やはり俺の転生生活は間違っていない。~転生先は蒼き人魚の世界~ 作:ステルス兄貴
そして、ゲスト出演としてガルパンよりアンコウチームのメンバーが出演します。
此処で、視点を横須賀女子に通うとある女子生徒に移る。
その横須賀女子に通う女子生徒は、地元、神奈川県横須賀市では名家の出身だった。
彼女の家は宗谷家やドイツのクロイツェル家の様にブルーマーメイド、海軍軍人、海運会社の経営など、海に関する職業では成功を収めている一族だった。
彼女は、高校受験の際に日本有数のブルーマーメイド養成学校の一つ、横須賀女子海洋学校を受験して見事入学を果たした。
高校に入学してからしばらくして、彼女は家の関係で親族が集まるパーティーに参加した。
そのパーティーにて、彼女は分家の家の同い年の子とシミュレーションをすることになった。
対戦は当初、彼女と分家の家の子の両者が攻め合う形で進んだ。
だが一時間も経つと分家の家の子が優勢になった。
分家の家の子が攻め、本家の家の彼女が後退しながら受ける形勢になる。
それから三十分も経つと形勢は逆となる。
責めていた分家の家の子の艦隊が行動限界に達した。
艦隊陣形もバラバラとなり、各個撃破された。
試合終了後、周囲の人々は本家の家の子を褒め称えた。
それが我慢できなかったのか分家の家の子は本家の家の子に対して、
「ズルをした!!」
と、いちゃもんをつけてきた。
「ふぇっ!?」
いきなりズルをしたと騒がれキョドる本家の家の子。
自分はズルなんてした覚えがない。
そこで、自分がズル何てしていないことを証明するために今度は台を変えてもう一度、本家の家の子は分家の家の子とシミュレーションをした。
しかし、台を変えても分家の家の子は本家の家の子に負けた。
その後も諦めが悪いのか、あれから何度もギャーギャー騒ぎ続け分家の家の子は本家の家の子にシミュレーションを挑むも結果的に彼女は本家の家の子に勝つことは出来なかった。
去り際、分家の家の子は本家の家の子を睨みつけていた。
「ひぃっ!?」
自分はただシミュレーションに勝っただけなのに何故自分はいちゃもんをつけられ、睨まれるのか分からなかった。
本家の家の子こと、西住みほ がその分家の家の子‥雪ノ下雪乃と会ったのはそれっきりだった。
そして高校二年生に進学した時、一個下の後輩たちが入学してから初めての航海実習にて一隻の航洋艦が教員艦を撃沈したと言う事件が起きた。
海上安全整備局は直ちにその教員艦を撃沈した航洋艦を叛乱者と認定して、指名手配した。
当然、横須賀女子でもその噂が校内を駆け巡った。
「まさか、新入生が教員艦を沈めるなんて‥‥」
「でも、事実なのかな?」
「えっ?」
「みぽりんは、信じてないの?」
「う、うん」
みほは同級生たちが困惑している中、海上安全整備局からの報告に対してシュテル同様、懐疑的だった。
「どうして?」
「教育艦の猿島が新入生の航洋艦に沈められたとされる日が横須賀出航の次の日でしょう?」
「えっ?うん」
「そうですね」
「新入生たちは別々の中学から入ってきた人ばかり‥‥しかも、僅か一日で叛乱を決意するのは無理があるんじゃないかな?」
みほが言うには、艦に乗った一日目はまだ他校から来たばかりのクラスメイトたちとの意思疎通さえ、四苦八苦しそうなのにそれを一日で叛乱の意志を固めるなんて新入生には無理だと言う結論からこれには何か裏があるのではないかと思ったのだ。
そもそも、新入生全員がテロリストでもないのに叛乱の意志なんてある筈もない。
みほ同様、横須賀女子海洋学校校長の宗谷真雪も同じ思いを抱いていた。
その後、日数が経つにつれあの新入生たちが参加した初航海の実習にて色んな事実が判明してきた。
あの実習に参加した学生艦の殆どがビーコンを切り、音信不通となり行方不明になっている事、
事態を重く見た真雪は、当初の予定通りに新入生たちが乗る明石、間宮の派遣を決め二隻の護衛として、みほと同級生の浜風クラス及び舞風クラスも派遣されることになった。
間宮と明石は西ノ島新島の演習が終わる頃、補給と補修の為に派遣されることになったが目的地を変更し、本州に沿って南下して行方不明になった学生艦を探しに行くことになった。
そして、四国沖で猿島を撃沈したとされる晴風と合流知ることが出来た。
ブルーマーメイドの平賀二等監察官の事情聴取から晴風に着せられた濡れ衣は晴らすことが出来た。
晴風の濡れ衣を晴らした後、新入生たちが乗る学生艦がRatと呼ばれる突然変異種のネズミによるウィルス感染が原因で行方不明になっていることが判明した。
しかも行方不明になったのは新入生たちの学生艦だけではなく、ドイツからの留学生艦も含まれていると言う。
真雪は直ちに行方不明になった学生艦の捜索にみほと同じ二年生、一個上の三年生の学生艦に捜索を命じた。
ただ、運が悪いことに横須賀女子に所属する大型巡洋直接教育艦以上の大型艦がドック入りしていた。
みほは、大型直接教育艦のクラスだったので、行方不明になった学生艦の捜索に行くことが出来なかった。
新入生たちがどうなったのか心配になっている中、行方不明になった駿河がブルーマーメイドの艦艇に曳航されて横須賀に戻ってきた。
戻ってきた駿河はボロボロの状態でスクリューを撃ち抜かれ、自走出来ない状態だった。
「あの駿河が‥‥」
「ボロボロですね‥‥」
「一体何があったんだ‥‥?」
ボロボロ状態で横須賀に戻ってきた駿河を見て困惑するみほたち。
ブルーマーメイドとの間で戦闘があり、そのせいでこうなったのだろうか?
捜索に出た小型直接教育艦や航洋直接教育艦では、大型直接教育艦の駿河をここでまでボロボロにするのは無理だ。
みほは、行方不明になった学生艦の捜索に同級生の学生艦の他に一時期叛乱者の烙印を押された晴風も居り、その晴風の護衛にもう一隻のドイツからの留学生艦が居り、その留学生艦が駿河と戦ったと聞いた。
みほは、その留学生艦の艦長がどんな人物なのか興味を抱いた。
しかし、ドイツからの留学生が来たのは春休み期間中で、それからすぐに新学期が始まってから、新入生たちは初めての航海実習に出航し、留学組もその実習に参加する為に海に出てしまったので、二年生となったみほたちは接する機会がなかった。
やがて、Rat騒動が収束し、捜索に出ていた学生艦が次々と横須賀に戻ってきた。
そんな中、ドイツ・キール校に所属するヒンデンブルクは、駿河よりもボロボロの姿で帰ってきた。
その後は、実習も特になく座学の日々が続いたのだが、みほは留学組とのコンタクトが出来ずにいた。
校舎内でチラッと見たことがあるのだが、自分と似た髪の色と髪型なのだが、眼は日本人離れした海の様な蒼色で、猫の目の様に釣り上がっていたので、遠巻きから見るとちょっと怖い印象があった。
それに同学年と言っても話しかける話題がなかった。
そもそも自分はドイツ語が話せなかったし、理解できなかった。
とは言え、相手も日本に留学して来たのだから、日本語‥少なくとも英語は出来るかもしれないが、それでも言語の不安はあった。
みほが、ドイツからの留学生‥‥シュテルとのコンタクトに悩んでいると、
「西住殿」
みほの同級生である秋山優花里が話しかけてきた。
「あっ、秋山さん」
「深刻そうな顔をしていましたが、何か悩み事ですか?」
「えっ?う、うん‥‥ちょっと‥‥」
「なんでありしょう!?不肖、この秋山優花里!!西住殿の為ならば、何でもお役に立ちます!!手相や運勢も見ますよ!!」
「い、いや、そこまでオーバーなことじゃなくて‥‥」
「では、なんでありましょう?」
「その‥‥」
みほは、秋山にシュテルに一度、話しかけてみたい事を打ち明けた。
(うーん‥‥西住殿が、他の女子に興味を抱くのは、あまり面白くありませんが‥‥)
「分かりました!!この秋山優花里、西住殿の為!!留学生艦の艦長の情報を集めてみます!!」
秋山はみほに敬礼しながら言う。
シュテルと話す前に、まずはシュテルがどんな人物なのかを知る必要がある。
秋山はみほが外国からふらりとやってきた女子に興味を示すのは内心面白くはないと思いつつも、敬愛するみほの為にと、秋山はシュテルの事を調べ始めた。
秋山がシュテルの事を調べるのは少々時間がかかった。
秋山自身、みほ同様、あまり社交的な性格ではなかった。
そこで地道に情報収集を重ね、新入生たちにも聞きに行った。
新入生たちの場合は同じ日本人だし、後輩と言うことで留学組に聞くよりも聞きやすかった。
ただある程度の情報が集まるまで数ヶ月かかり、時期は期末試験も終わり、夏休みがもう間もなく始まろうとしていた。
「西住殿、ドイツ艦の艦長殿の事、色々と分かりました!!」
「えっ?わざわざ調べてくれたの!?」
「はい!!ただ、外国の方だったので、調べるのに時間がかかり、申し訳ございません」
「ううん、こうして調べてくれたことだけでも十分にありがたいよ」
みほは秋山に礼を言って、秋山が調べてきたシュテルの情報に目を通す。
父方の祖父母が二人とも京大の教授で、母方の祖父は居ないが、祖母は日本・ドイツでは有名な博士で、母親もドイツの大学で教授職に就いており、父親は、世界的に有名なチェリスト。
ドイツのキール海洋学校では、中等部・高等部では首席。
中等部の最高学年の時、イタリアへの遠征航海の際、クラスメイトと共にマフィアの臓器密売を解決した。
そして去年はイギリスのダートマス校の体験入学に参加し、ドーバー海峡にて、海賊退治に貢献し、さらに当時、ダートマスの街を恐怖に陥れた切り裂き魔事件の解決にも貢献した。
今年、シュテルが艦長を務めるヒンデンブルクはドイツから日本までの航海では、地中海と南シナ海で海賊を討伐し、今年の新入生が巻き込まれたRat事件でも事件解決にも貢献した。
一見すると、某名探偵の孫、見た目は子供、頭脳は大人な眼鏡の探偵みたいな巻き込まれ体質に見えるが、学生の内にこれまでの事件解決に貢献したのだから、凄い実績だ。
「お父さんやお爺さん、お婆さんが日本人ってことは、あの人も日本語は話せるのかな?」
「はい。あの方は少なくとも、ドイツ語、英語、日本語の三国語は話せるみたいです。あと、その方はダートマス校のイベントの一つである演劇祭にも出ていました。その演劇祭のDVDもちゃんと入手しましたよ!!」
秋山はシュテルのプロフィールやこれまでの実績の他に去年のダートマス校の演劇祭のDVDまでも入手していた。
「秋山さん、これだけの情報一体何処から‥‥?」
みほは時間がかかったとはいえ、普段の授業や課題をこなしながら、探偵並みの情報を収集した秋山にちょっと引いた。
「まぁ、まぁ、そのような些末な事はいいではないですか」
「そ、そうだね‥‥」
みほはこれ以上聞いたら、ヤバイと思い深くは突っ込まなかった。
その後、みほは秋山が入手してきたダートマス校の演劇祭のDVDを見た。
高校一年生の演目はあの悲劇の豪華客船、タイタニック号をモチーフにした演劇内容だった。
「えっと‥‥主役はあの人じゃないんだ‥‥」
物語の主人公を務めているブリジットとキャリーの姿を見て、みほはちょっと残念そうに呟く。
「それにしても同じ海洋学校でも、流石は天下のダートマス校ですね」
「うん、学校の敷地内なのに、本場さながらの劇場を持っているなんて凄い」
みほと秋山も同じ海洋学校なのに劇場を建てている事にも驚く。
横須賀女子も日本の海洋学校では最新の設備を整えているが、流石に教育と関係ない劇場は設置していない。
しかし、ダートマス校は学校の催し物の為に専用の建物を揃えている。
横須賀女子では精々体育館ぐらいだ。
テレビの画面では、高校一年生の演目であるタイタニックが進んで行く。
そして、みほの目的の人物であるシュテルが出てくる。
「あっ、出てきた!!」
「音楽隊の役みたいですね」
タイタニックが氷山とぶつかり、沈没を余儀なくされボートの準備が行われる中、乗客が次々と誘導されていく。
そんな中、パニックが起こらないようにシュテルたち音楽隊は音楽を奏でる。
「これって、音源を重ねたのかな?」
みほは、シュテルたち音楽隊の役者たちが弦楽器を弾くフリをして、音楽自体はCDかパソコンに入っているデジタル音源を流しているのかと思ったが、
「いえ、この音源はこの方々が実際に弦楽器で弾いているみたいです」
秋山が弾いている音楽は、決してCDやパソコンに入っているデジタル音源ではなく、生の演奏であることを伝える。
「へぇ~‥‥」
海洋学校の学生ながら、こうしてタキシードに身を包み、ヴァイオリンを弾いていると、音楽学校の学生に見える。
タイタニックは海へと沈んで行き、等々海水はブリッジまで迫る。
シュテルは音楽隊のメンバーに演奏は此処までだと言って、解散の指示を出す。
解散指示を受けた音楽隊のメンバーたちは他の乗客同様、船尾へと向かおうとする。
しかし、シュテルは逃げることなくその場に留まり、一人でヴァイオリンの演奏を始める。
その音色を聞いて、一時は船尾へと逃げようとした音楽隊のメンバーたちは、シュテルの下へと戻り、彼女と共に演奏を始める。
「「‥‥」」
その光景を見て、二人は衝撃を受けた。
船が沈んで行く中、音楽隊のメンバーは逃げることなくまるで死を達観しているかのように演奏を続けている。
演劇なのだから本当に死ぬことはないと分かっていながらも、舞台装置が精巧なため、そんな錯覚を覚えたのだ。
演奏が終わり、シュテルが共に演奏をしたメンバーたちに最後の労いの言葉をかけ、シュテルの出番は終わった。
「いやぁ~凄かったですねぇ~」
「うん、高校生とは思えない出来だったね」
劇場の舞台装置も本場の劇場レベルの舞台装置も備えていたのも一因であった。
その後もダートマス校の演劇祭のDVDを全部見て終わった後、感嘆の言葉と共に一息入れる。
DVDを通じてシュテルが弦楽器も得意であることも分かった。
「それにしても、西住殿が此処まで興味を抱くとは珍しいですね」
秋山はみほにしては、こうして他人に自ら興味を示すのは珍しいと思った。
去年、高校に入学した時、みほは、どちらかと言うと、自らクラスメイトに話しかける訳ではなく、同じクラスメイトの武部沙織からみほに話しかけてきて、武部の友人の五十鈴華、幼馴染の冷泉麻子と知り合った。
秋山の場合、遠巻きからみほたちを見ていた秋山にみほが声をかけた。
また、艦長としての役職から段々とクラスでは交友の輪が広がっていったが、みほが自ら声をかけたのは、秋山ぐらいだった。
そのみほが、秋山以外‥しかも別のクラスの人に興味を抱いている事に関して、秋山は嬉しい思いながらも、ちょっとシュテルに焼きもちを焼いた。
「う、うん‥‥やっぱり、あのRat事件を解決に導いた人だから‥‥って、こともあるかな‥‥」
Rat事件は海上安全整備局でも前例を見ない事件であったことから、当然、横須賀女子開校以来の大事件でもあった。
その事件を解決に導いた。
それに秋山が調べてきたシュテルの過去の実績から、同い年なのに、シュテルが物凄い人物に見えたのだ。
それはまるで、過去の英雄や偉人に憧れを抱くのと同じような感覚だ。
「あと、情報によれば、夏休みにドイツから新型の自走式気球が横須賀女子に搬入されるみたいで、ドイツからの留学組と飛行科の人はこの新型の自走式気球の操縦実習に参加するみたいですよ」
「それって私たちも参加できるのかな?」
「はい、希望者も参加できるみたいです」
秋山は夏休みに横須賀女子にドイツから新型の自走式気球が搬入され、その操縦実習があるみたいで、ドイツからの留学生組と横須賀女子に所属する飛行船支援艦のクラスメイトもその実習に参加するらしい。
更にその実習は留学生組、飛行船支援艦クラス以外でも、希望すれば参加できるらしい。
当然、その実習にはシュテルも参加する。
「急いで、その実習に申し込みに行かないと!!」
「あっ、ま、待ってください!!西住殿ぉ~!!」
みほは急ぎ職員室へと向かい、夏休み中に行われる自走式気球の操縦実習を申し込み、秋山も、みほがその実習を受けるなら、と、みほと共に実習を受ける為、申し込んだ。
期末試験が終わり、夏休みが近づく中、
「ねぇ、みぽりんは夏休み、どこか行くの?」
教室で武部がみほに夏休みの予定を訊ねる。
「私は、夏休み中にやる自走式気球の操縦実習を受ける予定だよ」
「私も西住殿と一緒にその実習に参加いたします!!」
「ええ―‐っ!?みぽりんたち、折角の夏休みなのに、あの実習に参加するの!?もう、二人とも、高校二年生の夏は今年だけなのに!?それを実習で潰すなんて、何考えているの!?」
「いやっ、滅諦にない機会だし‥‥」
「わ、私は西住殿が参加するので‥‥」
「青春を損しているって!!ソレ!!」
飛行機が無く、未だに海上戦力の主役が戦艦となっている前世の明治時代~昭和初期のレベルで止まったままのこの世界では、空への乗り物に対する興味も重要性も希薄となっており、各海洋学校に飛行船支援艦が配備されていてもそれを希望する生徒も少なく、募集に関しても毎年募集しているわけではない。
実際に横須賀女子では、飛行船支援艦クラスはみほたちの同級生である高校二年生のみであった。
その為、武部には、折角の夏休みを潰してまで、わざわざ実習に参加するみほと秋山の行動が信じられない様子だった。
「まぁ、それでも、向上心があるのはいいではないか。本来、学生の本分は、勉強なのだし‥‥」
そこへ、冷泉が武部に指摘する。
「もう、麻子まで‥‥だって、折角の高校二年の夏なんだよ!?夏の海で一夏の出会いと思い出を作らないと!!花の女子高生なんだし!?」
「だが、学業を疎かにしては、その花の高校二年をもう一度繰り返すことになるぞ。夏休みだって宿題も出るのだからな」
「うっ‥‥」
夏休みは決して、休みだけではなく、学校から夏休みには課題も出る。
その点を冷泉に指摘され、グサッとくる武部だった。
それから、時は過ぎ、夏休みとなる。
自走式気球の操縦実習が始まるとそこには、横須賀女子の飛行船支援艦クラスの生徒、ドイツからの留学生組、そして実習希望者が集まった。
当然、実習の参加者の中にシュテルの姿もあった。
実習は最初、座学から始まった。
そして今回、この実習を担当するドイツ海軍の士官が教室へと入ってくると実習生に挨拶をする。
「私が今回の講習を担当する、ハンナ・ルーデルだ」
担当教官であるハンナ・ルーデルの姿を見て教室に居た実習参加者たちは唖然とする。
(こ、こわっ!?)
(インパクトある顔をしていますね‥‥)
顔横一文字の傷を見て、みほも秋山も他の実習参加者たち同様唖然とした。
担当教官のルーデルの顔にはインパクトがあったが座学に関しては横須賀女子の教官と同じく変な教えはしなかった。
座学が終わり、いよいよ実際に自走式気球の操縦実習へと移る。
その間、みほはまだシュテルと話すことが出来なかった。
シュテルの周りはどうも、ガードが固い。
自分の周りに秋山、武部、五十鈴、冷泉が居るようにシュテルの周りには金髪碧眼の巨乳、青みがかった銀髪で胸が控えめな二人の女生徒が居た。
その他にもう一隻のドイツからの留学生艦の艦長‥‥銀髪で背も小さい、飛び級したの?と思わせる女子生徒も居た。
(西住殿があの生徒に声をかけなければ、西住殿が取られる心配はないのですが、ああして、あの方を見ている西住殿を見ているのも辛いし‥‥)
秋山は葛藤するも、やはり、みほが喜んでくれることの方が良く話しかけるタイミングを見計らった。
「だ~る~ま~さん~が‥‥ころんだ!!」
「っ!?」
秋山がシュテルの事を背後からジッと観察するように様子を窺っていると、シュテルが突然、「だるまさんがころんだ」 と言っていきなり振り返ってきた。
突然の事で秋山は反射的に物影に隠れるが一歩遅れた。
しかし、シュテルは特に警戒することなくそのまま歩いていった。
「これが、今回諸君らが搭乗する自走式気球の 『メーヴェ』 だ!!」
そしてドイツ海軍の飛行船支援艦、フォン・リヒトフォーヘンにて今回の実習で操縦する自走式気球が公開された。
確かにその自走式気球はこれまで自分が見てきた気球とは異なる形をしていた。
飛行船支援艦の他に、この自走式気球は大型直接教育艦、大型巡洋直接教育艦にも少数であれば、搭載可能であり最初に実習参加者たちは、まず最初は組み立てから行う。
ゴンドラが固定されているのを確認した後、浮力剤であるヘリウムガスを溜める風船型のタンクは折りたたまれているのでそれを広げ、ゴンドラ部分とタンクの部分にワイヤーを留め、タンク内にヘリウムガスを注入する。
ヘリウムガスがタンクに注入されると風船の様に膨らんでいく。
そしてゴンドラ内の計器のチェックを行い、いよいよ空を飛ぶのだが、いきなり生徒に操縦させる訳ではなく、最初はルーデルらドイツ海軍の飛行船乗りが操縦席に乗り、実習の参加者たちは後部の航空士たちの座席に座り、空の世界を体験しながら、操縦席で操縦している飛行船乗りは後部座席の実習の参加者にアドバイス等をする。
初日は組み立て方と空の体験をして終わった。
組み立て方を学び、いよいよ実習参加者が自走式気球を操縦する番となる。
「では、これより実際に諸君らには機体に乗り、操縦してもらう」
後部座席から飛行体験をしたが、次は自分たちが操縦する番となり、飛行船支援艦クラス以外の参加者は緊張した面持ちとなる。
「飛行船乗り以外の生徒諸君にとっては、初めての空の経験になるかもしれないが、上がってしまえばどうって事無い!!自転車だってそうだろう?一度乗ったらコツは一生忘れないものだ!!」
と、ルーデルは緊張している実習参加者らの緊張を和らげるために言う。
まぁ、確かにルーデルが言うように、自転車やスキッパー、そして学生艦、これまでの生活で初めての経験はいくつもあった。
今回の自走式気球の操縦もそれらの経験と同じ様なモノだとみほ自身もそう思った。
転生者組がそれぞれ転生者だと気づく 気づかない
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気づく
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気づかない