やはり俺の転生生活は間違っていない。~転生先は蒼き人魚の世界~   作:ステルス兄貴

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作中で明乃と真白が言っていたケーキやアイスをかけて戦った水鉄砲合戦は、自分の作品では描かれていませんが、公式ライトノベルである『ハイスクールフリート いんたーばるっ』の仁義なき水鉄砲合戦でその内容が描かれています。


147話

「うわぁ~あっつぅ~」

 

「うむ、日本の夏は暑さの他にもジメっとした湿度があるからまいる」

 

シュテルとテアは横須賀女子の敷地内を歩いていた。

 

時期は九月の初旬でまだまだ夏の残暑が厳しい。

 

額に浮かぶ汗を拭いギラギラと輝く太陽を睨む二人。

 

二人は横須賀女子の食堂へ向かい先日シュテルが提案したヒンデンブルククラスとシュペークラスとの白兵戦訓練の話をしようとしていた。

 

流石に残暑が厳しい中、屋外で話し込んでいては熱中症になってしまう。

 

食堂へ向かう中、隣接する購買部にてシュテルはそこで販売している酒蒸し饅頭を見つけた。

 

(酒蒸し饅頭‥‥ん?そういえば、あの饅頭を変わった食べ方をしていた人が居たな‥‥)

 

前世でニュース番組の特集でかつて日本に酒蒸し饅頭を変わった食べ方をした海軍軍人が居た。

 

酒蒸し饅頭を見てそのことを思い出したシュテルは購買部で酒蒸し饅頭を二つ購入した。

 

「シュテル、それはパンか?」

 

「いや、酒蒸し饅頭‥‥和菓子だ」

 

「まんじゅう‥‥レオナが言っていたが、中にはアンコとか言う甘い具が入っていると聞いたが‥‥」

 

「そう。それで昔の日本海軍の軍人でこの饅頭を変わった食べ方をした人が居てね、確か甘さと冷たさの両方を兼ねそろえた食べ方だったと思う」

 

「どんな食べ方なんだ?」

 

「ちょっと実践してみようか?」

 

「うむ」

 

シュテルはお椀と氷水、そして大量のコーヒーシュガーを用意する。

 

「まずは、饅頭をお椀に入れて、そこに氷水をかける。最後に砂糖を上からたっぷりとかけて‥‥」

 

シュテルは砂糖の山ができるのではないかと思うぐらいのコーヒーシュガーをお椀の中の饅頭にかける。

 

「えっ?まんじゅうに砂糖を‥‥?」

 

テアは餡子と言う具が甘いことはレオナから聞いていたのだが、その餡子を具にしている饅頭の上に更に大量の砂糖をかけている事に不思議に思った。

 

「そうだよ。これで、甘さがマシマシになって、氷水で饅頭自体は冷たくなる」

 

「しかし、それでは食べにくくないか?」

 

スプーンで掬ったとしてもコーヒーシュガーを掬うだけになってしまうのではないかと思うテア。

 

「食べ方はスプーンでこうして砂糖を氷水に混ぜて、饅頭は潰して‥‥」

 

グチャ‥グチャ‥‥

 

シュテルはスプーンで饅頭を潰して氷砂糖水に浸す。

 

「そして、これを食べる」

 

「お、おいしいのか?それは‥‥?」

 

グチャグチャになった饅頭を見てテアはやや引いている。

 

確かに見た目は決して美味しそうには見えないからだ。

 

「うーん‥私も今日初めて食べるからな‥‥どうなんだろう‥‥パクッ‥‥」

 

シュテルは恐る恐るスプーンに饅頭と氷砂糖水を掬い一口食べてみる。

 

テアはその様子をドキドキしながら見ている。

 

「モグモグ‥‥うん、意外といける。ちょっと変わったかき氷みたい」

 

前世から甘党なシュテルにしてみれば、この水まんじゅうは食べられないモノではなかった。

 

「テアも一口どう?」

 

シュテルはテアにも水まんじゅうを勧める。

 

「‥‥で、では一口‥‥」

 

「はい、あーん」

 

シュテルはスプーンに水まんじゅうを掬うとテアの口元へと運ぶ。

 

「あーん」

 

テアはスプーンの上の水まんじゅうを口にする。

 

ただ、この時にシュテルは、

 

(あっ、やばっ、これって間接キスってやつじゃあ‥‥でも、まぁ、テアとはマウスチューしたから‥‥いいのか?)

 

テアが水まんじゅうを乗せたスプーンを口にした時に間接キスだと気づいたが、テアとは去年の交換留学の際、キスをしていたので今更間接キス程度と思っていた。

 

一方のテアも、

 

(シュテルとの間接キス‥‥役得、役得)

 

と、何気に惚気ていた。

 

「どうかな?」

 

「ちょっと甘すぎる気もするが、これはこれで、なかなか‥日本に来てから驚くことばかりだな‥‥やはり、日本は凄い国だ‥‥シュテル、これはなんて言うんだ?」

 

「確か水まんじゅうって名前だったと思う」

 

「水まんじゅうか‥‥」

 

「あっ、ただ同じ名前で葛粉を生地に使用した饅頭もあって、世間ではそっちが水まんじゅうで、新潟で言う水まんじゅうはこっちの方なのかな」

 

同じ名前の『水まんじゅう』であっても葛粉を生地に使用した方が本来の水まんじゅうであるとシュテルはスマホで水まんじゅうの画像を検索してテアに見せる。

 

「ゼリー寄せのような饅頭だな」

 

葛粉を生地に使用した水まんじゅうを見てテアはもう一つの水まんじゅうの感想を述べる。

 

後日、テアは今日食べた方の水まんじゅうをミーナたちシュペーのクラスメイトに勧めたところ、やはり最初はグチャグチャになった水まんじゅうの姿と砂糖をこれでもかと言うぐらいの量にドン引きしたが、親日家のレオナは美味しそうに食べていた。

 

ミーナはテアが食べている手前、自分だけ食べないわけにはいかず、水まんじゅうを口にしたが、あまりの甘さに苦心しながらも水まんじゅうを胃に流し込んだ。

 

 

 

 

水まんじゅうを食した後、二人は白兵戦訓練についての話に移る。

 

「先日、シュテルからの提案を受けた白兵戦訓練だが、我がシュペークラスで話したところ、やろうという話になった。特に副長はやる気満々だった」

 

「それは良かった。実はウチの副長もやる気満々だったよ」

 

シュテルもテアもそれぞれの副長が、それぞれの艦長を白兵戦訓練で獲物と認識していることを知らなかった。

 

互いのクラスメイトたちの白兵戦訓練の了承が得られたことでルールの草案を決めた。

 

使用するのはもちろん模擬弾頭であり、それぞれの艦に装備されている機銃は全て使用不可。

 

いくら模擬弾頭とは言え、機銃では威力が高すぎる。

 

勝敗は殲滅戦であるが、降参もありとする。

 

ゾンビ行為は反則とみなす。

 

倒した相手の武器の使用は可能とする。

 

などのルールの草案を作り、互いのクラスでの意見を聞きヒンデンブルククラスとシュペークラスと意見を交換したり、出し合ってルールを決めた。

 

その後、出来上がった白兵戦訓練の草案を横須賀女子の校長である真雪に提出し、許可をもらい、ようやく白兵戦訓練の日を迎える。

 

真雪としては模擬弾を使用するとはいえ、その模擬弾を発射するのはエアガンではなく実銃と言うことで渋々と言った様子だった。

 

最終的に許可出したのはドイツでは何度も今回のような白兵戦訓練を行っていると言う事実があったからだ。

 

 

岸壁では流れ弾が他の学生に当たるかもしれないのでその点を考慮してヒンデンブルクとシュペーは岸壁を離れ、横須賀女子の校舎から少し離れた海上で停泊し、両艦を二か所タラップで行き来が可能とした状態で舞台をセッティングする。

 

そして、二隻の周りにはヒンデンブルククラスとシュペークラスのスキッパーが待機している。

 

彼女たちは万が一海に落ちたクラスメイトたちの救助を担う役割であり、攻撃対象外となっており、反対に彼女たちは相手のクラスメイトを攻撃することもない。

 

 

「あれ?ヒンデンブルクとシュペーが出航していく‥‥」

 

「何かあったんですかね?」

 

明乃と真白が出航していく二隻を見つける。

 

自習が続く中、何の用事で二隻が出航していくのかわからず首をかしげる二人。

 

「ミーちゃんたちはどうやら白兵戦訓練のために岸壁から少し離れるみたいです」

 

そこへ、納沙がなぜドイツの留学生艦二隻が出航したのかを二人に説明する。

 

納沙は元々任侠映画という共通の趣味があるミーナと仲が良いので、今回の白兵戦訓練の話もミーナから聞いていた。

 

「白兵戦訓練?」

 

「それってどんな訓練なの?」

 

「それぞれのチームに分かれて、模擬弾を使用して艦内で銃を撃ち合い相手のチームを殲滅するルールみたいです。いわゆるサバゲーですね。ほら、私たちも以前、アイスやケーキをかけて水鉄砲でやったじゃないですか」

 

「ああ、あれね」

 

納沙に言われ、晴風でもかつて明乃が懸賞で当てた有名お菓子屋さんのアイスやケーキをかけて晴風クラスを二分して戦ったことがある事を思い出す。

 

獲物は今回シュテルたちが使用する実銃ではなく、水鉄砲であったが‥‥

 

「あのゲームは楽しかったよね。私たちもまたやろうか?」

 

明乃にとってはクラスメイトたちと遊んだいい思い出なのだが、真白にとっては、

 

「私はもう二度とやりません!!」

 

と、あの時の思い出はまさに黒歴史であった。

 

あれよ、あれよ、という間にリーダーに押し上げられ、チームメイトは不正をするし、しまいには同じチームメイトだった黒木の水鉄砲がその時着ていたビキニ水着のブラの部分を引っ張ったことで外れてしまいクラスメイトたちに自分の胸を晒すことになった。

 

あの時、周りに居たのが同性だったのが唯一の救いだったがまたあんな経験をするかもしれないなんてゴメンだ。

 

っていうか、あのゲームをやればあの時と同じかそれ以上の不幸な目に遭いそうだったので、真白としては全力で拒否した。

 

 

ヒンデンブルク、シュペーの学生たちは舞台のセッティングが終わると装備の確認を行う。

 

それぞれのクラスの所属がわかるようにヒンデンブルククラス、シュペークラスと異なる色のツナギを着て頭にはヘルメットを被り、目にはゴーグル、口にはマスク、そして腰にはベルトに弾薬盒と水筒をぶら下げる。

 

腕には万が一海へ落ちた時のための腕時計型の緊急避難具を着ける。

 

そして肘と膝にはプロテクターをつけ、足はブーツを履く。

 

「フッフッフッ‥‥みていろ、あのちびっ子め‥‥一発で眉間を撃ち抜いてやる」

 

ユーリは狙撃銃仕様のKar98kを握りしめながら不敵な笑みを浮かべる。

 

「おぉ、ユーリ、気合い十分だね」

 

「そりゃそうさ、長い月日に溜め込んだ因縁を今日、晴らせるんだからね」

 

「へ、へぇ~‥‥」

 

(ユーリって、シュペークラスの誰かに強い恨みを持っているのかな?)

 

シュテルはユーリの様子を見て不思議そうに首を傾げた。

 

一方、シュペーの方でも‥‥

 

「テアはワシが守らなければ‥‥そのためには必ず、あの艦長のタマをとらなければならぬ‥‥」

 

と、ワルサーP38のグリップをギュッと握りしめた。

 

やがて開始時間となり、ヒンデンブルククラス、シュペークラスの学生たちがタラップへと迫る。

 

しかし、最前線の学生は互いに丈夫そうな盾を装備している。

 

その訳は‥‥

 

ダダダダダダ‥‥ダダダダダダ‥‥ダダダダダダ‥‥

 

ダダダダダダ‥‥ダダダダダダ‥‥ダダダダダダ‥‥

 

ヒンデンブルク、シュペーの機銃、高角砲の影や艦橋の高所からは互いにグロスフスMG42機関銃の銃弾がタラップに近づく相手のクラスメイトを銃撃してくるのだ。

 

グロスフスMG42機関銃は1942年にドイツで開発・製造された汎用機関銃であり、構造が複雑であったラインメタル/マウザー・ヴェルケMG34機関銃の後継銃であり、プレス加工を多用して生産性を向上させるとともに整備性と動作安定性を高めている。

 

反動利用方式のショートリコイルを採用し発射速度は1200発/分とかなり速い。

 

MG34とは異なり、連射のみで単射機能はなく、MG34と比較すると命中精度は落ちたが、速射性能がその欠点を補っている。

 

まさに下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるを表現したような銃である。

 

しかし、このMG42の集中射撃により確実に互いの学生の足止めにはなる。

 

「弾が切れた!!早く次弾を!!」

 

「弾をくれ!!弾をくれ!!」

 

「弾運び急がんか!!急げ!!」

 

その一方でMG42は弾の連射速度が速いため直ぐに弾切れとなるので、給弾係りの学生は急いでMG42の弾を運ぶ。

 

そんなMG42機関銃の機銃手を黙らせるのが狙撃手である。

 

艦橋の一番上の展望デッキや高所からMG42を撃っている機銃手を狙撃していく。

 

ユーリもその腕を振るい物陰に隠れている機銃手を撃ち取っていく。

 

だが、お目当てのテアの姿をなかなか確認できない。

 

「来やがれ、ツラ見せろ。出て来い、57mm弾が待ってるぜ」

 

ユーリはスコープ越しからテアの姿を探していた。

 

互いにMG42の機銃手が狙撃で倒れたまたはMG42自体が弾切れとなると、シュペー、ヒンデンブルクの甲板はさながら戦場のような構図となる。

 

Kar98k、MP 40、StG44の銃声に学生たちの声が響く。

 

「進め!!進め!!進め!!」

 

「うわぁぁぁー!!」

 

「突撃!!」

 

ヒンデンブルクとシュペークラスの学生たちが混戦を繰り広げる中、シュテルはミーナと対峙していた。

 

ゴーグルとマスク、ヘルメットで顔はうまく判別できないが、ミーナには眼前に立つ人物がシュテルであると雰囲気で分かった。

 

(碇艦長‥まさかここまで来るとは‥‥しかし、これ以上先には‥‥テアの下には行かせん!!)

 

ミーナの手にはワルサーP38。

 

(この雰囲気‥‥ミーナさんか‥‥)

 

シュテルの手にはルガーP08 8インチ。

 

どちらもドイツが誇る名銃が握られていた。

 

周りの学生たちが戦闘している中、両者の周りはまるで別空間みたいに静かに感じた。

 

コッ‥‥コッ‥‥コッ‥‥コッ‥‥

 

コッ‥‥コッ‥‥コッ‥‥コッ‥‥

 

シュテルとミーナは互いにゆっくりとした足取りで近づいていく。

 

それはもうかなりの至近距離で銃なんて役に立たないくらいかと思うくらいだ。

 

互いに銃を向けた瞬間に長いような短い静かな空気は一変した。

 

ダン!!ダン!!

 

ガチャ、ガチャ

 

ダン!!ダン!!

 

ガチャ、ガチャ

 

シュテルとミーナは銃口を自身の持つ銃の銃身と銃を持たないもう片方の手で押しのけあいながら、銃を撃ち最小限の動きで相手の弾丸を躱していく。

 

しかも弾切れにならないようにここぞと言う時以外には発砲しない。

 

もっとも発砲したところで相手には当たらない。

 

シュテルとミーナとの戦いを見た周囲の学生たちは思わず自分たちの戦う手を止めて二人の戦いを見ていている。

 

「えっ?副長のあの動きナニ!?」

 

「あんな至近距離で銃を撃ち合っている‥‥」

 

「副長の相手ってヒンデンブルクの艦長さん?」

 

「すごーい!!」

 

周囲の学生が自分たちの事を口にしているが二人には周囲を意識する余裕などなく、眼前の相手に集中している。

 

互いに至近距離で銃を撃ち合っているため、援護したくても下手に撃てば味方に当ててしまうので、撃ちたくても撃てない。

 

(やはり、碇艦長‥手ごわい‥‥ますますテアの下に行かせるわけにはイカン!!何が何でも此処でタマを取る!!)

 

(流石、任侠映画を見ているだけあって戦闘能力も高い!!)

 

シュテルとミーナが戦っている中、ユーリも移動しながらテアを探していた。

 

狙撃銃仕様のKark98からMP 40に変え腰にはルガーP08 4インチが入ったホルスターをぶら下げている。

 

シュペーの艦内を警戒しながら進み、向かってきたシュペークラスの学生たちを返り討ちにしながらテアを探していく。

 

シュペークラスの学生を返り討ちにしていくうちにMP 40の弾が切れたので、腰のホルスターからルガーP08を取り出す。

 

そして、不意にユーリとテアは出会う。

 

「「っ!?」」

 

二人は出会い頭に銃を向ける。

 

「うわっ!?」

 

「くっ‥‥!?」

 

テアはワルサーppkの銃口をユーリに向け、

 

ユーリはルガーP08の銃口を向け、

 

引き金を引く。

 

しかし、射撃能力はユーリの方が上の様で、ユーリが放った弾はテアの腕を掠めた。

 

「うっ‥‥」

 

(ちっ、腕を掠める程度だったか‥‥)

 

出会い頭の遭遇戦だったので、射撃が得意なユーリでもテアをリタイアに追い込むダメージを与えることはできなかった。

 

「ちびっ子、腕はどんなだ?」

 

「こっちへ来て確かめろ」

 

「いや結構。遠慮させてもらうよ。ちびっ子、顔を出してみろ。一発で、眉間をぶち抜いてやる。同じ国のよしみだ。苦しませたくはない」

 

もはや完全に映画の悪役のようなセリフを口にするユーリだった。

 

 

この日、真冬は例の海上テロ事件の事後処理で真雪と直接会って話す事があったので、内火艇で横須賀女子に向かっていた。

 

そんな彼女の目に横須賀女子の校舎から少し離れた海域にドイツのヒンデンブルクとシュペーが停泊しているのが見えた。

 

「おっ?ドイツの留学生艦か‥‥こんなところで何しているんだ?」

 

現在、横須賀女子はあの海上テロ事件の事後処理で自習が続いている。

 

そんな中でドイツからの留学生艦が横須賀女子の岸壁から離れて中途半端な海域に停泊していることに違和感を覚えていると‥‥

 

ダダダダ‥‥

 

ババババ‥‥

 

留学生艦からは銃声が聞こえてきた。

 

「なっ!?銃声だと!?」

 

銃声を聞き、真冬は顔をこわばらせる。

 

「おい、針路変更だ。留学生艦に向かって現状を確認するぞ!!」

 

真冬は留学生艦で何かトラブルが起きたのだと思い横須賀女子へ行く前に留学生艦へと向かう。

 

留学生艦の近くまで行くと、二隻の留学生艦の周囲には緊急避難具のバルーンが浮かんでいるのが見える。

 

銃声に緊急避難具のバルーンを見てやはりただ事ではないと判断する真冬。

 

そして、内火艇が留学生艦の近くに到達すると、

 

「とおぅ!!」

 

相変わらず常人離れした脚力でほんの少しの助走で内火艇から留学生艦の甲板に着地する。

 

「えっ?」

 

「誰?」

 

「どこから来たの!?」

 

突然、甲板に降り立った真冬の姿を見て学生たちは戦っていた手を止める。

 

一方、真冬の方も甲板に降り立った後、周囲に居るヘルメットにゴーグル、マスクで顔を隠し手には銃を持っている学生たちをテロリストか海賊だと思い、

 

「おりゃあぁー!!」

 

「きゃああー!!」

 

ドボーン!!

 

近くに居た学生を掴み海へと落とした後、殴りかかる。

 

「な、何この人!?」

 

「いきなり殴りかかってきたわよ!?」

 

学生たちからしてみれば、いきなり甲板に来たと思ったら自分たちを殴りかかってくるのだからたまったものではない。

 

真冬の制服が通常のブルーマーメイド隊員の白い制服とは異なり黒い制服でさらにはマントを羽織っていたことが、真冬を一目でブルーマーメイド隊員と判断できなかったこともある。

 

一方、真冬の方も学生たちが白兵戦訓練で安全を考慮するため制服ではなくテロリストか海賊みたいな間際らしい格好をしていたために彼女らが留学生艦の学生と判断がつかなかったことも今回の混乱の原因にあった。

 

「あの人はブルーマーメイドの宗谷真冬さん!?」

 

クリスは突然の乱入者が真冬であることを見抜く。

 

「えっ?あの人、ブルーマーメイドの人なんですか!?」

 

「メイリン、急いで訓練中止の放送を流して、私はそれまであの人の足止めをするから!!」

 

「は、はい」

 

クリスはメイリンに訓練を中止するように頼むと真冬の下へ駆けていく。

 

「おら、おら、お前らそれでもいっぱしのテロリストかぁ!?」

 

真冬は相変わらず、学生たちをテロリストか海賊だと思い千切っては投げての一人無双をしている。

 

さらに真冬は服の上から胸部の膨らみから甲板に居る者たちが女だと判断し、さりげなくお尻をさわっている。

 

そんな中、

 

タッタッタッタッタ‥‥

 

「ふんっ!!」

 

真冬の拳を肘でガードする。

 

「おっ、なかなか骨のある奴がいるな」

 

自らの攻撃をガードした物が居たことに真冬は不敵な笑みを浮かべる。

 

真冬とクリスは互いに後ろに飛び、距離を取る。

 

「宗谷真冬さん‥貴女は何か勘違いしていませんか?」

 

クリスはゴーグルとマスクを外し、顔を晒す。

 

「私たちはヒンデンブルクとシュペー所属の学生です」

 

「えっ?そうだったのか?」

 

「そうですよ。今日はヒンデンブルクとシュペーの学生たちで白兵戦訓練をしていたんです」

 

クリスは真冬に今日の白兵戦訓練についての説明をする。

 

「なるほど、白兵戦訓練か‥‥」

 

真冬は納得するように頷く。

 

「と言うか、ブルーマーメイドの貴女がなんでここに居るんです?」

 

「かあさ‥‥いや、宗谷校長と直接する話が合ってな‥‥」

 

クリスの質問に答える真冬。

 

「それよりも‥‥だ‥‥」

 

「?」

 

「お前さん、よくよく見れば、胸はないが、なかなか形のいい尻をしているじゃねぇか」

 

「っ!?」

 

「ちょっとでいいから、触らせてくれねぇか?」

 

真冬は手をワキワキと怪しい動きをしながらクリスににじり寄ってくる。

 

「ちょっ、何言っているんですか!?貴女は!?」

 

「今は白兵戦訓練の真っ最中なんだろう?ならば、ちょっとしたハプニングだっておこるかもしれねぇじゃないか」

 

「‥‥」

 

真冬の言動に呆れるクリス。

 

そして、真冬がダッと駆け寄り距離を詰めてくる。

 

「くっ‥‥」

 

クリスも真冬を迎え撃つかのように駆け出す。

 

そして、両者がクロスしたその瞬間、

 

「スティール‥‥」

 

クリスはボソッと何かをつぶやいた。

 

そして、加速すると真冬からのお尻へのタッチを躱す。

 

両者は再び対峙するのだが、この時真冬は胸に何か違和感を覚えた。

 

「フフ、これ、なぁんだ?」

 

「えっ?」

 

クリスの片手には黒いブラジャーがあった。

 

「なっ!?」

 

真冬はその黒いブラジャーを見て、顔を赤らめ自らの胸に手を当てる。

 

すると、そこには確かに着けた筈のブラジャーの感覚がない。

 

「これは返しますね」

 

クリスはブラジャーを真冬に投げ、真冬はそのブラジャーをキャッチする。

 

「さあ、お仕事があるのでしょう?貴女は貴女の務めを果たしなさいな」

 

「ま、まさか、アタシからブラを掠め取るとは‥‥しかもあの一瞬で‥‥」

 

これまでの人生の中で数多の同性のお尻を撫でてきた真冬であったが、まさか自分からブラジャーを掠め取られるなんて初めての経験だった。

 

「艦長!!」

 

すると、内火艇から同僚の声がした。

 

「艦長!!この子たちは海賊やテロリストではなく、ドイツからの留学生です!!」

 

同僚はどうやら海上を浮いている学生かスキッパーに乗っている学生に聞いたのだろう。

 

「わかっているよ!!」

 

「それと、宗谷校長との約束の時間が押しています!!早く、行きませと!!」

 

さすがの真冬も甲板でブラジャーを着ける気にはならず、横須賀女子に着いたらトイレで着けるつもりで、ブラジャーをポケットに入れると甲板から海に浮かんでいる内火艇へ飛び降りて横須賀女子へと向かった。

 

クリスと真冬が甲板で戦っている中、クリスから訓練中止の放送を頼まれたメイリンは急いで艦内マイクの音量を最大にして訓練中止の放送をいれた。

 

「緊急事態により、訓練中止!!訓練中止です!!」

 

「「ん?」」

 

メイリンの放送を聞いて至近距離で銃を撃ち合っているシュテルとミーナ、シュペーの艦内でテアを追いつめていたユーリであったが、訓練中止の放送を受け、動きが止まる。

 

「緊急事態?」

 

「一体何があったんだ?」

 

「ちぇっ、もうちょっとの所であのちびっ子を撃ち取れたのに‥‥」

 

ユーリはテアを撃ち取れなかったことに物凄く不満そうだった。

 

 

真冬の乱入により訓練が中止になってから少し時間が経った頃、

 

その真冬は横須賀女子の校舎に着き、トイレでブラジャーを着け直した後、校長室で真雪と会ったのだが開口一番に、

 

「真冬、貴女よく確かめもせずにドイツからの留学生たちの訓練に乱入したみたいね」

 

真雪の下には当然留学生艦から真冬が訓練中に乱入してきた連絡が来ていた。

 

「しょ、しょうがないでしょう。あんな格好で銃を持っていたら誰でも見間違えるって!!」

 

真冬は真雪に理由を話す。

 

今日の白兵戦訓練は横須賀女子側に許可を取ったが、ブルーマーメイド側には何も通達していなかった事と留学生たちの服装と装備から真冬が留学生たちをテロリストか海賊と見間違えるのも仕方がなかった。

 

「まぁ、今日来る貴女に留学生たちの訓練の事を話していなかった私の落ち度でもあるけど‥‥でも、貴女単身で乗り込んだみたいね?」

 

「ん?ああ、そうだけど‥‥」

 

「貴女、このまえの海上テロ事件の時もプラント奪還の時、一人で突っ走ったみたいね?‥‥相手は凶悪なテロリストだったのよ。その猪突猛進なところを直しなさい」

 

(母さんが現役時代の時もアタシと同じような猪突猛進タイプだったと聞いたぞ‥‥なんか理不尽だ‥‥)

 

と、海上テロ事件についての話なのに最初はなぜか母からのお説教を受ける真冬だった。

 

一通り真雪からのお説教を受けた後、本題である海上テロ事件についての話し合いが行われ、話し合いが終わると、

 

「なぁ、母さん」

 

「なに?」

 

「今度、あの留学生たちとアタシの艦の連中との間で白兵戦訓練をやりたい」

 

と、ヒンデンブルクとシュペーの学生たちと真冬が艦長を務めるべんてんの乗員との間で今日、行われた白兵戦訓練みたいな訓練をやりたいと真雪に提案してきた。

 




ホットペッパーのCMを見て、アフレコキャラを作品のキャラに置き換えてみました。


明乃「今日の送別会三人しかいませんけど、まぁ楽しんで‥‥」

シュテル「おいおい、ちょっとまってくれ。おい、どうして私の送別会が三人なんや?ん?」

もえか「君、抜いたら二人や」



阿部 「あぁ~、今年の忘年会はね、皆さん無礼講で‥‥」

河野 「お前、無礼講言うてもな!親しき仲にも礼儀ありやぞお前!」

阿部 「‥‥社長(艦長)にお前言うな」
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