やはり俺の転生生活は間違っていない。~転生先は蒼き人魚の世界~ 作:ステルス兄貴
まぁ、ロンドンではなく、ダートマスですが‥‥
ダートマス校の校舎はイギリス繋がりで、ストライクウィッチーズの501航空団がブリタニアで使用していた建物をイメージしてください。
夏休み期間中にイギリスのダートマス海洋学校で行われる体験入学に参加する為、イギリスのダートマスを目指していたシュテル。
フランスのカレーにて、以前、ヴィルヘルムスハーフェン校との交換留学の際に知り合ったダートマス校の生徒で、自分と同じ、日系の九条カレンと遭遇する。
カレーから連絡船でドーバー海峡を渡り、イギリスへと向かっている最中、シュテルたちはベンガルの海賊と遭遇する。
連絡船の乗客の中に元ベンガルの海賊の会計士がおり、その元会計士は海賊から抜ける際、彼らの宝を持ち逃げしていた。
海賊たちはその宝と宝を持ち逃げした元会計士を狙って態々インド洋からドーバー海峡まで追ってきたのだ。
シュテルとカレンの活躍により、海賊からの脅威から脱し、海賊たちも駆け付けたブルーマーメイドとロイヤルネイビーこと、イギリス海軍の手により、捕縛された。
ただ、ブルーマーメイドでもなければ、海軍でもない、海洋学校の生徒と言う事で、シュテルもカレンもブルーマーメイドの人から厳重注意を受ける事になった。
しかし、海賊を捕まえる切っ掛けにはなり、連絡船を守った事から注意の後、イギリス海軍とブルーマーメイドイギリス支部からは感謝状が贈られる事になった。
当初シュテルは、カレンにこの手柄を譲ろうとした。
ダートマス校では常に食うか食われるかの成績合戦をしていると聞く。
ならば、今回の海賊討伐における協力はきっとカレンの株も上がる出来事だ。
でも、カレンはバカ正直に今回の件はシュテルが主に計画し、動いた事で、自分はシュテルの助手だった事を伝え、感謝状を受けるのはシュテルと共に受けると言った。
それは、中等部のイタリアでのナポリの一件の時のシュテルと同じだった。
しかし、助手とは言え、海賊討伐に協力した事には変わりないので、どの道、カレンの株は上がる筈だ。
ドーバー海峡で海賊の出現というトラブルがあったが、シュテルは無事にカレンと共にダートマスへと到着する事が出来た。
ただ、ダートマスの街に近づくに連れ、市街を巡回する警官やパトカーの数が多い事にシュテルは気づかなかった。
「‥‥」
シュテルはダートマス海洋学校の校舎を見て唖然とする。
(で、でかっ!?‥‥っていうより、これは学校じゃなくて城か要塞みたいだ‥‥)
ダートマス海洋学校の校舎はシュテルの思った通り、その外見はまさしく城か要塞の様な大きさと外見を誇っていた。
(流石、世界でもトップレベルの海洋学校‥‥校舎の大きさも世界一じゃないか‥‥?)
校舎の大きさに度肝を抜かれたが、こうして世界一トップレベルの教育を受ける事が出来る事に思わず武者震いしてしまう。
体験入学の受付を済ませ、用意されていた寮へと荷物を置きに行く。
(内部はハ○ーポッ○ーで見た寮の内装に似ているな‥‥)
授業は翌日からなので、シュテルは、今日一日は中を見て回ろうとした。
校舎内を歩いていると、
「あら?貴女は‥‥」
そこで、シュテルはヴィルヘルムスハーフェン校で見た女生徒に出会った。
「あっ、確か‥‥イクラちゃん?」
「ハーイ‥って違います!!キャリー・ピアレットです!!」
出会ったのはキャビアちゃんこと、キャリー・ピアレットだった。
「キール校の貴女がどうして我が校に?」
「あっ、九条さんの推薦で夏休み中の体験入学に参加する事になってね‥‥」
「まぁ、それは‥‥しかし、厄介な時に来ましたね」
「ん?厄介な時?」
「はい‥‥もしかして、知らないんですか?」
「何を?」
「今、ダートマス近郊では連続殺人事件が起きているんですよ」
「連続殺人事件!?」
「そのリアクションからは、本当に知らなかったみたいですね」
イギリスで起きている事件なんて流石にチェックはしていないが、よりにもよって事件‥‥しかも連続殺人が今、シュテルが来ているダートマス近郊で発生しているなんて予想外だ。
「でも、そんな事件が起きている時に体験入学なんてやっていていいの?」
連続殺人事件が起きている最中、ダートマス校は他国からの留学生を一時的とはいえ預かる体験入学なんて事をやっても大丈夫なのかとシュテルはキャリーに問う。
「学校側もかなり迷ったみたいですが、殺人犯が出るのは決まって夜ですから、夜間の外出を禁じ、門を施錠したりしているので、問題ないと判断したみたいです。それに事件が起こったのは、今回の体験入学の生徒へ招待状を出した後だったので、学校側も引くに引けない状況だったのでしょう」
「‥‥」
「まぁ、私自身もブリジット様にお仕えする身ですからね、主の安全は確保しなければなりませんので‥‥」
そう言ってキャリーは、懐のホルスターから黒光りするエンフィールドNo.2リボルバー拳銃を取り出す。
「こうして拳銃を携帯しております。貴女も気をつけてくださいね。まぁ、少なくとも校内は安全ですから、では‥‥」
キャリーは拳銃をホルスターにしまうと一礼してシュテルの横を通り過ぎていく。
(海賊の次は連続殺人事件‥‥そういえば転生する時、エリスが色んな事に巻き込まれるみたいな事を言っていたが、なるべくなら平穏が一番なんだけどな‥‥)
(でも、殺人事件が起きたからって関係するとはまだ決まってないもんな‥‥前世の日本だってどこかしらで事件は起きていたし‥‥)
シュテルはこの時、例え近くで連続殺人事件が起きていても自分は巻き込まれないし、関係ないだろうと思っていた。
夕食はカレンやフッド副長のセラスと共に摂ったシュテル。
イギリスの料理はマズいと言われているが、ダートマス校はここ、イギリスの他にも異国からの留学生を多数受け入れている。
その為、さまざまな国の料理を提供しているので、食堂ではイギリス料理以外の料理も提供されていた。
だが、和食は残念ながらなかったので、シュテルは食べ慣れているドイツ料理を注文した。
夕食後、シャワーを浴びて、就寝する事にするシュテル。
「寮の部屋にシャワーがあるなんて、凄いなぁ」
濡れた髪をタオルで拭きながら、寮の各部屋にシャワーが完備されている事に驚く。
「さて、寝るか‥‥」
シュテルは明日から始まる体験入学の講義に備えてこの日は寝ることにした。
ベッドに入ると、
「おっ、このベッドかなりフカフカだ‥‥ウチの学校の寮のベッドよりも良いクッションを使っているな‥‥」
自分の学校の寮のベッドよりも上質なクッションと布団に包まれるとあっという間に睡魔が襲い、シュテルと夢の世界へと誘った。
まぁ、今日は色々あって疲れていたというのも要因の一つであるが‥‥
夜のとばりが降りたダートマスの市街地では‥‥
「~~~~♪‥‥はははは‥ああ‥‥貴方ってお酒が強いのねぇ~あたしなんてもうフラフラ~‥‥」
「‥‥」
「きゃははははは‥‥」
一人の若い女性が泥酔状態で、男の人の肩を組んで歩いていたが、泥酔状態なので、足元はフラフラな状態だった。
しかし、男の人の方は全く酔った様子もなく、平然とし、しっかりとした足取りで歩いている。
お酒で酔っているため、女性は異常にテンションが高い。
だが、男の方は酔ってはいないが、口元で小さく薄気味悪い笑みを浮かべている。
「~~~うぅ~‥‥もうダメ‥‥ちょっとゴメン‥‥」
女の人は等々耐え切れなくなり、路地裏にて嘔吐する。
「‥‥」
自分に背を向けて嘔吐している女性を相変わらず怪しげなニヤついた顔で見ている男だったが、
「やれやれ‥‥」
呆れる様な声を出し、物音立てずに嘔吐している女性に近づく。
その手にはギラリと光るコンバットナイフが握られていた。
「酔った勢いで、今日であったばかりの見ず知らずの男についてくるなんて‥‥あまりにも愚かで醜い‥‥」
やがて、男は嘔吐している女性の肩をガシッと掴み、振り向かせる。
「あっ?‥‥」
ドス‥‥
「うっ‥‥」
男は躊躇なく、コンバットナイフを女性に突き立て、首の頸動脈を断ち切る。
辺りは女性の血でみるみるうちに赤く染まる。
「こんなくだらん奴は死んだ方が世のためだ」
絶命した女性をまるでゴミでも見るかのように見下ろす男の姿がそこにはあった‥‥
翌朝‥‥
「うっ‥‥うーん‥‥」
フカフカの布団がまだ睡魔を誘発させるが、カーテンの隙間から差し込む朝日の光と小鳥の声がシュテルを夢の世界から現実の世界へと引き戻す。
まだ、フカフカの布団の中に入っていたい誘惑を振り切り、洗面台で洗面、歯磨きをして寝癖が立っている髪の毛をセット、そして着替えるシュテル。
「朝食は確か七時からだっけ‥‥?」
着替えながら朝食の時間を確認する。
身支度を整え、食堂へと行くと、ちらほらと生徒たちが集まって来る。
「やあ、おはよう、碇さん」
「おはようデース、シュテルン!!」
「九条さんにヴィクトリアさん‥おはよう」
「昨日はよく眠れたデスカ?」
「うん、ここの寮のベッドは物凄く、フカフカだったからね。ベッドに入った途端に睡魔が襲ってきたよ。それで、気づいたらもう朝になっていた‥‥」
「あははは‥‥確かにここのベッドの威力は凄いからね。私も入学当初はなかなか、ベッドから抜け出せなかったし‥‥」
「私もデース!!」
セラスもカレンもここのベッドの質の良さは認めている様子。
食事をしている中、シュテルは昨日キャリーが言っていたダートマスで頻発している連続殺人事件についてセラスとカレンに聞いてみることにした。
「ね、ねぇ二人とも」
「「ん?」」
「昨日、ピアレットさんに聞いたんだけど、ここ最近ダートマスで連続殺人事件が起こっているって‥‥」
「「‥‥」」
シュテルが言った『連続殺人事件』と言う言葉に顔を強張らせるセラスとカレン。
「‥‥やっぱり起きているんだ」
二人のリアクションを見て、やはり昨日、キャリーが言っていた事は事実であった。
「じ、実は私も昨日の夜、セラスから聞いたデース」
カレン本人もダートマス近郊で連続殺人事件が起きている事を知らなかった様子。
「まさか、フランスへ旅行に行っている間に殺人事件何て恐ろしい事が起きているなんて予想外デース」
「新聞やニュースでも連日報道していますからね‥‥『切り裂きジャック』の再来か?って‥‥」
「切り裂きジャック‥‥」
切り裂きジャック‥‥英語名ではJack the Ripper、ジャック・ザ・リッパーと呼ばれる殺人鬼につけられた通称。
1888年にイギリスで連続発生した猟奇殺人事件でその年の8月31日から11月9日の約二ヶ月の間にロンドンのイーストエンド・オブ・ロンドン、ホワイトチャペルで少なくとも売春婦、五人をバラバラに切り裂き、殺人を実行したが逮捕には至らなかった事件で署名入りの犯行予告を新聞社に送りつけるなど、劇場型犯罪の元祖とされる。
当時の定義づけによる精神病患者から王室関係者まで、その正体については現在まで繰り返し論議がなされているが、犯人の正体は未だに不明のまま迷宮入りとなった事件である。
(この後世でも、過去に切り裂きジャック事件は起きていたのか‥‥)
日本、ドイツの歴史はある程度調べたが、イギリスの歴史までは調べておらず、前世で起きたイギリスの連続殺人事件がまさかこの後世でもそれが起きていたのは驚いた。
そして、今日、ダートマスで起きている連続殺人事件がその切り裂きジャックの再来と言われている事に尚の事、物騒な時期に来てしまったと思うシュテルだった。
「やっぱり、被害者は皆、女の人なの?」
「そうみたいですね。凶器は鋭利なナイフで心臓を一突きや頸動脈をバッサリ‥‥ほぼ即死‥‥」
セラスは朝刊を見ながら、これまでの事件の経緯をシュテルとカレンに教える。
「「‥‥」」
想像してシュテルもカレンも顔色が悪い。
「で、でも、なんでその犯人は女の人ばかりを狙っているんでしょう?」
カレンが犯人の心理を読み解こうとする。
「それは流石に犯人じゃないのでわかりません」
セラスは犯人でなければ、警官でも、犯罪心理学者でもないので、何故、犯人が女性ばかりを狙うのかは分からないと言う。
しかし、犯人の動機がなんであれ、ダートマスを賑わせている連続殺人犯は確かに存在している。
「まぁ、何にせよ、世の中には普通じゃ理解出来ない様な頭がイカれたヤツが居るって事だろうね‥‥」
「そうですね」
やや重苦しい空気になりながらも朝食を食べた。
やがて、講義の時間となり、シュテルは勉強道具を持ち、講義室へと向かう。
講義室にはシュテルの様にダートマス校の制服以外の制服を纏った生徒がちらほら居た。
そのほとんどがヨーロッパの各国やアメリカ、ロシア、アジア、オーストラリアなど、先進国の海洋学校の生徒だ。
講義内容も流石、世界でもトップレベルの海洋学校‥‥授業の内容について行くのがやっとだった。
「うぅ~‥‥」
昼食時、シュテルは食堂のテーブルで突っ伏している。
頭からは白い湯気でも出そうだ。
(あ、甘く見ていたぜ‥‥世界でもトップレベルの実力を‥‥)
(で、でも、ここで逃げる訳にはいかない‥‥折角、世界でもトップレベルの教育を受ける機会を得たのだから‥‥)
シュテルは分からない所はカレンやセラス、教官などに積極的に質問していき、不足している知識を補っていった。
世界トップレベルの授業内容と周辺で事件が起きていながらも自分は巻き込まれないだろうと言う慢心が、シュテルに事件の警戒を薄れさせていった。
時々、頭を抱える様な内容の講義に何とかついて行っているシュテル。
そして、ようやく休日がやって来た。
他の体験者たちも何だかホッとしている様子が覗える。
それは体験者だけでなく、ダートマス校の生徒たちも同じ事が言える。
久々に休日なので、思いっきり骨休みをしたい。
門限は決まっているが、その間は自由となる。
シュテルはセラスとカレンと共にダートマスの街へと繰り出した。
ショッピングや食事を楽しんだ。
そんな中、市街地の一角にて、人だかりが出来ていた。
「なんでしょう?」
「なにかあったのかな?」
気になった三人はその人だかりに近づいてみた。
すると、野次馬から何があったのか色々と聞こえてきた。
「まただ‥‥例の殺人鬼の仕業だってよ」
「やっぱり、被害者は女の人か?」
「これで、もう七人目か‥‥」
「切り裂きジャックが殺した人数を越えたぞ‥‥」
「警察は一体何をしているんだ?」
「早く犯人を逮捕してくれなければ、夜も怖くて歩けないわ」
野次馬の話からどうやら、また例の殺人鬼の被害者の死体が見つかったみたいだ。
「「「‥‥」」」
例の殺人鬼の事件と言うことで三人の顔色は悪い。
「‥‥日が暮れる前に帰った方がいいかもね」
「そうね」
「そうデスネ」
門限までまだ時間はあるのだが、太陽が上がっている明るいうちに帰ることにした三人だった。
寮へ戻ると、まだ門限前の時間なのだが、ダートマスを賑わせている例の殺人鬼の被害者が見つかったと言う事で、外出していた生徒たちもシュテルたちと同じく、太陽が昇っている明るい内に帰寮する生徒が多かった。
夕食後、シュテルは食堂にて、万が一の事を考え、銃の手入れをしていた。
銃を解体し、オイルで磨く。
「わぁお、シュテルン、それ本物ですか?」
銃の手入れをしていると、カレンは興味があるのか聞いてきた。
「うん。ルガーP08‥中等部の時、ある事件に巻き込まれて、それで親が心配して護身用に買ってくれてね‥‥あっ、でもマガジンに入っているのは実弾じゃないよ」
銃は本物でも流石に弾は本物ではない。
襲ってきた暴漢を無力化する為の訓練弾である。
解体した部品をオイルが染みついた布で磨き、使い古した歯ブラシで磨き、小さなゴミを落とす。
それらの工程が終わると、再び銃を組み立てる。
シュテルは実に手慣れた手つきで銃を組み立てた。
自分の銃なので、手慣れたものだ。
銃を組み立て、マガジンに訓練弾を装填し、そのマガジンを銃にいれる。
「よし、これで終わり」
銃の手入れが終わり、使っていた道具を片付けていると、
「キャァァァァー!!」
悲鳴の様な声が聞こえた。
ここで視点をシュテルから外へと変える。
多くの体験者やダートマス校の生徒が昼間に殺人鬼の被害者の遺体が見つかった事でまだ門限前の太陽が昇っている明るいうちに帰寮したが、中には久しぶりの休日なので、門限ギリギリまで外で遊んでいた生徒も居た。
「いやぁ~楽しかったね~」
「ほんと、毎日毎日、講義や実習じゃあ、息が詰まっちゃうもんね」
「そうそう、たまには息抜きもしなくちゃあ」
二人のダートマス校の生徒たちは久しぶりの休日を満喫したみたいで、満面の笑みを浮かべていた。
「でも、早く帰らないと門限に間に合わないわよ」
二人は門限が迫っているので、急いで帰ろうとした時、
「いけないなぁ‥‥」
二人の背後には黒ずくめの服にマント、シルクハットを被った不気味な男が立っていた。
「いけないなぁ~ブルーマーメイドを志す女学生が時間に遅れるなんて‥‥そんな不出来な生徒には思い知らさなければいけないねぇ~!!」
顔は夜の闇とシルクハットのせいでよく見えないが、その男の言動からこの男がまともな人間では無いと察する。
しかもその男の手にはギラツク一本のナイフが光っていた。
「何‥あの男‥‥?」
「いやだ‥逃げよう」
二人の生徒は身の危険を感じでその場から逃げ出す。
すると、男も後を追いかけてくる。
「なに!?あの男、追って来るよ!?」
「ま、まって!!」
二人の生徒の内、一人が後ろ髪を思いっきり掴まれる。
「うっ!!」
「えっ!?」
男は髪の毛を掴んだ女生徒の背中に手に持ったナイフを深々と刺す。
「か‥‥は‥‥」
「ああ‥‥」
刺された生徒は口から血を吐き、目の瞳孔が開く。
女生徒を刺した男はニヤリと獲物を仕留めた肉食獣の様に禍々しく口元を歪める。
一方、もう一人の生徒は同級生がさされたのを目の当たりにして、この男が今度は自分を狙っている‥‥自分を殺そうとしている事を自覚した。
「キャァァァァー!!」
悲鳴を上げ、再び走った。
しかし、恐怖のため、足や膝はガクガクと震え、上手く走れない。
「ハッ‥‥ハッ‥‥」
女生徒は目に涙を浮かべながらも必死に逃げ、なんとか寮の正門口まで来る事が出来た。
門の中に入ってしまえば、あの男も入っては来れないだろうと思ったのだが‥‥
ガシャン
正門の鍵は閉まっていた。
「あっ‥‥そんなっ!?‥門が‥鍵が閉まっている‥‥」
門限が過ぎたので、管理人が正門の鍵を閉めてしまったのだ。
「だ、誰か‥‥」
「フフフ‥‥夜遊びする様な不良には帰る所はないと言う事だ」
女生徒の後ろにはあの男が迫っていた。
「い、いや!!た、助けて!!」
ナイフを振りかざしてくる男に許しを請うが男は構わず迫って来る。
そこへ、
「うわぁぁぁぁー!!」
ルガーP08を男に向けて乱射しながら、正門の鉄格子を乗り越え、シュテルが降りてきた。
各校所属艦の設定にロシアの海洋学校の設定を加えました。