前回までのあらすじ
レイ、護衛騎士からの紹介でマナリアの王女と友人になる。その後、三人で入学式へと参加した模様。
※注意※
今回の話はちょっと長めです。しおりを挟んだり、分割して読んだりする事をおすすめします。
マナリア魔法学院で行われる授業は、魔法学校の名に恥じない通り魔法関係のものが大部分を占めている。体育やマナリア史の様な魔法とはほとんど関係の無い科目はごく一部しかない。
また、一口に魔法と言ってもその内容は様々だ。魔物等を呼び出す『召喚魔法』、傷を治すために使用するポーションの類いを制作する『錬金術』、炎や水といった属性に関するものを学ぶ『属性魔法』等々。その種類は豊富である。
当然ながら魔法の扱いは慎重でなければならない。中には一歩扱い方を間違えれば、周りを巻き込むほどの大惨事を引き起こす可能性を孕んだものも存在するからだ。
その代表格として真っ先に挙げられることが多い『闇魔法』。その授業が今、闇魔法棟の一つの教室で行われていた――――。
◇ ◇ ◇
静かな場で講説が木霊する。
授業が行われている教室は他の場所と比べれば大きい方だ。現に一クラス分である三十名の生徒が、規則正しく配置された机に着席してもまだ余裕がある程なのだから。
しかしそのような広い空間にも関わらず、響いているのは男性教師の低くくもよく通る声に時折発生する黒板にチョークで書き込まれる音、後は生徒達が教本を捲る音と羽ペンを動かす音のみ。
生徒達の間に喋り声など一つも存在していない。誰もが皆、目の前で行われている講義の内容を一言も聞き逃すまいと耳を傾けている。そしてそれを忘れないように、各自の教本なり羊皮紙なりに書き記している。
「――以上が闇魔法における『悪魔召喚』の術式理論となる。今から君達の前で実践してみせよう」
先ほどまで説明を行っていた茶色のスーツに身を包んだ男性教師――ハインラインがチョークを置き、教卓の上に置いてあった大きめの羊皮紙を持って教壇を降りる。
床に広げ、黒板に書き込まれたものと同じものを羽ペンで書き込んでいく。基本となる円形を最初に描き、魔力の循環を示す構築式や注ぎ込まれた魔力を変換する発動の補助となる術式等を付け加えていく。――流石は闇魔法を担当する講師だけある、わずか一分足らずで召喚用の陣を作り終えてしまった。
術式に誤りが無いか確認した後、手順を召喚の方へと移行した。――ここからが重要となる。
闇魔法は魔物との交信や対象に呪術等が中心となる学問だ。その名の通り、危険な魔物を呼び出したり対象に厄災や呪いを送りつけるといった、邪なものを利用する魔法となっている。しかもその性質上、失敗もしくは相手に呪術を返されたりした場合は掛けた側である術者へと逆に災いが降りかかってくる。それらの事情から術者に意志の強さが要求される、言い換えてしまえば『精神力が問われる魔法』なのだ。
元来、魔法は術者の意思の強さや心の在り方などによって影響されるものだ。魔法弾や魔法の矢を放つ際、何気なしに撃つのではなく、相手を傷つけるもしくは倒すという明確な意思を以て行う方が威力が高くなる事実が明らかとなっている。黒魔法では諸にそれが反映されると言っていい。
今行っている『悪魔召喚』が丁度良い例だろう。
中身としては魔物を呼び出す通常の召喚魔法と同じではあるが、召喚する魔物の強さが桁違いという点において異なる。比類無き巨躯と怪力を持つもの、目を合わせた者を魅了して自身の配下にするもの、死霊魔法で生者を
術者は呼び出した存在と契約することも可能とはなっているものの、意思が弱かったり邪念を持っていたりすればそれは叶わない。どころか、術者自身が傀儡や人形とされてしまうだろう。
運良く力を持たない部類を召喚したとしても、基本的な強さや能力はそんじょそこらの魔物よりかは上だ。いずれにせよ、僅かな気の緩みが自らの身の破滅へと繋がることが確定する。
「では、ここから詠唱へと移る」
ハインラインが陣に手をかざして詠唱を始めた。
呪文は聞いた相手を屈服させるかの様な圧迫感を込めた声色と共に紡がれる。自身の強い精神力を言霊に宿らせることにより、召喚対象へと自分が上の立場であるのを理解させるのだ。
最初、魔法陣は何の反応も示さなかったものの、ハインラインが詠唱を少し進めた辺りから光を帯び始めた。だがその光は神々しいものでは無い。魔を表すかのような黒さと禍々しさ。悪そのものを体現しているかにも思えた。
その間にも詠唱は進行していく。講師が発する呪文に呼応し、輝きが禍々しさと共に増していく。
詠唱はいよいよ終盤に差し掛かった。先ほどまでとは異なり、より一層重圧感の込もった魔の言の葉を口唱し続ける。魔法陣からは邪悪な魔力が溢れだし、陣を覆い尽くす。
詠唱が終わりを告げたと同時――その影からソレは現れた。
「ひっ……」
気の弱い生徒が漏らしたのであろうか細い悲鳴が耳を通り過ぎる。
しかし誰もその声が聞こえていない。この教室の生徒全員の関心は、召喚された存在へと注がれていたからだ。
大きさにして二メートル半はあろう躯体。人間の胴体にも匹敵する太さを持つ豪腕に、それに負けず劣らずの屈強さを秘めた脚部。背にあるのは黒に染まった不吉さを象徴する翼、そして頭部からは魔を象徴するねじれて曲がった角が生えていた。
召喚された魔物は呼び寄せた術者であるハインラインへと振り向く。恐らくだが、自身の契約者として彼が相応しいか否かを見定めているのだろう。威圧感の秘められた金色の瞳がハインラインへと向けられた。
悪魔は何も発さない。呪詛や言葉の類いは疎か、鳴き声や唸り声すらも口にしない。その場で暴れ回りもしない。どころか、身動き一つしない。その瞳で唯々術者を捉え続けるだけだ。
それは対峙しているハインラインも同様だ。悪魔と同じく、何も口に出さず動くこともしない。自身を見下ろす悪魔へと視線をだけである。
時間にして数十秒の出来事。傍から見ている生徒達にとってはそれ以上にも思えた時が過ぎ去った後――悪魔は頭を垂れて跪いた。ハインラインを主として認めたのである。
目の前の光景には誰もが息を飲んだ。あの魔物が宿しているであろう強さと凶暴さは見ているだけでも十分伝わってきている。だからこそ驚愕するしかなかった。それほどの魔物との契約の瞬間を。そして思った、自分たちも出来たのなら――と。
「……と、このような感じだ。今は私に従っているためにこのように大人しくしている。が、契約が破棄されれば途端に暴れ出すだろう」
ハインラインが魔物をこの場から退去させて、壇上へと戻る。
「これは他の魔法でもそうだが、もしそうなった場合は無理して戦おうとはせず、直ちに避難して教師もしくは生徒会へと連絡すること。ほとんどの場合、一般生徒の手に負えないと思われる。……例え実力があっても無茶はしないことだ」
該当者である二人の男子生徒に目をやる。若干の厳しさを含んだ視線に対し、一方はうっと顔を少し顰め、もう一方はポーカーフェイスで受け流す。それを見た一人の女子生徒は苦笑いをしている始末だ。
短いため息をつき、少々気持ちが浮ついている生徒達へと釘を刺すように続けた。
「……講義を続けよう。諸君の中には闇魔法の危険性を理解していない者もいると思う。だからこそ、闇魔法を扱う際には決して雑念を持ち込んではならない。少しの油断が大きな事故を招くことになるからだ。それと、行う場合は決して監督者無しでは挑まぬようにすること。必ず教師の指導の下で実践するように。これらは重々承知しておきたまえ」
そこまで説明した時、授業終了の合図となるチャイムが教室中に鳴り響いた。
「では、本日はここまで。各自、今日の内容を忘れないように――――」
◇ ◇ ◇
「」
「あはは……。まあ、」
「特に問題はないと思っていたのですが……やはり不味かったのでしょうか」
「さあな。何にせよ、あの時は戦う以外の方法が無かったわけだが」
「まあ、やったことは間違ってないと思うけどね」
先ほどの女子生徒と男子生徒二人――アン、オーウェン、レイの三人は教室から後にして、中庭へと続く通路を話しながら歩いていた。
実は三人は同じクラスに配属されたのだ。入学式が終わった後に張り出されたクラス表で二人+一人の名前を見つけたときは、当人達も相当驚いたものである。特にレイは『……ハッ! これは全てシグマの策略! ということは、安心と信頼のC社製教室……!? 床が全部抜けたり爆発したりしないだろうな!?』などと変な危機感を抱くほどだった。
加えて初日に親睦を深めたこともあり、時折ではあるがこの面子で行動していたりするのだ。
「それよりもさ、二人は学院に慣れた? 入学してから一週間近く経つけど」
「私ですか……? 私は、その……それなりかと」
困惑したように言い淀む。
というのも、オーウェンは当初護衛騎士としての任務を全うすべく、他の生徒とは一歩引いた態度を取っていた。何時如何なる時でも従者として側に控えられるように、自らそうしていたのである。
しかし、寮に戻った際や休憩時間にレイと話していたり共に鍛錬を行っていたのを他の生徒に目撃されてしまった事や、出所は不明だが入学前の事件の内容が広まってしまった事などが災いした。その結果、度々話しかけられたりするようになり、次第に『生真面目で少々堅苦しい奴』なのだと周りに理解され、いつの間にか護衛騎士としてではなく一人の生徒として学院に馴染んでしまったのだ。これには王女もニッコリである。
「私のことはともかくとして。それよりも姫様はいかがなのですか? 何よりも楽しみにしていらっしゃったのは、他でもない貴方様なのですから」
「私は大丈夫だよ、友達もいっぱいできたしね!」
己が主君の笑みに対し、護衛騎士も内心胸を撫で下ろした。彼自身ずっと気がかりだったのだ。彼女がこの場所に溶け込めるのか、他の生徒達と打ち解け合えるのかどうかが。いくら護衛として付き添っていても、自身の目に及ばない範囲まで把握するのは難しいからだ。だが、どうやらそれは杞憂で済んだらしい。
「レイはどう? あんまりクラスの人達と話したりしてないみたいだけど、友達とか作ったりしないの?」
「特に必要ない。最低限情報の共有に困らなければそれでいいだろう」
「えー、どうして!? 折角の学院生活なんだよ? ちょっとでも友達が多い方が絶対に楽しいって!」
「……考え方は人それぞれだ。それに、俺には俺のやることがある」
それ以上は聞かんとばかりにレイは視線を前へと戻した。
「(……何て言うかさー、レイってすっごいドライだよね。人付き合いに全く興味無いみたいだし。昔からこうなの?)」
「(ええ、まあ。彼は他の方と関わることにあまり積極的では無いといいますか……。そこの部分は以前とあまり変わっておられませんね……)」
「(ふーん……)」
オーウェンと小声で話しながらレイの横顔を覗く。新入生達の喜びに満ちあふれた笑顔とは裏腹に、彼は何処までも冷め切ったような表情だった。
アンが見ている限り、彼はいつも一人で行動することが多い。授業間の移動は言わずもがな、休み時間や放課後になればすぐに教室からいなくなる。その上クラスメイトともほとんど話すこともないときた。辛うじて自身やオーウェンとは話すものの、その程度だ。
かといって話しかけたら無視されるのかと問われればそれもノーだ。お世辞にも愛想は良い方ではないものの、話しかければ短いながらもキチンと返してくれる。内容によってはそれなりに話が続いたりするので、あくまで興味が無いだけで嫌いなわけではないらしい。
(さぁーて、授業終わったら鍛錬鍛錬! ゼロへの道も一歩からってね!!)
心の内ではラーニングスキルへの熱いパトスが迸っていることはアンはおろかオーウェンですら知らない。というかそもそもクラスメイトとほとんど関わらないのはただ単に空き時間という空き時間を全て技の習得に注ぎ込んでいるだけである。休み時間や放課後にすぐいなくなるのも図書館や演習場へと直行しているだけで、人付き合いに興味がないとかそういうのは一切無いのである。
ここまでだと意見のすれ違いやら勘違いやらで折り合いが悪そうなアンとレイだが、二人の仲は決して悪くない。むしろ良好と言える。
初日に親睦を深めたというのも関係してはいるが、アンの誰とも仲良くしたいという考えや性格が幸いしたのが殊更大きい。そのおかげでレイの外面限定エセ無口も大した支障とならなかったのだ。
あとは入学式を終えた夜に『……あれ? そういえばオーウェン君の家も結構な名家だったような……』と今更であるのにレイが気づいて以降、オーウェンとアンが望んでいたように必要以上の敬意や畏怖を取っ払って接していることもある(と言っても口調のせいで前後の変化が分からないわけだが)。
――だったらこの口調はいい加減仕事放棄してほしいんですけどねぇとは本人の弁である。
しかし親しい友人相手でもやはり勘違いという呪いからは逃げられないらしい。
相手でも勘違いは魔法学院でも避けられない。
やっぱり勘違いという呪いからは逃げられていないわけだが。
(と言っても口調のせいで前後で何も変わっちゃいないが)
アンのどんな相手とも仲良くしたいという性格が幸いし、レイの外面限定エセ無口もそれほど支障を及ぼさなかったのだ。あとは入学式の夜に『……あれ? よくよく考えてみたらオーウェン君もかなりいいとこの出身じゃなかったっけ? というか普通にしてるよね、俺?』と、あまりにも今更すぎる事情にレイが気づいこともあり、必要以上の敬意や畏怖を
勿論二人は一切知らない。というかクラスメイトとほとんど関わらないのも、只単に空き時間という空き時間を図書館での勉強やら演習場での特訓やらへと全て注ぎ込まれているからである。
ここまでだと如何にも波長が合わなさそうなアンとレイではあるが、二人の仲は割と良好である。アンのどんな相手とも仲良くしたいという性格が幸いし、レイの外面限定エセ無口もそれほど支障を及ぼさなかったのだ。あとは入学式の夜に『……あれ? よくよく考えてみたらオーウェン君もかなりいいとこの出身じゃなかったっけ? というか普通にしてるよね、俺?』と、あまりにも今更すぎる事情にレイが気づいこともあり、必要以上の敬意や畏怖を
話を聞いてくれないのかと問われればそれもノーだ。お世辞にも愛想は良い方ではないが、話しかければ短いながらもキチンと返してくれる。内容によってはそれなりに続いたりする。
(……それに口ではああ言ってるけど、誘えば一緒に来てくれる辺り多分根はいい人なんだろうね)
悪い人じゃないんだろうけどね)
それでももう少し
それに口ではああ言ってはいるものの、こっちが誘えばこうして一緒に来てくれる辺り、根は良い人なんだろう。アンはそう思っていた。
(さぁーて、授業終わったら鍛錬鍛錬! ゼロへの道も一歩からってね!!)
心の内ではラーニングスキルへの熱いパトスが迸っていることを勿論二人は一切知らない。というかクラスメイトとほとんど関わらないのも、只単に空き時間という空き時間を図書館での勉強やら演習場での特訓やらへと全て注ぎ込まれているからである。
ここまでだと如何にも波長が合わなさそうなアンとレイではあるが、二人の仲は割と良好である。アンのどんな相手とも仲良くしたいという性格が幸いし、レイの外面限定エセ無口もそれほど支障を及ぼさなかったのだ。あとは入学式の夜に『……あれ? よくよく考えてみたらオーウェン君もかなりいいとこの出身じゃなかったっけ? というか普通にしてるよね、俺?』と、あまりにも今更すぎる事情にレイが気づいこともあり、必要以上の敬意や畏怖を
オーウェンとアンの要望通りと言うべきか、必要以上に
をレイが思い出して以来、オーウェンとアンの要望どおりの接し方となっているのも関係していたりもする。
それほど支障を及ぼさなかったのだ。
がそこまで支障を及ぼさなかったのだ。
こんな様子ではあるが、アンとレイは結構打ち解けている方であったりする。アンのどんな相手とも仲良く出来るという性格が幸いし、レイの外面限定エセ無口がそこまで支障を及ぼさなかったのだ。あと挙げるとすれば、『……あれ? よくよく考えてみたら、オーウェン君もかなりいいとこの出身じゃなかったっけ? というか普通にしてるよね、俺?』と、あまりにも今更すぎる事情をレイが思い出して以来、オーウェンとアンの要望どおりの接し方となっているのも関係していたりもする。
事を思い出してからは普通に話せている
普段の行いを入学式が終わった後に思い出し、貴族への偏見やら先入観やらってあまりにも今更すぎんじゃねえかと自室で落ち込んだりしたことも関係していたりする。
ちなみにだが、この一週間でアンとはかなり打ち解けている。彼女の性格上どんな相手とも仲良く出来るという点が幸いしたのだ。あと挙げるとすれば、『……あれ? よくよく考えてみたら、オーウェン君もかなりいいとこの出身じゃなかったっけ? というか普通にしてるよね、俺?』と、普段の行いを入学式が終わった後に思い出し、貴族への偏見やら先入観やらってあまりにも今更すぎんじゃねえかと自室で落ち込んだりしたことも関係していたりする。
アンが見ている限りだが、彼は授業が終わればさっさと次の教室へと移動し、休み時間や放課後になればすぐに教室からいなくなっている。辛うじて彼女やオーウェンと話しているが、それ以外のクラスメイトとはほとんど話したりしていない。
とは言え無愛想ではあるが。それにこちらが誘えばこうして一緒に来てくれる辺り根は良い人なのだろうとアンは思っている。
「レイはどうですか?」
「程ほどには、と言ったところだ」
それは同じクラスであるお前らが一番よく知っているだろうに。にべもなく返された呟きにアンとオーウェンは、確かにそうだと苦笑する。休み時間になれば次の教室へとさっさと移動し、放課後には図書館もしくは演習場へ直行と、自分たち以外の同級生とあまり話しているのを見かけていないからだ。
かと言って他の生徒からの会話を切り捨てたり無視しているのかと言えば、別にそうではない。愛想はないものの話しかけられれば素直に応じるなり答えるなりと、反応は返しているし内容によってはそこそこ話したりもする。
また、彼が使う魔法刀。本来なら剣で行うそれを刀で実行するという、技能的にはかなり凄いのだが理論的には何故刀でやる必要があるのかさっぱり分からない術技も相まって『話すと案外悪くないけども何かと変わったよく分からん人物』として認識されている。
ちなみにだが、この一週間でアンとはかなり打ち解けている。彼女の性格上どんな相手とも仲良く出来るという点が幸いしたのだ。あと挙げるとすれば、『……あれ? よくよく考えてみたら、オーウェン君もかなりいいとこの出身じゃなかったっけ? というか普通にしてるよね、俺?』と、普段の行いを入学式が終わった後に思い出し、貴族への偏見やら先入観やらってあまりにも今更すぎんじゃねえかと自室で落ち込んだりしたことも関係していたりする。
「(……何て言うかさー、レイってすっごいドライだよね)」
「(ええまあ、彼は昔からこのような性格ですので……)」
「(ふーん……)」
ヒソヒソと話しながらアンはレイの方をチラリと見る。周囲の希望に満ちあふれている顔とは裏腹に何もかもに冷め切ったような表情がそこにはあった。
(さぁーて、授業終わったら鍛錬鍛錬! ゼロへの道も一歩からってね!!)
心の内ではラーニングスキルへの熱いパトスが迸っていることを勿論二人は一切知らない。
その後も三人は時折会話を挟みながら歩を進める。
黒魔法棟から外へ出て数分が経った頃、少し先にある中庭の広場にて何やら小さな人だかりが出来ているのが目に入った。
そこだけでは無い。辺りを見回すと、大通りの方や噴水付近などあちこちで見受けられた。どの人だかりの前にも一人もしくは二人のたすきを掛けた生徒が激しい熱弁を繰り広げつつも、ビラの様なものを配布している。
「あれは生徒会長立候補者達による演説……ですか」
「あー、そういえば生徒会選挙が近いうちにあるんだったね」
マナリア魔法学院にも生徒会というのは存在する。内容としても『学校生活を送る上で問題点や不便な点を改善ないしは解決することを目的とした生徒による自治的な組織』と、普通の学校と何ら変わりない。生徒会だけでなく、図書委員の様な委員会も同様である。
学院では現在選挙運動期間中であり、生徒会長の立候補者が生徒に向けての演説をあちこちで行っているのだ。
「生徒を代表する立場なれは、公明正大で他者を思いやれる人物が相応しい。なればこそ、投票者である生徒達の目の前で弁論することが一番の方法ですからね」
「流石にそれは行き過ぎだと思うけど……。でもまあ、皆のことを考えられるしっかりした人が適任だよね」
「……特にあそこが多いようだな」
レイが向いている方向に彼女達も足を止めて顔を向ける。通り道に面した広場の一角で演説しているのは、気品のある雰囲気を纏った茶髪の女子生徒だった。彼女は目の前にいる聴衆に、自分が就任した暁には生徒達が良い学院生活を送れるよう尽力する旨を語っている。
彼女の話す内容に惹かれているのだろう、他の立候補者よりも人数は集まっている上、話を聞いている生徒達は皆一様に耳を澄ませていた。
「ああ、あの子はハンナちゃん。入学したてながらも生徒会長を目指す期待の新人って言われてるらしいんだ。そのうえ上級生からの支持も厚いとか」
ほら、あそこに居る人とか。二人が目を向けると、確かに応援演説を引き受けたであろう紫の髪の男子生徒が横に立っていた。聴衆の中にも上の学年の生徒がちらほら居るのが分かる。新入生とはいえ、それだけの意気込みを持っていることも支持者を引きつけている材料となっているようだ。
「これは凄いですね……」
「そうだよね! 私もあの子を応援しててさ。話を聞いてもちゃんとした子だし、このまま当選してほしいなぁ」
「……それでも色々難しい部分はあるだろうがな」
いくら期待の新人と言われようとも、学年では自分達と同じ新入生であることに変わりは無い。まだ学院に関する多くのことを把握出来ていないのだ、そこが不利となるだろう。
対する他の立候補者はハンナよりも長く学院に在籍している。その分持っている情報も多いだろうし、何より安心感というものがある。ひよっこに任せるか詳しい者に任せるかと言われれば、大半は間違いなく後者を選ぶ。
それに支持者が多くとも落ちる可能性が無いわけではないのだ。例え今聴衆が集まっていたとしても、結果に結びつくとも限らない。
レイの淡々とした指摘に二人は何とも言えない表情をする。
「うーん、そう言われちゃうとね……」
「確かにその部分が足を引っ張ることは否めませんが……」
「別に彼女がなれないと否定している訳じゃない。ただ、上級生との差を埋めるものが無ければ選出の可能性は低いだろうと思っただけだ」
「上級生との差かぁー……」
アンが頭を捻っていると、突如として辺りがザワつき始めた。
何かあったのだろうか。三人が周りを見ると、他の生徒達は皆一様に同じ方向を見つめていた。
目線の先に移っていたのは、地面で光を放つ魔法陣が一つ――否、二つ、三つと増えて空中にも浮かび上がった。しかもこの術式、たった今さっき目にした――
(闇魔法の……って、ちょっと待て。このパターンはもしかして……)
レイの予感は的中することになった。魔法陣より多くの魔物が出現したのだ。石柱を両手両足に抱えて空中を飛行するガーゴイル、見た目は若干可愛らしいが鋭い槍と爪を得物としたインプ、人間の骸骨が鎧や剣を装備した魔物のスケルトンなど様々である。
「――皆さん、すぐに避難を!!」
その光景を目にしたハンナが、いち早く生徒達へ向けて大声で叫んだ。
彼女の一声で生徒達は我先にと走り出す。その中には演説を行っていた立候補者達も例外ではない。
しかし逃げている内の一人が足を縺れさせて転んでしまった。彼女の背後には、既にスケルトンが剣を振り上げて迫っている。
「あぁ……皆待ってくださいですぅ! ルゥを置いてかないでほしいですぅぅ!!」
「ルゥさん!!」
「チッ……!」
レイはスケルトンへと疾走して斬りかかる。慣性を利用して振り抜かれた刀は相手に防御の暇を与えず、頭部の錆びた兜ごと身体を真っ二つにした。
スケルトンが崩れ落ちるのを確認した彼は、地面に身体をついて震えている女子生徒を一瞥する。
「早く逃げろ」
「は、はいですぅぅ!!」
彼女が脱兎の如く走り出したのを見届けていると、近くにいたスケルトン達がレイの正面に立って武器を構えた。数にして三体。携えているのは剣と槍だ。
髑髏達は得物を彼に向けて一斉に突貫――しようとしたところを、同じく駆けつけたオーウェンの手によって薙ぎ払われた。
「……お前か。他の生徒はどうなった?」
「ハンナ君と姫様がここから一番近い錬金棟に誘導中とのことです。我々は奴らの相手に徹しましょう」
「ああ」
その言葉に頷き合った二人は、周囲にいる魔物達を相手に取る。
刃こぼれした剣での振り下ろしを防ぎ、刀身ごと刃で押し返しながら魔法剣で斬り払う。槍での刺突を横に躱して掴み取り、動きを封じて魔法刀で首を切り飛ばす。彼らは襲いかかってくるスケルトンの数を徐々に減らしていく。
乱戦中、彼らへ向かって何匹ものインプ達が槍を持って空中より突貫してきた。合間を縫うように避けながら二人は迎撃する。
「ハァッ!!」
レイが刀を逆手に持ち替え、跳躍の勢いを上乗せした斬り上げ――天昇斬で一匹を両断した。オーウェンも魔法剣の威力を活かして切り返し、返り討ちにしていく。
だがレイが着地をした瞬間をガーゴイルが狙う。自身の念力を目で捉えられる程に実体化させて発射してきた。ギリギリで気づいた彼は、足が地を捉えたと同時に飛び退いて回避する。途中、魔法弾で打ち落とそうとしたがひらりと回避されて失敗に終わってしまう。
息をつかせぬように次から次へと攻撃が降ってくるこの状況に対して、思わず舌打ちが出る。
(ええい、ウザすぎるわこんちくしょうッ!!)
現れた魔物の多くは幸いにも大した力を持たないものばかりだ。単体なら学院の生徒でも相手にできるだろう。
しかし如何せん数が多く、倒しても陣からまた湧いてきている。『数の暴力』という言葉があるように、どれだけ二人が強かろうとも敵の数が多いのならば、量が質を上回ることは容易い。
さらに空中の魔物がかなり厄介となっている。スケルトンの相手をしている最中に隙を見ては突っ込んできたり、魔法弾で狙いを定めている時に邪魔してきたりと面倒この上ない。レイとオーウェンの二人は乱戦の状況を何度か経験してはいるものの、空と地の両方から攻められたことなどほぼ皆無だ。
加えて両者共に接近戦を主軸とした立ち回りなため、遠距離からの攻撃手段をほとんど持っていない点がここでは足を引っ張っている。レイには斬撃や魔法弾の飛び道具があるものの、この混戦下ではまともに狙いはつけられないし、対空攻撃として使えそうな技は大半が未習得となっている。正直芳しくない状況だ。
――だが、彼ら二人をさらに追い詰める事態が発生することになった。倒してきた魔物達の恨みが呼んだのかそれに呼応したのか定かではないが、新たな魔物が出現したのだ。
レイ達の倍近くはあるだろう巨体。身につけているのは全てを弾き返さんと鈍い光を放つ漆黒の鎧。手に持つのは巨躯と同等の長さと大きさを誇る刀剣。本来なら生物にあるはずの、しかしそれがこの魔物たらしめんとする頭部の無い風貌。
自身の姿を見た者に死を与えると言われる魔物――デュラハン。それが新手として参戦したのだった。
「これはますます厄介な……!!」
オーウェンの言葉の通り、只でさえ劣勢な状況がさらに厳しいものとなった。これでは誰かが応援に来ない限り、覆すのは相当難しいだろう。
さりとて彼らの思いを魔物が汲み取ってくれる筈も無い。そちらの事情など知らんと言うかのように、石像の如く静止していたデュラハンが動き出す。
「ウオォォ……」
鎧の底から響くような唸り声と共に、その巨体からは想像もつかないような速度で剣を振るった。空気を切り裂いて一直線に下ろされた剣撃がレイとオーウェンに迫る。
デュラハンの動きをしっかりと見ていた二人は横へと飛び退いた。剣はそのまま大地と激突し、土を巻き上げて大地に大きな傷跡を刻んだ。僅かにではあるものの地面も振動させる。
何という攻撃だ。当たりはしなかったものの、当たれば間違いなくあの世に送られていた。防御魔法を張ったとしても何の役にも立たないだろう。あまりの威力に肝を冷やす二人だが、同時にチャンスである事を悟る。今の一撃で剣がめり込んで隙が生じているのだ。彼らはデュラハンへと疾駆してそこを狙う。
「キシャァッ!!」
しかしその進路をガーゴイル達が阻んだ。手と足で支えている石柱ごと体当たりを仕掛けてきたことで、目標に近づくことが出来ず失敗に終わった。
二人が妨害に遭っている間にデュラハンが剣を構え直す。今度の攻撃は薙ぎ払い。しかし動きが大きい。これなら避けた後にまた隙があるはずだ。
彼らは跳躍して回避、再び発生した隙を突こうと再度接近を試みる。――が、またしても空中の魔物に邪魔された。いくら攻撃が大振りで隙があろうとも、そこを狙えないのであれば無いに等しい。このままでは埒が開かない。
(マジでどうすればいい!? 空中の魔物は魔法弾を撃ってもあっさり避けるわ、そもそも照準を合わせようにも邪魔立て食らうし……かと言って空中戦挑もうにもさっきのように着地を狙われるのは分かりきってる上に移動した先に魔物がいたらアウトだし。……こうなったら
いやダメだ。頭を振った。
仮に成功したところで範囲や威力に難がある。空中の魔物を一掃もしくは吹き飛ばす程の威力が出れば、一緒に戦っているオーウェンを確実に巻き添えにすることとなる。かと言って自分の周辺だけに絞れたところで、精々一~二体倒せるかどうか。
やってもダメ、やらなくてもダメ。正に八方塞がりである。
(何か手は無いのか……!!)
――突如、空が煌めき数多の光が矢の如く降り注いだ。
予想外の上空からの急襲。その場の何者も予想すらしていなかった襲撃により、魔物達は地面へと縫い付けられる。
敵の数を遙かに上回る圧倒敵物量により、デュラハン以外の魔物は全て消滅してしまった。これをやったのは……。
「二人とも、大丈夫!?」
アンだった。彼女はパタパタと二人の下へと駆けつけた。
「ごめんね二人とも! 結界を張ったり他の場所に逃げ込んだ魔物を倒してたら遅くなっちゃって」
「お手数をお掛けして申し訳ありません、姫様。おかげで助かりました」
「今のはお前がやったのか……?」
問いに対して彼女が頷いたのを確認したレイは、内心で驚嘆する。たった今彼女が行使したのは恐らく光魔法、その上位クラスに類するもの。規模も必要魔力も桁違いであり、少なくとも並の生徒が扱えるような代物ではない。それを発動したのか……、と。
だが、戦いはまだ終わっていない。不意の攻撃を受けて地面に膝を着いていたデュラハンがゆっくりと立ち上がった。体中に光の矢が刺さっている状態でありながらも三人に敵意を向ける。
「あの攻撃を受けてなお立ち上がるというのか……!?」
首無し騎士の頑強さに衝撃を受けたオーウェンは剣を構えようとする。しかし、アンがそれに待ったをかけた。
「二人は後ろに下がっててくれる?」
「ですが姫様――」
「大丈夫、後は任せて」
彼女は二人に告げると、普段腰に下げている魔導書を手に取る。頁を捲りながら呪文を唱え始めると同時に、足下に魔法陣が出現。空中にも魔法文字が浮かび上がり、膨大な量に増えて展開される。
やがて陣から光が溢れ始めて強みを帯びていく。その輝きは強さを増していき、膨れ上がる魔力と共に形を成していく。
やがて強烈な閃光は収束し、一つの人影を形成した。
現れたのは一人の騎士だった。携えるのは絶対の意思が秘められた堅固な盾と、己が主人の敵を退ける為の鋭き槍。身体に纏っているのは高潔な精神を映すかの様な白銀の甲冑。
しかしそれは人では無い。騎士の下半身は荒野を駆け巡る強靱な馬のものであり、人とはかけ離れた姿だった。
そして何より、空気から伝わってくる魔力が人のものを……否、この世の者を遙かに凌駕していた。純粋なまでに洗練された力。そう感じられた。
「何だアレは……」
思わず声を漏らしてしまう。あの騎士が彼女が契約している使い魔であることは理解できる。だが、何だアイツは。明らかに常軌を逸した存在だと、途轍もない力を持った奴だと本能どころか魂で認識させられた。こんなことは初めてである。
レイが茫然としていると、オーウェンがため息をつきながら言った。
「姫様……英霊をお呼びになりましたか」
「英霊だと……!?」
「姫様は歴代きっての魔法の才を有しておられます。膨大な魔力を宿してお生まれになり、英霊との契約をも成し遂げられたのです」
「そんなことが……」
彼とてアンの魔法の才覚が頭一つ抜けているのは十分に知っていた。授業において彼女が作り出したゴーレムが他を凌ぐ大きさや力を秘めていたり、術式構築において高度なものを扱っているのを何度も目にしているからだ。
しかしこれ程とは考えもしていなかった。英霊――それは精霊や死後の人の魂が人々の信仰などによって昇華されて高位への存在へ至ったもの。召喚には凄まじい量の魔力が、それこそ一流の魔法使い数人分が必要とされている。
だが実際に召喚された例などほとんど実在しないし、ましてや契約を交わすなど前代未聞である。その事実に対して、彼は最早呆けるしか無かった。
「英霊よ! その力を以て、魔を打ち払え!!」
契約者であるアンの声に従い、白銀の騎士は槍と盾を構えて彼女の前に出る。
デュラハンは戦闘態勢を取った英霊に向けて剣を渾身の力で振り下ろす。その威力はレイ達の知っての通り、地面を容易く破断する程。これを防ぐなど、いくら何でも無茶だ。そう言いそうになった。
だが、英霊は盾を突き出して真正面から受け止めた。一撃による衝撃が大気へと散らされてビリビリと震える中、身じろぎすら起こさずに防ぎきったのである。
盾で剣を防ぎながら、もう片方の手に持った槍をデュラハンの剣へと鋭い攻撃を撃ち込み、刀身を貫いた。槍に貫通された剣は全体にヒビが走り、やがて粉々に砕け散った。――完全に隙だらけである。
「英霊よ、我が声に答えよ! ディターレントスラスト!!」
アンの声に呼応して放たれるのは目にも止まらぬ高速の連続突き。常人の目では決して捉えることの出来ぬ比類無き速さで放たれた、何発何十発にもなろう刺突は堅牢な鎧に無数の風穴を穿ち、デュラハンを打ち倒した。
「あれが……アイツの本当の実力か」
あれだけの敵をたった一人で。自分とオーウェンが苦戦した状況を、ひっくり返すどころか終わらせてしまうなんて。
拳を強く握って震わせ、少し離れた先にいる英霊とアンに一瞬ではあるが鋭い目を向けた。圧倒的な力の差や素質を見せつけられたことに対する嫉妬や羨望。自分では到底追いつけないという諦念、あるいは自分は内心で見下されていたのかという思い違いからの怒りによるものか――――。
(すっげぇ、スタンド!? パッと見スタンドじゃね!? もしくはサーヴァントかハンマーガみたいなサイバーエルフ!? すんげえかっけえんだけど!! つーか、今すぐ写真撮りてぇ!! ……あー、クソッ!! 何でこの世界にはカメラが無いんだよ!?)
……と思ったが、興奮しまくっているこの阿呆に限ってそんな心配は無いと言えるだろう。
オマケ
「一つ気になったんだが、英霊に意思はあるのか?」
「うん、勿論」
「……なら、何で言葉を発しない」
「確かにそれは気になりますね。指示の伝達などに支障がないとは思えないのですが……」
「あ、英霊は基本私の命令に従ってくれるから問題ないよ。ただ言葉に関しては、以前私も本人に聞いたんだけどさ……」
チラリと英霊を見る。すると槍を地面へと突き刺し、何も握っていない右手で……
「――――! (グッ」
力強いサムズアップで返してきた。
兜で隠れているせいで表情こそ読めないものの、雰囲気的には『いい笑顔』というやつを醸し出している。おい、声出せよ。しかしそんな事は微塵にも考えていないのかそれともする気がないのか、すぐに槍引き抜いて構え直す。
その様子を見たアンはやれやれと首を振る。
「こんな調子なんだよねー……」
「……英霊には喋ってはならないという規律でもあるのでしょうか」
「さあな……」
全く以て謎である。
今回の話は漫画版第一話を参考に作成。内容はかなり違うことや事態が若干世紀末染みているのはスルーの方向で。生徒会選挙は作者の勝手な想像によるものなのであしからず。ハンナがアン達と同じ学年なのに生徒会長という部分がどうにも考えつかなかった毛塚がこれである。
ちなみに初期案としてハンナが数人の生徒を連れて参戦というのがあったものの、あまり活躍出来ていなかったことや生徒達連れて態々危険地帯に飛び込むのもどうなんだろうな、と悩んだ末にボツとなりました。
あと『悪魔召喚』は闇魔法版の召喚魔法だと思ってください。いや、何かしらの名称付けようと思ったらこうなりました。流石に『闇魔法での召喚』だと語呂が悪いし長かったので。……どうせこの先もう出ないだろうし(ボソッ。
クラスに関しましては『蒼い空の向こう側』にて学級が分けられていると示唆されていたことや、どうするか迷った挙げ句「とりあえず同じクラスにしとけば何とかなるだろ」という作者の安易な考えから同じクラスに。恐らくこれが今後活かされるのは文化祭の時ぐらいでしょうけど。
登場人物や技、ネタの解説
・アン
マナリア魔法学院を代表する王女。
魔法の実力はずば抜けており、学院始まって以来の天才と称えられている。その才能は複数の属性を操るのに留まるばかりか、召喚魔法において最高位の存在とも呼ばれる英霊との契約をも交わしているほど。
さらに魔法大国マナリアの王女という高貴な家柄ではあるものの、それらを鼻にかけず誰とも分け隔て無く接する性格であることから他の生徒達からも人気があり『学院の華』と呼ばれている。後に一人の生徒と親友の間柄になるのだが、それはもう少し先のお話である。
ちなみに同じ制作会社が運営中のカードゲームにて、彼女を含めたマナリア組が大暴れしているとのこと。
・ハンナ
マナリア魔法学院で生徒会長を務める女子生徒。
成績も優秀で有り、良家の子女であることから良くも悪くもプライドが高い。しかしそのプライドに見合った実力を維持するため、日夜努力を重ね続けている。
責任感も相当強く、漫画版ではある生徒が学院に馴染めていないことを自分の責任として謝っていた。
神バハではエルフ族だったが、グラブルではエルフが居ない? (詳細不明。シャドバコラボのアリサは種族不明の扱いだが、これは除く)為にヒューマン族へと変更された。ただ、立ち絵では耳が髪に隠れているので現状不明である。
この小説ではサブキャラとして登場。
・ルゥ
話に寄るとアホの子らしい。割と色々やらかすことが多いヒューマンの女子。
元は神バハのキャラだが、この作品ではサブキャラとして頻度は少なめではあるものの時折登場予定……かもしれない。ついでに後輩ではなく同級生。設定が違うかもしれないが、フォルテとかルシウスとかウィリ何とか先輩のような、作品による設定改変はサイゲではよくあるから大丈夫だろうと判断。不快に感じた神バハファンの方はごめんなさい。
グラブルのゲイザーをデフォルメした感じの、オメメちゃんという目玉の魔物と契約している。
・紫の髪の上級生
一体誰アム先輩なんだ……。
・ハインライン
マナリア魔法学院にて闇魔法の講義を受け持っている男性講師。
グラブルでは未登場だが、この作品ではサブキャラとして登場。何故リストラしたよサイゲェ……。
マナリアの姉妹校のとある教師とは何か因縁が……?
・スケルトン、インプ、ガーゴイル、デュラハン
今回の犠牲者達。何故か書いている最中、頭の骨を掴んでボールのように投げたり、空中からドリルの様に回転しながら突撃したり、石柱を放り投げてから飛鳥文化アタックを仕掛けてきたり、来いよ人間! 武器なんぞ捨ててかかってこいよ!! ただし俺は使うけどな!! というネタが思い浮かんだものの、戦闘はそこまでふざけるつもりはないので当然不採用。ギャグ小説なら迷わず採用していた。
・安心と信頼のC社製教室
元ネタは『バイオ○ザード』など、秘密結社Cのゲーム作品に登場するヘリの呼び名。通称『安心と信頼のカプ○ン製ヘリ』であり、よく墜落or爆破されることで有名。
他にも列車なら脱線か爆発、車やバイクは横転または爆発、エレベーターでは停止もしくは墜落と、最早カ○コンの伝統芸ともいえるもの。
当然C社のゲームである『ロックマンX』や『ロックマンゼロ』シリーズでも例に漏れず、ホバーバイクのライドチェイサーを乗り捨てて爆破したり、空中要塞を墜落させたり、潜水艦を撃墜したり、列車のコアを叩き斬って停止させたり、地球の軌道上で百年間漂ってた宇宙船が雪原に墜落したり、民間人のトレーラーがレプリロイドに襲撃されたりしている。……C社の社員は乗り物関連に何かしらの恨みでもあるのだろうか。
関係ない話だが、『ロックマンX5』ではコロニー落としをやっていたりもする。
・天昇斬
初出は『ロックマンゼロ2』だが、原型となった技は『ロックマンX4』の"龍炎刃"。
炎を纏ったセイバーを構え、上方向に跳躍しながら斬り上げる対空技。後作品の『ロックマンX5』では電撃を纏った亜種バージョンの"電刃"がある(こちらはある程度ジャンプの高さを調整可能)。
『ロックマンゼロシリーズ』においては"天昇斬"、"天裂刃"、"昇焰牙"と幾度と名前を変えてはいるものの、元が炎属性のボスである"マグマード・ドラグーン "から習得可能であることのオマージュとして、全て火を扱うボスからキャプチャー出来る。炎が無い状態でも放てるが、その場合飛距離が一~二割程度落ちてしまう。
勿論オリジナルボディを使用する某メシアも愛用しており、あちらは炎が無いけど"龍炎刃"という扱いで使ってくる。ただしゼロとは異なり、飛距離は炎有りの"天昇斬"と変わらない、どころか本体との接触ダメージ+"龍炎刃"のダメージが入る仕様なのでむしろ質が悪い。セイバー特有の効果として無敵時間も貫通してくる。『ロックマンZX』においてはモデルHXで上空へダッシュジャンプ出来るのだが、高確率でたたき落とされる。実際筆者が何度か検証したところ、十一回中九回落とされた。