醒のために何が必要かを見つけてこそ本物の力が

得られる。サカキはそう信じて息子を送り出したのだった。

 

「加えて・・・この試合はわたしとやつの代理戦争だ。簡単には退けないだろう」

 

「やつ・・・ナツメのことか。どちらが指導者として優れているか、その戦いか」

 

アカネは一度も誰の弟子にもならず、自分の思いのままにトレーナー人生を歩んで

きたが、ナツメの指導を受け、その教えを取り入れることで更に進化を続ける。

そのナツメもジムリーダーでありながらここまで熱心に教え込んだのはアカネが

初めてであり、アカネとシルバーが戦うのはナツメとサカキの戦いでもあった。

 

 

「棄権~~~?冗談もほどほどにしとき。このバトルを勝つだけが目的とあんたと

 うちは違う。うちにとってここは勝って当然、その後のナツメ戦、それにもっと

 先の夢だってたくさんあるんや!こんなとこであんた相手に逃げられるかい!」

 

「夢・・・ゴールドを追い出してセキエイのチャンピオンになることか?」

 

シルバーの質問に対し、アカネは鼻で笑った。その程度のものではないと。

 

「甘い甘い!うちにとっちゃそれすら通過点や!セキエイのチャンピオンになったら

 まずはこの会場にいるニセモノたちを全部ぶっ飛ばす!このアカネちゃんがいない

 おかげでチャンピオンになれたインチキどもを粉々に粉砕したる!この国どころか

 世界で一番にならんとうちの夢は叶ったとは言えんわ!」

 

国内外を問わず、各地のポケモンリーグのチャンピオンが観戦に訪れているなかで

この挑発的な宣戦布告だ。チャンピオン本人よりも共にいる者たちの怒りを買った。

 

「・・・なかなか面白い選手ですねぇ。確かにマスコミやスポンサーには受けそうだ。

 しかし気性がかなり荒い。わたくしたちのリーグにふさわしいかどうかは・・・」

 

「ハハハ・・・委員長、オレは大歓迎ですよ。彼女がカントーで居場所をなくしたら

 ぜひ招待してくださいよ。きっとみんな喜びます、いい刺激になるってね」

 

「おお、頼もしい言葉!さすがは無敗のチャンピオン、我らが誇る英雄だ!」

 

彼だけでなく、どのリーグのチャンピオンも同じような反応だった。周りの人間は

アカネの無礼な言葉に憤り、今すぐにでも自分で倒してやりたいと思っていたが

王者は余裕ある態度を崩さず、挑戦は全て受けて立つと言う。もちろん負ける

などとは全く考えていない。生意気な態度ごと捻じ伏せて勝利する構えだった。

 

 

「そんでうちが世界の統一王者となったら改革はもっと早く進むで。スタジアムの

 マズい飯屋の排除は試合前も言うたが・・・あとはまあお楽しみや。ポケモンは

 バトルをしてナンボっちゅう声も大きいからな、バトルが苦手でもパワーやスピード、

 スタミナとかで輝ける子たちのための舞台をコガネに建てたる。たくさんおるはずや。

 でっかいドームスタジアムをチャンピオンの権力をバンバン使って完成させたるで!」

 

夢と計画は尽きることがなく、このまま喋らせていては日が暮れてしまいそうだ。

 

「だが残念だな。オレたちに負けてお前の未来は絶たれるんだ。ゴールドも必ず

 お前のボスに勝利して勝負は終わるだろう。お前たちが望む時代なんて来ない!」

 

当然シルバーもこのバトルに勝てればひとまずそれでいいとは思っていない。続く

バトルでゴールドがナツメを倒すと確信しているので彼との決戦に勝利することこそ

現段階での最終目標だ。これまで一度も勝てなかった相手に一矢を報いる、それで

ようやくゴールドと対等のライバル関係になれるからだ。その後は二人で切磋琢磨し、

終わりのないレベルアップの日々を重ね真の最強の座を得るという将来の夢もあった。

 

(・・・オレたちの怒涛の勢いで覇王ゴールドに土をつける・・・オレにだって

 悲願はあるさ。だがお前みたいにベラベラと喋ったりしない、それが男だ)

 

 

トレーナー、そしてポケモンも互いに睨み合い、沈黙する。それに合わせてか、

あれだけ歓声に沸いていたスタジアムも静寂に包まれた。だがそれも一瞬だ。

 

「偉そうにほざくな!ポケモンドロボーごときが—————っ!!」

 

先に仕掛けたのはアカネとカビゴンだった。クロバット目がけてすてみタックルだ。

 

『長い第一試合、これが最終局面となるか————っ!まずはカビゴンだ!

 この一撃で決まるのか、それとも回避してシルバーの反撃か————っ!?』

 

「ガァ——————!!」 「シャガッ・・・・・・」

 

連続で攻撃を避け続けてきたクロバットだったが、ぎりぎりのところで被弾した。

 

「・・・しまった!かわしきれなかった!」 「でも浅い!これなら・・・」

 

持ち前の素早さが生き、被害を最小限で抑えた。そのためすぐに反撃に移行できる。

 

「フン!それならお前だってジムの金を好き勝手使った横領犯、しかもポケモン界を

 破壊しようとしているテロリストどもの手下だろうが—————っ!クロバット、

 今回は全力でやっていい!つばさでうつ攻撃だ—————っ!!」

 

「バシャァ———————ッ!!」

 

攻撃を終えた直後のカビゴン相手であれば防御を考える必要はない。渾身の一撃を

その巨大な腹に叩きこんだ。勢いだけでカビゴンの巨体を仰向けに倒すほどの威力だった。

 

「ガァハ—————ッ!」 「ぎゃ—————っ!!」

 

アカネも重いダメージを受け、口から血を吐き出しながら転倒した。

 

 

『あ—————っと!この攻防で勝ったのはシルバーとクロバットだ!ついに

 アカネとカビゴン、揃って倒れた!すぐには起き上がれない様子だぞ!』

 

激痛が走るダメージはもちろん、自信を込めた一撃を返されたのがアカネにとって

大きなショックだった。こうなるとは微塵も考えていなかったのだ。

 

「うぐ・・・ど、どうしてこんな・・・・・・ありえん、ありえんやろ!」

 

どうにか立とうとするが、蓄積されたダメージがそれを許さない。こうなると

アカネにも残された道は一つしかない。シルバーよりも一足早く会得した

あの力だ。自在に出せるわけではないがある程度コツは掴めているはずだった。

 

「ど・・・どうやらうちを本気で怒らせてしもうたな?こうなったら出し惜しみは

 なしや!シンシア、うちらも見せたるで!友情パワーや!」

 

黄金に輝く力が発動するものと思われた。しかし、一向に変化の兆しはない。

 

「・・・ほ、ほら!あの時と同じ感覚で・・・うちらの友情の力を・・・!!」

 

焦りだしたアカネに答えを教えたのは、銀色の光に包まれたシルバーだった。

 

 

「お前の武器は不発のまま終わる。なぜならオレがそうなるように仕向けていたからだ。

 バトルの始めからお前の恐ろしい力が出ないように場をコントロールしていたのさ」

 

「・・・・・・!?」

 

「お前自身がスロースターターだと認めていただろう。オレも事前にお前のことを

 調べ、その特性は理解していた。そして追い詰められるとあの力によって奇跡の

 大逆転を勝ち取るが・・・それまでにじゅうぶん熱くなっていないとダメだとな」

 

シルバーはバトルの前からアカネと彼女のポケモンを研究し、最善の戦略を模索していた。

 

「ゴールドたちはアカネごときシルバーなら楽勝だ、そう言ってくれたが実のところ

 オレには自信がなかった。だから策を用いた。どうすればお前の本気を封じたまま

 バトルを終えられるか・・・その結論が、オレをつまらないトレーナーだとお前に

 思い込ませ熱を奪うことだった。まあ・・・お前は勝手に躓いてくれたが」

 

このバトルはあくまで前哨戦、本番はこの後。アカネはシルバーを見下し、ピクシーと

ミルタンクを温存して戦いを始め、ナツメとの決勝に備えてポケモンを早めに引っ込め

余力を残しておいた。この一戦に必勝態勢で臨んだシルバーと比べ、勝負を舐めていた。

 

「オレもお前の傲慢な言葉と行為に憤る素振りを見せたが・・・内心では笑っていた。

 ウソッキーでの奇策やニューラを信頼できずにボールに戻したことでお前はますます

 オレを取るに足りないやつだと決めつけていった・・・これじゃあいつまでも

 エンジンはかからない。全てはオレの作戦通りだったんだ—————っ!!」

 

「・・・そ、そんなアホな話があるわけ・・・・・・がはっ」

 

「自分で言うのも何だがオレはプライドが高い人間だ。お前に馬鹿にされながら

 戦うのは癪だったがオレにとって何よりも大事なのは勝利だ!そのためなら

 どんな屈辱や罵倒の言葉も喜んで受ける。バトルの序盤で教えてやったがオレと

 お前の勝敗を分けたのは勝利への渇望だ!その思いの強さがこの結果になった!」

 

クロバットが最後の技のための準備に入る。そのクロバットを見て、これまで

勝ち誇るようにして自らの作戦の成功を語っていたシルバーの声のトーンが変わった。

しみじみと、噛みしめながら一番の勝因を振り返った。

 

 

「ところが・・・アカネ、それでもお前は予想以上に強かった。オレがこれだけ事前の

 調査で優位に立ち、とっておきを封じたのにあのままではオレは完敗だった。

 ピッピだのプクリンだの・・・あんなポケモンたちにペースを乱されるとは想定外だ。

 お前のことを執拗にブタ女と呼んで怒らせたのはお前の心を乱すためだったがまさか

 オレのほうがどうしたらいいかわからないほどに追い詰められてしまうとは・・・」

 

「・・・・・・」

 

「あんなに多くの策と罠を考えていたが最後にオレを窮地から救いそして勝利へと

 導いてくれたのは計算の外にあった・・・こいつらとの絆の力だった」

 

ポケモンたちをひどく扱ってきた自分には無縁のものだとシルバーは諦めていた。

盗んで自分のポケモンとし、敗北した際には厳しく叱責し、指名手配犯であるため

自由が限られ満足な世話をできなかった。恨まれていて当然だと思っていた。

 

だがポケモンたちはシルバーのほんとうの思いを知っていた。シルバーの不器用で

素直ではない言動の奥にあるものを理解し、彼に愛情を抱いていた。あとはシルバーが

それに気がつき、自分たちの間に確かな友情と信頼、愛と絆があることを確信すれば

実は目の前にあったゴールへと向かう扉を見つけ、そこから入っていくことができた。

 

 

「・・・アカネ、確かにお前は強敵だった。オレは死の寸前まで追い込まれた。

 それでも・・・こいつらとの真の絆を知ったオレの敵じゃなかったのさ」

 

「ふ、ふっふっふ・・・もう勝ったつもりかい。その油断が・・・・・・」

 

アカネとカビゴンがほぼ同時に立ち上がった。そこをシルバーは見逃さなかった。

 

 

「とどめだ!オレたちのデビュー戦・・・そしてお前たちとの対抗戦の初戦を

 締めくくるのはこの技しかない!最後の最後までとっておいたぜ、クロバットの

 最高の必殺技・・・はかいこうせんだ—————っ!!」

 

技マシンを使って覚えさせた、まさに最後の一撃にふさわしい技だった。

 

「ウッシャアアアア————————ッ!!」

 

ずっと順調に事を進めたとしてもフィニッシュをしくじっては台無しだ。クロバットも

十分にそれを理解し、狙いを正確に定め、万が一にも外れないように集中した。

そこさえ気をつければ威力は申し分ない。普通以上の力が出せる今なら、命中さえ

気を配っていればもう大丈夫だ。これまでにない感触ではかいこうせんを放てた。

 

「・・・・・・!!」 「・・・アカン!」

 

いかに奇跡を起こすアカネたちでもシルバーとクロバットの全てが込められた攻撃を

避けることはできなかった。カビゴンに光線が届いた瞬間、大きな爆発が発生し、

圧倒的なタフネスを誇るカビゴンを、そしてアカネを破壊した。

 

 

「ガガァ—————・・・・・・ビガッ」

 

シンシアという名前のカビゴンがどうにか持ちこたえようとふらふらとした動きを

見せた後、足元からゆっくりとうつ伏せに倒れた。それを追うように、

 

「・・・・・・・・・あがっ・・・」

 

アカネも真後ろに倒れた。頭を激しく地面に打ちつけ、そのまま手足を大の字の

形に広げたまま動かなくなった。完全にダウンし、フィールドに沈んだ。


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