やはり俺の転生生活は間違っていない。~転生先は蒼き人魚の世界~   作:ステルス兄貴

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今回は小町の視点となります。
小町ファンの皆さん。申し訳ございません。


4話

~比企谷小町side~

 

 

『総武高校:E判定 合格率20%未満』

 

『志望校の変更の必要性あり』

 

「うぅ~……」

 

塾からの帰り道で小町は模試の結果を何度も見つめ返してはため息をつく。

これは何かの間違いじゃないの?

あのごみぃちゃんでさえ入れたのだから、自分だって‥‥そう思っていたのにこれは何なの?

次に見た時には結果の内容が変わっていないかと思って、何度も模試の結果内容を見るが、勿論、そんなことはなく、厳しい現実がただそこに書かれている。

違う!!自分はこんな筈じゃない!!

自分は‥‥小町はあのごみぃちゃんなんかと違って、小町は比企谷家自慢の娘なのに‥‥!!

それなのに妹と言う事で受験に関してはどうしても小町はあのごみぃちゃんと比べられてしまう。

なんであんなごみぃちゃんなんかと比べられないといけないの!?

塾の先生からは、

 

「君のお兄さんはちゃんとやるべき事はやっていた」

 

「比企谷、君はもう少し現実を見た方が良い」

 

なんて言われる始末だ。

違う!!小町は劣等生なんかじゃない!

劣等生はあのごみぃちゃんの方だ!!

それなのにどうして‥‥?

どうして自分はこんなことになってしまったんだろう?

きっかけはごみぃちゃんが修学旅行でやらかした一件からだ。

あの日、ごみぃちゃんが修学旅行から帰って来る日、小町の携帯に由比ヶ浜さんから電話が来た。

出てみると、あのごみぃちゃんが修学旅行中に奉仕部で依頼されたクラスメイトへの告白を邪魔したと言う。

確かにごみぃちゃんは普段から彼女が居る人の事を『リア充なんていなくなればいいのに』とか言っているけど、まさか人の告白の邪魔をなんてサイテーな行為をするなんて許せない。

ましてや奉仕部で受けた依頼人の告白を邪魔して依頼を無茶苦茶にした。

依頼人の人だけではなく雪ノ下さんにも由比ヶ浜さんにも迷惑をかけた。

雪ノ下さんや由比ヶ浜さんに謝るまで小町も絶対に許すわけにはいかなかった。

ごみぃちゃんが帰って来て今回の修学旅行の事で小町が怒ったら、何かを言いそうだったけど、どうせ体裁を取り繕う為の言い訳だろう。

全く見苦しい。

こんなんだから何時まで経ってもごみぃちゃんなんだよ。

それ以来、小町はごみぃちゃんとは一切会話もせず、親代わりにしてやっていた身の回りの世話も一切放棄した。

初めはこうすることで、あのごみぃちゃんの事だからすぐに泣きついて自分の犯した過ちを認めて雪ノ下さんと由比ヶ浜さんに謝るかと思っていた。

でも、ある日を境に家の中でごみぃちゃんとぱったり会わなくなった。

朝は小町よりも学校へと行き、帰って来ても部屋に引きこもっている。

ごはんも多分自分で作っているんだろう。

お風呂は湯船にお湯を張っていないからきっとシャワーでも浴びているんだろう。

あのごみぃちゃんが小町の知らない間に家事を一人でやっている。

一人で自立した生活をしている。

夜、部屋に行って文句の一つでも行ってやろうと思ってもきっと言い訳しかしないと思うと腹立たしくて近づけない。

もう、ごみぃちゃんの姿を見たくもなければ、声も聞きたくない。

そこまで思っていた。

でも、あの後の事が気になったから、ごみぃちゃん本人じゃなくて、由比ヶ浜さんにごみぃちゃんが謝ったのかを聞くと、最近ごみぃちゃんは学校にも行ってないらしい。

謝りもせず、学校にも行っておらずどこかでブラブラと時間をつぶしている。

『働いたら負け』とか『俺は将来専業主夫になる』とかだらしない事を言っていたけど、ここまで堕落したなんてホント信じられない。

もう、あんな奴、家族でも兄でもなんでもない。

そんな冬のある日のこと、もうすぐクリスマスが近づこうとしている頃、由比ヶ浜さんから海浜高校と合同で企画するクリスマスイベントの手伝いをしてほしいと言われた。

小町はこれをチャンスだと思った。

イベントを手伝って見事成功させれば、由比ヶ浜さんや雪ノ下さんからも感謝される。

ましてや今の雪ノ下さんは生徒会長らしいから、雪ノ下さんの口から総武高校の先生に小町のことを伝えてもらえれば総武高校にも入りやすくなるかもしれない。

そう思って手伝ったんだけど、

総武と海浜の連携は上手くいかず、計画はデタラメで、何日経っても何一つ決まらないし、準備も進まない。

それに海浜校の人達は訳の分からない事をベラベラ言っているだけで、本当にイベントを成功させたいのかと思ってしまう程だ。

そして、結局、

 

「うわー、準備間に合わなくて中止とかマジウケるー」

 

「これは君たちのレスポンシビリティだよ。後で総武高の先生方には クレームを入れさせてもらうからね」

 

と、結局クリスマスには間に合わずにイベントは中止され、向こうの学校は全ての責任をこっちに丸投げしてきた。

書記である由比ヶ浜さんが記録を一切残していなかったことが致命的になったみたいだ。

そして、茫然自失したように立ち尽くす雪ノ下さんや由比ヶ浜さん達を見ていられなくなった小町もまた、いたたまれずにその場を後にしたのだった。

コミュニティセンターを出るときに、向こうの学校の人達が逃げる小町を小馬鹿にするような目、蔑むような目で小町のことを見ていたのが頭から離れない。

 

どうして……どうして、小町があんな風に見下されなきゃならないのさ!?

あのごみぃちゃんなら分かる。

あの腐れ目で、ボッチで、捻くれていて、自堕落で、根暗なごみぃちゃんならあんな風に見られて当然なのに‥‥

でも、自分はあんなごみぃちゃんなんかとは違う!!

あんなだらしなくて屁理屈ばっかりで妹の小町以外に頼れる人も居ないあんな人間としては最底辺のゴミクズとは違う!!

帰り道、ひたすらごみぃちゃんに怒りを抱き、帰ったら必ず一戦交えるつもりでいた。

今まで嫌悪して部屋に入らなかったが、もう我慢できない!!

修学旅行で人の告白の邪魔をして、雪ノ下さんにも由比ヶ浜さんにも未だに謝らない。

学校をさぼっている。

それにこのクリスマスイベントにしても由比ヶ浜さんや平塚先生があれほど困っていたのに、SOSを求める連絡を悉く無視したのだ、糾弾されて然るべきだろう。

何としても小町に、いや、雪ノ下さんと由比ヶ浜さん達にも頭を下げさせて、思い知らせてやる!!

小町がこんな惨めな目にあったのも全部、あのごみぃちゃんのせいなんだから!!

そう思っていた矢先、塾の先生から電話が来た。

つい、先日に受けた模擬試験の結果について話があると言われ、横やりを入れられたが、無視するわけにもいかないので、家に帰る前に小町は塾へと立ち寄った。

そこで、言われたのが、

 

「今の君の成績だと総武どころか隣の海浜総合さえも合格は危ういんだよ」

 

志望校である総武高校への合格どころか総武よりも下の海浜さえも厳しいと言う指摘とごみぃちゃんと小町との比較の言葉だった。

先生の指摘を受けてごみぃちゃんに対する怒りはどこかに消し飛んでしまった。

最近のごみぃちゃんに対する怒りとクリスマスイベントの手伝いで一時的に忘れていたが、今の自分は高校受験を控えている受験生なのだと言う現実を思い出した。

 

「で、でも、お兄ちゃんは総武に行ったんですよ!?」

 

流石に人前でごみぃちゃんとは言えなかったので、嫌な気分ではあるがお兄ちゃんと言う。

 

「君のお兄さん?‥‥ああ、八幡君ね。まぁ、彼は人付き合いが得意そうではなかったが、学業に関しては、君のお兄さんの成績は良かったぞ。数学だけはギリギリだったが、文系は常にトップの成績だったしな」

 

「で、でも‥‥」

 

「比企谷、君は中学では生徒会にも入ってないし、部活もやってないだろう?」

 

「は、はい‥‥」

 

「それだと推薦を貰うのさえ、難しい‥‥この辺の公立は諦めて別の学区の公立か私立を目指したらどうだ?私立なら多少お金はかかるが、今の比企谷の学力でも行ける所はあるぞ」

 

「そ、そんな‥‥」

 

受験の本番まで時間も残りわずか‥‥

奇跡が起きない限り総武高はおろか、さっき小町の事を蔑んだ目で見ていた海浜校にさえ行ける可能性はないと言われた。

高校へ行きたいのであれば、塾の先生のアドバイスに従うべきなのだと思う。

しかし、

でも、

だけど‥‥

もし、両親がこのことを知ったら‥‥小町をひたすら溺愛し、優秀で自慢の娘だと思い込んでいる二人がこの事実を知ったら、掌を返してあのごみぃちゃんと同じ扱いを受けるかもしれない。

どこかへ旅行へ行く時も、外食する時も置いてきぼりにされる。

お小遣いだってきっと減らされる。

家に着く前、小町は今回の模試の結果が書かれた紙をビリビリに破いた。

見たくない見たくない見たくない!

こんなひどい現実が記された紙なんて見たくない!!

これは全部夢だ!!幻だ!!たちの悪い悪戯なんだ!!

家に帰ると普段は夜遅くまで仕事で帰らない両親がこの日は珍しく早く家に帰っていた。

 

「おぉ!お帰り、小町!」

 

「お帰りなさい」

 

「た、ただいま」

 

「どうしたの?随分と遅かったわね」

 

「うん‥‥ちょっと塾に行って‥‥」

 

「そう‥あっ、そう言えば、小町。貴女、この前の模擬試験の結果、そろそろ出るんじゃない?」

 

「っ!?」

 

お母さんが小町にとっては忘れたい現実を突きつけてきた。

 

「どうだったの?」

 

「う、うん!いい感じだったよ。総武高に入るのも全く問題無いってさ!」

 

「そうか、そうか、流石小町だ。あの根暗なボンクラとは出来が違うな」

 

お父さんは物凄く喜んでいた。

 

「そ、そんな事よりさ!お腹すいちゃった、ご飯なに?」

 

小町はなんとか模試の結果を誤魔化す為必死に話題を逸らした。

それから小町は必死に受験勉強へと取り掛かったが、親からの過度なプレッシャー、ごみぃちゃんとの比較、合格率‥‥勉強の内容よりもそっちの方ばかりが気になって、勉強の内容が全く頭の中に入ってこなかった。

冬休みに塾の冬期講習へ行ってもまったく内容についてはいけなかった。

雪ノ下さんに助けを求めようとしたら、何とあのクリスマスイベントの少し後、雪ノ下さん、由比ヶ浜さん、葉山さんの三人は交通事故で亡くなってしまった。

大志君のお姉さんはちょっと怖いし‥‥

頼れる先輩もなく、小町は自分自身の手で何とかするしかなかった。

そして年が明けて二月‥いよいよ受験本番の月となる。

総武どころか海浜さえも未だに合格圏内に入っていない小町は受験する高校を変えようかとお父さんとお母さんに相談しようと思ったら、お父さんが勝手に総武高校へ出願書類を出してしまっていた。

この状況下ではますます言えない。

しかも滑り止めの高校なんて受ける必要もないとまで言う始末だ。

小町は総武高校のみの一発勝負となった。

 

 

なお、余談であるが、八幡自身も高校受験の際、総武高校以外の高校を受験しなかった。

いや、正確に言うと総武以外の受験をする事が出来なかったと言った方が正しい。

彼が総武を受けたのは中学時代の同級生がほとんどない事、家から近かった事が一番の理由であるが、私立を受けなかったのは両親が公立よりも学費がかかる私立に入れるつもりがなく、もし受験に失敗していたら、八幡はその時点で家から放り出されていた。

当時は家から放り出されたらもう生きていけないと思った八幡は死に物狂いで勉強していたのだ。

勿論、小町はそんな八幡の事情など知る筈もなく、彼が年始年末に必死で受験勉強をしている間、小町は両親と共に旅行へ出かけていた。

 

 

受験まで一週間を切ったある日、この日もお父さんとお母さんは仕事から早く帰って来た。

 

「小町、今日はお祝いだ!!」

 

「お祝い?」

 

なんだろう?

今日はお父さんの誕生日でもお母さんの誕生日でもない。

小町の誕生日は3月だし、ごみぃちゃんの誕生日なんて論外だ。

そもそも小町が知る限りお父さんとお母さんがごみぃちゃんの誕生日を祝ったところなんて見たこともない。

クリスマスだって小町はプレゼントを貰ったけど、ごみぃちゃんはプレゼントを貰ったところを見た事が無い。

だから一体何のお祝い事なのか首を傾げると、

 

「高校入学の前祝いだよ、総武高のな!!」

 

「っ!?」

 

お父さんが笑いながら何のお祝いをするのかを言う。

 

「小町ならあの程度の学校なんざぁ、余裕で入れるさ!そうだろう?小町」

 

「う、うん‥勿論だよ」

 

今更無理なんて言えない。

 

「ほらほら、暗い顔しないで元気出して。幸せが逃げてくわよ?」

 

「よーし、小町。今日はお前の好きなもんを沢山食べさせてやるぞ~!」

 

「あっ、えっと‥‥でも、勉強を‥‥」

 

「いいから、いいから、今日は甘えておきなさい。たまには息抜きしないと……」

 

お父さんとお母さんは小町の手を引いてレストランへと向かった。

 

「そう言えば、最近あのボンクラの姿を見ていないが、アイツ、今何しているんだ?」

 

お父さんは思い出したかのようにごみぃちゃんの事を呟く。

 

「そうね‥‥でも、大丈夫でしょう。昔から旅行の時も外食の時も、一人でお留守番させていたから何とかできるんじゃない?」

 

「それもそうだな」

 

お父さんとお母さんはごみぃちゃんの事をさっさと忘れる。

そう言えば、私自身も此処最近は受験の事で手いっぱいだったけど、ごみぃちゃんの姿見ていないな‥‥まっ、いいかあんなの‥‥それよりも今は自分の受験に集中しないと‥‥

 

八幡に対する異常なまでの関心の無さから、彼が既にこの世に存在して居ない事を知らない比企谷一家だった。

 

 

そして、やってきた総武高校の受験当日‥‥

 

「では、試験を始めて下さい」

 

試験官の先生の合図で一斉に試験が始める。

周りの受験生達はカリカリカリ‥‥とシャーペンで解答用紙に答えを書いていく。

でも、小町は問題を見た途端に頭の中が真っ白になる。

 

えっと‥‥これは‥‥

 

えっと‥‥こっちは‥‥えっと‥‥どうやるんだっけ?

 

解答用紙に何を書いたかなんてもう覚えていない。

気が付いたら試験は終わっていた。

 

 

 

 

それから月日が流れ、四月。

桜の花が咲き、ポカポカと陽気な日差しの季節となり、新年度、新学期、新生活、人も空気も何もかもがあたらしくなる時期。

総武高校を受験した比企谷小町に奇跡が起き、桜が咲いて晴れて総武高校生になれたのかと言うと‥‥

 

 

「貴方があの子の成績も知らずにお祝いしようなんて言うからこうなったんでしょう!?」

 

「アイツの成績を知らなかったのはお前も同じだろう!?大体、お前が小町を普段から甘やかすからこうなったんだろうがぁ!?」

 

「私のせいだって言うの!?そう言う貴方だってそうじゃない!小町が家出した時も探しもせずに!休日はいつも寝てばかりで、小町の勉強なんて全然見ていなかったじゃない!?」

 

「なんだと!?俺はお前達の為に普段から夜遅くまで仕事をしているんだぞ!?」

 

「私だってそうよ!!だいたい、貴方はいつもそうやって何でもかんでも私に押し付けて自分は言い訳ばっかりして!!」

 

「押し付けだぁ?お前だってそんなことを言える身分か?!家のことなんざぁろくにしてないだろうがぁ!?」

 

比企谷家からは大声で激しく言い争う男女の声が聞こえてきた。

先日行われた総武高校の入学試験の結果発表の日、小町は密かに奇跡と言うモノを信じていた。

何も覚えていなくてもきっと脳がこれまで自分が勉強をして来たことを覚えているに違いない。

体が覚えていて正解を書いているに違いないと‥‥

しかし、現実は無情で、合格者の中に小町の受験番号は入っていなかった。

勿論、補欠合格者の中にもだ‥‥

小町本人は当然として、両親もショックを隠し切れなかった。

合格発表のその日から小町は部屋に引きこもっている。

中学校の卒業式にも参加していない。

総武高校以外の高校を受けていなかったのも致命的で小町は高校受験に大失敗をして高校浪人となった。

周囲の同級生達は高校生デビューを果たしたのに小町だけは高校に行っていない。

それからと言うもの、比企谷家からは男女の言い争う声が絶えなくなった。

それはご近所にも聞こえる程の声の大きさでその内容から小町が高校受験に失敗した事、

ショックで引きこもりになっている事がご近所に筒抜けだった。

その声を聞いてご近所の噂好きの奥様方は比企谷家の家族の噂話をしている。

 

「また、今日も言い合っているわよ。比企谷さん家‥‥」

 

「確か、お嬢さんが高校受験に失敗したのよね?」

 

「息子さんは進学校の総武高校に受かったのにねぇ~」

 

「でも、あそこのお嬢さん、あんまり頭がよさそうには見えなかったじゃない?」

 

「そうね。なんか、頭が緩い~感じだったわね」

 

「そう言えば、知っている?」

 

「なにかしら?」

 

「比企谷さん家の息子さん、失踪したんですって‥‥」

 

「まぁ、どうして?」

 

「なんでもご両親から今まで虐待を受けていたらしいわよ」

 

「ホントに!?」

 

「でも、息子が失踪したのに心配せず、探そうともせず、ああやって毎日言い争いをしていると案外本当なのかもね‥‥」

 

「それに昔からご家族が旅行や食事に行っている間、一人で留守番しているのをよく見たものねぇ~」

 

「それ、私も見たわ。酷いわよねぇ~自分達は旅行や食事に行って、息子さん一人を置いて行くんだから」

 

と、比企谷家は近所から既に村八分状態となっており、噂には次第に尾ひれがついていき、

比企谷さんの家の息子さんは両親に殺された。

小町は夜な夜な街に出て男と援助交際をしているビッチである。

高校受験を失敗したのは受験当日に男と寝ていて寝坊したから。

などとある事ない事を噂され、その噂は等々比企谷夫妻の会社にまでも広がり、会社における比企谷夫妻の評判は最悪のモノとなった。

八幡の失踪については、警察は証拠がない為、両親の逮捕までには至らなかったが、世間体を気にした会社は夫妻を閑職とも言える部署へと追いやり、夫妻の今後の昇進の道は閉ざされる事となった。

 

小町は高校受験に失敗して以降、部屋に引きこもりとなり、10代からニートに成り果てた。

中学時代の友人達は、小町が高校受験に失敗した当初は彼女を心配してメールや電話を入れてきたが、その時の小町には友人達の行為が同情や嘲笑のように思えて返信は一切しなかった。

そうしている間にも月日が過ぎ、友人達は高校デビューを果たし、新たな友人を作り、過去の友人であった小町の事など記憶の彼方へとおいやり、誰も引きこもりとなった小町にメールも電話も、ましてや家に直接見舞いに来る事などなかった。

当然、比企谷家の獄潰しに成り果てた彼女の待遇はかつての八幡並み‥いや、それ以下となり、お小遣いなんてものはなくなり、外食や旅行と言った家族間のイベントさえもなくなった。

小町は兄同様‥いや兄よりも酷い引きこもりのボッチとなるが、兄とは異なり自殺する事もなく、残りの生涯を寂しく、最低な人生を送る事となった。

 

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