それはそうと、FGOにてzeroイベ復刻しましたね。自分はイスカンダルより剣ディルが欲しいっス。
第1話 First encounter
頭の中に、膨大な情報が流れ込んでくる。金髪の剣士を召喚した自分。英霊エミヤと無数の剣が突き刺さった荒野で戦っている自分。桜を助けるために命を賭けて戦う自分。皆で食卓を囲んで食事をする自分。その他にも、様々な情報が入ってくる。
(──これは……俺の記憶、なのか?)
だけど、俺にはそんな記憶なんてない。可能性があるとすれば……
(もしや、識が言ってた平行世界ってヤツか)
そうであるならば、俺は平行世界の自分の記憶を見ていることになる。
(正義の味方、か。なりたくはあったけど、結局、それとは真逆の存在になってしまったな)
一では無く、全を救う。平行世界の俺は、そんな正義の味方に本気でなろうとしていた。
(もし、美遊と世界、両方を救う方法があったのなら……俺は──)
だが、俺の思考は、落ち行く意識によって遮られた。
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転生して、実に14年の時が過ぎた。
元は、さして有名でも無い魔術師の家系に美遊共々生まれたのだが、俺の住んでいる地域が大火災によって甚大な被害を受け、実の両親を含む多数の人々が亡くなった。両親が逃がしてくれなかったら、俺たちも死んでいただろう。そして、力尽きそうな俺たちを助けて、養子に迎え入れたのが、切嗣とアイリさんだった。
今、俺は埼玉県川越市にある衛宮家に住んでいる。そんな俺の1日は──
「これで終礼を終わります。皆さん、さようなら」
終礼が終わり、放課になる。本来は、部活やら何やらがあるのだが、俺は諸事情によって中学2年から部活を辞めている。両親とメイド2人が海外出張でいないので、妹たちの世話をしなければならないという理由だ。だが、最近は──
「士郎」
「どうした、和人」
俺に話しかけてきたのは、家のお隣さんの桐ヶ谷家の桐ヶ谷和人だ。
和人は俺の幼馴染であり、良き親友でもある。
「今日、家の用事があるから、イン出来ないんだ」
「そうか……じゃあ、今日は俺一人でやるよ。何か進展があったら伝えるからさ」
何の話をしているかと言うと、世界初のVRMMORPGであるソードアート・オンライン、通称《SAO》のβテストの話である。運良くテスターに選ばれた俺と和人は、家に帰るなりすぐにSAOのβテストをやっているのだ。1日も休むことなく。因みに、今の最前線は10階層である。
「ああ、わかった。じゃあな」
「またな」
軽く別れの挨拶を済ませて、和人は教室を出る。
あっ、そういや、明日は英語の小テストだったな。寝る前に軽く勉強しておくか。
「衛宮ー!勉強教えてくれー!このままじゃ小テスト合格点未満になっちまう!」
「衛宮、俺も頼む!」
俺の元に、2人の男子生徒が泣きついてくる。まあ、よくあることだ。俺は学年の中でも成績上位者なので、成績の良くない者たちは必然的に俺に寄ってくる。
「悪い、今日は無理かな……」
「まーたSAOベータか。いいなぁー、俺もやりたかったぜ」
「全くだ。衛宮が羨ましいよ……」
実はこの2人もSAOベータに応募したのだが、選ばれることはなかった。
「ま、まあ、そういうわけで、勉強については無理だ!すまん、じゃあな!」
「「あっ、こら待て!衛宮ー!」」
俺は2人から逃げるように、全速力で家まで帰った。
「ただいまー」
「「おかえりなさーい!」」
家に入ると、可愛い俺の妹2人が出迎える。切嗣とアイリの娘のイリヤと、最早説明不要の俺の妹、美遊だ。
「お兄ちゃん、今日もあのゲームするの?」
「あ、ああ。まあな」
「偶には、私たちと遊んでくれたっていいのに」
イリヤと美遊が俺の体に抱きついてくる。こんなに可愛い妹たちに挟まれて萌死しないヤツなんているだろうか?いや、いない。
「じゃあ、土曜日にどこかに遊びに行くか?」
「うん、行く行く!私、久しぶりに桐ヶ谷さん家で遊びたいな!」
イリヤの提案を聞いて、ここ最近、妹たちを連れて桐ヶ谷家に行くことがあまりなかったことを思い出した。
「そうだな。後で和人に聞いてみるかな。まぁ、とりあえず、夕飯の時間までにはログアウトするよ」
「「はーい」」
そう言って、2人は部屋へと戻っていった。
「さて、と。早くインしないとな」
玄関を上がって、足早に自分の部屋へと向かう。
部屋に着くなり、バッグをその辺に放って、布団に寝転がり、傍にあるナーヴギアを装着する。そして、仮想世界に行くための単語を発する。
「リンク・スタート!」
瞬間、意識が現実から遠ざかり、程なくして、SAOの中にて覚醒する。
今俺がインした場所は、最前線であるアインクラッド第十層の主街区だ。迷宮区の攻略は既に9割まで進んでおり、ボスまであと少しといったところだ。
「さて、今日も頑張りますかね」
そう言って、俺は主街区を出て、迷宮区へと向かっていった。
──俺に向けられた、誰かの視線に気づくことなく。
現在時刻は4時半。迷宮区に潜ってから実に45分経った。俺は迷宮区の中でもボス部屋に近いところにいる。
それは置いといて、今俺は、侍に酷似したモンスターと戦っている。
「────!」
無音の叫びと共に、侍が飛び上がる。《カタナ》ソードスキルの重範囲攻撃、《旋車》のモーションだ。
それを確認した俺は、攻撃を中止して後退する。
直後、侍が空中で身体を捻り、着地と同時に身体ごと刀を一回転。しかし、それは空振りに終わる。
食らっていたら、中々のダメージを受けていただろう。だが、その分技の後の硬直時間も長めである。
それを逃さず、硬直している侍に、《片手剣》ソードスキル四連撃の《バーチカル・スクエア》を放つ。
青白い光を伴って放たれたソレは、侍の身体を斬り裂いていく。
残り3割だった侍のHPがごっそりと削られていき、そのままゼロに──
ならなかった。侍のHPは、僅か数ミリ残っていた。このままでは、硬直の解けた侍の反撃を受けてしまう。だが、反撃の余地など与えない。
左腕を構え、意識を集中する。システムが規定のモーションを検知し、左腕が赤く光る。反撃しようとする侍に向けて、左腕を突き出す──!
最近になって自力で習得方法を発見した、《体術》スキル基本技の《閃打》が侍の胴を叩き、HPを完全に削る。
侍がポリゴン片となったのを確認し、ふぅ、と息を吐く。
腰のポーチから回復ポーションを取り出し、一気に中身を飲み干す。因みに、味の方はレモンジュースに緑茶を混ぜたような、何とも言えないモノだ。要するに、不味い。第一層のものはもっと不味かったが。まぁこれに関しては製品版で味が少しでも良くなることを期待しよう。
「──行くか」
空になったポーションの瓶を投げ捨て、ボス部屋目指して歩みを進めようとした──その時。
「っ、誰だ!」
何者かの気配を感じ、後ろを振り向く。
突然、曲がり角の辺りの空間が歪み、黒を基調とした装備に身を包んだ赤髪の少女が姿を表す。
「あはは、バレないと思ってたのに、バレちゃった」
「……何時からそこに?」
「ずっとだけど?」
「全く気づかなかった……」
なんということだ。彼女は今まで俺の後を
「というか、なんで俺のことを跟けてたんだ?」
「えーっとね、ほら、君ってテスターの中でも飛び抜けて強いって言われてるじゃない?だから、その強さの秘訣を知れたらなーって」
「そんな大層なモノでも無いんだけどなぁ……って、俺が有名だって?」
その話は初耳だ。確かに俺はボス攻略にも積極的に参加しているが、目立った動きって言っても、前衛で戦う以外にしてないし、
──あっ、でも、偶に他のプレイヤーの手助けをすることもあるから、多分原因はそれだと思う。
「うん、一部では"英雄みたい"、とか"アインクラッドのブラウニー"って言われてるみたいだよ」
「ここでもか……」
生前でも、今でも、学校では他の生徒の手伝いなどをしていたので、しばしば"ブラウニー"と呼ばれていた。まさか、ここでもその呼び名が出てくるとは、思いもしなかった。
「まぁそれはそうとして、理由はわかったけど、ただ俺を跟けてたって訳じゃないんだろ?」
「うん、迷宮区の攻略もするつもりだったから」
「ふむ……なぁ、良かったら、俺とパーティ組まないか?」
「えっ!?パ、パーティを?(始めから誘う気でいたけど、まさか、そっちから誘ってくれるなんて……!)」
「ああ。さすがに、最前線を一人で攻略するのは危ないだろうし。それに、こうして出会ったのも何かの縁ってヤツだ。まぁ、嫌じゃなければ、だけど」
「い、嫌って訳じゃないよ!ただ、突然のことでびっくりしただけって言うか……」
何故か、少女が必死になっている。別に俺が何かしたって訳じゃないと思うのだが……。
「──その、ええっと……よ、よろしくお願いします……」
「ああ、よろしく。じゃあ、俺から申請するよ」
右手を振ってウィンドウを出し、目の前の彼女へパーティ申請を送る。それはすぐに承認され、俺のHPバーの下に新たな名前とHPバーが表示される。
《rain》。それが、彼女の名前だった。
「レイン、か。改めて、これから、よろしく」
「うん。こちらこそ、よろしくね、エミヤくん!」
こうして、俺とレインは、運命的な出会いを果たしたのだった。
そして、その出会いが俺の人生を大きく変えることになるのだが、今の俺にはまだ知る由もなかった。
聖杯くん ~キリト編~
「うわーん、聖杯くーん!」
「なんだい、キリトくん」
「サチの最後の言葉を知りたいから、もう一度サチに会わせて欲しいんだよー!」
「しょうがないなぁ、キリトくんはー」
っ出刃包丁「天国への階段〜!」
「へ?」
「あの世に行けばずっと一緒だよ(ゲス顔)」
次回「サムライ・ソウル」