ド派手に前後編! 何故45の話を書かないのかは「Not Found」の後書きとかで察して欲しい!(ダイマ)
では、参る。
「指揮官さんの経歴、ですか?」
「そうそう」
押しかけ人形もとい我が基地最低のトリックスターの45は今日も元気に情報収集中である。
眼の前で俺の個人情報聞きに行くってどうなのよお前、聞かれて困る素性はないけどさ。
Karがこちらをチラリと見て俺の様子を窺う。いや忖度しろとは言ってねえから、好きに判断してくれ。
「私も勿論知っていますけど、そういう事は本人に聞くものですよ」
「Karちゃんのケチ~」
「ケ、ケチ…………!?」
凄くどうでも良いコラムだが、Karは自分より年下の相手に嫌われるのが駄目だ。どうやらお姉さん扱いされるのが密かな願望らしい、お前その背で【自主規制】。
小さく手を握りしめて唸るKarを見事に放置、45がトテトテとこっちに歩いてくる。
「じゃあ教えてよ」
「お前よく正面勝負で答えると思ったな」
「当たるも八卦、当たらぬも八卦みたいな?」
発想としては正解だ、グリフィンドールに50点。
アイコンタクトで一人で悶てるKarを何とかしろと言ってはみるが45の真っ直ぐな瞳が
『やっておいてなんだけど、ああなると収集つかないんだよね』
と切実に訴えかけてくる。テメエなあ…………。
Karと45は何というか、仲が良いと言うか良い遊び相手になっている。年上ヅラをしたいKarとしては甘えてくる(純正100%猫被っている疑惑は置いておいて)45は有り難いし、楽に情報をポイポイ出してくる最古参のKarは利用しない手がない存在だ。
ちなみにこの前9や416、驚くことにG11まで混ぜてババ抜きをしているのを見たが、Karはかなり顔に出ていた。遊んでもらっているのは実のところKarらしい。
「お前がなんとかしろ」
「しょうがないなあ、指揮官は」
いやお前のせいだろ!?
何故か俺が悪いやつみたいなムードに持ち込まれながら45が戻っていく。もう慣れてきてるのが虚しい話なのだが、この程度でガアガアと五分も十分も言い争いになっていてはこの基地は暴言の宝物庫になってしまう。
45がションボリしたまま隅に居るKarの肩をつつく。
「ところでKarちゃん、最近後衛の動きを意識して動けて無くてさ。できればどんな動きしてるのか教えて欲しいな~って」
「…………藪から棒ですわね」
45が手を合わせて上目遣いでもう一発。
「お願い! Karちゃんにしか頼めないの!」
勝ったな。
「そ、そうでしたか~。「私にしか」頼めないのですか、そうですか! それは仕方ありませんね、時間は何時頃がよろしくて!?」
「コイツチョロいわ~(えっとね、大体――――)」
「最後の最後でミスったか45!?」
両方共アホだから駄目だった!?
かなり舞い上がっていたKarの顔が石像みたいに固まった、今のは気の毒過ぎる。お前もお前だ45、後で倫理的欠如を正さねばならんようだな?
ジト目で人形不信に入ったKarがスススと俺の服の裾を掴む。
「いやあの俺で隠れても無理だから」
「45ちゃんに苛められましたの、助けて下さる?」
「苛めてはないよ私」
苛めてはないな、貶めたのは確かだ。
45が猛獣に近寄る飼育員のような様相を見せつつもジリリジリリと距離を詰める。お前こういう時の雰囲気が怖いんだよ。
基本的にろくな事を考えてないから悪人面とまで言わなくても、45の表情はそれだけ他者を警戒させがちなのだ。
「今のは冗談、冗談なんだよKarちゃん」
「そう言っていつも意地悪をするではありませんか! 私だってもう騙されませんからね!」
いやもう名実ともに45が上手なんだなあと感心するぐらいだ。
元々45がKarに甘えている絵面自体想像しがたいものは有ったが、俺の予想通りという他ない。
しかし意外と気に入った相手以外を相手にしないのが45な辺り、嫌いなわけではないのだろう。ピュアッピュアなKarとはえらいあべこべな組み合わせだが関係性とは往々にしてそういうものだ。
「もうしないから、ね?」
うわちょっと涙目になってる、コイツ妙な演技ばっかり上手いな。だが仲違いさせるのも俺的には好きじゃないから大声で指摘してやる気にもなれんぞ、ぐぬぬぬぬ…………。
怒涛の名演技にKarも若干揺らいでる。だからお前チョロいって言われるんだな大体理解したわ。
二人とも基地では古い付き合いとはいえ、こんな感じで日々Karが踊らされている舞台裏というのはちょっと見てみたい所は有る。偶には加担してみるか?
「45も反省してるみたいだし、許してやったら良いんじゃないか?」
「指揮官さんまで絆されましたの!? いつもいつもこんな感じでうやむやになって、忘れた頃にこういう事が起きているわ。もう駄目ったら駄目です! 駄目!」
じゃあ何で逆にさっきはチョロかったんだよお前、鳥なのか? 三歩歩いたら忘れるのか?
おっと45選手迫真の嗚咽ゥ! お前は一体何でそんな妙なスキルを獲得してるんだ、俺はお前を社会に出す日が来るのがちょっとだけ怖いかな!? いや鉄血とずっと戦えとも言わんけども!?
オレオレ詐欺じみた勢いだけの騙しが続く。
「もうしないからぁ…………!」
「ぐっ――――――何だかもうしないんじゃないか、って思いそうになりますわね…………!」
何だろうこの意味不明な攻防。
もう長いので割愛しておくと端的に言って仲直りしてた、これぞ真の泣き落とし。でめたしでめたし――――――なのか? いやもうよー分からんわ。
「それで、どうして私までダウトするハメになるのよ」
AR15が不満げにカードを二枚放る。数字は5。
9も呼んで4人でカードゲームと持ち込んでいた、Karちゃんの機嫌直しにはコレに限る。何だかんだ遊ぶのが好きなようだ。
3枚置く。
「3枚…………何だか怪しいですわね」
「奇遇ですね、Karさん。私も怪しいと思ってました」
何で二人で意気投合してるんだろうか、これは蹴落としあうゲームでは?
ちなみに余裕で嘘だ。残念ながら私の運はネザーマントルぐらい低くて、まるで手札に恵まれた試しがない。
まあダウトで恵まれてる手札って何か、と聞かれると唸る展開になるのだけどそれは割愛。
「どうかな~? 偶々持ってるかもしれないよ、冷静になってみてよ。今回6以降って一回しか出されてないでしょ?」
私がすぐにダウト宣言されるからね。ゲームが進まない。
とはいえ疑われるのは分かる。だって今場に出てるのはたったの7枚、看破された所で私が致命的なダメージは負わないからだ。ちょっとぐらい博打に出る可能性もそれは考慮されるべきだ。
――普段の言動? やだなあ、私は清廉潔白な正直者だよ?
AR15が9を矢面に立たせる。
「9、だんまり決め込むつもり?」
「………………あ、ごめん!? お昼に食べた秋刀魚のこと考えてたよ!?」
「ウッソだろ私の愛すべき妹よ」
AR15は溜息をつき、Karちゃんが事の一部始終を9に説明する。
ふんふん、と分かっているのかちょっぴり不安な笑顔で話を聞き終えたかと思うと、躊躇なく
「じゃあダウト!」
踏み切ってきた。笑顔が引きつる。
「ど、どういう風の吹き回しかな9…………」
「いや、私達の三人の手札と場に出てるのが計46枚でしょ? この中に一枚しか6が無い確率って、まあ有り得ないよね!」
ニコニコと無軌道にやってのける最愛の妹に、私はあっさり降参した。
ちなみに7のカードを9が全部持っていて、とうとう直感と運だけで9がいち早く上がってしまった。これには私も敵わない。
「ではカードを一番持っていた45ちゃんが私達にアイスということで」
「はいはい、私の負けです。分かりましたよ…………」
弱い、他の二人が弱すぎる。しかも子供騙しなポーカーフェイスのポの字も無い酷い駆け引きでゲームも進まない。長くなりそうだったので途中で適当にカードを貰って負けておくことにした。
カードが減ったら減ったでこちらへの煽りは大変酷かったので本気でカード地獄にしてやろうかとは思ったけど、本末転倒過ぎたので頑張って耐えた。変にレベルの高い煽りより小学生レベルの方がイラッと来る事って無い?
とはいえこれで容赦を知っているので、致し方なく食堂でアイスを買う。
「にしても45がこの手の駆け引きで惨敗ってのも珍しいわね、手を抜いたんじゃないのあんた」
――――――君みたいな勘の良い人形はキライだよ。大人しく好意を受け取っておけばいいのに。
「猿も木から落ちるって言うしね、今日は調子が悪かったみたい」
「え~、でもこの前も45姉Karちゃん相手にてかgむぐぅ!?」
要らないことを言わない、知らないほうが幸せな事実は沢山有るわ。大事なことは何が事実かよりも何が幸せかに限るのよ。
他二名は全く理解が追いついてなさげな間の抜けた顔で此方を見ている、セーフ。多分。
「それで、Karちゃんは指揮官と古い付き合いなんだっけ?」
「まだ聞きますか、答えませんよ?」
きっぱりと断られる。意外とガード堅いなあ。
「おお、Karちゃんが珍しく真面目な顔してるよ45姉!」
「珍しくとは何ですか珍しくとは」
ちなみに具体的にどういう印象かと言うと416は
『扱いにくい上司みたいだわ、性格が良いから好感は持てるけど』
G11は
『寝てると起こしてくるからニガテ』
9は
『騒がしくて退屈しないよ!』
私は――――――まあ、良い弄り相手ぐらいかな。
この通り、当人が思うよりかなり面白くて頼りない人形というイメージが強い。いやG11は通常運転だから置いておいて、だ。
Karちゃんが咎めるような視線を此方に送ってくる。
「私は好奇心に従ってるだけだよ。むしろ疑似人格として好ましいぐらいの一般的、且つ良好そのものな行動じゃない?」
「相変わらずそういう屁理屈は得意ですね。詮索はあまり褒められなくてよ?」
急に本当に年上みたいなことを言ってくる。
しかし残念ながら支持者は9だけではない。AR15の方も何処となーく目を逸らしつつも興味を示している、アレだけ経歴が語られないとなると皆否応なく興味をもつよね。
AR15の方を見るなりKarちゃんが大きく溜息をつく。
「…………はぁ、AR15ちゃんまで」
「い、いや私は」
「こう期待の眼差しを送られると無碍にも出来ませんわ。私、畜生の類ではありませんもの」
堕ちた。やっぱチョロいな。
Karちゃんは気づけばペロリとアイスを平らげていた。カップをゴミ箱に捨ててしまう。
「場所を移しましょう。今回は特別ですからね?」
「とくべつ! スペシャル! いえーい!」
いや其処ってそんな喜ぶところかな、9。いやサムズアップしてないでお姉ちゃんの視線の意味を忖度して欲しいな。
小躍りして妙なステップを刻みだす9と、口には出さないが小さくガッツポーズをしているAR15を放置してKarちゃんが此方に歩いてくる。
私の横を通り過ぎる直前ぐらい、Karちゃんが私の耳元に口を寄せる。
「それに、いつも手加減してもらっていますからね。偶には恩も返しませんと」
「なっ――――――気付いてたの?」
「ふふっ。またお相手してくださる?」
何時も通りの柔らかい笑みを残したまま歩いていってしまう。
「…………何か、むかつく」
「45姉?」
お見通しって訳?
セリフの文章版を見て思ってたんですけどKar98kって会社的には「何を考えてるか分かりにくいけど黒いカリスマの有る妙なお嬢様キャラ」の予定だったんだけど茅野氏の演技が「若干ポンコツ気味の可愛いお姉ちゃん(笑)」みたいなポジになってるんですよね多分録ってみたら「それはそれで…………ええやん」みたいに会社もノリノリになったんだろうなあと思います俺も概ね同意です。
これを機にもう一個の「ドールズマトモじゃないん?」ももうちょい詰めて投稿する予定。
45とKarちゃんは仲が良いようですね、書いてる内にこうなってた。まあ二次創作ってありえないキャラ同士の絡みも醍醐味の一つだし、こういうのは積極的にやっていく予定です。
普段は遊ぶ側だけど偶に逆転する45――――――俺は天才か?
Karはメチャクチャこの手の賭け事は強いけど、45に合わせて手加減してるだけ。それぐらいの設定だったりする。
今更例のヤンデレ小説を読み漁ってる。リアルタイムで追えば良かった。