やはり俺の転生生活は間違っていない。~転生先は蒼き人魚の世界~   作:ステルス兄貴

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原作でのハイスクール・フリート ローレライの乙女たち では、ブリジットの艦はプリンス・オブ・ウェールズではなく、キングジョージ五世で、巡洋戦艦レパルスは登場していませんが、この世界ではシュテル達、ヒンデンブルクが参加するので、艦数合わせてレパルスが参加しました。

そしてレパルスが参加するのであれば、キングジョージ五世よりもプリンス・オブ・ウェールズの方がしっくりくるので、ブリジットの乗艦を変更しました。


ダートマス校が登場したので、所属艦の設定でイギリスの海洋学校を追加しました。




26話

 

 

シュペーとヴュルテンブルク搭載のスキッパーの試運転にてイギリスのトップレベルの海洋学校であるダートマス校の生徒と交流を持った翌日、シュテル達はヴィルヘルムスハーフェン校学長のケルシュティンから呼び出しを受け、行ってみると窓の外にはイギリスの直教艦が多数停泊していた。

そして、ケルシュティンがヴィルヘルムスハーフェン校とダートマス校の親善試合をすると言う。

 

(私はヴィルヘルムスハーフェン校所属じゃないんだけどな‥‥)

 

シュテルはヴィルヘルムスハーフェン校ではなくキール校からの交換留学で来たので、ダートマス校の親善試合には本来出る資格は無い筈なのだが、ケルシュティンはシュテル達、ヒンデンブルクもこの親善試合に参加しろと言う。

そして、対戦相手であるダートマス校の代表者は昨日、海上で出会ったブリジット・シンクレアだった。

 

「ああぁー!!昨日の単眼鏡の人!?」

 

レンはブリジットを指さし、

 

「ブリジットがダートマス校の代表!?な、何かの間違いじゃあ‥‥」

 

彼女はブリジットがダートマス校の代表とは思わなかったのか、思わず大声をあげる。

 

「彼女はダートマス校でも数年に一度の優秀な逸材と言われる程の生徒だそうだ。粗相のない様にな」

 

「は、はい」

 

ケルシュティンがレンに釘をさす。

 

「あの、学長」

 

「何かね?碇艦長」

 

「先程、ヴィルヘルムスハーフェン校とダートマス校との親善試合とおっしゃいましたが、私の所属はキール校なのですが‥‥?」

 

「そうだね‥‥でも、今は交換留学で此処に来ている。一時的とは言え、君もヴィルヘルムスハーフェン校に所属している立場なのだよ。故にダートマス校との親善試合には参加してもらう」

 

「マジですか‥‥」

 

やはり、シュテルは親善試合からは逃れられない運命だった様だ。

 

「改めまして、ヴィルヘルムスハーフェン校の皆さん。昨日の事は感謝していますが、それはソレ、これはコレ、明日の試合はナイスファイトをしましょう!!」

 

ブリジットは昨日、単眼鏡を海に落とす前の明るいテンションで明日の試合を楽しみにしている様子だった。

 

(なるほど、昨日彼女が言おうとした『て』はさしずめ、敵情視察とでも言いたかったのだろう)

 

シュテルは昨日ブリジットがクルーザーの上でドイツ艦を見に来たのはやはり、観光ではなく、明日の親善試合前の偵察であった。

それを正直に言おうとしたらキャリーの手によって文字通り口止めされたのだろう。

シュテルとしてはあの単眼鏡の騒動があったことは幸いであった。

あの騒動はなければブリジットをドイツ艦に上げており、親善試合とは言え、対戦相手に自艦の内部を隅々見せる事になっていた。

学長室から出た後、シュテルはテアに声をかける。

 

「やはり、あの二人、明日の親善試合の為に昨日は敵情視察に来たみたいですね」

 

「ああ、彼方は明日の親善試合の事を事前に知っていたみたいだが、此方は今知ったばかりだぞ‥‥」

 

「まぁ、十中八九、あの学長の仕業でしょう‥‥流石に当日に知らせる様な愚行はしなかった様ですが、今日一日で何とか相手の艦船のデータ収集と作戦内容ぐらいは立てないと明日の親善試合‥負けるかもしれませんね」

 

「う、うむ‥‥」

 

「気が重いかもしれませんが、夜にでも艦長会議を開いた方がいいかもしれません」

 

「あ、ああ、そうだな」

 

シュテルは今日の夜、明日の親善試合の為の作戦会議を開いた方がいいと提案し、テアはそれに賛同する。

それと同時にイギリスのダートマス校側は最低でも昨日の時点で明日の親善試合の事は知っていたのではないかと予測する。

そうでなければ、昨日、ブリジット達があの海域へ来るはずが無かった。

しかし、此方側が明日の親善試合が行われるのを知ったのはついさっき‥‥

いくら、スキッパーの試運転があるからと言っても此方側に明日の親善試合の事を知らせる方法はいくらでもあった筈である。

それを敢えて、今日まで黙っていたのは、学長が臨機応変な対応に慣れる為とか思って言わなかったのだろう。

全てはシュテルの推測であるが、前世における夏休みの千葉村の件では、平塚先生は自分が逃げないよう、そして確実に連れて行くために当日の朝、自分に連絡を入れてきた。

しかも小町まで抱き込んで‥‥

一応、今回の親善試合に関しては今日一日時間があるが、決して余裕があるわけではなかった。

 

(とは言え、大丈夫かな?‥‥彼方のチームワークに関してはまだ情報はないが、こっちはシュペーとビスマルクがチームメイトな時点で此方のチームワークは既に暗雲が漂っているような気がする‥‥時間もないし、今日の夜には艦長同士、綿密な作戦会議をしないとな‥‥)

 

テアとクローナの様子を見る限り、あの二人には正直言ってチームワークなんて期待できない。

夜に行う艦長会議もクローナからの皮肉の嵐が飛び交うなと思うシュテルとテア。

しかし、流石のクローナも行き当たりばったりであのダートマス校に勝てるとは思っていないだろう。

もし、そう思っているのであれば、艦長失格である。

 

食堂にてシュペーとヒンデンブルクの幹部が集まり、シュテルとテアの口から明日の親善試合の事が伝えられる。

 

『えええっー!!』

 

シュペーとヒンデンブルクの幹部も皆、いきなり明日試合をすると言われ、驚いている。

 

「あのドジっ子がダートマス校の代表!?」

 

「マジか‥‥」

 

「人は見かけによらないなぁ‥‥」

 

ミーナ、レターナ、リーゼロッテはブリジットがダートマス校の代表と言う事実に驚いている。

確かにあの天真爛漫な姿を見れば、どうみてもダートマス校の代表とは思えない。

 

「わかった、ダートマス校って実は大したことないんじゃあ‥‥」

 

レターナがブリジットの言動から、ダートマス校は海洋学校としてレベルの低い学校ではないかと言うが、

 

「何言っているの?ダートマス校はイギリスの中でも名門中の名門で、世界中の海洋学校の中でもトップレベルの海洋学校だよ」

 

シュテルがレターナの推測を否定する。

 

「それって、ウチよりも上なの?」

 

「うーん‥‥多分‥‥」

 

「‥‥」

 

ヴィルヘルムスハーフェン校やキール校よりもレベルが上と言われても実際にまだ戦ってもいないし、ダートマス校の授業を受けた訳でもないので、自分達の学校よりもレベルが上と言われてもいまいち、ピンとこない様子のミーナ達。

 

「まぁ、おちつけ、親善試合の開始時刻は明日の正午、一二○○」

 

「対戦方法は制限海域を設けた四対四の艦隊戦」

 

「模擬弾頭を使用するが、勿論ケガをする可能性もある。真剣により組むよう各科に伝えてくれ」

 

「大破し、航行不能、または白旗を掲げたら、その艦が戦闘不能とみなし、リタイアだ。あと、今回は航行できる海域が制限されている。目印にブイが設置されており、そのブイを通過すると、その時点で問答無用で失格となる」

 

テアとシュテルが明日の親善試合についての説明をシュペーとヒンデンブルクの幹部に伝える。

 

「そうは言っても‥‥」

 

「相手の艦長があれだと緊張感がないねぇ‥‥」

 

ローザやレターナはやはり、ブリジットの様子を見ても大したことはないだろうと思い、あまりやる気が見られない。

 

(マズいな、相手の表面だけしか見ておらず、慢心している‥‥)

 

シュテルはブリジットの一面だけしか見ていないシュペーの幹部の様子に危惧を抱く。

 

(でも、相手からしたら、クロイツェル艦長だって身長とかで大したことないと思われているかもしれないのになぁ‥‥でも、こう言う人って絶対に自分の身長にコンプレックスを抱いているから説明しにくい‥‥)

 

シュテルはこの慢心した空気を立て直す為、テアを例えに出そうとしたが、テア自身、きっと身長が低い事にコンプレックスを抱いているだろうと判断したので、彼女を例えにする事が出来なかった。

 

「なお、この親善試合でMVP級の活躍をした艦にはデザート無料券が三カ月支給されるらしい」

 

テア自身も自艦に蔓延する慢心した空気を感じ取り、彼女らのやる気を出させるために今回の親善試合における特典を発表する。

 

「ほんとうですか!?艦長!?」

 

「訓練中にデザート食べ放題って事ですか!?」

 

「絶対に勝とう!!」

 

やはり、年頃の乙女なのだろう‥‥甘いモノには目がない様で、ちょっとはやる気を出すシュペーの乗員達。

 

「‥‥私もやぶさかではないないが」

 

テアもやはり、デザート三カ月分は欲しいのか、ほんのりと頬を赤く染めながらポツリと呟く。

 

(私らは全く関係ないじゃん‥‥)

 

デザートの支給期間前にヒンデンブルクは交換留学の期間を終え、母校であるキール校へ戻るので、デザート三カ月とは無縁である。

とは言え、やるからには全力を出す。

それがキール、ヒンデンブルクの神髄である。

シュペーの乗員らが少しやる気を出し始めた時、

 

「あはははは!相変わらずお気楽な連中ね」

 

そこへ、水を差すかのようにやって来たのはクローナ達、ビスマルクの幹部連中だった。

 

「ベロナ!」

 

「ダートマス校を舐めすぎです。ダートマス校の参加艦艇を見てみなさい」

 

ビアンカがダートマス校の学生艦を見てみろと言う。

既にダートマス校、ヴィルヘルムスハーフェン校の両校には明日の親善試合に参加する学生艦の詳細が発表されている。

ローザがタブレットでダートマス校の参加艦艇を調べると、

 

「超大型巡洋直接艦のフッドがいます」

 

参加艦艇の中にフッドが居る事を伝える。

 

「フッド?なんだ?それ?」

 

ミーナやレターナはフッドがどんな艦なのか知らない様で首を傾げている。

 

「知らないんですか!?」

 

そんな二人の態度を見てローザは声を上げる。

ミーナは一応、艦船のプラモデルをこれまで沢山作ってきたが、これまで作って来たのはドイツの艦だけの様で、イギリスの艦についてはあまり知らなかったみたいだ。

 

巡洋戦艦フッドは巡洋戦艦でありながら強力な艦であり、その姿は非常に言いスタイルの良い外見をしており、歴史研究者かつジェーン海軍年鑑の編集長を務めたオスカー・パークスがその優美さを「軍艦美の極致」と評した艦であり、イギリス国民からは「マイティ(強大な、偉大な)・フッド」と呼ばれて親しまれている。

全長262mと言う長さは日本の大和級戦艦よりも1m短いだけで、幅も31mと大和級戦艦より7m短いだけの巨艦である。

武装は42口径、38cm連装砲を四基、計八門を装備しており、副砲の14cm砲は単装砲もケースメートではなく砲塔方式を採用し搭載されていた。

速力も最大で31ノットと高速を有しており、この高速を足す為、フッドは24基のボイラーを装備し、14万4000馬力と言う高い出力を有していた。

前世(史実)においては第二次世界大戦前に副砲を下ろし、10cm高角砲をはじめとした対空兵装を装備した。

第二次世界大戦中、フッドは本国艦隊に所属し、1941年5月にドイツの最新鋭艦、ビスマルクがプリンツ・オイゲンと共に出撃すると、フッドはプリンス・オブ・ウェールズと共にこれを迎撃。

二艦はデンマーク海峡にて、ビスマルクとプリンツ・オイゲンを補足、攻撃を開始。

当初、プリンツ・オイゲンをビスマルクと間違えて攻撃したフッドは間違いに気づき、標的をビスマルクへと変更したが、その直後、ビスマルクの38cm砲弾が弾薬庫を直撃し、乗員1,419名中、生存者は僅かに3名であった。

しかし、この後世において第二次世界大戦は起きていないので、フッドはこうして健在であり、ダートマス校の学生艦として使用されている。

 

ローザがこの世界におけるフッドの情報を伝えると、ミーナ達はフッドのその大きさや武装、速力に驚いていた。

 

「それってキング・ジョージ・五世級よりも凄いの?」

 

「一概には言えませんが、ビスマルク級に迫る感じです」

 

「‥‥」

 

「なお、私達のシュペーは全長186mです」

 

「ちっさっ!?」

 

自艦とフッドの大きさの差をまじまじと見せつけられ、空気が重くなるシュペーの乗員達。

 

「豆らしく身の程をわきまえなさい」

 

ビアンカが呆れるように言い、

 

「ビスマルクの足を引っ張るのだけは勘弁してよね。あはははは‥‥」

 

クローナは高笑いと捨て台詞を吐いて、その場から去って行く。

 

「嫌な奴だな‥‥」

 

「ギリリリ‥‥」

 

そんなクローナの態度にリーゼロッテとミーナはクローナの後ろ姿を歯ぎしりしつつ睨みつけていた。

 

(あの人、なんかフラグを立てた気がする‥‥)

 

一方、シュテルはクローナの台詞がなんだかフラグの様に思え、明日の親善試合で足を引っ張るのはシュペーではなく、ビスマルクの様な気がしてならなかった。

 

「はぁ~‥‥まいったな‥‥あの艦長、試合中にまたドジをしてくれないかな」

 

クローナの姿が完全に消えた後、ミーナはブリジットが試合中にドジでもしてくれないかとぼやく。

 

「そうですね‥‥手っ取り早いのが、あの人の艦で食中毒が起きるか彼女自身が高熱を出して倒れればいいんですけどね‥‥」

 

シュテルもブリジットのドジよりも彼女の艦で食中毒が起きるか高熱でもだせばブリジットは明日の親善試合には参加できないと願う。

葉山グループのメンバーがこれを聞いたら、

 

「ヒキタニ君、それはないっしょ!!」

 

「それな」

 

「だな」

 

とか言っていただろう。

シュテル達がブリジットが体調不良で倒れてくれないかと願っていると、

 

「それはないと思います。あの方は天才ですし、体調管理はウチの医務長と厨房長がしっかりとやっていますから‥‥」

 

いつの間にかキャリーがドイツ組の輪の中に居た。

 

「どわああ!!?キャビアちゃんなんでいるの!?」

 

ミーナがオーバリアクションを取り、驚く。

 

「先日のお礼をお渡ししたいと思いまして‥‥借りを作ったまま勝負はしたくはないので‥‥」

 

キャリーは昨日の単眼鏡のお礼を渡しに来た。

レンの所にはブリジット本人かキャリーが既に渡した後か、この後にでも渡しに行くのだろう。

そして、キャリーは手に持っていたお菓子の箱をまずはミーナに差し出す。

 

「お礼なんてよかったのに悪いな」

 

ミーナがキャリーからお菓子の箱を受け取ろうとしたのだが‥‥

 

「ん?」

 

ぐっ‥‥

 

キャリーは何故かお菓子の箱を離さなかった。

 

「‥‥何故?」

 

「すみません‥‥貧乏性が災いして‥‥タダであげるとなると手が‥‥」

 

どうやら、キャリーの実家は貧乏なのかタダで物をあげる事に何かしら抵抗がある様だ。

 

(ご注文はなんとかですかのシャ○みたいな子だな‥‥)

 

キャリーのそんな様子を見てシュテルは日本の心がぴょんぴょんする漫画・アニメに登場するキャラに似ているように見えた。

その後、ミーナとシュテルの分のお礼のお菓子とお茶でおやつとなった。

キャリーもついでにご相伴に預かった。

 

「結局ご馳走になってしまいましたね。ごちそうさまです」

 

お茶会が終わり、キャリーが自分の艦へと帰って行く。

 

「つ、疲れた‥‥」

 

ミーナは何故か言い知れぬ疲労感を味わった。

 

「あっ、ちょっと待って」

 

帰ろうとしていたキャリーをミーナが呼び止める。

 

「なにか?」

 

「ブリジットが天才ってそんなに凄いのか?」

 

ミーナはやはり、ブリジットが天才と称されることがまだ信じられなかった。

 

「‥‥あぁーこれは口が滑りましたね」

 

キャリーは手で唇をなぞり、

 

「まぁ、どのみち明日になればわかりますよ。艦橋に上がった艦長は別人ですから」

 

キャリーは何やら意味深な言葉を残し、去って行った。

 

「ああ、そう言えば二○○○時に各艦の艦長と副長との会合があるみたいですから、作戦会議はその後ですね」

 

「ああ、そうだな」

 

シュテルはテアとミーナ、クリスに今日の夜の予定を伝え、シュテルも自艦へと戻って行った。

 

そして、二○○○時‥‥

シュテルとクリスが港湾地区を歩いて、ドイツ、イギリスの艦長と副長の会合場所へと向かっていると、港には明日の親善試合の対戦相手であるイギリス艦が停泊していた。

昼間に話に上がった巡洋戦艦フッドはスペック通り、巨大な艦だった。

そして、ブリジットとキャリーが乗艦するのはキング・ジョージ・五世級戦艦、二番艦のプリンス・オブ・ウェールズ。

プリンス・オブ・ウェールズはキング・ジョージ・五世級の二番艦であり、全長227m、全幅31m、速力は28ノット、艦首形状は垂直に切り立った形状であり、凌波性が劣っていた。

艦橋構造は塔型艦橋をベースに、下から操舵艦橋・上部艦橋・将官艦橋の順に構成され、頂上部の見張り所の上に主砲用4.58m測距儀が1基、その左右に副砲用測距儀が並列に1基ずつ計2基が三角形状に配置されている。

キング・ジョージ5世級は他に例を見ない武装として45口径35,6cm四連装砲塔2基と連装砲塔1基混載の独特な外観となっている。

前世(史実)におけるプリンス・オブ・ウェールズは1941年5月24日に最初の戦闘に遭遇した。

通商破壊を目論んでライン演習作戦で大西洋に進出してきたドイツ海軍の戦艦ビスマルクと重巡洋艦プリンツ・オイゲンを、デンマーク海峡で巡洋戦艦フッドとともに迎え撃ち、砲撃戦を行った。

この海戦でフッドがビスマルクの砲撃を受け、轟沈してしまいプリンス・オブ・ウェールズも最初の斉射を放った直後に1番砲塔が故障したが、第3射がビスマルクの燃料タンクとボイラー室に損害を与えた。

しかし、プリンス・オブ・ウェールズも操舵艦橋に被弾したため退避した。

その後、日本軍南下の抑止力として、東洋艦隊に所属した。

そして太平洋戦争が始まった1941年12月10日、日本軍の上陸を阻止するため出撃したプリンス・オブ・ウェールズは日本海軍航空機(九六式陸攻、一式陸攻)の雷撃及び爆撃により、僚艦のレパルスと共にマレー沖にて沈没した。

東洋艦隊司令官フィリップス中将とプリンス・オブ・ウェールズのリーチ艦長を含む数百人が艦と運命を共にした。

なお、日本軍はプリンス・オブ・ウェールズの当て字を『威爾斯大公』と表記した。

 

その他にも前世(史実)で同じくマレー沖海戦で撃沈された巡洋戦艦レパルスも泊まっていた。

巡洋戦艦レパルスの艦体はレナウン級巡洋戦艦の二番艦で軽巡洋艦からデザインが発展したため、軽快でスタイリッシュな印象である。

全長240m、全幅31mの船体は長船首楼型船体で水面下に浮力確保の膨らみを持つ艦首甲板に傾斜が若干付き、1番主砲塔に向けて甲板が軽く傾斜しており荒天時には容赦なく波に流された。

ただ、元々軽量な艦体であったために荒天時の凌波性と安定性は申し分なかった。

武装は42口径38cm連装砲の主砲塔に収めて背負い式に2基を配置。

2番主砲塔の基部から甲板よりも一段高い艦上構造物が始まり、その上に操舵装置を組み込んだ司令塔が立つ。

天蓋部に測距儀を乗せた司令塔を組み込んだ八角柱型の操舵艦橋の背後から、三脚式の前部マストが立ち、構成は頂上部に射撃方位盤室を持ち、中部に三段の見張り所をもっている。

前部マストの左右に副砲の10.2cm速射砲を三連装砲架で片舷1基ずつ2基を配置。船体中央部に2本煙突が立ち、2番煙突の背後に10.2cm三連装砲を1基配置した。

左右舷側甲板上が艦載艇置き場となっており、前向きの三脚式の後部マストを基部とするクレーン1本により運用された。

後部マストの後方に後部見張所が設けられ、後向きの三連装副砲が間隔の開いた背負い式2基を配置したところで船首楼と上部構造物は終了し、そこから甲板一段分下がって3番主砲塔1基を配置した。

速力は巡洋戦艦らしく29、5ノットの高速を有している。

レパルスも前世(史実)では、プリンス・オブ・ウェールズと共にマレー沖海戦にて、日本海軍航空隊の攻撃を受け、508名の乗員と共に海に沈んだ。

なお、レパルスも日本軍と戦った事から当て字があり、『却敵』でレパルスと読まれていた。

 

そして、四隻目の艦はネルソン級戦艦、二番艦のロドニー。

全長216m、全幅32mの船体は弩級戦艦以降では初の平甲板型船体を採用した。

ほぼ垂直に切り立った艦首から主砲を真正面方向へ仰角をかけずに斉射できるようにする為に艦首甲板の傾斜は全く設けられていなかった。

武装は45口径40.6cm砲を三連装砲塔に収めて3基を艦首方向に配置すると言う独創的な配置の為、艦影は特異な形状をしている。

その他に50口径15.2cm速射砲6基、62.2 cm水中魚雷発射管単装2基、43口径単装砲6基と言う重武装な装備していた。

ただし、速力は重武装故、23ノットと他のイギリス艦と比べ、やや劣る。

前世(史実)では、姉妹艦のネルソンと共に世界大戦を生き残り、ネルソンは1949年3月15日にインヴァーキーシングにて解体され、ロドニーも1948年3月同じくインヴァーキーシングで解体作業が開始された。

なお、このロドニーもプリンス・オブ・ウェールズ、フッド、レパルスと共に前世(史実)においてビスマルク追撃戦に参加している。

これらのラインナップからして、前世(史実)の出来事とは言え、ビスマルクにとって決して縁起がいい相手とは言えなかった。

 

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