やはり俺の転生生活は間違っていない。~転生先は蒼き人魚の世界~   作:ステルス兄貴

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イギリス、ダートマス校の生徒が登場。


25話

 

 

この日、海上フロート基地の沖合にて、シュペー、ヒンデンブルク、そして、ヴィルヘルムスハーフェン校所属の大型直接教育艦、バイエルン級戦艦四番艦、ヴュルテンベルクが停泊していた。

そしてその三艦の周りをスキッパーがラリーを繰り広げていた。

今日はシュペー、ヴュルテンベルク搭載のスキッパーの試運転だったのだが、試運転からいつの間にか競艇の様なレースとなっていた。

 

「ふぅ~今日は日差しが強いな」

 

シュペーの甲板ではテアが一度帽子を脱ぎ、額に浮かび上がった汗をハンカチで拭い、再び帽子を被り直す。

 

「艦長ー!来てください、ファイナルラップですよ!」

 

海上で行われているスキッパーのレースを見ていたローザがテアに声をかける。

 

「ふむ…副長の様子はどうだ?」

 

「絶好調です。ミーナさん、トップですよ」

 

三艦の周りを走っているスキッパーの一艇にはミーナとレターナが乗ったスキッパーが先頭を走っていた。

 

「よしっ、あと一周!見ていてください!艦長!」

 

「ちょっと!飛ばし過ぎでしてよ!今日はスキッパーの試運転でしょう!?」

 

ミーナ達の乗るスキッパーの後ろからリーゼロッテとアウレリアが乗るスキッパーが走っており、リーゼロッテはミーナに声をあげる。

 

「なんだ?負けている言い訳か?リーゼロッテ」

 

ミーナがリーゼロッテを挑発すると、

 

「なっ!?もう許しませんわ!!」

 

リーゼロッテはミーナの挑発に乗り、スキッパーの速度を上げる。

 

「おっ?仲間割れか?シュペー組?」

 

「ならば、今がチャンス!!」

 

「1着は頂くぞ!」

 

ミーナとリーゼロッテのスキッパーを迂回する様にシュテルが乗ったスキッパーとヴュルテンベルク艦長、レン・シュテーゲマンが乗ったスキッパーが追い越していく。

 

「レン!碇艦長!!しまった!?行かせるか!!」

 

「おっ?ついてくるか?ミーナ」

 

「負けないよ」

 

ミーナはシュテルとレンを追いかけるようにスキッパーの速力を上げる。

 

「そういやレターナもスキッパーの免許持っているんだろう?士官とか目指せばよかったのに。艦長になって艦を自由に動かすのは楽しいぞ」

 

レンはミーナの後ろに乗っているレターナに声をかける。

 

「私は自由人だから性に合わないんだよ」

 

レターナはニっと笑みを浮かべながら答える。

 

「ミーナさんは艦長を目指さないんですか?」

 

シュテルはミーナに艦長を目指さないのかを訊ねる。

 

「私は着いて行くと決めた艦長がいるからな」

 

「なるほど」

 

ミーナの答えに着いて行く艦長が誰なのかを察する。

つまり、ミーナは自分にとってのクリスやユーリなのだと‥‥

 

「だから、この勝負、艦長の為に譲る気はない!!」

 

ミーナは更にスキッパーの速度を上げる。

 

「まったく、忠誠宣言は時代遅れじゃないか?」

 

レンが呆れながら言う。

 

「まぁ、友情宣言だと思えばいいんじゃないんですか?」

 

シュテルは補足するかのようにレンに言う。

 

「フフ、そうかもね」

 

シュテルの補足にレンは微笑みながら言う。

 

「よしっ、このままのスピードで‥‥」

 

やがて、ミーナのスキッパーがゴールに差し掛かった時、

 

「まぁ、これがドイツ艦ね、大きいですわ~」

 

ミーナのスキッパーの前に一隻の白い大型クルーザーが通りかかる。

 

(えっ!?)

 

突然のクルーザーの出現にミーナの思考回路は一瞬停止する。

 

「「ミーナ(さん)!!」」

 

(っ!?まずいっ、ぶつかる!?)

 

レンとシュテルの声でミーナは我に返り、スキッパーのブレーキをかけ、ハンドルを回し、衝突を避ける動作をする。

そして、スキッパーはクルーザーに大きな衝突はしなかったが、右舷側がクルーザーに軽くぶつかる。

 

「ふぅ~‥‥」

 

完全停止したスキッパーでミーナは一息つく。

 

「ギリギリで‥‥」

 

ミーナはぶつかっていないと思ったのだが、クルーザーは大きくグラグラと揺れ、

 

ドボン!!

 

「お嬢様!!」

 

クルーザーに乗っていた人が海に落ちた。

 

「あちゃ‥‥」

 

海に人が落ちた事でミーナはやってしまったという顔になる。

海に落ちたクルーザーの乗員は直ぐ近くに居たミーナの手によって助けられ、関係者一同とローザ、クリスがクルーザーに乗船し、話を聞くことになった。

 

「フフ、フォールしちゃった。まるで、ウォーターも滴る良いレディーだわ」

 

その少女はずぶ濡れ姿で笑みを浮かべながら濡れている自分を良い女だと言い、怒っている様子はなかった。

 

(この人、ルー○柴みたいな言い方をするな‥‥)

 

シュテルはその少女の言動が日本の某芸能人に似ているように感じた。

 

「‥‥いや、怪我がなくて本当に良かった」

 

ミーナが引き攣った顔で彼女に怪我が無くてホッとしている様子だが、その他のメンバーもミーナ同様、顔が引き攣っていた。

やはり、あのルー大○みたいな言葉使いはインパクトがあったみたいだ。

 

「船もぶつけてすまなかった」

 

「ノープロブレム、イギリスの船は丈夫なので、大丈夫です」

 

(イギリス?)

 

彼女がこのクルーザーはイギリス製だと公言する。

その言葉にシュテルはピクッと反応する。

 

「こちらこそ、無暗に近づいてすみませんでした」

 

海には落ちたが、船には傷はなく、海に落ちた人も怪我はなく、そもそもスキッパーの試験運転中に連絡もなしにいきなり近づいて来たクルーザー側に非があったので、向こうは素直に謝って来た。

 

「見た事の無い制服ですけど、もしかして‥‥」

 

ローザがクルーザーに乗っていた少女二人の制服がドイツの海洋学校の制服ではない事からどこの学校の制服なのかを訊ねる。

 

「あっ、申し遅れました。イギリスのダートマス校から来ました、ブリジット・シンクレアと申します」

 

海に落ちた少女は自分の所属校と自己紹介をする。

 

(ダートマス校だって!?イギリスでもトップレベルの海洋学校じゃないか!?)

 

ドイツ、日本、アメリカに海洋学校があるように大航海時代、スペインの無敵艦隊を破り、世界の海を制した大英帝国こと、イギリスにも当然、海洋学校はある。

その中でもダートマス校は世界中にある海洋学校の中でもまさにトップレベルの海洋学校であり、ブルーマーメイド、海軍軍人のエリート、大手海運会社の重役や高級船員を数多く輩出している名門校である。

 

「この子は召使い兼友達のキャビアちゃんです」

 

「キャリー・ピアレットです!」

 

ブリジットは隣に居る黒髪の少女の自己紹介もするが、ブリジットはキャリーを仇名で紹介したので、それを訂正するようにキャリー自身がちゃんとした自己紹介をする。

 

(平気で召使兼友達とか言っているけど、それ本当に友達なのか?)

 

シュテルはブリジットとキャリーの関係をやや疑問視する。

 

「ブリジット様はイギリスの由緒正しい貴族、シンクレア家のご息女でありますので、無礼のないように」

 

キャリーがブリジットはイギリスの現役貴族であると紹介する。

 

「すげぇ!!現役の貴族かぁ~」

 

レターナが他国とは言え、現役の貴族を前に目を輝かせている反面、リーゼロッテは何とも言えない渋い表情をしている。

クリスも一応、貴族であるが、貴族の中でも下級貴族である。

だが、リーゼロッテの実家は旧貴族家‥‥つまり、現在は貴族としての資格を失っている家だったので、現役の貴族に対して羨ましいのだろう。

 

「それで、他校の‥‥しかも他国の海洋学校の生徒さんが何をしに此処へ?」

 

シュテルは二人が何の目的で態々ドイツへ来たのかを訊ねる。

 

「それは、て‥‥」

 

ブリジットが此処へ何をしに来たのかを言おうとしたら、ブリジットの口をキャリーが手で押さえた。

 

『て?』

 

しかし、ブリジットはキャリーが黙らせる前に 『て』 と発言していた。

 

「天気がいいので観光に来たのです」

 

キャリーが此処へ来た目的をブリジットに代わって言うが、

 

((怪しい‥‥))

 

シュテルとクリスは先程のブリジットとキャリーの言動から二人は絶対に観光に来たのではないと確信めいたモノを抱いた。

 

「もしよければドイツ艦の中を見学してもよろしいですか?」

 

キャリーはドイツの学生艦の中を見せてくれと言う。

シュテルとクリスとしては二人の目的が何なのか分からない以上、あまり自分たちの艦の中を見せるのは遠慮したい所だが、

 

「構わないが」

 

テアはすんなりと許可を出す。

シュテルとクリス以外はこのイギリスの二人組の事を怪しく思っていない様だ。

友好的な姿勢は良いのだが、無警戒と言うのはちょっと危ないだろう。

 

「really?では、ぜひ艦橋を見せてください」

 

「いいですよ」

 

(いきなり艦橋を指名してきた‥‥ますます怪しい‥‥)

 

ドイツ艦の中でも見学した居場所を指名してきたブリジットに対して益々不審感を抱くシュテル。

 

(クロイツェル艦長、いいんですか?)

 

シュテルはテアに耳打ちをする。

 

(ん?なにがだ?)

 

(あの二人、確かにイギリスのダートマス校の生徒かもしれませんが、なんだか言動が怪しいですよ。本当に観光に来たのかも怪しいですし‥そんな人たちを艦に上げて大丈夫ですか?)

 

(碇艦長の言う事も最もであるが、もし、あの二人が何かを企んでいるとしてもその目的を掴まなければならないだろう?)

 

テアはシュテルの言葉を聞いて、仮にあの二人がシュテルの言う通り、観光ではなく何かを企んでいるとしてもその目的が分からない以上、どうしようもない。

ならば、二人の目的を知る為、此処は敢えて相手の目的を知る為、ドイツの艦の中を見せてやろうと言う考えに至った。

もしかしたら、本当に観光に来たのかもしれない可能性がまだ完全に否定できないからだ。

互いに『虎穴に入らずんば虎子を得ず』 『肉を切らせて骨を切る』 の様な心境なのだろう。

 

「ドイツ艦の艦橋へ登れるなんて夢のようですわ~」

 

ブリジットはドイツ艦の艦橋へ行ける事に感激しており、その姿はまるで無邪気な子供の様だ。

 

「私、高い場所からこの愛用の単眼鏡で見渡すのが好きで‥‥」

 

ブリジットは艦橋に上がったら、やりたい事で、単眼鏡で周囲を見たいと言い、愛用の単眼鏡をポケットから取り出そうとするが、

 

「あ、あれ?‥‥おかしいですね‥‥」

 

ポケットからその愛用の単眼鏡がなかなか出てこない。

やがて、ブリジットの顔色が真っ青になり、

 

「わ、私の単眼鏡が‥ない‥‥」

 

「えっ?」

 

ブリジットのポケットには愛用の単眼鏡がなかった。

スカート、上着の全てのポケットを捜したが、お目当ての単眼鏡が見つからない。

 

「まさか、海に落ちた拍子に落としたのでは?」

 

キャリーが、単眼鏡がない原因を指摘する。

 

「そんなに大事なモノなのか?」

 

ミーナがブリジットにとってその単眼鏡は大事なモノなのかを問う。

 

「海洋学校に上がる時に頂いた先代当主からのプレゼントなのです」

 

「えぇ!?」

 

「じゃあ、今頃は海の底に‥‥」

 

余程大事な単眼鏡だったのだろう。

ブリジットの目には薄っすらと涙を浮かんでいた。

 

「‥‥無くしたモノは仕方がないわ!」

 

しかし、ブリジットは袖で涙を拭うと単眼鏡を諦めると言う。

 

『えええ!!?』

 

あっさりと単眼鏡を諦めたブリジットの態度に驚く一同。

 

「いかなる物もいずれ壊れ無くなるもの‥‥とても寂しいことに変わりないけど‥‥」

 

しゅんとして先程までドイツ艦の艦橋に登れると嬉しがっていた様子とは180度異なるブリジット。

 

「大丈夫なんですか?」

 

ローザが心配そうに訊ねる。

 

「本人が良いと言っているのだから構わないんじゃなくて?」

 

リーゼロッテはブリジット本人が単眼鏡を諦めると言うのであれば、構わないのではないかと言う。

 

「‥‥」

 

意気消沈しているブリジットをミーナはジッと見て、

 

「私に探させてくれ、此処は水深が浅い筈だ」

 

「それなら私も行くか」

 

ミーナとレンが単眼鏡を探すと言う。

 

「じゃあ、私も手伝おう」

 

シュテル自身、まだブリジットとキャリーの不審感は拭えないが、ブリジットの単眼鏡はシュテルにとってアンネローゼから貰ったサーベルと同じ価値があり、それはブリジットをシンクレア家のご息女ではなく、ブリジット・シンクレア個人として存在を認める証なのだろう。

 

「艦長、私が代わりに行きましょうか?」

 

クリスがシュテルの代わりに自分が行くと言うが、

 

「いや、副長は私に代わって、クロイツェル艦長と一緒に二人の相手を頼むよ」

 

「‥‥」

 

「‥‥」

 

シュテルとクリスの視線が交合う。

 

「分かりました。お気を付けて」

 

艦長の自分よりも副長のクリスの方が相手も少しだけ油断して本音をポロッと言うかもしれないと思い、シュテルはクリスにイギリス組の相手をさせたのだ。

海に入る前、シュテルは携帯でヒンデンブルクに居るメイリンの携帯に電話をかけた。

 

「‥‥ああ、そんな訳で、すまないが、水中ライトとボンベを持ってきてくれ」

 

水中で単眼鏡を探すので、ライトとボンベは必須なので、それらの道具をシュテルは手配した。

とはいえ、ボンベとライトが来るまでの時間を無駄には出来ないので、ミーナ、レン、シュテルは上着とネクタイ、靴下、靴を脱いで、足ヒレを履いて海の中へと潜る準備をする。

レンは降ろしていた髪の毛をシュシュで一括りにしてポニーテールにした。

海に入る前、シュテルは二人にある事を訊ねる。

 

「海に潜る前に二人に聞いておきたい事があるんだけど‥‥」

 

「ん?」

 

「なに?」

 

「二人とも、どこか怪我とか出血とかはしてないよね?」

 

「えっ?怪我?」

 

「出血?」

 

「うん…万が一、ほんの僅かでも血が出ている箇所があるなら、海に潜るのは辞めた方がいいかも」

 

「それって、アレ?膝の骨にフジツボが‥‥ってヤツ?」

 

レンが海では有名な都市伝説なのかと問う。

 

「違うよ、フジツボよりもっと現実味がある方‥‥鮫だよ」

 

「さ、サメ!?」

 

「鮫は血の匂いにすぐ反応するって言うからね‥‥もし、どこか怪我しているかまたは出血している状態で海の中へ潜っていたら、知らない間にサメを呼び寄せているかもしれないし‥‥」

 

シュテルの話を聞いてミーナとレンは慌てて自分の体を調べ、出血している箇所が無いかを探す。

調べた結果、三人共怪我や月のモノによる出血の類は見つからなかった。

出血して居ない事が分かり、三人は海へと入り、ブリジットの単眼鏡を探す為に潜る。

 

「ぷはっ」

 

「くそっ、見つからないな‥‥」

 

「こっちもない」

 

潮流に流された事も含め、ブリジットが海に落ちた現場から少し離れた海域で単眼鏡を探す三人。

そこへ、レターナとキャリーがスキッパーに乗り、ヒンデンブルクから水中ライトとボンベを持って来た。

 

「いかがですか?見つかりましたか?」

 

「あっ、えっと‥‥キャビアちゃん」

 

「ピアレットとお呼びください」

 

以前、ユーリに「ブラウンシュガー・インゲン豆」と間違われたミーナがキャリーの名前を間違える。

いや、此処はブリジットが彼女を「キャビア」と呼んでいたので、それが本名だと間違えたのかもしれない。

 

「そう言えば、落とした単眼鏡の特徴を聞いていなかったけど、どんなモノなの?」

 

シュテルがブリジットの単眼鏡についてキャリーに訊ねる。

 

「単眼鏡自体はどこにでもある地味なデザインですが、キーホルダーのエメラルドが良く光るので、それを目印にしてください」

 

「な、なるほど‥すごいな‥‥」

 

「キーホルダーにエメラルドって‥‥」

 

「高価なものだったんだな」

 

レンのこの発言にキャリーがピクッと反応し、

 

「その通りです!!」

 

「「「わっ!?」」」

 

不安定なスキッパーの上で仁王立ちするキャリー。

そして、彼女の大声にビックリする三人。

 

「一体、あの単眼鏡にいくらかかるのか‥‥!!もう想像しただけでも勿体ない!!」

 

仁王立ちしたと思ったら、今度は頭を抱えるキャリー。

そんな彼女を唖然とした表情で見る三人。

三人のそんな視線に気づいたのか、キャリーは姿勢を正し、

 

「オホン、と言う訳で、必ず見つけてください。それに‥‥ブリジット様はああ言っておられましたが、やはり大切な物なのです」

 

「ああ、任せてくれ」

 

「よろしくお願いします」

 

今度はボンベとライトがあるので、これまでより長く潜れるし、ライトがあるので、海の底を照らす事も出来るので、単眼鏡を見つけやすい。

三人は手にライトを持ち、ボンベを背負って海へと再び潜って行った。

 

三人が単眼鏡を探している中、クルーザーでは、お茶会が開かれていた。

テアが出された紅茶の銘柄を当てながら飲む姿はなかなか様になっている。

 

「それにしてもミーナさんたちには申し訳ない事を‥‥」

 

ブリジットはすまなそうな様子で言う。

 

「気にするな、アレがウチの副長だ」

 

「ウチの艦長もなんだかんだ言って、優しいですからね」

 

「お二人は信じているのですね」

 

「ん?」

 

「?」

 

「あなたたちの関係はとてもmarvelousだわ。でも、これ以上は迷惑をかけられません。やっぱり、今から船まで送りますわ。あっ、紅茶も切れてしまったみたいですから、淹れてきますね」

 

ブリジットはクルーザー内の台所へと行き紅茶を淹れようとするが、

 

「キャビアちゃんは‥‥そっか、今はいないんだった‥‥」

 

クルーザー内にいつも自分のお世話をしているキャリーが居ない事に気づくブリジット。

 

「大丈夫ですか?」

 

そこへ、心配になったクリスがやって来て彼女に声をかける。

 

「あっ、その‥‥大変恥ずかしながら、やり方が分からなくて‥‥」

 

ブリジットは紅茶の淹れ方は兎も角、クルーザーの操船方法が分からないと言う。

 

「じゃあ、私が代わりにやりましょう。ブリジットさんは紅茶を淹れてください」

 

そう言ってクリスはクルーザーの運転席に座り、クルーザーを動かして、三人が単眼鏡を探している海域へと向かう。

その海域では、

 

「あった!!見つけた!!」

 

ミーナがブリジットの単眼鏡を見つけた。

 

「これです!良かった!」

 

「やったな、これでブリジットさんも一安心だろう」

 

そこへ、ブリジットのクルーザーが来て、単眼鏡は無事にブリジットの手に戻った。

彼女は三人に何度もお礼を言っていたが、時間も時間なのでドイツ艦の見学をする事が出来なかったが、テアとクリスとお茶会をして、それなりに楽しめた様子だった。

 

翌日、シュテル、レン、テアの三人は学長室へと呼ばれた。

そして三人の他に、

 

「失礼します」

 

「あら?貴女たち‥‥」

 

「ベロナ」

 

ビスマルク艦長のクローナも呼ばれた。

 

「さて、諸君。君たち四人には突然だが、重要な課題を言い渡す」

 

(なんだろう?また無理難題な課題や無茶苦茶な課題をだすつもりだろうか?)

 

此処に交換留学した早々『わざと遭難しろ』なんて言う無茶苦茶な課題を出したことからケルシュティンの言う課題にはどうしても警戒してしまう。

 

「あれを見たまえ」

 

ケルシュティンが窓の外を見ろと言うので、四人が視線を窓の外に移すと其処にはイギリスの戦艦群‥‥正しくはイギリスの直教艦が多数停泊していた。

 

「君たちには我が校の代表としてダートマス校との親善試合に参加してもらう。そして、彼女はダートマス校の代表だ」

 

扉が開き、ダートマス校の代表が入って来ると其処には先日、出会ったブリジットの姿があった。

 




原作ではブリジットが乗ったクルザーは暴走し炎上。

レンはブリジットにフラグを立てていましたが、この作品の世界ではクリスがいたので、その惨事は無かった事になります。
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