ここにいる西住姉妹のお話が、皆様の楽しみになれることを願います。
「みほ、起きて。準備をしよう」
「んー……おはようお姉ちゃん」
今日で3日目。からだふきシートで顔を洗い髪を梳(くしけず)る。行軍ルートとしては山を越えて木々の深く広い森へいく。シンプルな行程。
今日は歩いて歩いて歩きたおすことになる。
ちなみにその森を超えると、農村地帯に出るようになっている。予定としては森の中で一泊し、明日はその森を超えて農村地帯の大きな国道まで出たらお父さんに連絡することになっている。
そして迎えに来てもらって訓練終了。お姉ちゃんが考えたルートだったので信頼しているし、地図を見る限りこれから川越えや沢下りはしなくていいみたいだった。
それじゃあ朝のお着替えタイム。私はパジャマ代わりのTシャツと短パンを脱いだ!
説明しよう。登山における服装とは即ちRPGにおける防具なのだ。
人が受けるダメージには、切創や擦過創、打撲創、刺創、熱傷などがある。
それを防ぐには重く硬い防具を揃えるしかない、しかし!
現実の登山には通気性や着心地、快適性という魔法防御力が求められる。これを実現したのがアウトドアウェアなのだー!
ここからは私の魔法のような防具の数々を見ていただきたい。
まずはインナー。肌に直接触れ、デリケートなゾーンを優しく守る超重要防具だ。
ここは蒸れないよう通気性があり、汗をかいた時もすぐに乾くような吸水拡散性の高い物を選ぶ。おすすめはジオライン・メッシュで出来たもの。
ジオライン・メッシュ ソフトブラ E
ジオライン・メッシュ ローライズショーツ E
……調べて貰えばわかるけど、ローライズのショーツが全部、みんな想像するような可愛いデザインな訳ではないからね!
次にタイツ。これも肌に触れる面積が多いからしっかりした装備を選ぼう。
私達姉妹は、長い袖と裾のコンプレッションウェアを好む。その中でもオススメは……。
ヒートギア トップス E
ヒートギア ボトムス E
このタイツでは長袖長ズボンを着なくとも素肌を日差しや毒虫毒草、草木の枝や棘から保護することができる靭性があり、尚且つヒートギアは速乾性にとても優れていて、半袖Tシャツでいるよりも涼しいと感じるーー山の上では汗に濡れたまま風に晒されると寒いくらいーー。
また、程よく体を圧縮(コンプレッション)してくれることで余計な振動を抑えることで疲労を減らし、スタミナの維持をサポートしてくれる。
まさに物理面(ハード)や魔法面(ソフト)でのステータス補正を期待できる。
ちなみに上下とも黒色を着てみればガンツスーツの完成。ちょっと恥ずかしいけどかっこいい。ガンツスーツかっこいいよね!?
肌着の仕上げとして、靴下を装備する。ここで私たちが選ぶのは……。
メリノウール トレッキングソックス E
これはメリノウールで出来た登山用の少し厚手の靴下。
メリノウールは、汗を吸収して外に発散する力もすごいけど、どれだけ汗をかいたまま時間が経っても、嫌な臭いが発生しづらい私の大好きな。これこそ魔法の素材。
臭いが出ないのは自分の精神面にも大きく作用するから本当に使いやすい。化学繊維の靴下の方が早く乾くけど、すぐににおいはしちゃうから。
続いてズボン(ボトムス)を装備する。
トレッキング パンツ E
この防具はとっても種数が多く好みが分かれるんだ。
女の子ならコンプレッションウェアの上にスカートや可愛いショートパンツを選ぶかもしれない。そこはお任せしよう。
ただし、絶対に必要なのは撥水性が高く、丈夫な素材で伸び縮みするもの。
もしあればポケットのどこか一箇所でもいいから防水ジッパーになっているのがオススメ。急な雨にも対応しやすくなるね。
トップスも綿やデニム以外の素材でお好みで。
ポリエステル素材の長袖シャツ(パステルカラー) E
だって色が可愛くて、腕まくりすると涼しいんだもん。
ちなみにお姉ちゃんはメリノウールとポリエステルを合わせた素敵素材のポロシャツを着ているよ。
あ、登山の防具としては、綿(コットン)素材やデニムの衣類はあまり向かないんだ。着心地の良さやデザインは抜群だけど、濡れると乾かないし重くなる。私はタオルくらいしか綿は使わないかな。
そして足下にはもちろん……
登山靴 E
値段は張るけど、靴底(ソール)を張り替えれば一生ものとして使える。何より、機能的で見た目も美しいんだ。
ゴアテックスによる高い防水性、そして透湿性のおかげで汗をかいたとしても水分を外に逃がしてくれる。新品なら撥水性もピカイチ。そしてメリノウールの靴下と相性がとても良い。
もちろん靴紐も強靭な素材が使われ使用されていて濡れにくく、カラーリングやカラーパターンも豊富で可愛い紐を選べる。黒と赤のモザイクパターンに黄色の差し色とかすっごく可愛いよね!
更に、登山靴は足首をかたく固定し保護する作りになっている。
そのため訓練すれば山のような不整地でも足を挫くリスクを減らし、更には歩くためのエネルギーを効率よく推進力に変換出来るようになる。
無骨な見た目から、山の安全靴とも言われる(わたしが言ってるだけかも)
あとはアクセサリーだ。
ジャングルハット E
コカゲシールドグラブ E
夏は日差しが強く、短時間でも肌が晒されれば大きく体力を削られる。私はジャングルハットを着用し、お姉ちゃんはワークキャップを被る。
コカゲシールドグラブはなんかすっごい涼しいグローブ。防水性にはかけるけど、遮熱効果が高くて日焼けも防止できる。歩いている最中に草木を触っても手が傷つかないから便利だよ。
これが私達姉妹のコーディネートもとい防具一式になります!
……可愛い? にひひ。ありがとう!
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着替えも終わり、やる気は十分。
そして残りの水は二人合わせて20L。半分は使ったけど、これなら明日まで持つ。
こういう心の余裕は山での行軍には非常に重要だ。
……食べ物が現地調達なのがとても苦しいけど。
少し話は変わるけど、山の中で最大の脅威ってなんだと思う?危険な生き物や食料不足、はたまた落石?
私は水分だと思う。
水分に侵されれば夏でも体が凍えるし、乾かすための熱も出せなくなる。雨が降ったらなおさらだ。
そして人は、濡れた服を着たまま体力を回復することは出来ない。つまり休んだり眠ることが出来ない。思い返すには辛い記憶だけど、少なくとも私がしてきた経験上はそうだった。
たとえ、もしも寝られたとしても、状況によってては低体温症で死んじゃうかもしれない。それほど水分は危険なの。
だからこそ、アウトドアウェアには揃える意味がある。
あの装備の全てが、過去からの人知の粋だから。
それは知識という武器を、経験というスキルを。服という防御力にして、未来の人の命を助くんだ。
私は考える。
例えばもし、私の持つ道具が誰かを助けるなら。
例えばもし、私の中の知識が誰かを助けるなら
例えばもし、私の小さな勇気で誰かが助けるなら。
私はそれを惜しまずにいたい。私が人のためになれるのなら、その全力を出し切りたい。
私は今回の訓練でお姉ちゃんから知識や技術を学び、その中でしっかり自分と向き合っている。今はそんな気がする。
この考え方が、これが私の戦車道に成ればいいな。
私は、尊敬するお姉ちゃんのいる黒森峰女学園で変わりたい。なりたい私になるんだ。
前を歩くお姉ちゃんの背中、サラリと乾いて揺れるポロシャツを見ながら、そんなことを考えていた。
皆様は極限環境微生物という微生物をご存知でしょうか。
彼らは、我々人間や動植物、微生物が住める環境から逸脱した環境で生活する生き物です。
例えば高圧力の中や高ph、低ph。そして放射線の中。
何より彼らにとって、我々人が普通に生育する環境下こそが「極限環境」な可能性があるのです。
私は彼らを知り驚きました。私にとって彼らは、まさに私そのものでした。
私は人間社会に馴染めずいつも息苦しい思いをしていました。学校の中でも、アルバイト先でも、職場でも。なんだかずっと生き苦しかった。
そんな中出会ったのが創作でした。
私は何かを表現する時にいつも口ごもってうまく言えなくなる。その代わりに何かを媒体にすることでやっとうまく発信できるようになりました。
つまり何が言いたいかと言うと、私と同じような思いをしたことがある方には、創作をしてほしいのです。
私の文を読んでくれたあなたの文を読みたいのです。音楽でも良い。詩でもいい。絵でもいい。
なんだか根暗なことを書いてすみませんでした。でもこれが私の根っこなんです。私は表現することで救われる。その真意は人と繋がりを感じることで救われているのです。
もしも私の稚拙な文で、自分も小説を書いて見たいと思った方はぜひ、お願い致します。それも私にとっての救いになるんです。