ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮) 作:TE
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未熟で申し訳ないです。
今回も楽しんで読んで頂ければ幸いです。
では、本編をどうぞ。
第10話~各々の事情~
「ハセヲ君。君の言い分を聞こうか?」
いきなりだが、ハセヲはヘスティアの前で正座をしている。
何故かと理由を述べるなら、2人の横にあるベッドで横たわるベルの状態を見てもらえれば分かるだろう。
「・・・えい」
「痛たたたたっ!?」
ヘスティアに身体を突かれたベルは悲痛の声を上げた。
だが、ベルに外傷は見当たらない。
そもそもハセヲが付いていながらベルが怪我するとは考え難い。
では、何故ベルはベッドに横たわっているのか?
「えいえいえいえいえい!」
「や、止めて下さい、神様!?全身の筋肉が痛いんですから!?」
そう。
前回、ハセヲとのダンジョン探索で限界以上の戦闘をしたベルは案の定、身体に負担をかけすぎてしまったのだ。
「・・・予想以上に見込みがあるから、つい、な?」
「つい、じゃあない!ハセヲ君の基準で戦闘をしたらベル君はすぐにボロ雑巾になってしまうよ!」
「まあ、実際にボロ雑巾のようにへろへろだがな」
「ハセヲさん、酷い・・・」
事実の事なので何も言い返せないベルはベッドで涙を流す。
「全く反省してないようだな、君は!それとベル君のステイタスが凄く上がってるんだけど・・・。ベル君、ハセヲ君に見せてもいいかい?」
「あ、はい。大丈夫です」
ベルからステイタスの閲覧の了承を得たヘスティアはハセヲにベルのステイタスの写しを見せる。
~~~
ベル・クラネル
Lv.1
力 :I 0 →I 15
耐久:I 0 →I 5
器用:I 0 →I 20
敏捷:I 0 →I 25
魔力:I 0 →I 0
《魔法》
・・・なし
《スキル》
・・・なし
~~~
「思ったより上がってないな」
「どこがだい!?ボク調べだと平均的に5~10くらい上がっていたら凄いんだよ!」
それが耐久・魔力以外、15以上も上昇しているのだ。
ハセヲがどれほどスパルタしてきたのか・・・。
「まあ、確かに無理をさせすぎたようだし、次からは気を付ける」
「・・・はあ。兎に角、今日、ベル君はしっかりと休養する事。ハセヲ君は自由にしていいけどちゃんと帰ってくる事。いいね?」
「・・・わーったよ」
ハセヲは適当に返事をするとそのまま外へと出て行く。
「・・・神様」
「ん?なんだいベル君?」
「ハセヲさんの事を教えてもらっていいですか?」
予想外なベルからの質問に驚くヘスティア。
「理由を聞いてもいいかい?」
「僕と一緒にダンジョンを潜っているハセヲさんは時々、焦っているような様子を見せるんです。それがどうしても気になってしまって・・・」
「・・・ベル君。君は優しい子だね。でも、そればかりはハセヲ君本人の口から聞いてくれ」
優しい心を持つベル。
しかし、同じファミリアとはいえ、ハセヲの事情を簡単に教えてはならない。
そう考えているヘスティアはベルにそう言う事しか出来ない。
「・・・分かりました!僕、ハセヲさんから話してもらえるように頑張ります!」
「頑張るのは良いけど、ハセヲ君みたいに無理や無茶をしないでくれよ?ボクは家族の苦しむ姿は見たくないのだから」
「か、神様・・・良い台詞を言いながら身体を弄るの止めてくれませんか?」
「君もボクを色々心配させそうな気がするから今の内に躾けておこうかと思ってね」
「そ、そんな!?痛たたたたたたっ!?」
ヘスティアの理不尽なやつ当たりに苦痛な悲鳴を上げるベルなのであった。
「ハセヲ様、ハセヲ様。今日は何階層まで行くのですか?」
「・・・・・・」
「ハセヲ様、ハセヲ様。昨日はパーティーを組んでいたようですがあの方は誰なのですか?」
俺、ハセヲはダンジョンに向かう途中にサポーターのリリルカと出会った。
出会ったけど、顔見知り程度の仲なので声をかけずにダンジョンへ向かおうとしたが、リリルカの方から話しかけてきたのだ。
それをスルーしてから約10分は経過しただろう。
その間もリリルカは話しかけてくる事を止めなかった。
そんなしつこいリリルカに俺のストレスが溜まるのは必然で会って―――
「ハセヲ様、ハセヲ様。リリとダンジョン―――」
「しつけえよ、糞ガキ!スルーしてんだから諦めろ!」
「やっと反応してくれましたね、ハセヲ様」
俺が怒鳴っても平然な顔をしているリリルカ。
このガキ、相変わらずの図太い神経をしてやがるようだな。
「お前、ちょっと前、別のパーティーに寄生してたじゃねえか。そこはどうしたんだよ?」
「寄生とは人聞きが悪い。そのパーティーは
「不慮、ねえ・・・」
嘘だな。
絶対に嘘だ。
仮に本当だとしてもサポーターのリリルカが無傷で居られているのはおかしいだろう。
「それでハセヲ様。今回は何階層へ?」
「・・・11階層だ」
「それはそれは!リリも着いて行ってよろしいでしょうか?」
「ダメに決まってんだろうが、糞ガキ。他のカモを当たれ」
そもそも何で俺なんだよ。
冒険者なんて腐るほどいるじゃねえか。
「リリは今、ハセヲ様ほど安心出来る冒険者様の知り合いがおりません。なので、お願いします!」
「それはつまり、俺以外に安心出来る冒険者が出来たら即行で切るって事だろ」
「・・・・・・そんな訳ないじゃないですか、ハセヲ様!」
なら、その間はなんだ!
「良いではないですか!お願いしますよ!報酬は2割でも構いませんから!」
「・・・はあ、分かった。パーティーを組んでやる。だが、俺は一直線に11階層へ行く。付いて来れなかったらそのまま置いていくからな」
「はい!宜しくお願いします!ハセヲ様!」
こうして、俺は嫌々リリルカとパーティーを組んでダンジョンへと潜った。
そして、特に問題なく11階層へと到着した。
「10階層から広いが濃霧で視界が悪いな。どっかのサポーターさんが好みそうな階層だ」
「ハセヲ様。流石のリリもそこまで露骨に言われるとショックなのですが・・・」
「行くぞ」
「無視ですか!?」
俺はこの階層を隈なく調べ上げる。
勿論、途中でモンスターの妨害もあった。
「ハセヲ様!前からオークが来ます!」
「10階層にもいたザコか」
「オオオッ!!」
「うるせえ!」
オークが雄叫びをしている間に間合いを詰めて大鎌で首を落とす。
「ガキ!伏せろ!」
「え?ひっ!?」
「ギギャッ!?」
俺は大鎌をブーメランのように投擲。
それを見たリリルカは慌てた様子で伏せると、投擲された大鎌が頭上を越えて潜んでいた大猿のシルバーバックの胴体へと突き刺さる。
「そのまま伏せてろ!」
「は、はい!」
シルバーバックに突き刺さった大鎌を手に持ち、振りぬくことで胴体を切断。
モンスターは次々とやってきたが、冷静に対処して殲滅する。
「これで終わりか。無駄な時間を使わされたぜ」
「さ、流石です、ハセヲ様。
暫くしてモンスターの襲撃が終わる。
リリルカは魔石とドロップアイテムを回収しながらそういうが、
「ガキ。少しなら良いが、度が過ぎるようなら・・・」
「わ、分かってますよ、ハセヲ様!そもそも、何もしませんって!」
11階層に来る道中でも倒したモンスターの魔石を懐に入れていた奴が何言ってやがんだか・・・。
今だって、そう言いながらドロップアイテムをちょろまかそうとしてんのバレバレだからな?
「と、ところでハセヲ様!リリ、先程から気になる事があるのですが、よろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「あの細い木の所で隠れたつもりになっている冒険者様は誰なのでしょうか?」
それは俺も気づいていた。
リリルカが言う通りで全く隠れていない誰かがこっちを見ている。
誰か、というか俺はそいつを知っていた。
「行くぞ」
「良いのですか?」
「害はねえから問題ない」
誰かを無視して俺は探索を続ける。
気づけば昼飯時だったから休憩をとる事にした。
「ハセヲ様はどうして一階層毎に隈なく探索を行なっているのですか?」
「・・・・・・」
「ハセヲ様ならもっと下の階層でも十分通用する実力なのに、何か理由があるのですか?」
『グウ~』
リリルカがさっきから質問を投げかけてくる。
答える義務がないから無視を続けよう。
「ギルドではレベル1で最近冒険者になったばかりのルーキーという話ですが、とてもレベル1の実力とは思えません。冒険者になる前は何をしていたのですか?」
『グウ~』
さっきから答えられない質問ばっかりしてきやがって・・・。
「・・・答える義務はねえ。黙って飯を食ってろ」
「もう食べ終わりました」
「は?早すぎねえか?小さな携帯食しか食ってなかったろ」
「リリは貧乏ですので、安い携帯食しか買えません。その携帯食だってもしもの為にとっておかないといけませんので、全部は食べておりません」
『グウ~』
リリルカは食事も満足に出来ないくらい貧乏なのか。
貧乏ってマジ大変なのな。
「お前のファミリアはそんなに零細なのか?うちですら、食事はちゃんと出来るぞ」
「いえ。そうではないのです。私がいるファミリア。『ソーマ・ファミリア』は月毎に稼ぎのノルマがあるのです。稼ぎの少ないサポーターであるリリにはとても厳しい金額でして、少しでも節約しないといけないのです」
「ふーん・・・」
『グウ~』
それはまた変わった規律のあるファミリアだ。
零細であるヘスティアやミアハ、大手のロキのファミリアしか知らないが、そのソーマって奴は一体どんな奴なのだろうか。
「ハセヲ様は逆に一人分にしては多すぎでは?」
「・・・これは今日休んでいる奴の分もあるからな」
『グウ~』
俺は今、手軽に食べれるおにぎりを食べている。
本当は少し置いていくつもりだったのだが、うっかり全部持ってきてしまったのだ。
「・・・食うか?」
「宜しいのですか!?」
『グウ~』
今まで一番良い笑顔を見せるリリルカ。
こいつどんだけ飢えてるんだよ。
「あ、ああ。俺もそんな大食いじゃねえからな」
「では、ありがたく頂戴いたします!」
『グウ~』
リリルカはおにぎりを食べ始める。
というか、そろそろツッコんでやろう。
「そこの堅物女!お前にも飯食わせてやるからこっちに来い!」
「くっ・・・」
さっきから『グウ~』と腹の音を鳴らしやがっていい加減無視するのも疲れた。
俺の言葉に腹に手を当てながら出てきたのは少し前に一悶着あった堅物女だ。
「まさか気づかれてしまうとは・・・」
「一応言っておくが、腹の音が鳴るもっと前から気づいてたからな?」
「なっ!?」
腹の音が原因のような反応を見せていたのでそう言ってやったら驚いた顔をする堅物女。
「ハセヲ様。この少し残念な冒険者様は一体?」
「少し前に色々あってな。『残念堅物女』と覚えておけばいい」
「止めろ!私には『ヤマト・
『グウ~』
怒鳴る堅物女だったが、同時に腹の音が鳴る。
「で、おにぎりは食うのか?食わないのか?」
「・・・頂きます」
堅物女ことヤマト・
「それで、どうして後を付けていたんだ?」
昼ごはんを終えたハセヲ達。
ハセヲはストーカーをしていた
「それは、その、ハセヲ、殿にお礼と謝罪をと・・・」
「お礼と謝罪?」
何の話なのか理解できていないハセヲだが、
「主神タケミカヅチ様やファミリアの皆から最近腕が上がっていると褒められたんだ。そのきっかけがハセヲ、殿と試合をしてからだと言われたのだ。新調した武器もハセヲ、殿から頂いた魔石とドロップアイテムのおかげで折られた刀よりも良い刀を買えた。そんな事情もあり、タケミカヅチ様からハセヲ、殿にお礼と謝罪しっかりしてくるようにと命じられたのだ」
「別にそんなものはいらねえんだが・・・。そもそも、本人が気乗りしてない事をされても逆に不愉快だ」
「っ・・・!」
ハセヲの言う通りで、
負け自体はしっかりと受け止めているし、言い訳をするつもりはない。
己の未熟な精神の結果であると理解している。
だが、万全の状態であったのなら、純粋な勝負であったのなら、ハセヲに負けるはずがない、と
「・・・面倒だが、はっきりさせたいなら相手になってやる」
「・・・良いのか?ハセヲ、殿」
「俺は相手になってやると言ったぞ。つうか、殿を無理に付けるな。鬱陶しい」
「・・・分かった。では、ハセヲ。私と今一度戦って欲しい」
ハセヲと
如何でしたでしょうか?
ベルの魔改造に、リリの再登場、さらには命のリベンジマッチと色々突っ込んでみました。
次回は命のリベンジマッチとなります。
戦闘シーンは文章にするのは本当に難しいです。
読者の方にちゃんと共有出来るか不安ですね、、、
感想・評価をお待ちしてますのでよろしくお願い致します!
ではまた次回!