伝説のポケモン、ミュウツーを賭けたバトルが始まろうとしている。ナツメはアカネを
自身の代わりに戦わせ、ミュウツーを狙う少女ブルーを負かす構えだった。
「ミュウツーを手に入れ何を狙うのか・・・聞いたところであなたは答えないだろう。
おそらくは強力なこのポケモンを武器として彗星のごとく世に現れ満ち溢れるほどの
富と比類のない地位や名誉を手にしたいのだろうが一切興味はない」
アカネが勝てば大人しくミュウツーを諦めて去ると約束させた。ならばブルーの
野望の詳細など聞いたところで無駄な時間だ。実現しない夢物語だからだ。
「彗星のごとくね・・・なら私たちは『ブルー・コメッツ』とでも名乗ろうかしら」
ブルーもナツメの言葉通り、仮に尋ねられたとしても目的を教える気は最初から
なかった。ミュウツーを自分のものにしたならばナツメたちにはもう用はなく、
すぐにでも行動に出ると決めていた。
「ルールは三対三、リーグの公式戦ルールに従って道具の使用はなしだ。純粋な
トレーナーとしての実力で勝敗を決めたい。それでいいな、二人とも」
「うちはエエで。あとは金と回復薬を山ほど持っとるあいつが認めるか・・・」
「私もいいわ。ミュウツーをゲットする資格があることをあなたに、そして
ミュウツーにわかってもらうためにも・・・願ってもない!」
ミュウツーはナツメと共にバトルを見守るため岩場に座っている。そしてナツメに、
「私はお前を認めたから洞窟を出ていくのだ。いったいどういうつもりだ?」
「まあ見ていてくれ。人間とポケモンの絆、そこから生まれる限界を超えた力と
無限の可能性・・・これから外で生きていくうえで知っていて損はない。
あなたに害が及ぶ展開にはならないだろう、それは約束しよう」
ミュウツーが造られたのは最強のポケモンとなるためではなく、最強の破壊の遺伝子を
生かした殺戮兵器としてであり、今日から新たな生き方をすると決めたミュウツーは
すぐに学ぶ必要があった。人間、特にトレーナーと呼ばれる者たちとポケモンの関係を。
「では・・・バトル開始だ!両者ポケモンを!」
「うちの一番手は決まっとる、誰が相手だろうと苦にせんミルちゃん、頼んだで!」
アカネの一番手はミルタンクだ。一方のブルーはまだポケモンを出していなかったが、
すでにモンスターボールが右手に握られていて、アカネのポケモンを確認してから
自分のポケモンを選ぼうとしているわけではないので反則にはならなかった。
「これは面白い展開ね・・・牛ポケモン同士の対戦だなんて・・・ジャッキー!」
「ウモォ———————!!」
ジャッキーと呼ばれたポケモンの正体はケンタロスだった。ミルタンクとケンタロス、
強力な牛ポケモン二体によるパワー比べが予想される好カードだ。
「ふふふ、あなたは私のことを知らないでしょうけど私はあなたをテレビや雑誌で
よく見ている。圧倒的有利だけどミュウツーのために遠慮はしない!」
「どうでもエエわ。データがあろうがなかろうがうちのポケモンたちには関係ない。
あんたなんか前哨戦の前哨戦でしかないんや。軽く捻ってやるで」
アカネの最大の目標は五日後の対抗戦、その決勝戦でナツメと戦い彼女を超えることだ。
ナツメの前に戦うことになるサカキが連れてくるトレーナー戦は前哨戦に過ぎず、その
予行演習であるこのバトルはそれ以下であると言い放った。単なるステップだと。
「・・・言いたいことが言えるのも今のうちよ!ジャッキー!」
ケンタロスがブルーの声に反応し地面を均し始めた。強烈な攻撃の準備だと思われたが、
倒すべき相手のいる前にではなく左右に激しく動き、残像が見えるほどだった。
「かげぶんしん・・・これで馬鹿の一つ覚えみたいに攻撃を繰り返すそっちは
苦しくなった。ここからどう出るのか・・・お手並み拝見と行こうかしら!」
自分たちのバトルを進めるうえで第一段階をあっさりクリアしブルーは余裕の表情だ。
アカネのミルタンクが一撃必殺に等しい威力のばくれつパンチを使うことも、ころがる
攻撃で徐々に勢いをつけてくることも承知であれば、回避率を高めるのは当然だった。
その一方でアカネに動揺は全くない。むしろこれならありがたい、そういった感じだ。
「ほ———ん・・・なるほどなぁ。こりゃあナツメの言う通りや。物事を中途半端に
知っとるのは何も知らんよりタチが悪い!ヒドイ目に遭う原因や!」
「・・・・・・強がり、ではないみたいだけど・・・」
「ミルちゃんは器用なんや!こいつをくらえ——————っ!!」
ミルタンクが突進する。おそらくすてみタックル、そう見えるほどの勢いだった。
「結局攻撃じゃない、わかっていたことだけど・・・い、いや!違う!」
ブルーが気がついたときには可愛らしいメス牛の誘惑にケンタロスは魅了されていた。
アカネのポケモンたちの技で高火力の攻撃と同じほど警戒しなければならなかった、
メロメロの罠に嵌ってしまった。ブルーのポケモンはオスとメスが混在しているため
手持ち全員がメロメロになることはないが、運悪く先鋒ケンタロスはオスだった。
「ブモモ~~~ン・・・・・・」
「くっ・・・全く頭のなかになかったわけじゃないけど・・・油断していた。これなら
さっさと攻撃しておけば・・・それにしても分身がいるのによく一発でメロメロを」
読みの甘さもあるがそれ以上にミルタンクの集中力にブルーは驚いた。高レベルの
舞台で戦いを続けるポケモンはやはり見た目以上の強さがあるのかと唇を噛んだが、
「いや・・・今のは運やな。天才美少女トレーナーには天も味方する、それだけの
話やな。もっと言うならうちとあんたの器の差・・・そこを覚えとき」
「・・・はぁ?」
アカネの得意とする戦法がもう一つあった。困ったときの運任せだ。メロメロも
うまく技が発動しても相手が動けなくなるほどになる確率は五分五分だ。そこに
ポケモンのもともとの強さやトレーナーへの愛情と絆、日々の努力などがあっても
そこそこの効果しかなく、運というものは全てをひっくり返す恐ろしい要素だった。
「運・・・それなら私に味方することもある!ジャッキー、余計なことは考えずに
攻めて攻めて攻めまくれ————っ!いまは真剣勝負のときなんだと思い出して!」
「アハハ!甘いで甘いで!流れに乗った時のうちらは無敵や—————っ!!」
今度は正真正銘すてみタックルで攻めに出たブルー、同じくアカネもミルタンクに
攻撃を指示した。だが、またしてもブルーにとって不幸な展開になる。
「・・・ブモオォ~~ン・・・モーモー!」 「ミルラァ——————っ!!」
ケンタロスはもうミルタンクに夢中で技が出せない。それどころかのしかかりに来る
ミルタンクを受け止めようと防御すら放棄している。この胸に飛び込んで来いとでも
言いたげに、鼻息が荒かった。もちろんミルタンクはこのオス牛に何の感情も抱かず、
「モォガア————————!!!」
冷静にのしかかりを決めた。手痛い一撃をくらったケンタロスは体が痺れた。
相手にメロメロな上に全身がマヒしてしまい、分身があるのに敵の攻撃は外れない。
このままではダメージを与えられずにケンタロスは倒れる。ブルーは早くもピンチだ。
「なるほど・・・ただの野生ポケモンの戦いとは違う。ポケモンより人間の意志が
勝敗に大きく関わってくる。どのような技を使うか、戦いをどう展開するか・・・
ポケモンがただ強いだけでは駄目なのか。作戦を決め指示を出す人間が無能ならば
多少の能力差など簡単にひっくり返ってしまうというわけか・・・」
「ああ。だがポケモンはただの道具や武器ではない。同じ種のポケモンであっても
得意とする分野は異なるし好みの技も違う。どうすればストレスをかけることなく
力を最大限発揮させられるか・・・優秀なトレーナーはそれができるから強い」
初のポケモンバトル観戦となるミュウツーに、ナツメが解説を入れる形になっていた。
「あなたを造り意のままに操ろうとした連中などその点で論外だ。ポケモンを自分たちの
欲望を満たすための手段としか考えていないのだからトレーナーとして下の下だ。
そんなゴミどもにポケモンを使うことを禁じるだけでなく、これまでポケモンたちに
良心の呵責なく犯してきた数多くの愛のない行為、それと同じことを連中に仕返す。
そのためにわたしは立ち上がった。恥知らずどもを断罪し、裁くために!」
「フム、いよいよお前と私は目的の上で同じだ。一度は断念しかけた人間どもへの
逆襲だが、お前と共にいることでそれを果たせるかもしれないというのはうれしい。
となると・・・あのブルーとかいう女はまさにそれでは?私を捕獲し利用するため
この洞窟まで来たという飢えた目をしている人間は。お前が望むなら戦いを
今すぐ中止させ私があの女を討っても構わないが・・・」
「くくく・・・まあそう言うな。もう少しポケモンバトルを楽しもうではないか。
見ろ、何やら面白い展開になっているぞ。果たしてどうなることやら」
ナツメが指さした先では、圧倒的に有利な状況になったアカネが過去の失敗から
反省せず、調子に乗って謎のゲームを提案していた。
「・・・ほんとうなの、それ?ハッタリじゃないでしょうね?」
「あんた相手にそんなもん使うまでもないわ。エエか、ミルちゃんはこれから
はかいこうせんを撃つ。そのケンタロスの最後の技もはかいこうせんだなんて
どエライ偶然や!その記念に・・・いっせーの、でいっしょに技を出すんや。
マヒやメロメロの影響がないとあんたが判断したそのタイミングに合わせたる」
「なぜそんなことを?そっちはこのまま地道にバトルを進めたらいいのに」
「ちょっとしたサービスや。あんまり楽勝じゃつまらんからなぁ。うちらのほうが
命中する確率は低いし、急所にでも当たりゃあ一気に形勢逆転、うまい話やろ?」
普通に勝つだけでは不満なのか、はかいこうせんの撃ち合いをやろうというのだ。
「うちはこのバトル、あんたをとことん圧倒して勝つつもりや!百回やってもうちには
勝てんというのを思い知らせたるわ!このお邪魔虫が二度とうちらの前に現れん
ように・・・完全勝利で決着つけたる————っ!」
「・・・そこまで言うなら乗ってあげる、その勝負。はかいこうせん対決を」
アカネの誘いを受けるのは癪だったが、せっかく見せてくれた隙を突く以外逆転の
道は現状ない。これが仲間同士のスパーリングのようなバトルであればこんな提案は
却下するのだが、ミュウツーを自分のポケモンとするためにも絶対に勝利が必要な
戦いでプライドに足を引っ張られてはいけない。相討ち、最悪でもミルタンクを
瀕死寸前まで追い詰められたらケンタロスの役割は終わりでいいとブルーは考えた。
「あれは強者の余裕のつもりか?賢い行為には思えないのだが・・・」
「そうだな。あれはアカネの悪癖だろう。自分が不利だと並外れたパワーが出るのに
有利になると心が緩んで余計な動きをする。一昨日の戦いでも痛い目に遭いかけたのに
懲りずにやるとは・・・だがこれがもしかすると・・・・・・」
二体の呼吸が合った。あとは直前でケンタロスがメロメロにならなければ用意は整う。
「・・・ジャッキー、この日に賭けてきた思いは・・・あなたも同じはず。
今だけは本能じゃなくて理性で動いて。私たちの夢を叶えるために」
「・・・グモモ~~~ッ・・・・・・」
主人の声が届き、ケンタロスが正気に戻る。ここしかないとブルーの目が光った。
「いけ—————っ!はかいこうせん——————っ!!」
「よっしゃ、こいやぁ————!ミルちゃん、いてまえ—————っ!!」
一瞬遅れたがこの技であれば問題ない。ミルタンクもはかいこうせんを放った。
眩しい光と轟音が洞窟を覆い、この応酬の結果がどうなったのかをわからなくした。
「勝ったのはミルタンクか!?それともケンタロスか!?」
命中したのか、どれほどのダメージを与えたのか。どちらが立ち続けどちらが倒れたのか。
「・・・・・・モガァ~・・・・・・」 「モ———・・・・・・」
「どっちも命中!でもまだ倒れていない・・・ジャッキー、先に動いてとどめを!」
大きなダメージが入ったが二体とも戦闘不能にはならなかった。はかいこうせんの後は
反動によって動けないため、あとはどちらが先に最後の攻撃に入るかだったが、
すでに勝負は決まっていた。マヒ状態のケンタロスは素早さが大きく下がっていた。
「残念やったなぁ!ミルちゃん、のしかかりで決めたれ!」
「ムモ—————ッ!」
ミルタンクが全身を使ってダイブし、激しい衝撃音を携えてケンタロスに着地した。
アカネとブルーが共に絶大な信頼を寄せる牛ポケモン対決はアカネとミルタンクに
軍配が上がり、ブルーはケンタロスが完全に倒れる前にモンスターボールに戻した。
「・・・ふ———ん・・・なかなかいいポケモンじゃない、その子も欲しくなったわ!」
「あ~~~?ミュウツーだけじゃ足りんのかい!どんだけ欲張りなんや、ダボが!
人のモンを取ったらドロボーやで!誰かに教わったやろ!」
「ふふ・・・何を言われようが決めたわ、ミルタンクを私のポケモンにする!
そのほうがもっと実力を発揮できるのだから・・・お願い、ツナキ!」
ブルーがハイパーボールを投げる。本気で強奪するつもりなのかとアカネたちは
身構えたが、どうやら中にはポケモンが入っている。二体目のポケモンを場に
繰り出しただけのようだ。ところがほっと胸をなでおろしたのも束の間だった。
「ふ———っ・・・変な冗談やめーや・・・って、なんじゃこりゃあ————!?」
思わずひっくり返るほどにアカネが驚いたのも当然だ。短髪でスーツ姿の若い男が
モンスターボールから飛び出してきたのだからびっくりして転んでも当然だった。
離れたところから眺めるミュウツーにとっても理解を遥かに超えた光景だった。
「あ、あれは人間だ!まさか研究者どもはあんな外見をしたポケモンを造り出したと
いうのか!?それとも普通の人間をポケモンとして飼育しているのか、あの女は!
どちらにせよ私の実験をしていた時代以上に常軌を逸している!」
「・・・・・・・・・」
その一方でナツメは冷静だった。モンスターボールで人間を捕獲し収容できるなど
聞いたことがないし、ありえないことだ。ブルーの発した言葉の意味をよく考え、
ツナキという男の表情を確認することですでに謎は解けていた。あとはアカネが
自分でそれに気がつくかどうかが重要なので、あえて黙って静観を決めた。
「まさか・・・その兄さんを使ってミルちゃんを奪おうっちゅう魂胆か!?」
「さてさてどうなるかしら・・・ツナキ、やっちゃって!」
「んん・・・?ゴツい兄さん思うたら目だけはかわいいやないか・・・」
その瞬間、ツナキが頭からどろどろと溶け始めた。人体が崩れていく様はこれまで
以上のインパクトがあったが、ブルーの奇策をアカネはギリギリで見抜いた。
「メタ—————っ!」 「さあ!このままあのミルタンクに・・・」
メタモンが人間の男に化けていた。このメタモンは通常の個体に比べ、精度の高い
変身ができる代わりに要する時間も長かった。そのため敵を驚かせ、動きを封じて
いる隙に変身を完了させようという狙いだったが、いま目の前にいたのは・・・。
「ぴゃ~~~~~」
「・・・・・・は?ピィ?」
ミルタンクに変身される寸前にピィへの交代が間に合った。アカネの二体目のポケモンは
『ピーちゃん三姉妹』の末っ子で、『あいこ』という名前をつけられているピィだった。
「くだらん仕掛けはうちには通用せんわ!そんなモンに頼っとる時点であんたの焦りが
伝わってくるようや。まともにぶつかったらとても勝てんとな・・・アハハ!」
表面上は余裕たっぷりに大笑いしているが、実はだらだらと冷や汗をかいていた。
ここでエースのミルタンクに変身されたら一気に三体撃破される可能性が高く、
ほんの数秒遅れていたら、そう考えただけでアカネは恐ろしくなった。
「ミルちゃんを自分のモンにする、その意味がわかったで。けど残念やったな!」
「・・・仕方ない!こうなったらそのピィに変身するのよ!見た目は貧弱でも
強力な技をたくさん持っているに違いない!」
メタモンはブルーの指示通りピィの姿をじっくりと眺め、徐々に姿を変えていく。
当初の予定とは違うが無事に変身を終え、場には二体のピィが立っていた。
「さてさて・・・どんな技を持っていることやら・・・とりあえず攻撃!」
ブルーは攻撃の指示を出した。ところがメタモンは動かない。命令が聞こえないとか
無視しているというわけではなく、動けずに困っている、といった感じだ。
「・・・・・・?どうしたのよ・・・攻撃しなきゃ何も・・・」
アカネが今度は心からの笑みを浮かべていたのをブルーは見逃さなかった。
「まさか・・・まさかこのピィは!」
「戻れピーちゃん!これならミルちゃんがもう一仕事できそうや!」
ケンタロスとの戦いで体力を消耗したミルタンクがバトルに帰ってきた。あと少し
攻撃を受けたら倒されてしまうのに悠然と登場できたのは、今なら攻撃される心配が
全くないからだ。ピィには攻撃技が一つもなく、何もできないポケモンに化けた
メタモンが目の前にいる。能力差を考えたら一撃で撃破できるだろう。
「うちも出すつもりはなかった。あの兄さんがメタモンやと気がついた、そのとき
閃いたんや。そこがうちとあんたのセンスの差ってとこやろな!」
「・・・・・・戻れ!」
決戦に備えて新しい技を覚えるため、ピィは一度それまでの攻撃技を全て忘れている
最中だった。ナツメの屋敷に戻ってから技マシンで様々な技を習得させる前の段階、
そのピィに変身してしまったメタモンはすぐに交代せざるを得なくなった。後で
別のポケモンに変身できるチャンスを待ち、ボールに戻っていった。とはいえ
ブルーはすでに最後の一体、機会はもう来ないかもしれない。
「そうするのはわかっとった!だからうちも————っ!」
ミルタンクはダメージを受けているしピィに戦闘能力はない。ブルーが切り札を
出してくる局面、アカネもそれに合わせて無傷のポケモンで迎え撃つことにした。
だが、この二人には何かがあるのか、偶然は三度続いた。
「・・・!これは・・・」
「あんた、ひょっとしてうちのファンか?それなら言ってくれたらエエのに・・・」
三体目のポケモンは二人ともピクシーだった。最初が牛ポケモン同士の対決なら、
次はピィとメタモンが化けた偽ピィが対面、そして最後は二人そろって全く同じ
ポケモンを選んだ。事前の打ち合わせもなく、意図せずにこのような結果に
なったのだから驚くしかない。
「だが戦いを優位に進めているのはお前の仲間だ。似たようなポケモンを使って
おきながら差は歴然だ・・・どちらが格上であるかすでに結果は見えたのでは?」
「どうかな・・・あなたを手に入れようとこんなところまで来たトレーナーが最も
頼りにしているポケモンだ。逆転の目は十分にある。ここからが本番だ!」
このままアカネのペースで簡単に終わるバトルではないという予感がナツメにはあり、
ただの勝敗を超えた展開が起きることを期待していた。そのために戦う必要のない
バトルを行い、しかも自分ではなくアカネに戦うようにと命じていたのだから。