やはり俺の転生生活は間違っていない。~転生先は蒼き人魚の世界~   作:ステルス兄貴

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今回は、ましろとのお出かけ回です。

みほがシュテルに茨城県大洗にあるミュージアムを勧めました。

エキストラ扱いですが、ガルパンからのゲストも出演します。


139話

横須賀の地で行われた遊戯祭の最中に起きた海上テロ事件‥‥

 

ブルーマーメイドとホワイトドルフィン、そして各海洋学校の学生たちの活躍により、解決することが出来た。

 

事件解決当日、シュテルは完徹で横須賀に戻った早々、出迎えたみほが泊まっていたテントにて休み、その後はもえかが打った蕎麦を食べ、真白とのお出かけの約束をした。

 

海上テロ事件と言うアクシデントがあり、競技祭が途中で中断してしまったが、ここまでの総合成績から今年の優勝は呉海洋学校となった。

 

図上演習の決勝戦では対戦相手が横須賀女子所属の晴風の艦長と副長だったので、どちらが勝っても図上演習においては横須賀女子にポイントが加算されていたが、それらの成績でも横須賀女子のポイントは呉海洋女子には及ばなかった。

 

呉、舞鶴、佐世保の学生たちが地元に戻る前、横須賀女子の講堂では、交流会が開かれた。

 

尾張級戦艦の艦長、副長の興味はやはり、要塞戦において活躍した晴風の艦長である明乃と駿河艦長のもえかに集中したが、舞鶴の阿部は明乃ともえかの他にメーヴェと噴進弾を使用していたヒンデンブルクの艦長であるシュテルにも興味があったみたいで、根掘り葉掘りメーヴェと噴進弾について質問をしており、何とか舞鶴の学生艦に搭載できないか交渉をしていたが、結局河野が阿部を引きずっていき、舞鶴との交渉は終息した。

 

交流会が終わり、翌日、各校の学生たちは母校へと戻って行き、今年の遊戯祭は終わった。

 

 

今回の事件の関係者であるスーは真白が言った通り、連日ブルーマーメイドからの事情聴取があり、ブルーマーメイドの他に入国管理局からも取り調べが行われた。

 

今回の事件でテロリストたちに利用されていたという事でブルーマーメイドからの事情聴取があることはわかるが、ではなぜ、ブルーマーメイドの他に入国管理局がスーに事情聴取をとっているのか?

 

それは、スーの入国方法に問題があると判断されたのだ。

 

何しろ、スーに仕事の依頼をして、日本へ手引きしたのがテロリストの一人だったので、テロリストがスーを日本へ密入国させたのではないか?

 

もしくは、テロリストが密入国を仲介するブローカーに頼んでスーを日本へ密入国させたのではないかと思われたからだ。

 

真雪の計らいで、スーは横須賀女子の寮の一室を借りることが出来、昼はブルーマーメイドからの事情聴取、夜は横須賀女子の学生と交流を深めていった。

 

スーの事情聴取が続き、明乃、もえか、シュテルら海上テロ事件に関係した学生艦の艦長にはやはりと言うか予想通り、戦闘報告書の提出が求められ、書類仕事が苦手な明乃はRat事件の時と同じく報告書の作成に悲鳴を上げていた。

 

そんな中、日にちは休日となりシュテルは先日に真白と一緒に出かける約束をしていたので、寮のロビーで待ち合わせをしていた。

 

(ちょっと、待ち合わせ時間早すぎたかな?)

 

(でも、今日行く場所が場所なだけに早めに出ないとな‥‥)

 

現在の時刻は朝の7時‥‥

 

待ち合わせ時間としてはかなり早めの時間だ。

 

しかし、この時間に待ち合わせ時間をしたのにはある理由が当然あった。

 

そもそも、真白と二人っきりでお出かけなんて、黒木あたりが知ったら発狂モノであろうし、逆にシュテルと二人っきりでお出かけなんて、シュテルを慕う者たちからしたら、真白が問い詰められそうだ。

 

だが、運よく?なのか、二人が一緒に出掛ける事は周囲には知られることはなかった。

 

真白としては自分がシュテルと二人っきりでお出かけすることを誰かに漏らしでもしたら、お祭り好き体質なクラスメイトらが着いてくるのは目に見えていた。

 

折角シュテルと一緒に出掛ける約束をとりつけたのだから、クラスメイトたちに邪魔されることなく二人っきりでお出かけしたかったのだ。

 

 

なお、この時のシュテルの格好はマリンキャップを被り、上はパーカーにTシャツ、下は黒いカーゴパンツに財布等が入ったボディーバッグを肩に掛けた出で立ちとなっている。

 

「お、お待たせしました」

 

やがて、待ち人である真白が到着した。

 

真白は名家の女性らしいワンピース姿‥‥ではなく、下はジーパンで上は白いプルオーバーを身に着け、肩にはショルダーバッグをかけると言ったシュテル同様、動きやすい服装であった。

 

「ごめんね、こんな朝早くに待ち合わせ時間を指定してしまって‥‥」

 

「いえ、この時間ならば、邪魔者は来ませんし‥‥」

 

「えっ?なんて?」

 

「な、なんでもありません!!」

 

「そう‥‥それじゃあ、行こうか?」

 

「はい!!」

 

こうして二人は寮を後にして出かけた。

 

「あ、あの‥私から言い出したことなのですが、今日はどこに行くんですか?」

 

真白はシュテルと出かける約束は取り付けたが、具体的にどこへ行くのか目的地を決めていなかった。

 

ただ、前日にシュテルから真白に今日のお出かけの行先について任せてほしいと言う連絡を受けていた。

 

「ちょっと、遠くになるけど、知り合いに茨城の大洗にあるアミューズメント施設のチケットを貰ったんだよ」

 

シュテルはみほから、茨城の大洗にあるとされるアミューズメント施設の入場チケットを貰っていた。

 

みほ曰く、

 

「日本に来たのであれば、絶対に行ってほしい!!」

 

と、力説されたのだ。

 

「千葉のネズミが主人公のランドや大阪にある映画のキャラたちの遊園地よりも楽しい場所だから!!」

 

と、千葉と大阪にある日本の二大アミューズメント施設よりもお勧めだと言う。

 

(大洗にそんな有名な所あったかな?)

 

と、当初シュテルは千葉と大阪にある日本二大アミューズメント施設についてはこの世界にも存在している事は確認できているが、前世でも茨城の大洗にそんな有名なアミューズメント施設があったなんて記憶にはない。

 

しかし、

 

(まぁ、この世界は前世と似た世界だから、この世界に合って前世にはないアミューズメント施設なのだろう)

 

と、割り切った。

 

電車と船を乗り継いで、茨城の大洗を目指す二人。

 

クラスも学年も違う二人‥‥

 

大洗を目指す道中、全くの会話がないと思いきや、意外と二人の会話はあった。

 

最初はたどたどしい様子の真白であったが、次第に自然な感じで会話をすることが出来た。

 

まぁ、真白の場合、大半は姉である真冬と明乃に対する愚痴であった。

 

「お姉さんの一人である真冬さんは確かにパワフルな印象があったなぁ‥‥ただ、初めてあった時、何故かウチの副長と砲雷長に銃を突きつけられていたけど、ウチのクラスメイトが失礼いたしました」

 

Rat事件の時、比叡を救助した際、座礁させた比叡の船体の曳航と乗員の救助に来たブルーマーメイドが真白の姉の一人である真冬だったのだが、シュテルがほんの一瞬、視線を逸らした後、再び真冬へと視線を向けると、何故か彼女はクリスとユーリの二人から蟀谷に銃を突きつけられていた。

 

シュテルとしては何故、そのような事態になったのか分からないので、真冬がその事を未だに気にしていないかちょっと気になったのだ。

 

「い、いえ、あの姉の事ですから気にしてはいないと思います」

 

「でも、なんで銃を突きつけられていたんだろう?」

 

(大方、碇艦長のお尻でも触ろうとしていたんだろう。あのバカ姉は‥‥)

 

この十六年家族として真冬と共に生活してきた真白には何故、真冬が銃を突きつけられていたのかは想像が簡単に出来た。

 

そして、真白の想像はまさしく的中していた。

 

「あっ、でも、一番上のお姉さん‥えっと‥‥真霜さん?だっけ?」

 

「はい」

 

「真冬さんよりも真霜さんの方が大変じゃない?一緒に生活していて」

 

「えっ?」

 

真白としては何故、真冬ではなく、真霜の方が大変なのかちょっと分からなかった。

 

一緒に生活をしていく中で、真白としては真霜よりも真冬の方が大変だからだ。

 

「いえ、そんなことは‥‥どちらかと言うと真冬姉さんの方が大変ですよ」

 

「そう?突然現れてはさらりと爆弾発言を残していったり、笑顔の下にどこか得体の知れないモノを隠していたりしてない?」

 

シュテルとしては前世で真霜と同じ声をしたリアル魔王と何度か邂逅した経験から、真霜も前世におけるあの魔王と同じ体質なのではないかと疑ってしまう。

 

「まぁ、怒ると怖いですけど、そこまで底の知れない性格ではありませんよ。実際に休日なんて、普段仕事をしている時とのギャップが激しいほど、ズボラで自堕落な休日を過ごしていますし‥‥ブルーマーメイドの人が見たらきっと驚きますよ」

 

(えっ?あの魔王ボイスの人が自堕落!?そ、それってある意味貴重な姿なんじゃないか!?)

 

シュテルとしては前世で魔王ボイスの人の自堕落な姿なんて想像できないので、休日の真霜の姿は物凄く貴重な姿なんじゃないかとさえ思えた。

 

しかし、真白の話から察するに真霜はあの魔王ボイスながらも陽乃とは違うみたいだった。

 

 

横須賀から大洗までそれなりの距離があったのだが、こうして会話をしていると、長い距離も気にならず、二人は目的地である大洗に到着した。

 

「‥‥」

 

「‥‥」

 

大洗に着いて、シュテルがみほから貰ったチケットのアミューズメント施設‥‥ボコミュージアムと書かれているアミューズメント施設に二人は到着した。

 

しかし、そのボコミュージアムは千葉の浦安にある某ネズミさんの夢の国や大阪にあるアメリカ映画のキャラクターたちの遊園地と比べるとかなり見劣りする。

 

メインゲートには左目に青あざを作り、身体の彼方此方に包帯を巻いているクマが出迎えている。

 

「ここ‥で、間違いないんですよね?」

 

「うん、チケットには確かに『ボコミュージアム』って書いてあるし、メインゲートにもボコミュージアムって書いてあるし‥‥」

 

「で、でも‥営業しているんですか?」

 

真白が不安に思うのも当然で、二人の眼前にあるボコミュージアムは閉園しているのではないかと疑うくらい廃れている。

 

「一応、中から音楽が聴こえるから営業はしているはず‥‥それにゲートは開かれているし‥‥」

 

中からは音楽が聴こえるのでこのボコミュージアムが閉園しておらず、営業をしている事が窺える。

 

「と、とりあえず、入ってみようか?」

 

「そ、そうですね」

 

一応、目的地はここであるし、入園するための無料のチケットがあるし、営業もしている。

 

それに長い時間をかけて折角大洗に来たのだからこのまま帰るのはあまりにも勿体ない。

 

なので、二人はボコミュージアムに入ることにした。

 

チケットを見せて園内に入ると、すぐ近くに『ボコミュージアム名誉支配人 島田愛里寿 様 』と書かれプレートと共に一枚の大きな写真が壁にかけられていた。

 

写真は小学生くらいの女の子の姿が映し出されていた。

 

更に写真の近くには遊園地でよく見るコインを入れて動くクマの乗り物が置いてあり、そこにも看板があり、看板には『島田愛里寿 寄贈』とあり、クマにはこのボコミュージアムのクマの名前ではなく、『ヴォイテク』と名前が書かれたプレートが置いてある。

 

(何故、小学生が名誉支配人?)

 

(この園のイベントで一日支配人とかになったのか?)

 

シュテルは一日店長や一日署長みたいなイベントがこのボコミュージアムで行われたのだろうと思った。

 

園内に入ると、掲示板に『ボコミュージアムリニューアルオープン予定』と書かれているチラシが貼ってあった。

 

(へぇ~ここ今度、リニューアルオープンするんだ‥‥なんかタイミングが悪い時期に来ちゃったな)

 

近々リニューアルオープンするのであれば、リニューアルオープンした後にくればよかったと思うシュテルであるが、真白と一緒に出掛ける日取りの方を先に決めてしまっていたので、タイミングが悪かったとしか言えなかった。

 

近々リニューアルオープンするからこそ、園内は人が少なかったのかもしれないが、別の視点から見ると、シュテルと真白の二人と貸し切りみたいな感じだし、リニューアルオープンするのだとしたら、リニューアル前のボコミュージアムは今日で見納めであり、リニューアルオープン後には閉鎖してしまうアトラクションもあるかもしれない。

 

そう思えば、今日、リニューアルオープン前のボコミュージアムに来たのは正解だったのかもしれない。

 

「人‥あまり居ませんね」

 

真白が周囲を見て、休日の遊園地なのにあまり周囲に人が居ない事に気づく。

 

「今度、ここリニューアルオープンするみたい」

 

「えっ?そうなんですか?」

 

「うん、この掲示板にリニューアルオープンを知らせるチラシが貼ってある」

 

「まぁ、確かにメインゲートを見る限り、老朽化している印象がありましたからね」

 

「リニューアルオープンするから、人が居ないのかも‥‥でも、これはある意味お得かもよ」

 

「えっ?」

 

「だって、周り人が居ないって事は、私たち二人で貸し切っているみたいじゃん」

 

「そ、そうですね」

 

「折角来たんだから、早く色んなアトラクションを楽しもう」

 

シュテルは笑みを浮かべ、真白に手を差し伸べる。

 

「は、はい」

 

真白は差し伸べられたシュテルの手を握り、ボコミュージアムにあるアトラクションへと向かう。

 

 

イッツ・ア・ボコワールド

 

小型のボートでボコの町を見て回るアトラクション。

 

世界中の首都を意識した造りで世界の様々な民族衣装を着たボコが歌い、踊っている。

 

「‥‥」

 

「‥‥」

 

(これ、浦安のディスティニーランドにあるあのアトラクションのパクリだよな‥‥よく、訴えられないな‥‥)

 

このイッツ・ア・ボコワールドの造りが某ネズミランドのアトラクションそっくりなことに運営会社から訴えられないのか不思議に思った。

 

 

ボコーテッドマンション

 

お化け屋敷という事でホラーやオカルトの類が苦手な真白であるが、看板に描かれているお化けのコスプレをしたボコを見て、大して怖くなさそうだと判断した真白はこのアトラクションに乗ることへの拒絶感はなかった。

 

むしろ、吊り橋効果を狙ってシュテルにボディータッチが出来ると思ったぐらいだ。

 

「つ、次はこれに乗りましょう」

 

「えっ?これ?‥‥でも、このアトラクション、お化け屋敷みたいだよ?宗谷さん、お化けとかホラーが苦手じゃなかったっけ?」

 

「ど、どうしてそれを!?」

 

「えっと‥‥明乃ちゃんから聞いて‥‥」

 

(あの人はもう~)

 

人の弱点を軽々と教えた明乃に呆れながらもこのチャンスを逃す訳にはいかないので、

 

「た、確かにホラーやオカルトの類は苦手ですけど、いつまでもそのままではいけないと思いまして‥‥」

 

「なるほど」

 

前世で雪ノ下は『変わることは逃げだ』と言ったが、変わるのもケースバイケースなのだろう。

 

「まぁ、宗谷さんが良いなら‥‥」

 

シュテルは真白が嫌がる素振りではなく、むしろ積極的にお化け屋敷に入ろうとしている点から特に断る理由でもないので、入ることにした。

 

このボコーテッドマンションもやはり、浦安のネズミランド同様に乗り物に乗ってお墓や幽霊屋敷を巡るアトラクションでそこにはお化けのコスプレをしたボコが来場者たちを脅かしに来るのであるが、正直幼稚園児でも怖がるのか微妙なアトラクションだった。

 

恐くないだろうと予想していたため、真白としては吊り橋効果も期待できず、シュテルとのボディータッチも無理だった。

 

その後も二人は、ボコミュージアムのアトラクションを回った。

 

スペース・ボコンテン ボコスタンリバー鉄道 ボコブの海賊 ボコラッシュ・マウンテン ボコー・オブ・テラー レイジングボコリッツ………etc.

 

(おいおい、本当にこの遊園地大丈夫か?)

 

(リニューアルオープンもやっぱり、あのネズミの国の運営会社から警告が来たからするんじゃあないのか?)

 

シュテルは敢えて口に出さないが、体験したすべてのアトラクションのネーミングや内容が某ネズミの国のアトラクションに似ていることにから、リニューアルオープンに関してもネズミの国の運営会社から警告が来たため、行うのでないかと勘繰ってしまう。

 

とは言え、キャラクター以外ではそのネズミの国のアトラクションとほぼ同じなので楽しむことは出来た。

 

しかも周りに人がおらず、並ばないことが最大の利点とも言える。

 

『まもなく、中央広場にて、ボコショーが開演いたします』

 

中央広場にある野外舞台にてこの遊園地のメインキャラクターであるボコのショーが開かれる方法が流れる。

 

(あのクマがなんでボコボコな姿なのかこのショーを見れば分かるのかな?)

 

シュテルはこれまで園内の彼方此方で見てきたボコがどうしてボコボコな姿なのかちょっと気になった。

 

「ね、ねぇ、宗谷さん。記念に見てみない?」

 

「えっ?ショーをですか?」

 

「うん。私、なんであのクマがボコボコな姿になっているのかちょっと気になって‥‥もしかしたら、ショーを見ればその原因が分かるかもしれないと思って‥‥ダメかな?」

 

「ま、まぁ、いいですよ。粗方アトラクションも乗りましたし」

 

客が少なく、並ぶ必要が無かったので、二人はボコミュージアムのアトラクションは粗方乗ったので、ショーを見ても構わないと真白は言う。

 

中央広場にある野外舞台にあるベンチに座る二人。

 

(あっ、あの子、確か出入り口の写真にあった‥‥)

 

シュテルがふと周りのベンチを見るとそこにはメインゲートに名誉支配人と書かれたあの小学生の姿があった。

 

やがて、ショーの開演時間となり舞台にボコが姿を現すと、

 

「ボコォォォ――――ッ!!」

 

「「っ!?」」 ビクッ!?

 

名誉支配人の小学生が声を上げる。

 

「おう! よく来たがったな、お前たち! おいらがボコさ!!今日もボコボコにしてやるぜ!」

 

舞台に上がったボコは観客たちに挨拶をする。

 

「ボコッ! ボコーッ!! ボコォォ――――ッ!!」

 

名誉支配人の小学生のテンションは物凄く高くボコの名前を叫んでいる。

 

「あっ、なんか出てきましたよ」

 

「ん?」

 

舞台の上にはボコの他に動物のキャラクターが登場する。

 

すると、動物たちが舞台を横切ろうとすると、ボコの肩にぶつかる。

 

「おい、今、肩ぶつかったぞ! 気を付けろ!」

 

「あぁ? なんだ?お前は?」

 

「お前がぼぉ~っと突っ立っていた所為だろう?」

 

動物たちはボコに非があると言う。

 

「何を言ってやがる! さっさと謝りやがれ!」

 

その動物たちの言動にボコはキレる。

 

「何言ってるんだ、こいつは?」

 

「生意気だぞ!」

 

「やっちまおうぜ!」

 

「いい度胸だな! 返り討ちにしてやる!」

 

ボコVS動物たちとの乱闘となるのだが、数の差かボコはボコボコにされる。

 

「口ほどにもない奴だ!」

 

「ウラウラウラウラッ!」

 

「ボコ! 頑張れ!」

 

ボコボコにされるボコに対して、声援をおくる名誉支配人の小学生。

 

「み、みんなー! おいらに力をくれー!」

 

(お前はド〇ゴン〇ールの孫〇空か?)

 

ボコのセリフを聞き、某有名な格闘ファンタジーアニメの主人公な印象を受けるシュテル。

 

「ボコ、頑張れ!!」

 

「えっと‥‥私たちも応援した方がいいのかな?」

 

「た、たぶん‥‥」

 

「「が、頑張れー!!ボコー!!」」

 

観客らの声援が送られるもボコは立ち上がってはボコられ、立ち上がってはボコられを繰り返す。

 

(これ、子供が見る舞台演出として大丈夫なのか?)

 

シュテルはボコの演出を見て、虐めを助長しないか心配になる。

 

「も、もう一度、力をくれ!!」

 

「ボコ、頑張れー!!」

 

「も、もっとだ! もう一度、おいらに戦う力をくれー!」

 

「「頑張れぇーっ!! ボコォー!!」」

 

シュテルがボコの演出が虐めを助長しないか心配になっていると、いつの間にか真白がボコに感情移入しており、ボコを応援している。

 

「む、宗谷さん?」

 

この短い時間で一体彼女の心情に何の変化があったのかは分からないが、真白は名誉支配人の小学生と共にボコを応援している。

 

「う、うおおおおおおぉぉぉぉっー!!」

 

倒れていたボコは観客の声援に応えて再び立ち上がった。

 

「おぉ‥‥!」

 

満身創痍ながらも立ち上がったその根性に思わず感嘆する真白。

 

「はぁ……はぁ……み、みんなの声援が再びおいらを甦らせたぜ! ありがとよ!」

 

「「ボコォォォ――――ッ!!」」

 

「こ、今度こそ返り討ちにしてやるぜ!!」

 

立ち上がるボコであるが結果は変わらず、結局動物たちからボコられて負けてしまう。

 

「口ほどにもない奴だ!!」

 

ボコをボコボコにすると、動物たちは舞台の袖に去って行く。

 

倒れていたボコはしばらくの間、動かなかったが、ピクッと動き出すと、

 

「ま‥‥また‥‥負けた‥‥!!」

 

「「っ!! ボコォォ――――ッ!!」」

 

「今度は………負けないぞ!!」

 

そして、ボコは片手を上げて締めの言葉を言い放った。

 

その姿はまるで、世紀末の覇者の如き雄姿を見せ舞台の幕が下りた。

 

ショーが終わり、会場を後にする二人。

 

なお、名誉支配人の小学生は三人の大学生くらいの女性たちと共に席を立った。

 

 

シュテルは真白にシューの中盤に何故、ボコを応援していたのかを訊ねる。

 

「宗谷さん」

 

「はい?」

 

「途中で、あのクマを応援していたみたいだけど、何か心境の変化でもあったの?」

 

「あっ、いえ‥‥最初は『何やっているんだ?あのクマは?』って思いましたが、あの諦めない姿勢には何か共感するモノがありまして‥‥」

 

「そうか‥‥」

 

真白は自身の不幸体質に何度もくじけそうになったことがあったが、その都度、なんとしてでもブルーマーメイドになるんだと言う夢を抱いて今日まで頑張ってきた。

 

ボコもまぁ、喧嘩の原因がボコ側にあろうとも、倒れても、倒れても何度も起き上がる姿勢と明日は必ず勝つと言う信念を持つボコに対して親しみを感じたのだ。

 

中央広場から土産屋へとくると、真白は早速ボコのぬいぐるみが売っている棚へと向かう。

 

元々、ぬいぐるみの収集が趣味である真白としては、親近感が沸いたボコのぬいぐるみは絶対にゲットしてきたかった。

 

「む、宗谷さん、そのぬいぐるみ買うの?」

 

「はい」

 

ボコのぬいぐるみはさまざまなサイズがあるが、真白が購入しようとしていたのはそれなりの大きさのぬいぐるみだった。

 

結果はどうあれ、真白にはこのボコミュージアムを楽しんだみたいだった。

 




ましろがボコのファンになりました。
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