やはり俺の転生生活は間違っていない。~転生先は蒼き人魚の世界~   作:ステルス兄貴

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28話

 

翌日にヴィルヘルムスハーフェン校とイギリスのダートマス校との親善試合を控える中、港で明日の親善試合に参加する学生艦の艦長と副長との顔合わせが終わった後、シュテル達は親善試合の作戦を決める為の艦長会議を開くことにした。

ただ、会場はその辺の屋外ではイギリス側の誰かに聞かれる可能性があるので、野外や校内ではちょっと危ない。

ビスマルクは艦長のクローナが教師とビスマルクのクラスメイト以外の人間を極力乗艦させたくないと反発しそうだし、

反対にシュペーやヴュルテンベルクはまたもやクローナが「こんな豆戦艦に乗艦したくはない」と駄々をこねそうだし、シュペーのクラスメイト達も散々自分達の事をバカにして来たクローナの乗艦はお断りな雰囲気があるので、会議を開く場所はシュテルのヒンデンブルクとなった。

そして、ビスマルクの艦長の選抜の真実を知られたクローナは終始不機嫌だった。

 

「‥‥では、これより艦長会議を開きます。まず、旗艦に関してはベロナ艦長が立候補してもらえたのですが、何か反対意見等はありますか?」

 

シュテルは意見を言う側なので、司会進行をクリスに頼み、会議は開かれている。

最初にドイツ側の艦隊旗艦はクローナが立候補していたので、旗艦については特に意見もなく、艦隊旗艦はビスマルクに決まった。

最もクローナは艦隊旗艦の座を他に譲るつもりはなかったし、シュテル達もやるつもりはなかった。

 

「次に艦隊編成についてですが‥‥」

 

「艦隊編成?」

 

次の議題、艦隊編成についてクローナは首を傾げる。

まるで、「貴女は何を言っているの?」みたいな様子だ。

 

「明日の試合に参加するダートマス校のラインナップを見ると、プリンス・オブ・ウェールズ、ロドニー、フッド、レパルスの四隻となっています。此方が、その四艦のスペックと我々、ドイツ側の参加艦艇のスペックとなっています」

 

クリスはイギリス側とドイツ側の参加艦艇のスペックが書かれた資料をシュテル達に手渡す。

 

プリンス・オブ・ウェールズは主砲が35.6cm砲 四連装二基 連装一基 速力28ノット

ロドニーは主砲が40.6cm砲 三連装三基 速力23ノット

フッドは主砲が38.1cm砲 連装四基 速力31ノット

レパルスは主砲が38.1cm砲 連装三基 速力29.5ノット

 

ロドニーが速力で劣るが攻撃力は一番上、フッド、レパルスは快速であり、攻撃力はそれなりにあるが、主砲は全て連装砲で機動力を優先にした為、防御力が劣る‥‥

反対にロドニー、プリンス・オブ・ウェールズは防御力が高い。

それらの要素から恐らくイギリス側はプリンス・オブ・ウェールズ、ロドニーの第一戦隊

巡洋戦艦フッドとレパルスの第二戦隊と二つの戦隊を組ませてくるかもしれない。

いや、速力で劣るロドニーがいるので、かなり高い確率で艦隊を二つに分ける筈だ。

でなければ、快足を誇るフッドとレパルスの優位性を殺す事になる。

 

ならば、此方側もイギリス側の様に二つに分けるか、それともこのまま四艦のフォーメーションを崩さずにいくか‥‥

四艦の場合、イギリス側の分裂した艦隊を各個撃破することが出来る反面、イギリスの分艦隊に包囲殲滅される可能性もある。

各個撃破をする戦法を放棄する反面、包囲殲滅の危険を回避する為、此方側もイギリス側同様、艦隊を二つに分け、同数で戦うか‥‥

なお、今回の親善試合に参加するドイツ側のスペックが、

 

シュペーは主砲が28cm砲 三連装二基 速力が26ノット

ビスマルクは主砲が38cm砲 連装四基 速力が29ノット

ヴュルテンベルクは主砲38cm砲 連装四基 速力が22ノット

ヒンデンブルクは主砲40.6cm砲 連装四基 速力が30ノット

 

艦隊を二つに分けるのであれば、速力と火力の関係から、シュペーとヴュルテンベルク  ビスマルクとヒンデンブルクに分けることになるだろう。

クリスが此処までの説明をすると、

 

「艦隊を分ける必要はないわ」

 

と、クローナは艦隊を分ける必要はないと断言する。

艦隊を二つに分けると、自分が指揮する艦の数が減ると言うプライドから彼女は艦隊を二つに分ける事に反対した。

 

「でも、この表から分かる通り、四艦のままでは私の艦が足を引っ張る事になる。此処はやはり、艦を二つに分けるべきじゃないか?」

 

レンは自艦のヴュルテンベルクの速力が22ノットしか出ないので、他の三艦の足を引っ張る事になるので、艦隊二つに分けた方が良いと言う。

 

「足が遅いのであれば、私達の後をノロノロとついてくればいいわ。それかその鈍足を活かして、敵の注意を集中的に受ける囮になればいいじゃない」

 

「なっ!?」

 

「兎に角、艦隊を分ける必要はない。いいわね」

 

クローナはあくまでも指揮する艦を減らしたくはないと言う意志を変えず、速力が劣るのであれば、後ろからのんびりと着いてこいまたは速力が遅い事を活かし、艦隊から落伍し、イギリス側の攻撃を集中的に受ける囮になれと言う。

 

(やっぱりコイツは、ドイツ版雪ノ下だな‥‥)

 

クローナの言動から、ただ目立ちたいだけで、文化祭の実行委員長になった相模、

みんなの葉山隼人の庇護の下、好き勝手にしてきた三浦とも違うタイプ人間であり、シュテルはクローナが雪ノ下と益々被って見えた。

最も雪ノ下はやや積極性に欠ける部分があり、自ら立候補する事は無く、誰かに推薦されるなどの第三者の後押しがあって、やっと立候補する。

その後、地位につくと常に自分は優秀な存在なのだと認識して、優秀な自分は思い通りに物事を進められる反対に周りは愚者ばかりだと感じ常に他者を見下し、自分の言う事は全て正しく、他者の言葉が間違っているのだと激しく思い込んでいる。

クローナがどんな過去を送って来たのかは知らないが、こうした彼女の言動を見る限り、いじめは受けていなくとも、家は裕福で、周りの人間が自分の言った事通りの事をしてきたので、自分の言う事は正しく、世界は自分中心に回っているのだと思い込んで生きてきたのだろう。

その中で唯一のイレギュラーがテアだったのだろう。

無意識ながらテアの行動がクローナの存在を否定する様なモノで、その最たるものがビスマルクの艦長を巡っての人選だった。

ただ、人選の異動があったからとは言え、ヴィルヘルムスハーフェン校に入学し、ビスマルクの艦長になれたのだから、学力に関しては優秀なのだろう。

 

クローナの言動にレンは僅かに顔を歪め、テアも無表情であるが、よくよく見ると不機嫌そうだ。

 

(確かに艦隊から落伍すれば、イギリス側の集中砲火を浴びる可能性もあるが、相手がもし、最初は厄介な相手から潰すスタンスをとれば、狙われるのはビスマルクとヒンデンブルクだぞ‥‥)

 

クローナの言う落伍したヴュルテンベルクを囮にするという案もイギリス側が絶対にそうするとは限らない。

ブリジットがヴュルテンベルク、シュペーは後からでも簡単に片づけられるとおもっているのであれば、最初に狙うのはこの四艦の内、攻撃力、速力、防御力に優れているビスマルクとヒンデンブルクの二艦である。

しかし、シュテルが抱いている危惧をクローナは全く抱いている様子はない。

 

レンがこの後も反対意見を言うがクローナは自分の艦が旗艦なんだから、旗艦の艦長たる自分は言わば、艦隊司令官なのだから、自分の命令は絶対だと言う態度をとり、艦隊は分ける事無く、四艦でのフォーメーションとなったが、シュテルは連携が全く取れていないこの艦隊で大丈夫なのかと一抹の不安抱いた。

 

続いて艦隊行動の内容なのだが、相手の手の内が分からなければ決めようがないが、艦隊を二つに分けるとなると、イギリス側の基本は包囲殲滅となるだろう。

となれば、此方側は包囲される前に相手を各個撃破するだけだ。

 

「艦隊は分けず、私達はまず最初に、相手の鈍足戦艦を叩くわ。そう、あのいけ好かない天才お嬢様が乗る王子様をね‥‥」

 

「しかし、その間にフッドとレパルスがその高速を活かして接近してきたらどうする?」

 

「その時は王子様から紙装甲の戦艦へターゲットを変えるだけよ。高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処すればいいだけでしょう。そんな事も分からないの?」

 

クローナは自分が艦隊司令と同じ立場であると言う事を自覚でもしたのか、機嫌は180度変わり、かなり上機嫌だ。

そして、彼女は不敵な笑みを浮かべながら作戦について語るが、

 

「もうすこし具体的に言ってくれないか、あまりにも抽象的すぎる。そもそもその作戦だと相手に包囲殲滅される危険があるのではないか?」

 

シュテルがクローナの作戦内容があまりにも空っぽすぎると言う。

 

「要するに、行き当たりばったりということではないか」

 

テアがバッサリとクローナの作戦内容を簡単にまとめる。

 

「あん?何ですって?豆戦艦のクロイツェル艦長」

 

テアの発言に気分を害したのかクローナがギロッとテアを睨みつける。

そこをレンが二人を宥める。

 

(やばいな、このままでは、艦長会議を開いた意味が無くなってしまうな‥‥)

 

このまま作戦は行き当たりばったりの内容で、旗艦と艦隊編成のみを決めただけではあまりにも時間の無駄に終わってしまう。

最もクローナの方はもうこれで終わりだと思っている様子で、

 

「それじゃあ、私はもう帰るわね。いい、くれぐれも明日の試合では、旗艦であるビスマルクの足を引っ張らないでよね」

 

と、捨て台詞を残し、ビスマルクへと帰って行った。

 

「どう思う?明日の試合?」

 

シュテルはテアとレンに明日の試合についての意見を訊ねる。

 

「うーん‥‥厳しいかもね‥‥」

 

「あんな行き当たりばったりな作戦で勝てるわけがない」

 

テアもレンも、シュテル同様、明日の試合には不安がある様子。

とは言え、あのクローナの指揮では不安にならない筈が無い。

実際の試合で彼女に意見具申をしたところでそれが採用されるかも怪しい。

ただ、シュテルとしてあの様にプライドだけが無駄に高い人物の扱いには経験がある。

雪ノ下とクローナがそっくりであるならば、シュテルの前世の経験が役立つはずだ。

 

「クロイツェル艦長、シュテーゲマン艦長、聞きたい事があるのですが‥‥」

 

シュテルは念の為、テアとレンにクローナの性格について訊ねる。

 

 

そして、日が昇り‥‥

 

『ヴィルヘルムスハーフェン海洋学校とダートマス海洋学校の合同訓練プログラムの親善試合を始める。全艦指定の位置についたら、試合を開始する』

 

ヴィルヘルムスハーフェン校、ダートマス校の学生艦が錨を上げ、次々と桟橋から出航していく。

やがて、両校の学生艦が所定の位置につき、それを教官らが確認すると、

 

『それでは、試合開始!!』

 

と、試合開始の合図が各艦に伝えられる。

ヴィルヘルムスハーフェン校、ダートマス校の親善試合が始まった。

 

「はぁ~‥‥気が重い、さっさと終わらせたい」

 

シュテルはヒンデンブルクの艦橋にて勝敗などいいから、さっさと試合を終わらせたいと言う気持ちが強かった。

元々、この試合の主人公はヴィルヘルムスハーフェン校とダートマス校なので、キール校出身のシュテルにはあまり関係がなかったからだ。

レーダーを確認すると、イギリス側の学生艦はその快足を活かし、やはりフッド、レパルスを前衛に急接近して来る。

 

「きたわね」

 

イギリス艦の接近は当然ビスマルクでも確認している。

 

『旗艦。指揮を務めるビスマルク艦長のクローナ・セバスティアン・ベロナだ。単縦陣をとり、撃ち合いにそなえよ』

 

クローナは完全に艦隊司令長官気分でヒンデンブルク、シュペー、ヴュルテンベルクへと命令を下す。

ドイツ側は艦隊旗艦、ビスマルクを先頭にヒンデンブルク、シュペー、ヴュルテンベルクの順に航行している。

イギリス側はドイツ側と並走するように航行しており、先頭にフッド、レパルス、少し距離が開いて、プリンス・オブ・ウェールズ、ロドニーの順で航行している。

 

「ダートマス校のとの距離、徐々に近づいています」

 

「ダートマス校、発砲!!」

 

先陣を切ったのはダートマス校側で四隻の主砲が一斉に火を噴いた。

 

「放っておきなさい。開幕射撃なんて当たる訳ないじゃない」

 

「さっすが、ベロナ様」

 

先手を取られたが、クローナは慌てる事無く、回避行動もとらず現状維持を貫き、余裕の態度である。

取り巻きのビアンカも楽天視している。

 

「‥‥総員、対ショックに備えよ。被害応急班もいつでも作業ができるようにしておけ」

 

一方、シュテルはこの距離でも十分にダートマス校の砲弾は届くと判断し、乗員に対して着弾による衝撃と被弾に備えるように命令を下す。

面舵をきって少しでも距離を稼ぎたい所だが、旗艦のビスマルクが現状維持を望むのであれば、勝手な行動はとれない。

そもそもロドニーは、速力は四艦の中で一番遅くとも、四艦の中で最大級の40.6cm砲を備えており、プリンス・オブ・ウェールズは四艦の中で主砲の大きさが一番小さいながらも一番多くの砲門を備えている。

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるを体現している様なモノだ。

狙いは恐らくドイツ艦の中でも火力、速力と共にイギリス側が厄介だと思っているビスマルクとヒンデンブルクが狙いだろう。

艦長会議の時、シュテルが抱いていた危惧がまさに当たった。

 

「ん?」

 

シュテルがウィングから空を見上げると、空からはビスマルクとヒンデンブルク目掛けてダートマス校の学生艦から発射された模擬弾頭の雨が降って来た。

 

ドォン!!

 

ヒンデンブルクの周りにダートマス校の模擬弾頭がいくつも着弾し、水柱を作るが幸いにも被弾は無かった。

しかし、ヒンデンブルクの前方を航行していたビスマルクの煙突から後部の甲板上に数発の模擬弾頭が着弾した。

それはまるで、前世(史実)におけるフッドがビスマルクの砲撃を浴びて轟沈したかのように被弾したのだ。

やはり、今回のイギリス側の学生艦のラインナップはビスマルクとは相性が悪かった様だ。

 

「ビスマルク被弾!!ダートマス校のラッキーパンチを受けました!!」

 

「はぁ!?」

 

開戦いきなりでビスマルクの被弾。

ただでさえ、戦力でイギリスのダートマス校よりも劣るドイツ側はいきなり戦力ダウンし、劣勢となった。

 

 

 

 

オマケ

 

ヴィルヘルミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルク。

親しい人からは『ミーナ』と呼ばれているヴィルヘルムスハーフェン海洋学校に通う学生で、アドミラル・グラーフ・シュペーの副長を務めている。

そんな彼女は、ヴァイスヴルスト(白ソーセージ)を始めとするソーセージが大好きな女の子である。

ある日、海洋実習もなく、学校の教室で行われる座学のみの日、学校帰りの時、ミーナはシュペー艦長のテア、昔からの親友であり、シュペー航海長のレターナ、シュペー書記のローザ、シュペー炊事班所属のエルフリーデの五人で街へ寄り道をしていた。

その最中、ミーナは途中、露店で売っていたフランクフルトを買って、食べながら歩いている。

 

「あむっ‥‥ムシャ‥ムシャ‥‥あっ!?」

 

するとミーナはうっかりフランクフルトを落としてしまった。

しかし、フランクフルトが地面に落ちる前にレターナが手を伸ばして、フランクフルトを拾おうとする。

だが、

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁー!!」

 

フランクフルトの串の先端が手に刺さって、レターナはキャッチをミス。

フランクフルトは再び宙を舞い、今度はローザが手を出すが、

 

「うぎゃぁぁぁぁぁー!!」

 

レターナ同様、ローザの手の平にフランクフルトの串の先端が突き刺さる。

すると、今度はその反動であらぬ方向へと飛んでいくフランクフルト‥‥

そこへ、エルフリーデがスライディングで飛び込む。

炊事班員としてやはり、食べ物を粗末にできないのだろう。

しかし、勢い余ってフランクフルトを掴み損ね、豪快にフランクフルトを弾き飛ばしてしまった。

 

「あっ、やばっ!?」

 

勢い余って見当違いの方向へ飛ばしてしまい、とても今の体制では駆け出して落ちていくフランクフルトを追いかけても間に合わない。

空中を飛来するフランクフルトはたまたま近くを歩いていたシュペー砲術長のリーゼロッテの顔面に直撃。

幸い串が目に突き刺さることは無かった。

 

「うぎょー!!」

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

いきなり何処からともなく飛んできた意味不明の物体(フランクフルト)からの顔面直撃を受けたリーゼロッテは顔を抑え、思わずカエルみたいな悲鳴をあげる。

そんなリーゼロッテを心配するリーゼロッテの取り巻きであり、シュペー水雷長のアウレリア。

リーゼロッテへの顔面直撃を受けたフランクフルトはその反動でまたもや飛来する。

そして、今度はなんとビスマルク艦長のクローナの背中へとスポッと入った。

 

「いやぁ!!何っ!?虫!?うわぁぁぁー!!」

 

突然、背中に意味不明の物体(フランクフルト)が飛び込んできた事にクローナはパニックに陥る。

しかも普段の彼女からは考えられない様な悲鳴を上げている。

 

「あわわわわ~ベロナ様、大丈夫ですか!?」

 

「‥‥」

 

取り巻きのビアンカはパニックになったクローナを見てあわあわと慌てふためくが、ザスキアは特にリアクションを取ることなく、ジッとクローナの事を見ていた。

 

「いやぁー!」

 

クローナは背中をまさぐっている中、フランクフルトの串に手が触れ、そのまま串を掴むと彼女はそれを思いっきり投げた。

すると、クローナが投擲したフランクフルトは‥‥

 

「うぐっ!!」

 

テアの腹部にフランクフルトの串の先端が直撃した。

クローナは本人が知らぬ間にテアに一矢報いた。

突然、腹部にフランクフルトの串の先端が突き刺さり、直撃を受けた腹部を抑え、蹲るテア。

そして肝心のフランクフルトは‥‥

 

ポトッ‥‥

 

レターナ、ローザ、エルフリーデの奮闘虚しく、結局、ミーナのフランクフルトは地面に落ちてしまった。

 

「あぁ~あぁ~」

 

ミーナは地面に落ちたフランクフルトをジッと見つめた後、

 

「‥‥まっ、いっか。あむっ‥‥ムシャムシャ‥‥」

 

そう言って何事もなかったかのように地面に落ちたフランクフルトを拾い食べ始めた。

 

(((体張ったのに意味なかった)))

 

手に串が刺さったレターナとローザは痛い目に合ったのに、その苦労が水の泡となった事に対して憔悴し、エルフリーデは必死に体を張ってフランクフルトが地面に落ちるのを防ごうとしたのにそれが失敗した事に喪失感を感じ、

 

「‥‥」

 

(副長、いくらヴルストが好きだからと言っても落ちたフランクフルトを食うなよ)

 

串が突き刺さった腹部を手で摩りながら、一度地面に落ちたフランクフルトを何事もなかったように平然と食べるミーナに心の中でツッコミを入れた。

 

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