グリフィンの戦術人形はキワモノか!?   作:杜甫kuresu

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シリアスをどうぞ。長いです、期待してないのに本当に悪いと思う。
途中から久しぶりに書いたから書き方が別物だったらごめんね。いや今回は意図的に別物なんだけど。

高評価もらったから活用するためにちょっと急いだ。


45錯誤②

 私は人間がかなりニガテだ。そもそも私達を作った所辺りが気に食わない。

 何故自分達ではなく、わざわざ擬似的な人格まで植え付けた私達に戦わせるのだろう。招いた厄災は自らの身を以て鎮めるのは昔から変わらない。人柱だってそういうものだった。

 

 だからニガテだ、責任を押し付けるような人間が。とても。

 

「おら! カプセルはまだ残ってるんだよオラァン!?」

「か、勘弁して…………もう満腹中枢が…………」

 

 んなもん人形に有るかいな、と口にスプーンを突っ込まれる。カプセルのフルーツ味をこれ程憎んだ日もなかなか無い。

 着任初日、流石にいきなり警戒されまいと明るく振る舞ってみたのは良いのだけどまさか――――――こんな狂気じみた量のカプセルを食べさせられるとは全くもって想定していなかった。

 

 しかも直前には目の回る量の作戦報告書も読まされている。この人は頭がオカシイんだとあの段階で気がついてはいたけど、このカプセル地獄はおかしいというより異常だ。勘弁して。

 

「うっ…………フルーツの味に反射的に嫌悪感が――――」

「後バケツ一個分! 歯ぁ食いしばれぇ!」

「食いしばったら食べれないんじゃない!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気の毒だが正義(性能)の為だ!」

「誰もこんな正義要らないよ」

 

 押し付けがましいの正義じゃなくて独善っていうんだよ、私はこんな力は望んでない。

 デスクに戻った指揮官と対象的に、私は客用のソファに沈み込んでいた。酷い疲労感で力が入らない、変な所まで人間に似せること無いのに。

 

 コンコン、ノックの音に指揮官が二つ返事で了承する。出てきたのはやたらと大きな軍帽の銀髪の女――――――女? 背が凄く低いから、女なのか少女なのか判別に困る――――――。

 それについて考えると背筋がゾワゾワしてきたから終わりにするね。身長について触れたら駄目なのかな、どうなんだろうね。

 

「指揮官さん、要件は終わったかしら?」

「終わったぞ、ちょっと手こずったが全部食った」

 

 チラリと私の方を見たかと言うと、ちょっぴり申し訳なさげにニコリと笑う。育ちがよろしいようで。

 私は違法パーツもじゃんじゃん使ってるから似ても似つかないらしい――――――なんて、勝手に僻んでいると話が進んでいく。

 

「相変わらず惨いことをしますね。彼女の顔色、少し悪すぎではなくて?」

「まあそうだが、毎週やりますとかそういう訳でもないし多少はね?」

 

 毎週やってたら正直寝首をかかれても文句言えないよ、というか私が殺しに行く。

 話が通じねえや、なんて言って肩を竦める指揮官を放置して少女が此方に来ると、膝を折って挨拶をする。

 

「初めまして、私はRFタイプの戦術人形のMauser Karbiner 98 kurz。あなたのお名前は?」

「UMP45。聞きたいんだけど、指揮官っていつもこういう事してるの?」

 

 まあ、と苦笑いをしてお茶を濁してくる。いつもしてるんだ…………先行き不安で済まない得体のしれなさを感じる。

 速くも不信感を募らせていることを悟らせてしまったのか、もーぜる、えっと。からび?がフォローに入る、ゴメン忘れたから地の文にも書けないや。

 

「決して悪い人ではありませんから、あまり不安にならないでくださればと」

「ごめん、名前なんて言ったっけ?」

「あらあら、45ちゃんも中々マイペースな娘のようですわね~…………」

 

 そうかな? 何考えてるかわからない、とかなら言われそうだけど。

 

「モーゼルカラビーナアハトウントノインツィヒクルツですわ」

「長いね…………」

 

 次に忘れたら怒られそうだ。えっと、もーぜるからびーなあはと、あはと、あはと………………もういや。

 私の心中を察してしまったのか、妥協案が提示された。

 

「まあ皆さん覚えられない、というか長いですからKarちゃんと呼ばれています」

「成る程、Karちゃんか。それなら全然」

 

 考えた第一人者に感謝のキスでも送りたいね、うんうん。

 

「おーい待ってくれぇ! 女同士でいちゃついてないで俺も混ぜてくれ」

「別にいちゃついていませんわ、指揮官さんがやるだけやってリカバリーに入らないから」

「俺はやりっぱなしの主義なんだよ!」

「思いっきり最低じゃん」

 

 つい素が。

 しまったと思えばもう遅い。指揮官がどんよりとした空気を纏って部屋の隅で三角座りをしてしまう、この人メンドクサイね。

 

「45ちゃん、指揮官さんは俗にいう「雑魚メンタル」ですから」

「ガハァ!」

「あまり正論を言って」

「グフォオ!?」

「現実を見せないであげてもらえると助かるわ」

「殺せ! いっそ殺せ!?」

 

 そしてかなり騒がしい人だ。

 

 

 

 

 

 

 

「お前、人間嫌いだろ?」

「え~、急だね。どうして?」

 

 笑って返すと、指揮官の此方をじっと見つめてくる。

 どう見ても笑顔なんだけど、目を見るほどに何だか見透かされているような気持ち悪い感覚になる。とても趣味の悪い何かに目をつけられたような、得体の知れない嫌悪感。

 

「何となくだ、お前の笑い方があんまり胡散臭いからな」

「酷いなぁ。上司と部下ってまずは信頼関係からだよ?」

 

 もちろんそうだ、とケタケタ笑う。

 部屋を案内される途中、彼の世間話は妙な方向に逸れ出していた。元々掴みにくい性格には見えたがこれ程奇天烈なのは予想外。

 

「別にお前を信用してないんじゃない。俺は事実が知りたいだけさ」

「ふーん。別に嘘はつかないよ、私」

 

 喋らないだけで。

 言葉にしなければ良いだけだ。好意も、悪意も、敵意も、同意も。嫌いなものも、好きなものも彼は知らなくていい。

 

 知る意味がないから。

 

「まあ嫌なことは嫌と言えるようになることだ。誠意の証として、お前には『人の殺し方』を教えてやろう」

「何それ? 指揮官って結構面白い冗談を言うんだ――――――」

 

 刹那、ガンケースが開かれたと思うと彼の手の平に銃口が当たる。

 私にも見えない速度で行われたそれ、彼は仕上げと言わんばかりにトリガーに私の指を押し当てる。

 

「方法は至って単純。『無心で引き金を引くんだ』、何を撃つとかトリガーを引けばどうなるとか何も考えるな。そこにトリガーが有って、だから引く――――――それだけに集中すれば、人だろうが何だろうが人形のセーフティを無視して撃てる」

「…………冗談きついよ、指揮官」

 

 素早くセーフティが外される。彼の表情は笑っているものの全く面白さはない、それでいて真剣さが何処からか染み出していて一周回って不気味。

 

「試しに撃ってみろ。何、怪我の理由は俺が暴発させたで済ませてやる」

「――――――嫌だ、上官は撃てないよ」

 

 それは嘘じゃない。別に彼は何もしていない、無抵抗の人間をいきなり撃つ程倫理観が腐り落ちた覚えもない。

 指をトリガーから離そうとすると、指揮官は無理やり手を抑えつけてくる。

 

「いいや、お前は()()()()()()()()()()。人間嫌いが人間を裏切れないんじゃ、俺達はフェアじゃねえ」

「――――――馬鹿馬鹿しいなあ、私達がどうやったらフェアになるの? 面白い冗談だけは得意みたいだけど」

 

 人形と人間なんて、従属と支配者の関係を超えられない。

 私達は様々な方法で人間に対する牙をもがれている。それはどうやったって対等に戻せない。

 

 指揮官はしばらくそのまま固まっていたが、私がてこでもトリガーを引かないという決定をしているのが漸く理解できたのか

 

「…………まあ対等は無理だわな! はははは!」

 

 そう言って銃から手を離すと先に歩いていってしまう。

 

「……………………変な男」

 

 だけど、ちょっとだけ興味は湧いた。

 

 

 

 

 

 

 

 その興味が殺意に変わったのは、もう幾度か実戦を重ねて――――――丁度、人に銃を向けられるようになった頃。

 

 

 

 

 

 

 

「416を――――――――見捨てろ?」

 

 ある強襲作戦の事だ。鉄血がすぐさま引いてしまった事実を軽視して、結果的に鉄血に囲まれる中を走った。そんな最中、孤立してしまった彼女についての指示だ。

 

『そうだ。ムリなものはムリだろう、速く撤退しろ』

 

 その言葉は冷え切っているのに頭で熱を持ち、確かに残響する。

――いやいや、違う。熱くなっているのは私の思考だった。あの時私は、確かにそれに怒ったのだ。殆ど何かに怒ったことなんて無いから今でもあやふやに思うけど、彼の指揮に『反感』を覚えていた。

 

 走りながら通信にがなる。

 

「今メインフレームを破棄したら戦力は著しく落ちるよ! 此処は多少のリスクを承知で救援に向かったほうが――――――」

『阿呆。お前らは三体のダミーを持っているだろう、内何体が破壊された?』

 

 気づけば舌打ちをしていた。横で私を見ていた9の表情が、一体私がどんな顔をしていたのかを何となく察せてしまう。

 

――私達は実戦経験での評価に連れて、ニ体のダミー人形を与えられていた。

 UMP45、UMP9、HK416、G11。共通点は恐らくマトモな生産をされていないことだけだったが、当初から必ず四人をセットで行動させられていた。

 

 今回もそれは変わらず数はつまり十二体。私達のダミーを含めた合計は――――――五体。ダミーは416の一体だけだった。

 氷のような言葉の刃が振り下ろされる。

 

『416もダミーを持っているだろうが、正直それを回収してもロスによる帰還率の低下の方が懸念事項。お前らだけでも帰ってこい』

「でも――――――!」

『これは命令だ』

 

 じわりと汗が滴る錯覚、そんな訳はない。

 通信は切られた。走りながら考える、例えば416を助けるメリットを。今逃げ帰る事の無意味を。考えた、考えたがそれは――――――正解だった。

 

 様子を窺う9を他所に足ばかり速まった。私は珍しく動揺していて、もうどうにもならなかった。




45の設定をよく知らなかったけど最近察したので、仲間思いに路線変更をかけました。ちょっと過剰演出だった?
重々しくて申し訳ないが、私は人間同士の関係性の根源を書くのが好きでして。お付き合い戴けたならそれは何より。もうちょっとでちゃんと締めます。ダイジェストにしてしまったのもアレだね、腕不足だわ。本当は色々盛りたい、暇があればちゃんと外伝を書こうかな。

45は「臨界ダイバー」とか「ゴーゴー幽霊船」が似合う女ですね。俺は好きです、貴方はどう?
他には「ドラマツルギー」とかも良いね。となると9は「ナンセンス文学」か―――――ーもうやめよう、この話をすると長くなる。



お休みしてる間に皆更新してますねえ(一作品だけ目逸ししつつ)。日記形式流行ってるってマジ? 書くか!()
更新はちょいちょいするので気長に待ってて。

こっちでもぶっちゃけとくか。高評価もらうとやる気出ます、この作品を好きになったのが運の尽きと。
後もっと感想よこしてけ? くっそ雑でええんやぞ。
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