作者は柱の男にお熱です。
何かと不慣れですがどうぞ宜しくお願いします。
暗黒大陸。
それは、口に出すことを禁じられる
その大陸は一言『弱肉強食』に尽きる。未知の力を所有する生物。猛威を奮う数々の伝染病。それに拮抗する、あまりに過酷な自然環境。__害有るモノばかりではなく、究極の長寿食や万病に効く香草など、得られるモノも多くある。それ以上に、失うモノの数は多いが。
時代を遡り12万8千280年前。暗黒大陸のある場所。
メビウス湖の海岸から少し離れたその場所は、密林の間を縫うように存在する密林と密林とを断絶するかの様な切り立った崖がそこかしこに在り、それ故か飛行能力、又は脅威的な跳躍力を持つ生物が多く生息していた。
その密林の奥深くに、古代から存在するであろう石造りの遺跡と思わしき建造物が在った。
灰色の名前も判らぬ石はひどく頑強のようで、長き時が経っても崩れるどころか欠ける気配さえ感じられなかった。
その建造物には何故かどの生物も近寄る事は無く、それも建造物が朽ちない理由の一つだろう。
遺跡の回廊を渡り奥へ奥へ進んで行くと、最奥の一部屋に一本の柱が在る。
部屋は広く、暗く、禍々しい気配に満ち、壁一面には壁画が描かれている。
一本の柱は、その部屋の中心にたっていた。太さは大の男四人が両腕を回さねばならないほどで、色は灰色。表面は血管が這い巡らされているかの様に隆起し、所々、何かを嵌め込む為の穴が空いている。
その柱の表面が、突然ボコリと隆起した。
ボコリ、ボコリと音をたてながら、隆起した石の表面は徐々にある形を形成した。まず頭部が出来、次に肩、腕、胴、腰、脚......上から順に形作られたソレは、「人間」と呼ばれるモノに酷似している。
形が出来ると、次は柱の表面がドクンと鳴り、形成されたモノに生命を与え始めた。ソレの肌は徐々に石から皮膚へと変わり、やがて僅かに心臓の鼓動が聞こえる迄に至る。時を待たずに、ソレはパチリと目を開けた。瞬間、ソレは柱の表面から勢いよく飛び出し、紫黒の髪を靡かせた。
ソレには“記憶”が在った。遥か昔、違う世界で『あるモノ』を求め、苛烈な闘いを繰り広げた記憶が。
「____......」
長い息を吐き出し、ソレはゆっくりと立ち上がった。自らの肉体を見、首を傾げる。
ソレの記憶によれば、ソレは随分と前に地球から大気圏外へと追放されたはずである。悠久の時の末、考える事を止め、宇宙を彷徨っていた
はず____
その時、柱がもう一度ボコリと隆起した。ソレを生み出した時と同じ反応が今、柱に起きている。
ソレは呆然と、もう一体の生命体が創られてゆく様を眺めていた。やがて、形作られたソレに、『彼』は大きく目を見開いた。
ソレの姿には見覚えがあった。遥か昔の仲間の一人である。『彼』は小さくソレの名を呟いた。
「エシディシ.........?」
瞬間、「エシディシ」の眼が開かれ、柱から勢いよく飛び出した。
「エシディシ」にも“記憶”があった。『あるモノ』を求めて闘いを挑み、命と引き換えに『あるモノ』を仲間へと送った。
エシディシは、目の前に唖然とした表情を浮かべて突っ立っているかつての仲間の名を呼んだ。
「カーズ」
その日、二人の“究極”が再開を果たした。
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カーズとエシディシは再開を喜び、束の間歓喜に浸った。カーズは珍しくも心からの満面の笑みを浮かべ、エシディシに至っては激しく号泣した。
ひとしきり喜びを分かち合った二人は、次に現状を把握しようという考えに至った。此処がどこかも分からない二人だが、確認する方法は簡単である。高い所から辺りを見渡せば良い。
というのも、彼ら二人は驚く事に、かつての目標であった『究極生物』に至っていたのである。腕を翼に変えた所で、漸くそれが理解できた。カーズは一度究極に成るに至ったため驚きは少ないが、エシディシは驚き過ぎて噎せた。“究極”に至った喜びにエシディシはまた暫し号泣したが、いい加減にしろとカーズが拳骨を落とした。
とにかく、『究極生命体』である二人の視力は天体望遠鏡並である。部屋から出て辺りを見渡せる場所へと行けば、自ずと現状把握も出来よう。
という結論へ至った所で、エシディシはハタと気が付いた。
「俺達、全裸じゃねえか......」
「......」
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二人が目にしたのは、広大な密林、その果てに広がる砂漠、極寒の地、切り立った山脈等。そして、目にした事の無い植物、生物、恐ろしく巨大な生物の数々。空には太陽と思わしき恒星があるが、二人は断言した。此処は自分達が居た星ではない。否、もしかすれば同じ『世界』であるかも定かではない。
「まあ、世界が違っても何ら問題は無いが」
「カーズ......お前呑気だな」
フンと鼻で笑い飛ばしたカーズに、エシディシはぐったりと脱力した。
「お前の自信は何処から来るんだ......」
「事実だろう」
「いやそうじゃなくて......もういいや」
二人は、柱のある遺跡に住み着くことにした。下手に動くのもあれだし、何より此処には自分達を生み出した柱が在るのだ。自分達の仲間は後二人居たのである。自分達の様に、生まれてくるかもしれない。
というカーズの考えで、彼らは遺跡に住み着いた。カーズは「いらん」と断言したが、エシディシにしばかれて渋々服を身に付けた。二人の仲間が目覚めた時、仕える主人が全裸では彼らも戸惑う。そんな事態は絶対避けたいエシディシであった。
それから11万年(長い!とカーズは憤慨した)ほど経った頃、柱から同時に二人の仲間が誕生した。ワムウとサンタナである。
ワムウは主人との再開を喜んだが、サンタナは複雑そうな顔でそれを見詰めていた。当然である。自分は主人に名前もつけて貰えなかったのだ。今名乗った名はドイツの軍人がつけた名である。複雑な顔にもなろう。
カーズとサンタナの間には切り立った崖よりも深い確執があったが、エシディシとワムウがフォローに回ることで、おおよそ300年掛けて和解した。実際、サンタナは他の三人の誰よりも自らの肉体を操作するのが上手かったし、波紋を受け流すなんて芸当はサンタナにしか出来なかった。それもあって、漸くカーズはサンタナを自分達の『仲間』として迎え入れたのである。
それから更に長き時が経ち、四人の究極生命体が穏やかな日々を過ごす頃。
柱は一体の生命体を生み出した。
柱から飛び出したのは、五体目の『究極生命体』である。四人の誰も見覚えがないソレは、背筋が凍る様な美しさを有していた。
黄金の髪は緩やかに波打ち、その瞳は濃い琥珀色。四人よりも遥かに白い肌を、黒に染まった爪がゆるりとなぞった。額には縦に角が二本並んでいる。間違いなく、カーズ達と同じ種族である。
カーズはソレに名前をつけた。
彼には名がある。名を『ディオ』という。
五体目の、『究極生命体』である。
エシディシの口調が全く分からんかった......。
更新はする気ですが、何時になるか分かりません。スミマセン。