やはり俺の転生生活は間違っていない。~転生先は蒼き人魚の世界~   作:ステルス兄貴

42 / 161
41話

 

 

シュテルがイギリスのダートマス校の体験入学に参加している頃、ユーリも夏休みをエンジョイしていた。

彼女は、この夏に自動車の運転免許を取得し、レンタカーで一人旅に出ていた。

そして、とある地方の街の貸し別荘に滞在していた。

 

「ぬぅーん、たまにはこうして一人旅をするのも悪くないなぁ~」

 

普段は自分とシュテル、クリスのトリオで行動を共にしているがこうして一人旅というのもなかなか、新鮮味を感じる。

 

「シュテルンも今はイギリスのダートマス校の体験入学をやっている頃か‥‥何が楽しくて、折角の夏休みを勉強につぎ込んでいるんだろう?」

 

ユーリとしては、折角の夏休みなのに、わざわざイギリスまで勉強しに行くシュテルの気が知れない。

でも、シュテルは、キール校の首席‥それなりの面子を背負っているのだろう。

それにダートマス校の体験入学は先方からの推薦でしか、参加できない。

体験入学に参加していると言うことは、シュテルがダートマス校からの推薦を受けていると言うことだ。

友人として、それは誇らしい。

 

「でも、シュテルン、あっちこっちでフラグを立てるからな‥‥ダートマス校でもフラグを立てていなければいいけど‥‥」

 

ヴィルヘルムスハーフェン校での交換留学の際、シュテルは向こうの学校の首席であるテア・クロイツェルと親密な関係となっていた。

別れ際にもキスをしていたし‥‥

それに日本にいる親戚のカナデと言う男とシュテルが口走った戸塚と言う男‥‥

その二人の男もユーリとしては十分に危機感を抱かせる要素だ。

これらの事から、イギリスのダートマス校でもダートマス校の生徒を落としているのではないかと言う不安がある。

つい、先日も虫の知らせなのか、シュテルがフラグを立てた予感もした。

 

「休みが明けたら、聞いてみることにしよう」

 

ユーリは夏休み明けにシュテルにイギリスでの体験入学の土産話を聞くことにした。

 

ユーリが風呂から出て貸し別荘で一人旅の疲れを癒していると、

 

ピンポーン

 

別荘のインターホンが鳴る。

モニターで確認してみると、そこには宅配業者の配達員の姿が映っていた。

 

「あれ?私何か、注文したっけ?」

 

ユーリは、自分に宅配便が来る思い当たりがなく、疑問に感じつつも、

 

「あっ、もしかして、お父さんかお母さんが何かを送ってくれたのかも‥‥」

 

両親はユーリがこの貸し別荘に来ることを知っていたので、自分宛てに何かを送ってくれたのかと思い、対応に出る。

 

「毎度、ありがとうございました~」

 

「どうも、ご苦労さま」

 

宅配業者から荷物を受け取ると、それは大きな木箱だった。

ただ伝票を確認してみると、送り主は書いていないが、住所欄には一応届先は書かれているが、字が汚くてなんと書いてあるかよくわからない。

 

「あれ?送り主が書いてないってことはお父さんたちからじゃあないな‥‥それにしても汚い字だなぁ‥‥これじゃあ、何て書いてあるかわからないし、こんな大きな木箱、いったい何が入っているんだろう?」

 

ユーリは伝票を見ながら不審を抱きつつ愚痴を零す。

宅配便で送られてきた木箱は重く、大きすぎだったので、ユーリは別荘の中には入れず、玄関先でバールを使って木箱をこじ開けていく。

 

「まさか‥‥開けたとたんドカーン‥‥なんてことないよね?」

 

以前、映画で見た、展開の様に蓋にブービートラップが仕掛けられており、蓋を開けると爆発するなんて、あまりにも非日常的な展開を想像したユーリ。

そしてバールで木箱の蓋を開けると、中には手足を縄で縛られ、猿轡をされた十歳ぐらいの男の子が入っていた。

そして、蓋を開けるとピンが外れるように細工されていた手榴弾も‥‥

 

「えっ?」

 

突如、ユーリの目の前が閃光に包まれたかと思ったら、

 

ドカーン!!

 

凄まじい爆音と爆風が辺りを覆った。

 

「な、なんなのさ!?これ!?それにこの子も‥‥」

 

間一髪、ユーリは箱に詰められ、爆風により気絶した男の子を抱え、避難に成功した。

 

 

 

 

夢を見ていた。

 

雨の降りしきる中、自分は必死に走り、逃げていた。

 

後ろからは自分を追いかけて来る大人たちがいる。

 

死にもの狂いで逃げたが、追手は大の大人たちが複数。

 

とても子供の自分が逃げ切れるものではなかった。

 

「このガキ、手こずらせやがって」

 

自分はとうとう追い詰められ、追手の男の大きな手が自分に迫ってくる。

 

 

「わぁぁぁぁぁー!!」

 

そこで夢は覚め、辺りを見回す。

自分の頭には包帯が巻かれ、体に負った傷も丁寧に処置が施されている。

 

「こ、ここは‥‥?」

 

男の子は自分が今どこにいるのか、辺りを見回していると、

 

「ああ、気が付いた?」

 

金髪の女の人が部屋に入ってきた。

 

「まったく、どこかの誰かさんからの素敵なプレゼントのせいで、お風呂に入り直しだよ」

 

金髪の女の人こと、バスローブに身を包み、髪の毛をバスタオルで拭きながらユーリが不満そう言う。

 

「えっ‥‥?あの‥‥?」

 

男の子は気まずそうに言うと、ユーリは、

 

「ああ、キミのせいじゃないから、気にしなくてもいいよ。それに元々貴方を責めるつもりはないから。それよりちょっと来て‥‥」

 

ユーリは男の子の腕をつかむと、ある部屋のドアを開ける。

ドアを開けるとそこは瓦礫だらけで、部屋という空間を完全に吹き飛ばしていた。

箱を開けたのが玄関先だったにも関わらず、箱に仕掛けられていた爆弾は別荘にある一階と二階にあった二つの部屋を木っ端微塵に吹き飛ばしていた。

 

「‥‥」

 

仕掛けられていた爆弾の威力をマジマジと見せつけられた男の子は言葉を失っていた。

ユーリが自分を助け出していなければ、自分の身体は粉々に吹き飛んでいたのだから、当然のリアクションである。

破壊しつくされた部屋を見せたユーリは再び、男の子を別荘の中へと入れた。

 

「何か一言ぐらいあるんじゃない?」

 

「えっ?」

 

ユーリはクローゼットから着替えを探しながら男の子に語りかける。

 

「命の恩人に対して『ありがとう』の一言ぐらいあってもいいんじゃないの?」

 

「は、はぁ‥‥すみません‥‥」

 

男の子は申し訳なさそうに言う。

その間、ユーリは黙々と着替えている。

その場に脱ぎ捨てられたバスローブを見て、男の子はギョッとして、顔を赤くして、視線を逸らす。

別にユーリは男の子の目の前で服を脱いで着替えているわけではなく、ちゃんと見えないように衝立ての向こう側にいるが、一つの部屋で、女の人が服を脱いでいるということに男の子の羞恥心が働いていたのだ。

シュルシュルと言う衣類が脱いでいる音が衝立の向こう側にいるユーリが下着、または全裸になっていると言うなによりの証明となっている。

子供と言えど、男の子なので、異性の身体にはやはり興味がある。

しかし、彼は衝立から覗こうとはしなかった。

 

「さてと、そろそろ消防や警察が来るね、ここに入れば警察か消防の人が君を保護してくれるでしょう」

 

着替えが終わったユーリは動きやすいGパンとTシャツ姿になり、男の子の前に姿を晒す。

 

「ど、どこかに行っちゃうの?」

 

男の子が不安そうに訊ねてくる。

「面倒ごとはゴメンなの、折角の夏休みを潰されたくはないからね。それじゃあね~♪」

 

ユーリはクローゼットの中に入り、ドアを閉める。

残された男の子は慌ててベッドから飛び降りユーリが入ったクローゼットのドアを開ける。

するとそこにはユーリの姿はなく、変わりに床に空いた隠し通路があった。

この貸し別荘を作った人はどうも変わった人の様だ。

ユーリも折角泊まるのであれば、変わった別荘が良いと思い、この別荘を借りたのだ。

そして、隠し通路の先はガレージになっており、ユーリはガレージに停まっている車に乗り込んだ。

エンジンをかけようとしたその時、助手席のドアが開き、例の男の子が車に乗り込んできた。

 

「ちょっと、なんでついて来るの!?」

 

「お姉ちゃん、マフィアの人?それとも警察の人?」

 

「はぁ?」

 

この男の子は突然何を言っているのだろうか?

 

「失礼だね!警察はともかく、私がマフィアの関係者に見えるの?」

 

「‥‥人は見かけによらないから‥‥」

 

「さっき言ったじゃない!!夏休みが潰れるって!!私は高校生だよ!!免許は取り立てだけど‥‥って、そんなことはどうでもいいよ!!降りなさい!!」

 

「イヤだ!!」

 

「はぁ?ちょっと一体どういうつもりだよ!!」

 

マゴマゴしている間に外からサイレンの音が聞こえた。

 

「ああもう、やっかいなのが来ちゃったじゃない!!」

 

ユーリは仕方なく、男の子を乗せたまま車を発進させた。

ガレージから外に通りに出ると、そこには野次馬が大勢おり、なかなか進まない。

 

「ちょっと、道を開けて、急いでいるんだから!!」

 

クラクションを鳴らしながら、車を進め、ようやく大通りに出ることが出来た。

 

 

ユーリは別荘の前の通りからアウトバーンに入り、助手席に乗り込んだ男の子に事情を聞いた。

 

「どういうつもりなの?」

 

「‥‥」

 

しかし、男の子は何も言わない。

 

「何か言いなよ‥‥」

 

「どこに行くつもり?」

 

「人の質問には答えないクセに質問はしてくるんだね‥‥キミの他についてきたオマケのおかげで一階にあった荷物は吹っ飛ぶからまとまった現金すら持ってくる余裕がなかったんだよ。ATMで下ろすにしても、もう取引の時間が終わっちゃっているし‥‥」

 

「‥‥」

 

「はぁ~‥‥とんだ厄日だ‥‥」

 

ユーリはため息をつきながら運転をしていると、

 

「ね、ねぇ‥‥まで行かない?」

 

突然男の子が行き先を言ってきた。

しかし、

 

「はぁ?冗談言わないでよ。ここからどれだけ離れていると思っているの!?」

 

ユーリの言うとおり、今自分たちがいる所から、彼が言う街まではかなり離れており、車といえども一日では着かない距離だ。

 

「ど、どうしてもそこまで行きたいんだ‥‥」

 

「何で?」

 

「‥‥」

 

ユーリがどうして、そこまで行きたいか理由を聞くと、男の子は黙り込んでしまう。

 

「気に入らないんだったら、ここで降りても構わないんだよ?」

 

ユーリにしては珍しく不機嫌オーラ全開で男の子に問う。

しかし、ユーリが男の子を車から降ろすことはなかったし、男の子自身も『降りたい』とは言わなかった。

 

夏休み中で、一人旅の最中で、途中で見ず知らずの子とはいえ、命を危険にさらされたこの子をそこら辺に放り投げる訳にもいかなかったユーリは結局、男の子が行きたいと言った街に向かった。

半日車を走らせたが、目的地まではまだまだ距離があるので、ユーリたちは途中にある、街で一泊することにした。

 

「あーあ‥‥宿は安いビジネスホテルで夕食は屋台のサンドイッチとは‥‥」

 

ユーリが街中にあるベンチに座りながら、夕食である屋台のサンドイッチを見ていると、隣では同じく屋台のサンドイッチをガツガツ食べる男の子の姿があった。

 

「その様子じゃ、随分とあの箱の中に長く押し込まれていたみたいだね‥‥」

 

ユーリがからかいながら言うと、恥ずかしかったのか、男の子は頬を赤く染める。

 

「さてと‥‥」

 

ユーリが手早くサンドイッチを食べ終え、ベンチを立ち、夕刊を買ってホテルに戻ろうとする。

 

「ど、どこ行くの?」

 

やはり男の子は不安なのか、ユーリに行き先を聞いてくる。

 

「疲れたから、夕刊を買って、ホテルに帰るの」

 

ユーリは屋台で販売されている夕刊を買って早速その場で中身を見る。

するとそこには、

 

「弁護士夫妻殺害 十歳の一人息子も行方不明」

 

「貸し別荘地で謎の大爆発」

 

と書かれた見出しがあった。

ユーリは新聞に掲載されている行方不明とされている弁護士夫婦の息子と今連れている男の子の容姿が瓜二つなのに気が付いた。

違う点と言えば目の色だけであった。

 

「‥‥」

 

写真に掲載されている息子の目の色は青、しかし今連れて居る子の目は翠。

 

「さっ、もう日が暮れるから、急いで戻るよ。田舎町とはいえ、夜は何があるかわからないからね」

 

「う、うん」

 

ユーリは急いで男の子を連れ、ホテルへと帰った。

 

「もしもし、‥‥ホテルのフロントですが‥‥ええ、そうです‥‥写真の子に間違いありません‥‥はい、泊っている部屋は‥‥」

 

ユーリたちがホテルの部屋に入ったのを確認したフロント係はユーリたちに気づかれぬように何処かに電話を入れた。

フロント係の片手には今日の夕刊が握られていた。

 

 

部屋に戻ったユーリはベッドの上に座らせた男の子の顔を凝視する。

 

「?」

 

男の子は突然、ユーリが自分の顔を凝視してくるのか不思議なのか首を傾げている。

しかし、一度意識した異性からこうしてジッと見つめられているせいか、少し顔が赤い。

 

「‥ねぇキミ、その目の色はカラーコンタクトだよね?」

 

「っ!?」

 

ユーリの指摘を受け、男の子は一瞬動揺する。

 

「それで変装のつもりなの?一体何のためにそんな事をしているの?」

 

「こ、このくらい僕ぐらいの年の子なら皆やっているよ‥‥」

 

気まずそうにユーリから視線を反らし、男の子は言う。

 

「ああそう‥‥言いたくないなら別に言わなくてもいいいいよ。私には関係ないことだもの‥‥さっ、明日も早いことだしもう寝ましょう」

 

ユーリたちが寝ようとしている中、ユーリたちの部屋の外には先程、フロント係が通報し、密かにホテルに急行した警察の武装隊が突入の機会を伺っていた。

 

ユーリたちの運命は如何に‥‥?

 

 

 

 

ユーリが自分も知らぬうちに、ある騒動に巻き込まれている中、イギリスのダートマスに居るシュテルは‥‥

今日、ある催し物を見物しに来ていたのだが‥‥

 

「‥‥」

 

(な、なんか、メッチャ気まずい!!)

 

シュテルは冷や汗を流しながら観客席に居た。

シュテルが、気まずい思いをしている理由‥‥

それは、シュテルの左右に座っている観客にあった。

 

「「‥‥」」

 

シュテルの右側にはカレンが‥‥

そして、左側にはグレニアが居り、互いに目からバチバチと火花を散らしているようにも見える。

カレンは、シュテルの右手に自らの手を絡め、グレニアはシュテルの左手に自らの手を絡めている。

今のシュテルはまさに両手に花状態なのだが、リア充とかそんな羨ましい状態ではなく、これはまさしく、修羅場、針の筵状態だった。

 

「そ、それで、この催し物‥と言うか競技は一体何なの‥‥?」

 

シュテルは恐る恐るカレンとグレニアに今日の催し物について訊ねる。

 

「今日は戦列歩兵道の決勝戦なんだよ」

 

「戦列歩兵道?」

 

「ああ‥ドイツじゃ、あまり馴染みがないか‥‥」

 

「そうですネ、競技が盛んなのはアメリカとイギリスですからネ」

 

聞きなれない催し物に首を傾げるシュテル。

この会場に来た時から、周囲の様子がある独特の雰囲気があった。

屋台の出店の他に撮影会場もあった。

撮影で使う衣装は、アメリカ独立戦争時代の衣装にマスケット銃が小道具として使用されている。

どうもこのマスケット銃と衣装がこの競技に関係しているみたいだ。

 

この競技の元となった戦列歩兵は、古代から存在した密集陣形を組んで運用される重装歩兵の系譜に連なる兵科であり、野戦軍の中核をなした兵科だった。

野戦における戦列歩兵は、散兵として運用される軽歩兵や猟兵、騎兵・砲兵といった各兵科のサポートを受けつつ、敵の主力を同じく構成している戦列歩兵を撃破する事を主な役割としていた。

18世紀頃には、擲弾兵と呼ばれる擲弾を敵陣に投げ込む選抜歩兵が欧州各国の軍に存在したが、時代を経るに従って擲弾による戦闘が廃れると、戦場における機能は戦列歩兵とほぼ同じとなり、体格や武勇に優れた兵士を選抜したエリート部隊として名称のみが残された。

19世紀の中頃に銃砲が飛躍的に発達し、ミニエー銃と近代的な後装式の砲が出現すると、戦列歩兵の密集陣形と派手な威嚇色を使った軍服は遠距離からの射撃の良い的となって死傷者が激増したため、歩兵の運用は密集を避けて周囲の環境に隠れながら行動できる散兵による浸透戦術が中心となり、戦列歩兵は急速に廃れていった。

しかし、今日ではイギリス、アメリカを中心としたマイナーな競技としてその歴史を継承していた。

参加者は皆、男子高校生であり、それぞれの高校には戦列歩兵の部活動があり、大会の時にそれぞれの高校のエースたちが集まり、大会へと挑んでいる。

勿論、使用しているのは本物鉛玉ではなく、殺傷能力がない特殊弾である。

 

戦列歩兵の動きは、士官の発する簡単な号令や太鼓による指示に従って行動し、その移動は徒歩であり、横隊の全員がほぼ同じ程度の歩幅(75cm前後)になるよう身長の基準が設けられ、一分間の歩数は70~90歩(約60m/分)が基準の歩行速度とされていた。

これに太鼓による指示が与えられる事で速度が調整された。

 

「あっ、そうだ!!シュテルン、後で一緒に写真撮りまショウ!!」

 

カレンがシュテルにあとで写真を一緒に撮ろうと誘う。

 

「しゅ、シュテル!!私とも一緒に撮ろうな!!」

 

当然、グレニアも一緒に撮ろうと言う。

 

「あ、ああ‥‥いいよ‥‥」

 

シュテルは乾いた笑みを浮かべ、カレンとグレニアと共にあとで写真を撮ることにした。

やがて、競技が始める。

 

~♪~♪~♪

 

鼓笛隊が音楽を奏でながら会場へと行進してきた。

イギリス側は、The British Grenadiers (英国擲弾兵)を演奏し、アメリカ側は、When Johnny Comes Marching Home (ジョニーが凱旋するとき) を演奏して入場してきた。

 

(ユー○ャンにダ○・ハー○3のBGMだな‥‥)

 

イギリスとアメリカ、共に演奏していた音楽の詳しい曲名を知らなかったが、前世におけるテレビのCMや映画で使用されていた音楽だったので、シュテルはその音楽のイメージが強かったモノを想像した。

互いに自国の旗や校章が描かれた旗を掲げる旗手、太鼓と笛を演奏している鼓笛隊、サーベルをぶら下げているリーダー各の部員、そして肩にマスケット銃を担いでいる大勢の部員たち。

イギリスは赤い上着に白いズボン、黒いブーツ、黒い帽子をかぶり、目には保護のため、ゴーグルを装着している。

アメリカは青い上着に白いズボン、茶色のブーツ、黒い帽子をかぶり、同じく目には保護用のゴーグルを着けている。

 

「流石、レッドコート、綺麗な隊列を組んでいまーす!!」

 

「ああ、あれだけの人数で‥しかも他校同士の連中なのに隊列を乱す事無く動けるなんて、たいしたもんだ」

 

(確かに‥‥)

 

同じ学校同士の者ならともかく、他校の人間同士で、あそこまで動きを合わせることが出来るのはかなりレベルが高い。

アメリカの方はイギリスと比べるとちょっとバラつきが目立つが、それでも微々たるものだ。

互いに行進し、距離を詰めているのだが、アメリカ側の方が先に行進を止める。

しかし、イギリス側は行進をやめることなく、ゆっくりと歩いている。

 

「構え!!」

 

アメリカ側はガチッと肩に担いでいるマスケット銃を下ろし、撃鉄を下ろす。

 

「狙え!!」

 

そして、行進してくるイギリス側に銃口を向ける。

 

「撃て!!」

 

アメリカ側の戦列歩兵からはいくつもの白い煙と銃声が鳴り響く。

そして、イギリス側の戦列歩兵に弾が当たると、当たった者はその場に倒れる。

しかし、マスケット銃は元々命中率がそこまで高い銃ではない。

一斉射撃をしても届かない弾もあり、イギリス側の被害は微々たるものだった。

 

「止まれ!!」

 

リーダーが留まるように指示を出し、鼓笛隊は演奏を止め、部員たちは行進を止める。

 

「構え!!」

 

続いて、アメリカ側と同じく、部員たちは肩に担いでいたマスケット銃を下ろし、撃鉄を下ろす。

 

「狙え!!」

 

そして、アメリカ側の戦列歩兵に銃口を向けると、

 

「撃て!!」

 

一斉に撃つ。

今度はイギリス側の戦列歩兵の銃から白い煙と銃声が鳴り響く。

アメリカ側と違い、距離を稼いだイギリス側の方が、命中率が高かった。

その後、

 

「突撃!!」

 

銃剣をつけたマスケット銃で突撃するイギリスの戦列歩兵たち。

使用している武器が非殺傷とはいえ、その様子は本物の戦争そのものの様子だった。

結果はイギリス側の勝利だった。

 

競技終了後、シュテルは約束通り、カレンとグレニアと共に写真を撮りに行った。

その際、折角貸衣装があると言うことなので、着替えてからの撮影となった。

 

(コミケのコスプレ会場だな‥‥)

 

着替えて写真撮影をするシュテルはそう思いながら、カレンとグレニアと共に写真を撮ったのだった。

 




ガルパンや遊戯王では、高校生なのに車やヘリの操縦をしている場面が描かれていたので、作中の世界では免許の取得できる年齢が現世と異なり、低く設定されているのかもしれません。

よって、この作品の世界でも免許の取得年齢を引き下げている設定となっています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。