やはり俺の転生生活は間違っていない。~転生先は蒼き人魚の世界~   作:ステルス兄貴

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晴風のオリエンテーリングの最終とシュテルたちの実習の序章です。


105話

夏休み初旬、Rat事件の影響で晴風クラスの生徒たちは、特別実習でとある小島へとやって来た。

 

そこで、晴風クラスの生徒たちと遊びに行くと勘違いした柳原と西崎に誘われた天津風機関長の加藤と時津風水雷長の大谷を含め、特別実習は小島を舞台にしたオリエンテーリングとなった。

 

オリエンテーリングの内容は、晴風クラスの生徒たち+大谷、加藤の全員を四つのグループに分け、別々のスタート地点から島の彼方此方にあるチェックポイントを探しながら、真っ白なこの島の地図を作りながら、制限時間内にゴールを目指すというモノだった。

 

様々な事がありつつも四つのグループは何とか無事に制限時間内にゴールすることが出来た。

 

オリエンテーリング後、これで終わりかと思いきや、古庄教官はゴールしただけでオリエンテーリングは終わりではなく、今回のオリエンテーリングのレポートも提出しろと言われ、翌日の休暇の為、彼女たちは急ぎレポートを制作した。

 

 

そして翌日、彼女たちは、無人島でのバカンスを楽しんだ。

 

海ではなく、川であるが‥‥

 

彼女たちは川辺でバーベキューをしたり、化石が出ると言うことで、化石を掘る者も居た。

 

晴風クラスの生徒たち+大谷と加藤がバカンスを楽しんでいた時、古庄教官は地図の採点をしていたのだが、西崎がリーダーを務めていたフレミング・チームが制作していた地図には 『まいぞー金』 やら 『温泉(足湯サイズ)』 と書かれていたので、採点に首を傾げていた。

 

そして、古庄教官のアシスタントとして今回の特別実習に同行したブルーマーメイド隊員の平賀と福内の二人も夏休みと言うことで、晴風クラスの生徒たちと共にビーチバレーを行った。

 

とは言え、さすがに現役ブルーマーメイドの隊員であっても二人対晴風クラスの生徒たちでは、人数差があるので、平賀チームと福内チームに分かれてビーチバレーをやった。

 

「ふぅ~‥‥」

 

ビーチバレーを一通り楽しんだ平賀と福内は、一息ついて川辺に用意したビーチチェアに座る。

 

「いやぁ~若いってすごいわぁ~物凄くパワフルで‥‥私たちにもあんな時代があったんだねぇ~‥‥」

 

「いや、私たちもまだ十分に若いと思いますけど‥‥?」

 

平賀の一言に福内は、呆れながらもツッコミを入れる。

 

「そう言えば、お二人も横須賀女子出身なんですよね?」

 

そこに明乃が来て、二人に声をかける。

 

「そうだよぉ~」

 

「あの、平賀さんについては色々聞いたんですけど‥‥」

 

「えっ?どんなこと?」

 

「スキッパーの運転が上手いとか、学生時代は、よく艦を飛び出して行っちゃったとか‥‥」

 

明乃は以前、もえかから、平賀の学生時代の噂を聞いて、彼女になんか親近感を感じ、この噂が本当なのか平賀に聞いてみたのだ。

 

「あぁ~そうなのよ。平賀さんったら、学生の頃はもう、鉄砲玉みたいに飛び出しちゃったり、気づけば、いつの間にかどこかに行っちゃったり、大変だったんだよ」

 

「ちょっ、のりりん!?」

 

噂の真相に関して平賀本人ではなく福内が明乃に噂が事実であると伝える。

 

「へぇ~‥‥お二人の学生時代ってどんな学生だったんですか?」

 

明乃が、平賀と福内の学生時代について訊ねる。

 

傍に居た他のクラスメイトたちも平賀と福内の学生時代に興味があるのか、近寄ってきて二人の学生時代の話に耳を傾けた。

 

「えっ?私たちの学生時代?」

 

「えっと‥ねぇ~‥‥」

 

明乃に問われ、二人は学生時代に思いを寄せる‥‥

 

 

 

 

今から、約六年前の事‥‥

 

横須賀女子海洋学校の校舎にて‥‥

 

 

「艦長―っ!!」

 

横須賀女子のセーラー服を身に纏った福内が校舎の中を走り回っている。

 

その時の福内は、今よりも当然のことながら、若干若いが、頭につけている狸耳のカチューシャはこの頃から既に現役で、彼女のチャームポイントとも言える感じだった。

 

「艦長?」

 

「にゃあ?」

 

福内は、校舎の茂みをかき分けると、そこには、自分の捜し人はおらず、その代わりに猫が居た。

 

「艦長!?」

 

パカッ

 

次に福内は、ゴミ捨て場のゴミバケツの蓋を開けるが、当然そこに彼女の捜し人が居る筈もなかった。

 

「もう、どこに行ったのかしら?」

 

辺りを見回しても探し人である艦長が見当たらない。

 

そこに、同級生が通りかかると、

 

「ねぇ、うちの艦長知らない?」

 

「あぁーともちゃんなら、さっき‥‥」

 

その同級生は自分の捜し人である艦長の行方を知っていたみたいで、福内は急ぎその場所へと向かった。

 

そして、捜し人である艦長がいる部屋のドアを開ける。

 

ガラッ

 

「平賀艦長!!」

 

福内の捜し人である、平賀は図書室に居た。

 

「あっ、のりりん。どうしたの?」

 

平賀は図書室の机に広げられた書類と格闘している様子。

 

「『どうしたの?』じゃないですよ。お昼になっても戻らないから、探していたんですよ!!」

 

福内は、平賀がなかなか戻ってこない為、彼女を探していたのだ。

 

もしかしたら、体の具合が悪くなって倒れていたかもしれないと思い、福内は必死に探していた。

 

しかし、探し人である平賀はこうして無事に図書室に居た。

 

「それで、何しているんです?」

 

福内は平賀に何故、図書室に居たのかを訊ねる。

 

「あの‥‥ごめんなさい」

 

「ん?」

 

すると、同級生が図書室に来て、福内に謝る。

 

「私が荷物運んでいる時、たまたま平賀さんにお会いして‥‥大変そうだからって、手伝ってくれたんです」

 

同級生は平賀が何故、図書室に居たのかその理由を話す。

 

「ついでに書類整理をやっちゃおーってね」

 

「はぁ~‥‥そうですか‥‥」

 

平賀は荷物を運ぶついでに、その同級生の仕事もやっていたみたいだ。

 

「それならそれで、連絡の一つくれれば‥‥とりあえず、私も手伝いますよ」

 

用があったのであれば、一言自分に電話でもメールでも一言連絡を入れて欲しかったと言いつつ、現状を知ると、平賀と同級生がしている書類整理を手伝った。

 

「わぁーありがとー!!」

 

「あ、ありがとうございます」

 

福内も手伝い、仕事はすんなりと終わった。

 

「それじゃあ、私たちはこれで」

 

「またねー!!」

 

「ありがとねー」

 

同級生と別れ、学校の敷地内を歩いていると、

 

「やっぱり、人手が多いと早く片付くね!!」

 

「まったく、もう。他人の面倒を見るのも良いけど、もう少し落ち着いて行動してください。貴女は艦長なんですから」

 

「ごめんねぇ~」

 

「この前の実習でも一人で艦を飛び出して、行っちゃうし‥‥あの後、大変だったんだからね」

 

「あれは‥だって‥‥実習とは関係ない救助だったし、スキッパーで出るのが一番早かったから‥‥」

 

先日、行われた海洋実習にて、平賀が艦長を務める艦は遭難現場に遭遇し、平賀は艦橋を飛び出して、スキッパーで救助に向かったらしい。

 

ブルーマーメイドに通報し、その到着を待ったり、艦を遭難現場に向かわせるよりも、小型ながらも速力が出るスキッパーで現場に向かった方が最短時間だったみたいだ。

 

「のりりんだって、私のスキッパーの運転技術は知っているでしょう!?」

 

「はい、はい、すごい、すごい」

 

平賀は腕をブンブンと振り回しながら、自分のスキッパーの運転技術が優れている事を言うと、福内は棒読み&投げやりな感じで、平賀のスキッパーの運転技術が凄いことを褒める。

 

「あっ、そうそう、スキッパーと言えば‥‥」

 

平賀は腕を振り回すのを止め、話題を変える。

 

「今度さぁ~私、国際スキッパーレースに出られるかもしれないんだって」

 

「あら?おめでとう」

 

平賀はなんと、国際スキッパーレースの選手枠に選ばれるかもしれない事を福内に伝える。

 

福内は、棒読みではないが、『おめでとう』の一言で済ませる。

 

「えぇ~それだけ?結構凄いことなのに~」

 

平賀は福内が驚いている様子もないので白ける。

 

確かに平賀が言っているように、高校生なのに、国際レースで選手枠になるのは、凄いことだ。

 

「その話はまた今度、ゆっくり聞くから、今は‥艦長としての自覚!!しっかりしてよね」

 

「うぅ~‥‥根に持たれている‥‥」

 

福内は話題を戻して、平賀に艦長としての自覚を持てと言う。

 

「でも副長の、のりりんが優秀だから、少しくらい大丈夫かなーって」

 

「その少しが積もり積もって大変なの!?」

 

「そっか、そっか」

 

「もう、少しは真面目に‥‥」

 

福内がそこまで言うと、上からガサガサと言う音と共に、木の葉が落ち、何かが木の上から落ちてきた。

 

その直後、

 

さわさわ‥‥

 

「ひっ!?」

 

福内のお尻が誰かに揉まれた。

 

「おおっ、なかなかいい尻じゃねぇか」

 

「ななな‥‥っ!?ちょっ‥‥なんっ‥‥?あっ‥‥!?ええっ!?」

 

白昼堂々‥しかも学校の敷地内で変質者なんている筈はないのだが、自分は確かにお尻を何者かに触られた。

 

福内は両手で自分のお尻を抑えて、自分のお尻を触った相手と距離を取る。

 

「あっ!?真冬姐さん、こんにちは!!」

 

「おう」

 

「ちょっと!!艦長っ、知り合いですか!?この破廉恥な人は!?」

 

「ああ、えっとね、この人は‥‥」

 

福内は自分のお尻を揉んだ人物は知らないみたいだが、平賀は知っている様子。

 

「アタシは駿河艦長!!宗谷真冬だ!!」

 

木の上から降りてきて、福内のお尻を揉んだのは、平賀、福内と同じく学生時代の真冬だった。

 

彼女はこの時から、マントが好きなのか、横須賀女子の制服であるセーラー服の上に黒マントを羽織っていた。

 

「そう言えば、見たことがあるような‥‥と言うか、何で姐さん?同い年でしょう?」

 

制服のスカーフの柄から、真冬と自分たちが同い年である筈なのに、どうして『姐さん』をつけるのかを訊ねる。

 

「んー?何だろう。姉御っぽいからかな?他の子も呼んでいたからつい‥‥」

 

どうやら、真冬は平賀以外にも同級生からは『真冬姐さん』と呼ばれているらしい。

 

それは、決して彼女が留年や高校浪人して学年が同じでも年齢が年上‥と言うわけではなく、姉御肌の真冬の気質からくるものの様だ。

 

「真冬姐さんもスキッパーの運転上手いんだよー私もよく一緒に練習したりしているんだ。真冬姐さんと知り合ったのもそれがきっかけ」

 

「へぇ~‥‥」

 

平賀が福内に真冬との出会いを説明している間、件の真冬はいつの間にか、平賀の背後に居り、

 

「お前は相変わらず、上ばっか育ってんのなぁ、もっと尻を鍛えろ!!尻を!!」

 

「わぁっ!?」

 

真冬は平賀の胸を揉みしだく。

 

「こら――――っ!?」

 

福内は真冬に注意を入れる。

 

「やめてください!!刺激を与えてこれ以上大きくなったら、どうするんですか!?」

 

「止める理由そこなの?」

 

福内はこれ以上、平賀の胸が大きくなるのが嫌なのか、これ以上平賀の胸を揉んで、大きくする要因を増やすなと真冬に言い放つ。

 

一方、真冬に胸を揉まれた平賀本人は、胸を押さえつつ、セクハラだとか、モラルがどうとか、と言う理由ではなく、これ以上、自分の胸を大きくしないようにと言う理由だったことに、注意する論点が違うのではないかと思った。

 

その後、福内と真冬は互いに自己紹介を行う。

 

「福内典子です。よろしく」

 

「ハハハハハ‥頭に耳が着いている!?」

 

真冬は福内の狸耳カチューシャを見て大爆笑していた。

 

「それよか、時間も良い頃合いだし、昼飯でも食いに行かないか?」

 

福内の狸耳カチューシャを見て、一通り大爆笑した真冬は、二人を昼食に誘う。

 

「いいですねぇー今、ちょうど、間宮が入港しているみたいですよ。何か美味しいモノ、食べられるかも」

 

「おう、いいな」

 

平賀は間宮が入港しているので、間宮で昼食を摂らないかと言う。

 

給量支援教育艦の間宮ならば、そこの乗員も料理が上手いので、当然そこで出される料理の味も美味い。

 

三人は港湾区画に停泊している間宮へと向かう。

 

「間宮にはこの前にも一度、食わせてもらったが、ありゃ、大したもんだ」

 

「それは、楽しみですね」

 

真冬は以前、間宮にて食事をしたみたいで、間宮の料理を褒める。

 

福内はまだ間宮の料理を食べたことはないみたいで、間宮の料理を楽しみにしていた。

 

そして、やってきた横須賀女子の港湾区画‥‥そこに停泊している間宮のタラップ付近にて、

 

「お断りします!!」

 

「えっ?」

 

藤田ではなく、この当時の間宮艦長からはいきなり乗艦拒否を受けた。

 

間宮への乗艦拒否をされ、三人は( ゚д゚)ポカーンとする。

 

「何だ?まだ、準備中か?仕方ねぇなぁ~」

 

いち早く、再起動した真冬は、まだ間宮の厨房が料理の仕込み中なのかと思った。

 

「そうではありません!!」

 

しかし、間宮の艦長が言うには、違うらしい。

 

その証拠に、 

 

「あっ、お二人は問題ないので、どうぞ」

 

「なぬっ!?」

 

平賀と福内の乗艦は許可した。

 

間宮の艦長の行動に真冬は思わず、声が裏返る。

 

「おい!!アタシだけ乗艦できねぇってどういう了見だ!?」

 

そして、真冬は何故、自分だけが間宮に乗艦できないのかを間宮の艦長に詰め寄る。

 

「ええい!!黙らっしゃい!!」

 

間宮の艦長は、真冬以上の大声を上げて、真冬を黙らた後、

 

「駿河艦長!!宗谷真冬!!貴女には間宮の出入りを禁止します!!この件に関しては、ちゃんと校長の了承も得ています!!」

 

間宮の艦長は、真冬に『間宮の出入り禁止令』と書かれた紙を突きつける。

 

その紙には真冬の母であり横須賀女子校長の真雪のサインと判子がおされ、出入り禁止の命令文の最後の一文には、真雪の字で、『真冬ダメよ。母より』 と書かれていた。

 

「これは、間宮乗員全員一致の決定事項です!!」

 

間宮の艦長が、真冬にそう言い放つと、

 

「そうだ!!そうだ―――っ!!」

 

「カ・エ・レ!!」

 

「カ・エ・レ!!」

 

「真冬さ―――ん!!」

 

「いらっっしゃ――――い!!」

 

間宮の甲板から、間宮の乗員が声を上げるが、一部の乗員は、真冬の乗艦を歓迎する者も居た。

 

「‥‥全員じゃねぇじゃねぇ―――か」

 

全員一致と言っていたのに、一部の乗員は、真冬の乗艦を望んでいた事にジト目で真冬は間宮の艦長に訊ねる。

 

「こら―――っ!!この間、話し合って決めたことでしょう――――!?」

 

間宮の艦長は、乗員に声を荒げる。

 

乗員の中には間宮の艦長の様子を見て笑っている者も居た。

 

「ちょっ、真冬姐さん、出禁になるなんて、一体何をしたんですか!?」

 

平賀は真冬に間宮を出禁になるくらいなのだから、間宮の艦内で何かしたのではないかと思い当たる節が無いか訊ねる。

 

「何をしたも何も‥‥アタシには一切覚えがない」

 

真冬は間宮を出禁になるほどの事態に思い当たる節が無いと言う。

 

「んまっ!?」

 

真冬の言動に今度は間宮の艦長の声が裏返る。

 

「あれだけの事をしておきながら、自覚がない何て‥‥!!フグの肝!!ウナギの血!!」

 

「どんな悪口だよ?」

 

間宮の艦長は、ある意味、間宮の艦長らしい、暴言を真冬に吐くが、真冬には通じなかった。

 

「お、落ち着いて‥‥それで、結局何が原因なんです?」

 

福内は間宮の艦長に真冬が何故、間宮に出禁になったのか、理由を訊ねる。

 

「‥‥この人、以前、間宮に食事に来た時‥‥」

 

間宮の艦長は、真冬が間宮を出禁になった理由を語りだす。

 

それによると、以前真冬が間宮に食事に来た時、彼女が間宮で問題行動を起こしたようだ。

 

先程、真冬は、以前間宮に来て食事に来たと言っていた。

 

恐らくその時だろう。

 

「その人‥‥ウチの乗員のおっ‥‥お尻をことごとく揉み歩いて行ったんです!!」

 

間宮の艦長が、真冬が間宮を出禁になった理由を聞き、

 

「‥‥有罪です。反省してください」

 

先程、お尻を揉まれた福内は弁解の余地なしと呆れるように言う。

 

「マジかよ!?まさか、それが原因だったとは‥‥」

 

「何で意外そうな顔をしているんですか!?」

 

出禁になった理由を言われても、まさか、その時の行為が出禁になった理由だったことに意外そうな顔をする真冬であるが、そんな真冬に対して福内はツッコミを入れる。

 

「料理を運んでいた子は百歩譲って‥‥いや、譲りませんけど!!料理中の子のお尻を揉むなど言語道断!!と言うか、マジで危ないですから!!」

 

間宮の艦長は、料理中の子の尻を揉むなんて危険だと指摘する。

 

真冬は間宮に食事に来た他に配膳中の子の尻を揉み、更には厨房にも入り、そこで調理中の子の尻も揉んだらしい。

 

火や包丁を使っている子の尻を揉むなんて危険だ。

 

「誤解だ!!あれは頑張って鍋を振っている姿を応援するために根性を注入してやろうと‥‥アタシは未来のブルーマーメイドたちの為にブルーマーメイドの命である尻を揉んだんだ!!」

 

と、真冬は、間宮の乗員の尻を揉んだのは彼女なりの激励だと弁解するが、

 

「キメ顔で何トンチンかんなこと言っているんですか?」

 

福内は完全に呆れ顔でツッコム。

 

その後も間宮の艦長と真冬の口論が続く。

 

「‥‥」

 

その様子を平賀はジッと見ていたが、あまりにも収拾が尽きそうにない様子を見て、おもむろにポケットからホイッスルを取り出すと、

 

ピィィィっー!!!

 

思いっきりホイッスルを拭いた。

 

「「っ!?」」

 

その音を聴き、二人は口論を止める。

 

「喧嘩はいけません!!」

 

ホイッスルの音と平賀の仲裁で口論を辞めた間宮の艦長と真冬、そして福内は平賀の事を見る。

 

「とりあえず、この件は、みんなで美味しい物でも食べながら話し合いましょう。おなかもすいたし‥‥」

 

「えっと‥‥」

 

平賀の提案に三人は口ごもる。

 

「ひとまず、今回は変な事をしないよう私たちがしっかり、見張りますので‥‥」

 

福内が間宮の艦長に、今回だけは自分たちが真冬の事を見張り、間宮の乗員の尻を揉ませないようにするからと頼み込み、

 

「そ、そう‥‥そういうことなら、とりあえず艦にどうぞ‥‥」

 

こうしてこの日、真冬は平賀と福内のおかげで、間宮にて昼食を食べることが出来た。

 

 

 

 

「‥‥って、ことがあったのよ」

 

「あぁ~あったねぇ~そんな事が‥‥」

 

平賀と福内は、明乃に自分たちの学生時代のある一幕の出来事を伝える。

 

「へぇ~‥‥そんなことがあったんですかぁ~‥‥」

 

「姉さん‥‥」

 

明乃の隣には、真白がおり、学生時代から胸や尻を揉む癖で、当時の間宮を出禁になっていた事を知り、この場には居ない、姉の所業に呆れる。

 

「それで、真冬姉さんは、間宮への出禁は解除されたんですか?」

 

真白は、二人に学生時代に真冬が間宮への出禁を解除してもらったのかを訊ねる。

 

「ええ、それに関しては、平賀さんが頑張って、間宮の艦長と乗員を説得して、解除してもらったわ」

 

「えっへん!!」

 

福内曰く、真冬の間宮への出禁は平賀の説得で解除されたみたいだ。

 

平賀は胸を張ってドヤ顔をする。

 

やはり、胸が無い女性には目の毒であり、男子であれば鼻の下を伸ばしているであろう光景だった。

 

「それで、平賀さん」

 

「ん?」

 

「スキッパーの国際レースの選手になれたんですか?」

 

スキッパーの運転免許を保有し、平賀と同じくスキッパーの運転を得意とする明乃は平賀に国際レースの選手になれたのかを訊ねる。

 

「うん、真冬姐さんと一緒になれたよぉ~」

 

どうやら、平賀は真冬と共に国際レースの選手になれたらしい。

明乃は、目を輝かせてその続きの話を平賀に訊ねていた。

 

 

 

 

大谷と加藤にとっては、イレギュラーなことになった晴風クラスの特別実習であったが、晴風クラスが、こうして特別実習や補習していたように、晴風と同じくRat事件の解決に貢献したヒンデンブルクのクラスメイトたちも晴風のクラスメイトたち同様、補習があった。

 

そして、この日もシュテルたち、ヒンデンブルクのクラスメイトたちは補習があり、補習を終え、校舎の通路を歩いていると、掲示板にブルーマーメイドフェスタを知らせるポスターが貼ってあった。

 

「確か、このブルーマーメイドフェスタって、ブルーマーメイドが主催なんだけど、横須賀女子の生徒も手伝うんだよなぁ‥‥」

 

横須賀にあるブルーマーメイドの隊舎に近い事と、将来学校を卒業後に働くことから横須賀女子の生徒たちもこのブルーマーメイドフェスタの手伝いを行う。

 

フェスタを通じてブルーマーメイドの仕事を知ってもらうことの他に、養成校である横須賀女子の事も知ってもらおうと言うことで、横須賀女子の生徒らもブルーマーメイドフェスタを手伝っている。

 

横須賀だけでなく、日本にある他の海洋学校‥‥呉、舞鶴、佐世保も同じだろう。

 

そして、今年のブルーマーメイドフェスタは大和級の大きさを誇るドイツ戦艦が留学に来ていると言うことで、ヒンデンブルクの体験航海も行われる。

 

ただ、このブルーマーメイドフェスタのチケットはなかなか手に入らないらしい。

 

「ブルーマーメイドフェスタか‥‥」

 

シュテルがブルーマーメイドフェスタのポスターを見ていると、真雪が通路を歩いているのを見つけた。

 

「あの、校長先生」

 

シュテルは真雪に声をかける。

 

「あら?貴女は確か、ドイツからの‥‥」

 

「はい。‥‥あの、校長先生」

 

「何かしら?」

 

「今度のブルーマーメイドフェスタのチケットって、今から取る事って出来ますか?」

 

シュテルは、真雪にブルーマーメイドフェスタのチケットが無いか訊ねる。

 

「あら?誰か呼びたいの?」

 

「予定は聞いてみないと分かりませんが、一人‥‥日本に居る同い年の親戚に‥‥」

 

シュテルはカナデをブルーマーメイドフェスタに呼ぼうと思った。

 

「うーん‥‥確実とは言えないけど、まずはその人の予定を聞いてみてくれるかしら?」

 

「わかりました」

 

シュテルはカナデに連絡を入れる。

 

「あっ、もしもし、カナデ?今、いい?」

 

「やあ、シュテル。なんだい?」

 

「来月に横須賀でブルーマーメイドフェスタがあるんだけど、カナデ興味ない?私も参加するんだけど」

 

「ブルーマーメイドフェスタ?いつやるんだい?」

 

シュテルはカナデにブルーマーメイドフェスタの日程を伝える。

 

すると、

 

「‥‥」

 

「ん?おーい、どうした?カナデ」

 

「‥‥その日、北海道でコンクール」

 

「えっ?コンクール!?ピアノの?」

 

「あ、ああ‥‥」

 

「ありゃ‥‥」

 

何ともタイミングが悪く、カナデはピアノのコンクールとブルーマーメイドフェスタの日程がダブってしまっていた。

 

仮に総武高校での職場見学にて、由比ヶ浜がブルーマーメイドフェスタのペアチケットを貰っていても彼女はカナデと共にブルーマーメイドフェスタへ来ることは出来なかった。

 

流石にコンクールがあるのであれば、シュテルとしては、無理強いは出来ない。

 

由比ヶ浜だったら、コンクールよりも一緒にブルーマーメイドフェスタに行こうと無理強いをしていただろう。

 

「それは残念だったな‥‥」

 

「あ、ああ‥‥」

 

カナデは行けないことにショックを受けたのか、声のトーンが低い。

 

「えっと‥‥まぁ、そこまで気にするなよ」

 

「‥‥」

 

「じゃ、じゃあ、そのコンクールで、優勝出来たら、埋め合わせとして、また一緒にどこかに出かけよう」

 

「えっ!?本当に!?」

 

シュテルとまた出かけることが出来ると言うことで、テンションが戻るカナデだった。

 

「すみません。親戚の予定を聞いたら、その日は都合が悪いみたいです」

 

「そう、それは残念ね」

 

「でも、その埋め合わせは約束しましたから、大丈夫です」

 

カナデはブルーマーメイドフェスタに行くことは出来なかったが、シュテルはそのブルーマーメイドフェスタにて、この後世の総武高校の人間関係が異なる事を体験するのであった。

 

 

転生者組がそれぞれ転生者だと気づく 気づかない

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