君の物語がハッピーエンドであふれるように。 作:Lily Royal
気絶している翔君は、心配だが色々と状況の処理が追いついていないため、やっぱり痛かったのか泣き始めた蘭を宥めながら、少しずつこれまでの話の流れを理解していた。
どうにも蘭はちょうど私が翔くんに連れられて幼稚園を抜け出す所を目撃したらしく急いで追いかけたけど途中で見失ってしまったらしい。とにかく先生に知らせないとと思ったところでたまたま翔くんの苗字、緑川の表札を発見。庭に置いてあった子供用の自転車にはしっかりと翔くんの名前があったのでここに居る!と思った蘭はその後からずーっと1時間以上インターホンを連打していたらしい。
「ごめんね。すぐ気づいてあげれなくて」
「大丈夫...心配だったから、モカがいなくなっちゃうじゃないかと思ったから私...うぅぅぅ...」
蘭は幼稚園では、あまり友達が多い方とはいえない。話しかけられると緊張して何を言っていいかわからなくなってしまうらしい。最近は私の前では普通に話せるようになっているようだが、まだ私がいない所ではみんなとお話出来ていないらしい。
だからさっきのあの大きな声はビックリした。
「ぐす、もう大丈夫だよ、ありがとモカ」
「本当?まだ少し赤いけど...」
「うん、モカが無事だって分かったらなんか大丈夫になった...」
少し照れながら笑う蘭。モカちゃんのハートにクリティカルヒット!モカちゃんのHPは30も減ってしまった!
そ、それはずるいよ蘭...涙目でほんのりと赤く染った顔。そしてその少し恥ずかしがりつつの照れ笑い。あ、危ないところだった。もう少しでなにか新しい扉にGOーしちゃう所だったよ。(モカちゃんは現在幼稚園児です)
「そっ、そっかなら良かった...」
「うん.....でも、モカももう少し抵抗しても、よかった、と思う。あいつに連れていかれていく時少しだけど、ほんの少しだけど、楽しそうだったから。」
「そ、それは~」
「もう、私とは、遊んでくれないの?」
「もー、そんなわけないでしょ?私と蘭は友達でしょ?」
そう言って私は蘭に抱きつく。
「きゃ、も、もか、くすぐったい」
「蘭は私の大切な友達だよーこれから先もずーっとねー」
「っ、わ、私もモカのこと大切にするから、だから、ずーっと、友達...」
「「.....ふふっ」」
「で、あいつのことどう思ってるの?」
あ、蘭の目から光が...(蘭ちゃんは現在幼稚園児です)
────────
「そんな事が、あったんだ...」
あの後ずっと玄関というのもあれなので未だに気絶中の翔君をリビングのソファーに寝かせ私は蘭に今日の事を話した。
「そんなに、すごいの?」
「そうだよーきっと蘭もびっくりすると思うよー」
「そっか」
蘭は私の話を聞き終えると座っていた椅子から立ち上がり翔君が眠るソファーの前に移動して、翔くんを起こそうとしている。
「ん、、なんだ?あ、お前!さっきはよくも、、、」
「ねぇ?」
「あ?」
「!!...私にも...聞かせて...」
「何言ってんのか聴き取れないんだけど」
「もー翔くんそんなに怖い声出したら蘭がビックリしちゃうでしょー」
「あ、あぁ悪い.....ってなんで俺が謝ってんだよ!謝んのお前だろ!」
「わ、悪いのはそっちじゃんモカ勝手に連れ出して...」
「それはお前がモカ貸してくれないからだろ!」
「モカが私と遊びたいって言ったんだもん」
「な、本当かよモカ!」
「んーどーだったかなー」
「まぁいいやこれからモカは幼稚園終わったら俺とギターするっていったからなー」
「え、本当なの?」
「んーどーだったかなー」
まぁどっちも言った覚えないんだけどねー
「まぁお前がどうしてもと言うなら仲間に入れてあげてもいいけど?」
うわー翔くんすごい悪い顔してるし。ていうかギターするのは決定なのね。まぁ...いいけど。
「とらないでよ...」
あ、これは...
「え?よく聞こ...」
「モカちゃん、取らないでよ( •̥ ̫ •̥ )」
「え、ちょ、ちょま...」
「あー!翔くん泣かしたー」
「えぇ!ご、ごめん俺が悪かった、な?だから泣き止んでくれ」
はぁしょうがないですなここはモカちゃんが一肌ぬ...そうだ。
「翔くん、多分蘭はこのままでは泣き止みません。なので、モカちゃんがヒントをあげましょう」
「おお!頼んだぞ、ってモカが宥めるんじゃないのかよ?」
「大天使モカちゃんはただ優しいだけではないのです。時には自らの力で立たせることも必要なのです。」
「つまりどゆこと?」
「つまり!翔くんの歌で蘭の涙を止めるのです!」
「なるほど分かった!ってなるかー!そんなんで泣き止むのか?」
「まぁまぁとりあえずギターでもとってきなさいな」
「ん、わかった」
さてと、
「大丈夫?蘭」
「ん」
「まぁ1回聞いてみてっていい音だよ翔くんの音」
「わかった...」
「よっと、取ってきたぞーってなんだ泣き止んで」
( ɞ̴̶̷ ̫ ʚ̴̶̷̷ )
「なんだその顔は...分かったよやるよやるってば!」
蘭嘘泣き下手すぎでしょめっちゃ可愛いからいいけど。
「はぁじゃ1曲だけ」
その瞬間彼の目が変わった。なんかあの目を見てるとドキドキするな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼の歌は静かに始まった、とてもさっきまでの男の子とは思えない音色。あぁこれは確かにすごい。音楽のことはよく分からないけどこいつが凄いというのは分かった。そっとモカの方に目線を向ける。モカ。見たことの無いモカの顔。とても幸せそう。あんな顔私は知らなかった。今の私はモカにあんな幸せそうな顔させれるのかな?多分出来ない。
今のままじゃ
「ご清聴どうも。いやー泣き止んだようで何より!」
「ねぇ」
「ん?」
「私にもギター教えて!」
「え、嫌だけど」
(๑o̴̶̷̥᷅ ௰ o̴̶̷̥᷅๑)
わ、私の精一杯の勇気を!
「もー、すぐ泣くんだから。モカちゃんは蘭と一緒にギターやりたいなーなんて」
「...」
そうだ泣いている場合じゃない!決めたんだからこいつより上手くなるって!
「はぁ分かったよ、まぁ人多い方が楽しいし」
「本当!」
「あぁだから離れろ」
あ、嬉しくてつい。
「じゃ早速やろ!」
「は?今から?」
「時間無いんだから早く教えてよね!えへへ」
「お、おい」
「モカもいこ?」
あれモカ時計なんか見てどうしたんだろ?
「まぁいっか、、、待ってよー蘭ー翔くんー」
この後各親から怒られるまであと1時間
高校編は出来てるねん!(脳内で)