みほとまほ 山を歩く   作:極限環境微生物

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今日お気に入りに入れてくれた方がいました。そして評価までしてくださった!心よりお礼申し上げます!ありがとうございます!
みなさまのおかげで私は救われています。この物語が私にとっての救いであります。その中でみなさまのみほまほ愛を補充するきっかけになれば幸いです。


第4話

  木に囲まれた場所にいると景色の変化が乏しく時間経過は遅くなったかのように感じる。

  しかし山での夜は足が速い。地形によっては夕日さえ差し込まずにすぐ薄暗くなり、そして夜になる。

 

  目が効かない夜は人にとって非常に危険だ。暗く不安定な地形を歩けば足を挫き、周りを見回すだけで堅い枝を払ってしまい怪我をする可能性も高い。

  だからこそ、明るいうちに野営の準備をする。

 ライトを使うのはテントの中だけでいいくらいに早く準備をするのが大事。ぜんぶお姉ちゃんの受け売り…私の解釈もあるけど。

 

 そういう訳で今日の野営地に到着した。山間にある少し開けた平地、森林限界ほどの標高ではないため、平原になっている。私たちは乾いた草の無い場所を探しテントを張ったら薪を集める。

 薪を拾うと言っても夏場によく乾いた木は少ない。そういう時は腐って折れた木を探せばいい。生きていない草木は水分が抜け乾くため良い燃料になる。

 あとは薪を拾う時はナイフ、出来ればナタ。それと袋もあったほうがいい。大きい枝は切らないと持てないし、そのまま抱えると棘(トゲ)やささくれで怪我をする可能性がある。

 そーです。これもお姉ちゃんの受け売りです。

 

 

 

  お姉ちゃんは人前では口数が少ない。でもみんなは勘違いをしている。たしかにイメージ通り、1を聞いたら10を知るような人ではあるけど、それを人に押し付けたりはしない。

  西住家の長女であり西住流の体現だからだ。お母さんの跡を継げるのは、間違いなくお姉ちゃんだけ。そしてその地位から放たれる言葉の力と責任の重さを理解しているんだ。

 

  でもでも、私と二人きりの時だけは、穏やかな顔を見せ柔らかな言葉を紡ぐ。

  お姉ちゃんに守られっぱなしの出来の悪い妹。それでもお姉ちゃんを振り回す時だけは普通の家庭によくいる姉妹で居られる気がするから。私はこれで良いと思ってたりもする。こんな考え方、お母さんにバレたら絶対怒られるけど。

 

 

 ーーーーーーーー

 

 

 嫌な気持ちだ。私はいま、追いつめられている。

 

 しかし抜き差しならない状況。私はズボンに手をかけまずは一枚、地面へと下ろす。

 日の光で黒いコンプレッションタイツが艶っと光り、奥にあるカメリア色のメッシュパンツが透ける。

 今ならまだ戻れる、私は人間だ。そう一瞬頭によぎったが、この先に逃げ場などない。女子なら、自分がこれからする行為に嫌悪感は必ずある。それでも、タイツとパンツを一気にずり下ろしその場にしゃがみ込んだ。

 

 

 いや、何か嫌な予感がする。下半身はそのままに、上半身だけで後ろを振り返ろうとした時には既に声をかけられた。

 

「みほ、そろそろ薪は集まった……か……」

 

「あっ。ぎゃあ! 向こう行ってて!!」

 

 ……あーもう最悪だよ。乙女が恥じらいを押し殺してまで決意した、決死のお花摘みをわざわざ見に来るなんて。見つからないよう隠れてたのにそんなところで能力発揮するな。

 

「排便の際は持ち帰るように」

 

 立ち去りながら余計な情報まで漏らさないでよぉ。ぐすっ。

 

「……」

 

 羞恥心というものが芽生えてから初めての屋外排泄は高校一年生の時になるみたいだ。覚悟を決めた時はできる気がしたのに、お姉ちゃんに見られ一度緊張してしまうとなんか出てこない。

 しかもこちらは急所を丸出しで自然に晒すという危険な状況。例えるなら敵車両を目視で確認しているのにキューポラから体を乗り出している状況だ。なんだそれならいつもやってるって私は何を考えているんだ。

 早く済まさなければやられる。この焦燥感のせいでうまく出ない。そもそも音出るのも嫌だし。

 

 …ピトッ。

「あっ」

 

「お姉ち゛ゃああああん!」

 

「どうしたみほ! ……!?」真正面から来る姉。目を見開いて私を見ながら狼狽える姉。「え? え?」

 

「お願いおしりを見でぇええ!」

 

 私の言葉でお姉ちゃんは一気に青ざめた顔をする。

「え? え? い……いやだ……え?」手を口にあてて拒絶の意思を示す。

 

 それもそうだ。私はいま脱糞失禁しなかがらお姉ちゃんにおしりを見てとお願いしている。

 

 あっ。お姉ちゃんはそう言って私の後ろに回って、おしりにくっついていた何かを取ってくれた。

 

「みほ、カエルだったよ。ごめん。すぐに気付いてやれなくて」

 

「ううん。こっちこそごめんね。それとまたお願い。向こうに行ってて欲しい」

 

 恐ろしく冷静な物言いにお姉ちゃんも察したように黙ってカエルを持って歩いて行った。ていうかあのカエルでかすぎでしょXperia Z Ultlaかよ。

 

 ーーーーーーーー

 

「お姉ちゃん。薪は集まったよ」

 

「あ……ああ、ご苦労」

 分かりやすいくらい気まずそうな顔。何か言わなきゃ。

 

「さっきはありがとう。お姉ちゃんが居なかったらもう一生外でトイレができなくなるところだったよ。だから本当にありがとう」

 

「あはは、普通の女の子は野外排泄なんかしないよ。……あっ」

 

 このお姉ちゃんは……なんで勝手に失言して気まずそうにするの……。

 

「みほ。戦車道を嗜む乙女なら覚えておくといい。土壇場を乗り切るのは、勇猛さじゃな「そういうのはいいよ」

 

 格言でお茶を濁そうとする態度に少しムッときた。

 

「もうお姉ちゃんは私のはしたない姿をを一生忘れずに笑って生きていくんだ。きっと誰かにこのことを言いふらして大笑いするんだ」

 

「しないよ」

 

「私がこれからお母さんに叱られてる時も戦車道で失敗した時も、あの時の姿を思い出してうんこ垂れに怒ってるよあの人。って心の中で思い続けるんだ」

 

 言ってて後悔。でも止まらなかった。

 私の目には涙が溜まってる。鼻声になってきたのも自分でわかる。なんとか塞き止めてる関が崩れたら、声を出して泣いてしまうと分かる。だから、頑張って我慢をする。

 

「ふふっ。絶対そんなこと思わない。私は西住まほだぞ」

 

「いっいま笑った!? お姉ちゃん最低!! もゔやだぁっ!!」

 

 あーあ。決壊させられた。

 

「泣かないでみほ。私はみほのお姉ちゃんなんだ。だから、大丈夫だから」

 

「全然意味がわかんない! 私は笑ったことに対して怒ってるのにぃっ!」どんとお姉ちゃんを押し付ける。もちろん全力ではない。

 

「すいませんっ、ちょっ、薪拾い中ですので……暴力は……」

 

「その心笑ってるね!? このハゲー!!」

 

「あはははは!」

 

「許したと思うなばかー!!」

 

 

 ーーーーーーーー

 

 

 お姉ちゃんはしばらく笑い転げた後に、急に真面目な顔をして私の肩を抱いて言った。私は何があってもみほの味方だし、みほのために最良を尽くすと決めている。だからいつもみたいに、仲良くしよう。だってさ。

 困るよね、いきなり大人っぽくなられても。なんかもう、許すしかないもん。

 

 

 

 今日もじきに暗くなる。火を起こしてお昼に獲った魚を食べる。

 お姉ちゃんは何匹か捕まえていたカエルを捌いて足を焼く。少し水っぽいけど鶏もも肉みたいな食感で美味しい。けど、美味しけど……!

 ……お腹が減るよりは良い。そう割り切るくらいには成長したみたい。

 

 ……普通の女の子か。ははは。変だな。うまく笑えねぇや。ぐすっ。




私は初めて野外排泄をするとき、みほと全く同じ心境でした。人間なのに自分で管理できない分解もいつするか分からないような所に排便をするときは嫌悪感でいっぱいな気持ちになります。なので大に関してはもっぱら持ち帰る派です。

曖昧な知識で申し訳ないのですが、古代よりも昔の人々は川の上流で糞便を垂れ流し、下流の人が生活用水として使うことで菌が繁殖し疫病が流行ったと聞いたことがあります。
やっぱり糞便は汚いですし、山だからと言って誰もが所構わずしてしまってはいずれ山も表層とは言いませんがうんこ層が出来上がってしまうでしょう。
しかし緊急事態で持ち帰る道具がない場合は仕方がないとは思います。

というか携帯トイレがもっと流行ってほしいです。登山道で地面にティッシュを敷いて大便をし、そのままにしてあるのを何回か見たことがありますが、見てしまったという後悔の気持ちしかありません。。。

あ、カエルは美味しいし居酒屋でも食べられたりするのでまだ食べたことのない方はぜひ!くどいですが野生の生き物を自分の知識だけで処理し食べるのは非常に危険ですのでおやめください。西住姉妹は特殊な訓練をうけております。
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