読者の皆様、お久しぶりです。筆者のハツガツオと申します。
今回は皆様にお知らせがございます。
本作『紅いイレギュラーハンターを目指して』についてですが、約一年以上更新が途絶えていたにもかかわらず、誠に勝手ながら『未完』として終了させていただくこととなりました。理由としては、問題が多すぎて執筆が困難になってしまったからです。
本作は前世の知識を持ったゼロ大好きオリ主がゼロ目指してラーニング技を習得していきその中で色々な事件に巻き込まれていく……というコンセプトで進めておりました。魔法を中心に扱いたかったので原作主人公であるグラン達グランサイファー騎空団ではなく、魔法大国マナリアを舞台としておりました。
なので途中よりマナリア魔法学院に入学し話が進んでいく……予定だったのですが、辻褄合わせのために今回書き直しを頂き一時期非公開にしていました。卒研と就活(この二つも重なっていた為に時間が余計にかかった)の合間を縫って作業を進めていたのですが、まあ出るわ出るわ大量の問題点が。これらの問題点のせいで作品の執筆がほぼ不可能となってしまったんです。
その中で大きな原因となったのは以下の三つでした。
まず一つ目が、オリ主のバックボーンがほとんど固まってない状態で始めてしまったこと。 そもそも執筆自体をほとんどした事無かったので主人公の背景だとかを全然固めずにスタートしてしまい、ちょっとやばいなと思いつつも「まあ何とかなるんじゃね」という甘い考えで進めていました。結果は当然痛い目を見るという。
そもそもオリ主の背景をある程度決めるのは物語執筆の上で前準備に必要なものでした。所謂そのキャラの履歴書に相当するものなので、それが無ければ過去に関する伏線とか他のキャラとの関係性とかも描きにくいったらありゃしない。ゼロに憧れる転生者であり身寄りは一切無い孤児……というのは執筆段階では決まっていたんですがね。それ以外が全然でした。
途中で幾つか考えたりもしたのですが、出だしの部分と次の二つ目の原因で全てボツとなりました。
二つ目が必要の無い要素を詰め込みすぎたこと。コイツが一番悪さをしていました。
本作はマナリア(グラブル)とロックマンゼロ及びロックマンXとのクロスオーバー(ロックマン側は技と設定だけ)という形で執筆していました。なので必然的にこれらの作品中から小ネタやオマージュといったものを拾って散りばめていくこととなりました。その方が原作を知っている読者の方々も親しみやすいですし楽しく読めると思ったので。
で、ここまではまだ良かったんです。
問題はその後。他の要素を入れすぎたことと元ネタの再現に固執し過ぎたことが足を引っ張りました。
まずオリ主レイの黙り癖と勘違い。これはオリ主が転生者というイレギュラーな存在であることを表現するためとゼロファンの奴がクールな性格とか無理じゃねというのを考えて入れた要素でした。特に前者は魂と肉体の齟齬があるという感じで。
ただ、この作品を書く上ではこの設定を上手く活かせませんでした。そもそも勘違いというのは『自分はこうは思っていないのに周りが勝手に判断して別の解釈をされる』という主人公の思惑や望みからどんどん離れていくのが面白いのです。この作品では『ゼロを目指しているけど自分は死にたくない、けど周囲はそうじゃないように思っている』という感じにしていますが、ここで一つの疑問がありました。「いや、ゼロ目指すんなら結局戦場出るから死ぬの怖いとか矛盾してんじゃん」と。
どうせならオリ主の性格を思いっきりストイックな感じ、修行にしか興味ねえみたいにした方が全体的にはまとまった感がありました。転生者として何もない自分に唯一すがれるものだから目指すとか憧れた存在だから死に物狂いで目指すとかなら修行する理由にも説得力が生まれますし。
そういったことからこの設定自体が余計なものとして機能していました。
次に風紀委員関連。これは主人公が(外聞上)人付き合い皆無な性格であることからどうにかして学園勢と関わらせたいと思ったこととイレハン要素を入れたかったので導入しました。イレギュラーハンターもとい風紀委員として『孤独の竜姫』や『蒼空の向こう側』などの学園での事件に関わるとかそんな感じで。なので委員長もシグマ隊長を元にドラフのスキンヘッド男子であるオッティモ委員長を登場させたわけです。名前もシグマの"総和"という意味に近しい"最上級"という言葉からチョイスして。
しかし問題だったのは、この風紀委員という要素。これ本当に必要か? と。
元ネタのゼロはイレギュラーハンターとして数々の事件を解決してきたことからオリ主にも何かしらの肩書きは持たせたかったんです。加えてレイはアクティブな方じゃないし何かしらの肩書きを持っていた方が事件とかに関わる必要が出てくるんじゃないかと当時は思っておりました。
ですがよく考えてみればマナリア組(ここではアン、オーウェン、グレアの三人組の呼称)にはアンという自分から首を突っ込むであろう人物がいるので、彼女と知り合いである以上はどちらにしても巻き込まれるし巻き込んでくるなという結論が出まして。
さらに言えば、その風紀委員という肩書きがどうオリ主に対して関わってくるのか? という部分も問題でした。例えば原作ロックマンXにおいて主人公エックスはイレギュラーハンターとして戦ううちに心が成長していく描写があったり、グラブルでは主人公グラン(もしくはジータ)が騎空団として仲間を増やしたり星晶獣にまつわる数々の困難を乗り越えていき心身共に強くなっていくと、主人公の持つ肩書きというのが物語そのものに密接な関係があったわけです。しかしレイの場合風紀委員に属したからといって何か変わるか? というと、正直あんまり変わらない。事件解決するだけ。マナリア組のフェイトエピソードに当たる話にも関わるけどそれは友人としての立場。精神面で成長するけどそこに風紀委員全く関わりない。物語に直接関わる要素でもない。……これじゃあ合っても無くても変わらねえわ、と。
むしろオリキャラが出たこと含めて扱いに困る要素となってしまいました。
そして最後。師匠ポジであるハクラン。この人を登場させたことを本気で後悔してました。
そもそもこのキャラが登場した理由としては、オリ主が幼少期から修行をしたからといっていきなりゼロと同等の強さを得られるのはちょっと不自然では? と疑問に思ったことが切掛でした。彼を拾ったのは極めて普通の一般家庭の夫婦であるために修行やろうにも限界があるし武器である刀を入手する手段も皆無だったので、じゃあ稽古付けてくれそうな人物登場させるかと思って出てきたのがこのハクラン氏。性格の方はレイが喋らなくても気にしなさそうな兄貴肌のfateのランサーを参考にしました。更に当時は親友ポジに考えてたオーウェンとの関わりが持てるように騎士団の団員、しかもめちゃ強いという要素までぶち込んだ俺の師匠は最強なんだ! という具合です。
その結果どうなったかというと、レイ達がいくら活躍してもいくら強くなっても「ハクランさんいれば問題ないんじゃね?」と主人公勢が霞んでしまう要素となってしまいました。
この物語は冒頭でも書いたとおり"オリ主のレイがゼロ目指してラーニング技を習得する"というのがコンセプトでもあるので、それ以上に強い輩がいると主人公達の活躍が印象に残りづらくなってしまうんですよね。メインのラーニング技習得には直接的な関わりは少ないし。
では自爆とか敵の道連れで退場させては? ということも考えたのですが、それはゼロの十八番ですのであんまり他の奴にやらせたくねえなぁ……と気が乗らなかった。おまけにこの人の感じからしてどっかで生き残ってて最終話当たりでひょっこり出てきそうだなぁとも。
そんな訳で扱いに困る困る。おまけに騎士団所属でもあるから大きな事件には関わるだろうし絶対ボス戦には参加するだろうし難なく倒すだろうしで……何処の東方不敗だアンタは。
結局のところレイがラーニング技を習得してゼロに近づくという要素に対するアンチテーゼ要因になってしまったというところですね。
そして最後の三つ目の要因、作品の雰囲気がコメディとシリアスのどっちつかずだったこと。
皆様もご存じの通り、大抵の物語というのはシリアスかコメディのどちらかを主軸として物語が進んでいきます。有名な作品を例とすると同じ学園ものを題材としていても、某バカと召喚獣のようにコメディ中心だったり、某とある科学のようにシリアスだったり、将又某間違っているのようにシリアスとコメディの中間だったりと作品によって全く違います。更に言うと徹頭徹尾シリアスかコメディでいく場合もあれば、シリアスにギャグをぶち込んだり、序盤はコメディでも終盤はシリアス一辺倒とこれまた違っています。このようにメリハリがつけられることで読みやすさや日常シーンの大切さなどが浮き彫りとなりますし、シリアスが入れば本当に重要なシーンなんだと読んでいる側としてもかなり分かりやすいです。
そういった区切りがこの作品にはほとんどありませんでした。コメディのようなシリアスのような終始グダグダな感じで始まりグダグダな感じで進み、時折気持ち程度のシリアスに寄って……といった感じですね。メリハリもクソもない。
これには先述したオリ主の黙り癖やら勘違いやらも関係しています。勘違い要素をそのまま活かすのであったなら『レイの内心というコメディ』と『周囲からみた様子のシリアス』という区切りを付けておけばちゃんとメリハリが機能していました。けれども私がシリアス面であろう周囲の行動にまでギャグやネタを入れたせいで境界線が曖昧となってしまいました。
当然ながら執筆の際には場面の空気というものを意識しなければなりません。シリアスな場面だったら雰囲気を崩さないように言葉や文を気を付けて選ぶ必要がありますし、コメディが中心なら会話文を多めに疾走感を出したり読者が笑えるようなネタを幾つ仕込めるかが勝負だと思います。こういった執筆の上で注意することもまた違ってきます。
これらの境界線が曖昧だったおかげで、シリアスを書いているのかそれともコメディを書いているのかというのが執筆しているうちに自分でも分からなくなってしまいました。私個人としてはレイの内心というコメディを少し挟んだシリアス寄りな内容書きたかったのに、後述の必要のないであろう要素とか含めて制御不能になってしまいました。
前書き後書きにコメディを挟んだり本編とは真逆の作風で小ネタを挟んだりするのはまだいいとは思うんですよ。前述したメリハリにもなりますし、本編の内容があまりにもツラすぎたりすると精神的な清涼剤の役目を果たす時もあるので。というか前書き後書き部分はある種無法地帯ですし。例えるならアレです。アニメ版HEL○SINGやアンジュヴィ○ルジュの次回予告とかです。重たい本編とギャップのある感じの。
ただ、あくまで前書き後書きはそれであっても本文にまでそのノリを持ち込むのはまた別の話でもあるかとも思っています。作風自体がそうであるならともかく、そうでないなら全て一緒くたになってしまうので。そういった部分まで今作では反映されていました。
シリアスもコメディも共存していると言えば聞こえはいいですが、どちらに寄っているか等をはっきりさせなかったせいで雰囲気作りに苦戦し執筆作業が難航する要因となりました。
以上が執筆不可の原因となる要素でした。これらが重なった結果、『人物背景の無い転生者がネタまみれのグラブル世界でゼロ目指して勘違いされながらグダグダと学園生活を送るけど結局師匠の方が強いんじゃねという物語』という意味の無い内容になってしまった訳です。勿論問題点となる部分は上記以外にもあるのですが、主に原因だったのがこの三つでした。
それでもどうにか修正しようと試みた訳ですが、どうにもなりませんでした。いくら辻褄合わせとはいえこれらの要素を全部修正してしまえば、それこそ別の作品となってしまう訳ですし。最初は色々考えられてても、段々とキツくなって。楽しく書いていたはずなのに、何もかもが噛み合わず足を引っ張って次第に書くのが苦痛になっていきまして。それが今回のような結果となってしまいました。
本作の続きを楽しみにしてくださっていた方々、本当に申し訳ありませんでした。
読者の皆様からいただいた感想というのはとても嬉しいものばかりで、読む度に頑張って書こうという気持ちになる励みとなっていました。
投稿する度にお気に入りをしてくれる方が増えていくのは非常に嬉しくも照れるものでした。
日刊ランキングにも載った時はとても驚き、またそれだけの人が見てくれたのだと考えるととても有り難いことでした。
にもかかわらず、この作品は私の至らぬせいで未完という扱いとなってしまいました。非常に悔しく思いますし、読者の皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいです。
たかが二次創作程度に大げさなと思うかも知れませんが、それだけ私はこの作品に思い入れがありました。
なので、一つのケジメとしてこのお知らせを投稿いたしました。
拙作『紅いイレギュラーハンターを目指して』を読んで下さっていた皆様。
今作は今話を以て『未完』として終了いたします。
今までのご愛読誠にありがとうございました。
2021年10月10日 ハツガツオ
さて、実はお知らせがもう一つあります。それは、今作のリメイクに関してです。
どうしても今回の結果に諦めきれなかった私は、今作の一部の設定や修正過程で生まれたプロットを元に一から作成したリメイク作品の執筆を開始いたしました。一応既に投稿してはいるのですが、内容や雰囲気は今作から相当かけ離れております。オリ主の名前こそ変わらないものの、それ以外は最早影も形もありません。転生者要素や勘違い要素も廃止されています。
主人公の設定や物語の雰囲気が変わっても読んでみたいという方は作者のページに飛んでいただき作品一覧から見ていただければと思います。いや、それだったらもう読まないわという方は他の方の作品へ移ってくださればと。他の作者様のグラブル作品やロックマン作品で面白いものはそれこそたくさんありますし、むしろそちらを読んでいる方が有意義かと。
気力の続く限り執筆は続けるつもりですが、私自身の体調や昨今のリアル事情等によっては今作同様未完となるかもしれません。
それでもいいという方、多少なりとも興味の湧いた方は暇潰し程度に見に来ていただければ幸いです。
感想と酷評どちらもお待ちしております。
では、また何処かで。