みほとまほ 山を歩く   作:極限環境微生物

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三泊四日の水あり食料なしの山籠りなため、そこまでガチガチな内容ではありません。
みほまほの姉妹愛を妄想する一端になれば幸いです。

※追記 行頭のスペースが入っていませんでしたので改訂しました。


第1話

「みほ、起きて。みほ」

「…お姉ちゃん」

「おはよう、顔を洗っておいで。水を飲んだら出発しよう」

 

  テントでの睡眠では中々疲れが取りきれない。昨日一日歩き続けたからか足もだけど、山という整備されていない不安定な地形を歩くのはお腹と肩周りの疲労が大きくなる。

  猪や鹿、あと恐らく野犬の糞もあったりするから警戒を怠られないし、ましてや60Lいっぱいのザックを背負えば夜にはクタクタだ。

 

「みほ、これを見て」

「えっ…。ヘビ?」

 

  テントの収納をしている時に声をかけてきた。

  お姉ちゃんの左手に握られて拳の端から顔だけを出している。つぶらな瞳、舌を小刻みに出し体を姉の腕に巻き付けている。

  可愛い。そう思ってしまった。

 

「これはアオダイショウだ。朝食にこれを食べよう」

 

  木の幹に蛇の頭ごと拳を押し付け、腰に帯びていたナイフで首を落とした。そのまま幹の筋を伝い血が滴る。

 

「え?」

 

  みほ、火の用意を。蛇も生食はいけない。しっかり火を通しておこう。

  皮は手で剥げる。ただし剥ぐ時は肛門の向きに注意して、排泄物が飛び出して来ることがあるから。皮を剥いだら肛門周りから内臓も一緒にとれる。

 

「うぅ…」

 

  いつの間にか二匹目も獲り私に教えるように皮を剥いでいる。それに、お姉ちゃんのあごには血がついてる。さっきまでついてなかったのに。

 

「頂きます」

「…いただきます。…うぅ…っ」

 

  初めての爬虫類。白焼きに塩をふっただけ。肉質は固く脂分は感じられない。とても小骨の多いコマイの干物のようだった。

 

「「ごちそうさまでした」」

 

  テントを片付け、水を飲み地図を見ながら予定の確認をする。

  今日はこの位置まで移動しよう。急傾斜は迂回出来るが川越えがあるな。体調が悪ければすぐに言ってくれ。何か質問はあるか?…よし、出発しよう。

 

  話を聞きながらも、意識は先程の体験へと囚われていた。それほどに衝撃的。

 きっとしばらく思い出してしまうだろう。

  先ほど食べたヘビは首を落とされる瞬間口を大きく開けていた。ナイフが皮膚を破った痛みによるものか、自分を害する外敵と理解した際の威嚇のためか。

 

  お姉ちゃんはとても強い。全く躊躇しなかった。私には出来るだろうか。いや、出来るようにならなくてはいけない。そのための訓練でもある。

  ただ、今の私には、何かを傷付けたり見捨てたり奪ったりしてまで得る生に少しの戸惑いがあっただけ。

  それでもお姉ちゃんは私のためにも獲って教えてくれたのに、こんな風に考えるのは卑怯だ。自分でも嫌になる。

 

  あと2日。私達はこの訓練で何を学んで、何を得るんだろう。




誤字脱字、矛盾や指摘点があれば教えてください。よろしくお願いいたします。
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