やはり俺の転生生活は間違っていない。~転生先は蒼き人魚の世界~   作:ステルス兄貴

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今回はシュテルがハルトマン家へ訪問します。


18話

 

 

キール海洋学校の高等部へと進学し、学生艦に乗艦して、自分達生徒達のみの手で軍艦を動かす様になったシュテル達。

しかし高等部へと進学し、学生艦に乗艦する様になったと言っても普段から学生艦に乗り、海に出ているわけでは無い。

ちゃんと陸上の学校の教室に集まる座学の授業も存在し、授業内容も海洋学、航海学、海洋法規、機関学等の船にまつわる学問の他に一般の高等教育の座学もある。

高等部初の海洋実習も大きな事故や怪我人を出す事無く無事に終え、学校へと戻ったシュテル達。

なお、あのヒンデンブルクに乗っていた猫はそのままヒンデンブルクで飼育する事になり、シュテルはあの猫に前世の飼い猫と同じ『カマクラ』と言う名前をつけた。

カマクラはヒンデンブルグの中ではどう言う訳かシュテルに一番懐いていた。

そして今日は座学の日であり、普通の学生の様に教室で授業を受けていた。

週末は休みなので、実家にでも帰ろうかと思っていた。

すると、ヒンデンブルクの医務長であるウルスラがシュテルを自宅であるハルトマン家に誘ってきた。

なんでも今週は姉が休暇で家に戻ってきているので、家の大掃除をしたいので、手伝ってくれないか?と言うモノだった。

ウルスラはついでに『現役ブルーマーメイドの話も聞けるよ。』

と言ってきた。

個人的にウルスラのお姉さんがどんな人なのかちょっと興味があったし、高校卒業後、海軍に入るか、ブルーマーメイドに就職するか、一般の海運会社に就職するか、それか海運とは関係ない一般企業に就職するか、それとも就職ではなく大学へ進学するか、まだ高校生活が始まったばかりであるが、現役ブルーマーメイドの人から話を聞けるのは実に興味深い事だったので、シュテルはウルスラの誘いに乗って、週末は実家ではなく、ウルスラの家にお邪魔することにした。

普段、週末は寮生活な学生達は大きく分けて、寮に残る者、帰省する者達だ。

クリスとユーリも今週は実家で何やらやる事があるみたいで、シュテルがウルスラの家に行くと知った時、二人はちょっと複雑そうな顔をしていた。

 

(ど、どうしよう、エレミアさんの他に今度はハルトマンさんにシュテルンが取られちゃうかも‥‥)

 

(八幡‥いえ、シュテルさん、前世ではボッチだったのに‥‥あっ、でもあくまでも『ボッチ』は小、中学校時代だけで、高校二年からは彼の周りには人があつまり、良くも悪くも彼は人を引き付ける人物でしたが、この後世では幼少の頃から人を引き付けるカリスマ性みたいなものがありましたからね‥‥今の彼に沢山の友人が出来る事は嬉しい事の筈なのになんか寂しさの様なモノを感じる‥‥)

 

(ん?どうしたんだろう?二人とも‥‥あっ、現役ブルーマーメイドの人の話が聞けなくて残念がっているんだ)

 

前世では人間観察が得意で人の何気ない態度や会話の中からその人の思考を読み取っていたシュテルだが、この後世ではあまり人の目を気にしなくなり、それがやや鈍ったのか、それともシュテル自身完全に心を許しているクリスとユーリだからこそ、心の奥底まで見抜く必要性を感じなかったのか、二人の考えを読み間違えるシュテルだった。

 

そして週末‥‥

その日、ウルスラは朝一でシュテルを迎えに寮にある彼女の部屋へとやって来た。

 

「あれ?ハルトマンさん?」

 

まだ朝の七時前なので、シュテルの恰好は寝間着で寝ぼけ眼だった。

 

「艦長、朝早くから申し訳ありません。ですが、この時間帯に出ませんと、今日中に家の大掃除が終わりませんので‥‥外泊許可は前日に私が提出しておきましたから、問題ありません」

 

ウルスラは申し訳なさそうにシュテルに訳を話す。

 

「えっ?」

 

(こんな朝早くから出ないと終わらないって、家が遠いのか?それとも家が物凄く大きいのかな?それとも物凄く汚れているのかな?)

 

ウルスラの発言にシュテルは絶句しつつも急いで身支度を整えた。

 

 

ウルスラの実家であるハルトマン家に向かう為、列車に乗り込むウルスラとシュテル。

コンパートメントの座席に座り、駅の売店で朝食として買ったサンドウィッチを食べ終え、車窓の外の風景を見ていたシュテルであったが、ふとこれから向かうハルトマン家について疑問に思った事をウルスラに訊ねる。

 

「そう言えばさ‥‥」

 

「なんでしょう?」

 

「大掃除をするって言っていたけど、ハルトマンさんの御両親は普段から家の掃除をしてないの?」

 

「‥‥その‥私達、姉妹には両親はいません」

 

「えっ?」

 

「私が小さい頃に事故で‥‥」

 

ウルスラが俯きながら自分達姉妹の両親について語る。

 

「あっ‥‥ごめん‥辛いことを聞いちゃって‥‥」

 

知らなかったとはいえ、両親の話はウルスラについては禁句みたいだ。

 

「いえ、両親についてはもう割り切っています。それに私には姉さんがいますから‥‥」

 

「そ、そう‥‥」

 

今のシュテルは一人っ子であるが、前世では妹が‥小町が居た。

その為、兄妹の存在には色々考えさせられるものがある。

 

(そう言えば、小町の奴、あれからどうしているかな?)

 

シュテルはふと、前の世界に残して来た妹(小町)の事が脳裏を過ぎった。

 

(まぁ、元気にしているだろうなぁ‥前世の親父もお袋も昔から小町至上主義だし、むしろ俺が消えて清々しているだろうなぁ‥‥あぁ~ヤメヤメ、もうあの世界もあの家族も今の俺には関係ないんだから)

 

シュテルはもう二度と会う事が無い妹や前の家族について考えるのを止めた。

だが、シュテルはまさか前世における妹が高校受験に失敗した事を知らないし、前世の自分の自殺と小町の高校受験の失敗が引き金となり、小町は引きこもりとなり、比企谷家が家庭崩壊した事など知る由もなかった。

 

列車とバスを乗り継ぎ、シュテルはウルスラの実家であるハルトマン家に着いた。

ハルトマン家は、二階建ての家で大きくもなく、また小さくもない、ごく普通の家だった。

しかし、外から見る限り大掃除をやる必要があるようには見えない。

よく、テレビで報道されているゴミ屋敷をちょっと想像していたシュテルにとって、そうでもなかったと拍子抜け。

だが、シュテルはこの後、自分が想像していた通りの展開になる事をこの時はまだ知らなかった。

 

 

ウルスラは家に入る前に使い捨てのマスクを装着しており、シュテルにも同じマスクを差し出す。

 

「艦長もマスクを着けておいた方がいいですよ」

 

「ちょっ、ハルトマンさん。流石にそれは大袈裟じゃない?」

 

「‥‥一応、忠告はしましたからね」

 

そう言ってウルスラは玄関のドアノブに手をかけると、玄関の戸を開ける。

すると、

 

ブワッ

 

モワワ~ン~

 

「ウッ‥‥」

 

玄関の戸が開いた途端、シュテルの鼻腔を強烈な刺激臭が襲い掛かる。

シュテルは思わず‥というか、反射的にポケットの中にあったハンカチを取り出してソレを口元へと押し当てる。

ウルスラが家に入る前にマスクを装着した事と態々マスクを着けていないシュテルに対して事前に忠告を入れたのも頷ける。

 

「ハルトマンさん。何なのコレ!?毒ガス!?この状況下でお姉さんは大丈夫なの!?死んでんじゃないの!?」

 

家中に広がるこんな刺激臭の中、ウルスラの姉はこの状況下で生きているのだろうかと疑問に思った。

 

「姉さんは大丈夫でしょう。元々この臭いの原因は姉さんでしょうし、姉さんの生命力に関してはゴキブリ並み‥いえ、それ以上に強いですから」

 

(ハルトマンさん、さりげなく自分の姉をDISっているよ‥‥)

 

「全く、姉さんが長期休暇に入ると家がクソ溜めみてぇなところになるから困るんですよね」

 

(ハルトマンさんっ!?今、貴女の口から普段、貴女が口にしない様な台詞が出ましたよ!?)

 

ウルスラが普段ならば絶対に口にしない様な台詞を聞いてちょっと引くシュテルだった。

それはきっとこのハルトマン家に充満する刺激臭のせいだと思いつつシュテルは事前にウルスラから貰ったマスクを着け、ハルトマン家へと入る。

 

「‥‥」

 

そしてハルトマン家の中の惨状を見て絶句する。

家のそこら中に衣服、本とゴミが散乱していた。

ゴミは紙くず、ティッシュペーパー、酒瓶、空き缶、缶詰の缶、デリバリーサービスのピザの箱などが散乱していた。

しかもピザの箱の中には腐ったピザが入ったままのモノもある。

缶詰に関してもピザ同様に中身が入ってそのまま腐ったモノある。

まさに汚部屋状態‥お部屋ではなく、汚部屋となっており、ハルトマン家の中はお家ではなく、汚家となっている。

 

「ふ、腐海の森だ‥‥」

 

「良い例えですね、ソレ」

 

ハルトマン家の惨状を見たシュテルがポツリと呟き、ウルスラもそれに賛同する。

一先ず、この刺激臭を何とかしなければならないので、窓という窓、扉という扉を全て開けて空気の入れ替えをする。

台所も料理をしようとでもしたのか、鍋やフライパンには黒焦げた何かがあった。

 

(由比ヶ浜のポイズンクッキングかよ‥‥)

 

そして流し台にも洗われず放置されたままの食器類が所狭しと置かれていた。

どこから手をつければいいのか正直に言って悩むところだが、このまま放置したらハルトマン家はゴミ屋敷化するので、やらなければならなかった。

それに衛生的にも悪い。

ウルスラが朝早くシュテルの下を訪れたのも頷ける。

シュテルは使い捨て手袋をはめて、ゴミ袋に燃えるゴミ、空き缶、空き瓶、と分別する。

ウルスラは衣服をかき集めて洗濯機の中へと放り込み、洗濯をし、その間に台所の片づけを行う。

ゴミが片付き、床が見えてくると床を掃除機で掃除をし、次に雑巾がけをしていると、二階から誰かが階段を降りて来た。

この場合、ウルスラのお姉さんしかない。

 

「ふぁぁぁ~‥‥ん?あれ?君、誰?」

 

ウルスラのお姉さんは床を雑巾がけしているシュテルの姿を見て、寝ぼけ眼のままシュテルが一体誰なのかを聞いてきた。

ただ、その時の彼女の恰好は物凄くだらしない。

タンクトップに下着姿‥‥いくら同性とは言えこの格好は恥ずかしいと思うのだが、ウルスラのお姉さんは恥ずかしがる様子も無い。

 

「あっ、姉さん起きたんですか?」

 

そこへ、大量の洗濯物が入った洗濯籠を両手で抱えたウルスラがやって来た。

 

「ん?ウルスラ、帰ってきてたんだ」

 

「はい‥相変わらず家をすさまじい惨状に変えますね」

 

「えぇ~そうかな?」

 

後頭部をボリボリと掻きながら家の惨状を何ともなかったように言うウルスラのお姉さん。

ただ、恰好はだらしないが、身体からは不思議と変な臭いはしていないので、お風呂にはちゃんと入っているみたいだ。

 

(確かにハルトマンさんの言う通り、この人の生命力は強そう‥‥)

 

あれだけの刺激臭の中、しかも下の階で大掃除をして、物音がした筈なのにソレにも動じずに寝ていた様子のウルスラのお姉さんを見て先程、ウルスラが言った姉の生命力がゴキブリ並みだと言う言葉はあながち間違いではないと思うシュテルだった。

 

「姉さん、こちらは私の同級生のシュテル・H・ラングレー・碇さんです。私が乗艦している学生艦の艦長を務めています」

 

「ど、どうも、初めまして、シュテル・H・ラングレー・碇です」

 

「へぇ~そうなんだ~、どうも~ウルスラの姉、エーリカ・ハルトマンです。ウチの妹がお世話になっております」

 

ウルスラの姉、エーリカ・ハルトマンはまだ寝ぼけ眼のままでシュテルに挨拶をしてきた。

エーリカとウルスラは確かに姉妹であり、顔立ちが二人ともそっくりだった。

異なるのは身長とメガネをかけているかいないかの差であり、両者とも胸の大きさはまさに姉妹だった。

前世において身近な姉妹でまっさきに思いついたのが雪ノ下姉妹だ。

雪ノ下姉妹も確かに顔立ちは似ていた。

だが、胸の大きさは反比例していた。

それに人としての出来もだ。

あの姉妹は二人とも人との付き合い方には問題があった。

姉の方は他人をからかい玩具にする。それは自分の妹でさえ例外ではない。でも、コミュニケーション能力はやはり、実家の手伝いや大学生と言う事でそれなりにあった。

妹の方は常に自分の言動が真実であり、自分が№1だと思い込み、当たり前のように他人を見下し、コミュニケーションも交友関係も姉と比較すると雲泥の差だった。

学業の成績だけで言えば両者は確かに優秀な人間だが、学業が優れている人=人として完璧 ではない。

シュテルが前世の知り合いの姉妹と目の前に居るハルトマン姉妹の事を思っていると、

 

「ん?なんか今、少し失礼な事を考えなかった君?」

 

「私も艦長が何か失礼な事を考えているように思えましたけど?」

 

「い、いや、そんなことはないよ」

 

こういう鋭い所はハルトマン姉妹も雪ノ下姉妹も似ていた。

 

エーリカが起きて来たので、次の清掃場所を二階へと移すウルスラとシュテル。

二階のウルスラの部屋と客間、そして両親の寝室だったと思われる部屋は流石にエーリカも入る事は無かったのか、綺麗だった。

ただ、エーリカの部屋は大惨事だった。

床が見えない。

床一面に広がるゴミ、ゴミ、衣服、下着、ゴミ、ゴミ、本、ゴミ、ゴミ、段ボール箱、ゴミ、ゴミ、ゴミそしてベッド脇のテーブルの上にある目覚まし時計は何故か破壊されている。

 

「「‥‥」」

 

エーリカの部屋の大惨事を見て思わず絶句するウルスラとシュテル。

 

(い、一体何がこの汚部屋であったんだ?)

 

何があって目覚まし時計があそこまで破壊されているのか?

元々目覚まし時計が壊れていたのだろうか?

それを踏まえてもウルスラが言うにはエーリカが休みを取ったのは今週の始め‥‥

僅か5~6日の間で此処までお部屋を汚部屋にリホームできるものなのだろうか?

 

シュテルがエーリカの汚部屋を見ながら何が原因でこの惨状があったのかを考えつつ、エーリカの部屋の前で立ち尽くしていると、

 

「艦長、ボサッとしていないで、始めましょう」

 

「あ、ああ‥そうだね」

 

ウルスラの一言で現実へと戻り、シュテルはウルスラと共にエーリカの部屋の掃除を始める。

なお、妹とその同級生が家の掃除に勤しんでいる中、その姉のエーリカは掃除が終わった一階のリビングにあるソファの上で、また寝ていた。

朝早くに学校の寮を出たおかげで、昼前にはなんとかハルトマン家の大掃除は終わった。

家の前のゴミ捨て場にはゴミ袋の山が出来上がっていた。

そのゴミは後で業者が引き取りに来る予定となっている。

ただ、ハルトマン家の冷蔵庫の中には食材らしきものは一切なかったので、昼と夜の分の食事の為、食材の買い物へ行かなければならなかった。

 

「姉さん、またデリバリーや缶詰、レトルト、インスタントだけの食生活をしていたんですね」

 

冷蔵庫の中を見てウルスラはソファの上でグテッとしているエーリカに声をかける。

確かにシュテルが一階のリビングを掃除している時、沢山のデリバリーピザの箱や缶詰め、レトルト食品の箱や袋が散乱していたのを見た。

家に戻って来た当初はエーリカ自身も料理をしたのだろうが、失敗して即座に挫折して、そのままウルスラが帰って来るまであまり健康にはよろしくない食生活をしていたのだろう。

 

「ううぅ~私だって料理にはチャレンジしたけど、やっぱり、私には料理の才能はなかったみたい‥‥それに買い物に行くのもめんどいし‥‥」

 

「はぁ~あまり、褒められた食生活ではありませんよ」

 

ヒンデンブルクで医務長をしているだけあって姉が不健康な生活を送っていた事に対して心配しているのか注意する。

 

「うぅ~‥‥でも、海に居る時はちゃんと食べているから大丈夫だよ」

 

まぁ、確かにヒンデンブルク同様、海上勤務であれば、艦には専属の料理人が乗艦しているので、艦に乗っている時、食事に関しては栄養バランスが整っている筈だ。

体を壊しても軍医がいるので、直ぐに駆け付けられる。

 

「まぁ、そう言う事にしておいてあげましょう。ところで、お昼と夜、何か食べたいものはありますか?」

 

ウルスラはエーリカに今日の昼食と夕食でなにを食べたいかを訊ねると、

 

「お菓子!」

 

エーリカはお菓子を食べたいと言う。

 

「流石にお菓子は食事には入りません。それに糖分やカロリーの取り過ぎは身体に毒です」

 

「えぇぇ~お菓子、お菓子、お菓子、お菓子」

 

まるで、小さな子供が駄々をこねるみたいにソファの上で身体を揺すりながら「お菓子」と連呼するエーリカ。

 

「もう、それじゃあ、此方でメニューを考えますからね。艦長、行きましょう」

 

「あっ、うん」

 

「ウルスラ~ちゃんとお菓子も買ってきてよぉ~!!」

 

ウルスラは独自で今日の昼食と夕食のメニューを決めるつもりで、シュテルと共に買い出しへと出かけた。

 

「え、えっと‥‥その‥‥随分と個性的なお姉さんだね」

 

シュテルはエーリカの印象をウルスラに伝える。

 

「‥‥無理はしなくてもいいですよ、艦長。あんな姉さんの姿を見たら誰でもそう思うでしょうし‥‥でも、あの様な姉さんも一度海に出て、艦を指揮すると、まるで別人の様に変貌するんですよ」

 

ウルスラは、エーリカは家に居る時と海で艦に乗っている時は全くの別人になると言う。

そりゃあ、艦を指揮する時もあんな自堕落な人物ではとてもじゃないが、艦長に昇り詰めるのは無理だろうから、ウルスラの言っている事は強ち間違いではないのだろう。

ウルスラは食材の他にいくつかのお菓子もちゃんと購入していた。

それに目覚まし時計も‥‥

やはり、なんだかんだ言ってもお姉さん想いなウルスラ(妹)である。

買い出しが終わり、ハルトマン家に戻った二人は、早速昼食の準備をする。

シュテルは前世では、両親が共働きだったり、よく小町だけを連れて外食や旅行へ行っている間、家事は自分でしなければならなかった。

小町が中学に上がった頃になり、小町が家事をするようになった。

でも、八幡からシュテルに代わった今でも、記憶を引き継いでいるので、シュテルはある程度の家事スキルはあった。

伊達に前世で専業主夫を目指していたわけではない。

ハルトマン姉妹と昼食を共にしている時、エーリカが

 

「そう言えば、ミーナ教官は、まだ元気?」

 

と、シュテルにミーナ教官が息災かと聞いてきた。

 

「ええ、元気で今も教鞭をとっています。あれ?教官を知っているんですか?」

 

「うん、私もあの教官の教え子だからね。それで、教官の異性との関係はどう?」

 

「異性との関係‥ですか?」

 

「うん」

 

「どうなんでしょう?‥‥あまり、教官のプライベートについては詳しく知らないので‥‥」

 

「そうなんだぁ‥‥いやぁ~あの教官、黙っていれば美人なんだけどさ、言動や生徒を見守る姿勢で実年齢よりも老けているようなイメージがあるんだよね」

 

「はぁ~‥‥」

 

(教官、かつての教え子に言いたい放題言われていますよ。そう言えば、平塚先生も似たような感じだったな‥‥)

 

シュテルがまたもや、前世における自分の知る教師の事を思っていると、ハルトマン家の電話が鳴り、ウルスラが応対に出る。

それからすぐに戻って来ると、

 

「姉さん、姉さんに電話です」

 

「電話?まさか、急に仕事が入ったとか?」

 

「いえ、お仕事の電話ではありません」

 

「仕事の電話じゃない?じゃあ、誰から?」

 

「出れば分かると思います」

 

「?」

 

ウルスラに言われるまま、電話のある場所へと向かうエーリカ。

 

「電話、誰からだったの?」

 

「‥‥ヴィルケ教官からです」

 

「えっ?」

 

電話はまさに今、話題に上がっていたミーナ教官からだった。

やがて、リビングに戻って来たエーリカの顔色は悪く、真っ青だった。

シュテルは自分の周りには、この後世でも千里眼や心を読める人が大勢居るのではないかとさえ思った。

 




今回のゲストはウルスラの姉、エーリカ・ハルトマンです。
容姿は原作のストライクウィッチーズのエーリカ・ハルトマンを少し成長させた姿をイメージしてください。
胸の大きさとずぼらな性格、そして実戦では物凄い実力を発揮するあたりは原作通り。

アニメ二期で同室だったバルクホルン大尉は臭いとか平気だったのかな?

各校の所属学生艦で日本の学校の学生艦を追加しました。
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