問題児が普通の人外とともに異世界から来るそうですよ? 作:賢者
人外、月城優馬は焦っていた
「ヤバい…ヤバイヤバイヤバイヤバイ‼」
彼は自分の持っている力を十二分に発揮し目的地へと走る
「早くしねぇと…早くしねぇと‼」
彼をそこまで駆り立てているのは何か?
「急がねぇと……‼」
専業主婦や専業主夫であったらわかるだろうこのイベントの重要性が
「セールに遅れてしまう」
今の彼は軽く道交法を無視して走っている。
ここで注目してほしいのは車で走っているのではなく自分の足で走っているという点についてだ
彼は…彼の力は周りから“人外”として認識されている
しかし彼にとってはそんなの関係が無い、今気にしているのは…
「このビニール次まで持つかな?」
今日は疲れているので手っ取り早く食事を終わらせようと思って買ったカップ麺だ
実際今まで彼の十分の一の力にも満たない速さで走っていてもビリビリ破れてしまうのである。
であるからして今も彼は全力を出したいのに今持っている荷物のせいで全力を出せないと言う
所謂もどかしさを感じている
「チッ、このタイミングで赤になるのかよ‥‥‼」
刻一刻とセールのタイムリミット俗にいう終了時間が近づいている。
本当は終わる時間より一時間早いのだが今目指しているスーパーの人気たるや凄まじいのだ
ケガをさせないように気を使いながら人ごみをかき分け商品を取っていくと言う専業主婦の
神業スペックで今まで間に合わなかった…駄菓子菓子今日は違う
「今まではマンガとかに夢中だったから気づかなかったが今日はいつもより十分も早いぞ…‼」
そんな中彼の頭上から一枚の手紙が落ちてきた
「んだこれ?俺宛てで空から?意味わかんない」
意味わかんないスペックの人に意味わかんないと言われている時点でどんなに異常なのかは
どことなく察してほしい
手紙の内容はこんなものだった
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界のすべてを捨て、
我らの“箱庭”に来られたし』
いつもの彼なら何だこの手の込んだイタズラは…とでも呆れているところだろうが
今は違う、非常時なのだ
食料が手に入るか否かの非常時なのだ
彼はその手紙を読み終えた後ブチ切れながら言う
「うるせぇ!そんなことより今はセールの方が大事だ!」
そう言い放った瞬間彼は光に包まれる
「なっ‥‥んだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
彼の声が間延びしているのはなぜか?答えは空から落ちているからです♪
「♪じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
地の文を読むな人外
「信じられないわ…いきなり空から放り出すなんて」
ごもっともですお嬢様
「下手をしたら地面に落ちて即死よ!」
そんなので死ぬの!?君もろいね…って俺が頑丈なだけか
「あぁ、まったくだ場合によっちゃゲームオーバーコースだぜ?これ」
「で誰だよお前ら?」
「それはこっちのセリフよ目つきの悪い学生君?」
「一応確認しとくが…もしかしてお前らにもあの変な手紙が?」
「そうだけど、そのお前っていう呼び方を訂正して」
嫌な予感しかしないな、コレ
音楽でも聞いて流すとしますか‥‥
♪~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
プツッ
「そこの音楽を聴いていたあなた自己紹介をお願いしたいのだけれど」
結構高圧的だなこの人
「俺の名前は月城優馬見ての通りただの人外だ、いつもは優しいのでそこんとこヨロシク」
「いつもってのはどういうことだ?」
「今さっきセールに行こうとしていたのをどこのどいつかは知らんが止められてここに来た
俺にとっては死活問題だからないつも以上にムカついている」
「なるほどね、よろしく月城優馬君」
「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」
「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」
「仕方がねえな。こうなったら、そこに隠れている奴にでも話を聞くか?」
「なんだ、あなたも気づいていたの?」
「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?そっちの二人も気づいてたんだろ?」
「風上に立たれたら嫌でもわかる」
「俺は人外と言ったろうが、テメェらにできて俺が分からないわけないだろ」
「……へえ? 面白いなお前ら」
「や、やだなあ皆様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたらうれしいでございますヨ?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「帰らせろ、俺にはセールと言う名の聖戦が待っているんだ」
「あっは、取りつくシマもないですね♪」
バンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ。
しかし、その目は冷静に四人を値踏みしていた。
のだが…耀が不思議そうに黒ウサギの隣に立ち、黒いウサ耳を根っこから鷲掴み、
「えい」
「フギャ!」
力いっぱい引っ張った。
「ちょ、ちょっとお待ちを! 触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に
黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」
「好奇心の為せる業」
「自由にも程があります!」
「へえ? このウサ耳って本物なのか?」
今度は十六夜が右から掴む。
「じゃあ私も」
飛鳥は左から。
「ちょ、ちょっと待―――」
視線で助けを求める黒ウサギ
「おいテメェら…」
(やったあのお方が止めてくれる‼)
「俺の分も残しとけよ?主に恨みの部分でその耳引っこ抜いてやる」
「やめてください~~~~~~~」
そして小一時間経過した
「あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために小一時間も
消費してしまうとは。学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのデス」
「いいからさっさと話せ」
そうだそうだと心の中で言う俺
一応かわいそうとは思っているので心の中だけにしておく
「それではいいですか、皆様。定例文で言いますよ? 言いますよ? さあ、言います!
ようこそ“箱庭の世界”へ! 我々は皆様にギフトを与えられたものたちだが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントさせていただこうかと召還いたしました!」
「ギフトゲーム?」
「んだそら?」
「そうです!既に気づいていらっしゃるでしょうが、皆様は皆、普通の人間ではございません! その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその“恩恵”を用いて競い合う為のゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な力を持つギフト保持者がオモシロオカシク生活できる為に造られたステージなのでございますよ!」
へぇ長くなりそうだからここいらで音楽をっと…
♪~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
プツッ
なんかわからないけどシリアスっぽかったので外した
「俺のききたいことはただ一つ」
「この世界は…面白いか?」
「―――YES。『ギフトゲーム』は人を超えたものたちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」
「ジン坊ちゃ~~ん、新しい方を連れてきましたよ~」
「お帰り黒ウサギそちらの女性二人と男性が?」
「YESこちらの御四人様方が…ってあれ?」
異変に気付いた黒ウサギが顔を青ざめさせる
「ああ、十六夜君なら“ちょっと世界の果てを見てくるぜ!”と言って駆け出していったわ。
あっちの方に」
「なんで止めてくれなかったんですか!?」
「止めてくれるなよ、と言われたもの」
「どうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!」
「黒ウサギにはいうなよ?と言われたから」
「嘘です、絶対嘘です! 実は面倒くさかっただけでしょう皆さん!」
「「「うん」」」
がくりとうなだれる黒ウサギ
しかし立ち上がったと思ったら髪の毛が一瞬にピンク色へと染まった
因みに俺は音楽を聴いているので声は聞こえない
あれには何となく合わせただけだ
三人が歩き出したので俺も歩き出す
何か説明しているようだが俺には関係ないのでスルー
喫茶店に入ったので俺も何か注文をっと
「えぇっと…このチーズケーキを頼むわ」
「はい、わかりました!」とでも言ったのだろう
彼女はスキップをしながらこの場を離れていった
俺はチーズケーキを楽しみに待っていると空気を読まないデカブツがやってきた
何か話しているようだが俺の耳には届かない
こんなのは早めに追い払うが吉だ
「もう一度言いますお嬢様と旦那様がた黒ウサギともども我々のコミュニティに「結構よ」え?」
「あなたのコミュニティには入らないわ、ジン君のところで間に合っているもの」
「な…何故?」
ここ話めんどくさそうなので音楽をっと
♪~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
プツッ
「あなたも聞いておきなさい、面白い話が聞けるわよ?」
その割には顔色が悪いぜ?えぇっと…久遠飛鳥サン
まぁ俺も聞いておくとするか
「では改めて…『教えてくださる?』」
「相手のコミュニティの女子供を攫って脅迫しゲームに乗らざる状況に追い込み…」
「あら野蛮、けどそんな方法で吸収した組織があなたのもとで従順に働くかしら?」
「各コミュニティから、数人ずつ子供を人質に取ってある」
コイツ今なんて言った?
「それで…その子供たちは今どこに?」
「もう、殺した」
ハッ?
「初めてガキどもを連れてきた日に泣き声が頭にきて思わず殺した、それ以降は連れてきた
ガキはまとめてその日に始末することにした」
「だがこれがばれれば組織に亀裂が入る、だから始末したガキはその日のうちに…」
『黙れ』
口を閉じたかこのジジィ…一応何か言い始めたらしいが関係ない
姿が変わったが関係ない
「おい似非紳士一つだけ教えといてやる…」
俺は…あのころから…あの時から…
「テメェみたいな野郎は大っ嫌いなんだよな」
そう言うと同時に俺の着ていた服が背中のところだけ破け翼?が出てきた
何故翼?なのか理由はその形だ
完全に無機質、生命の息吹すら感じられないただの羽
そう言うものが俺の背中から出てきた
「一つだけ選べ外道」
俺はこの力を知らない
が本能的に使い方がわかる
「ここで死ぬのとギフトゲームで死ぬのとどっちがいい?」
帰れる帰れないなんて関係ない
家賃とかセールとか関係ない
今この箱庭にコイツがいること自体不愉快だ
どうでしょうか?
一応亀更新です、ハイ
ヒロインについては皆様のご要望で決めさせていただきます
それでわまた