ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮) 作:TE
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今回のお話ですが、
またツッコミ所がありますが、気にしないで読んで頂けると幸いです!
では本編をどうぞ!
第12話~異常事態と出会い~
「ハセヲさん!今日は何階層まで行くんですか?」
「秘密だ」
ハセヲとベルがダンジョンに向かいながら他愛ない話をしている。
どこか緊張している様子のベル。
別にハセヲと2人きりで緊張している訳ではなく、ちゃんとした理由があった。
「今日は初めてのソロ探索か・・・」
「緊張しているのか?」
「それはしますよ。今まではハセヲさんとずっと一緒でしたからね」
2人が出会ってもう2週間が経った。
その2週間でベルはハセヲに厳しく特訓を受けていて、メキメキと実力を付けていった。
その成果を今回試す事になったのだが、やはり不安があるようだ。
「ベル。成果を試す為に与えた
「あ、はい!今日一日で換金金額15,000ヴァリス稼ぐ事です」
『今日一日で15,000ヴァリスを稼ぐ』
冒険者になって2週間しか経っていないベルにはとても無茶な内容である。
しかし、ハセヲはベルなら出来るであろうと思い、その
ちなみに現在のベルのステイタスは―――
~~~
ベル・クラネル
Lv.1
力 :I 15 →H 170
耐久:I 5 →I 92
器用:I 20 →H 132
敏捷:I 25 →G 275
魔力:I 0 →I 0
《魔法》
・なし
《スキル》
・なし
~~~
「今のお前なら油断せず、死に物狂いでモンスターを狩り続ければ出来んだろう」
「し、死に物狂いなんですね。エイナさんが聞いたら大激怒ですよ・・・」
「そんなのに気にしてんじゃねえよ。まあ、
「え・・・?」
ハセヲのスパルタ特訓を受けてきたベルにとって、これ以上をされてしまうなんて地獄でしかない。
それだけは絶対に避けなければならない。
「嫌なら変な緊張してないで倒すことだけ考えろ。いいな?」
「は、はい!分かりました!頑張ります!」
地獄の特訓は絶対に避けたい、という気持ちで一杯になったベルは先程までのソロで探索する不安は既に消えていた。
「それじゃあな。
「ハセヲさんの方が沢山稼いで来るんだけど、了解です!」
2人はダンジョンに潜ると別々の方向に向かって走り出した。
初めての別行動でまさかの事態に陥るなんてこの時の2人は思ってもいなかった。
「おらっ!」
俺、ハセヲは13階層でモンスターを倒している。
ここからがレベル2の冒険者の領域との事らしい。
「ガルルルッ!」
「またヘルハウンドか・・・」
子牛くらいの大きさの犬型モンスター『ヘルハウンド』。
そこいらの防具では簡単に溶かしてしまう火炎攻撃をするのが特徴である。
そんな事から
「ガルアアアッ!」
早速、火炎攻撃をしてきやがった。
普通に避けられるが俺は敢えて攻撃を喰らう事にした。
「・・・せいっ!」
「ギャッ!?」
火炎の中から飛び出した俺は双剣でヘルハウンドを切り刻んだ。
俺は一応火炎攻撃を受けて怪我はないか確認したが、無傷で問題はなかった。
どうして無傷なのかというと今日から新しく装備しているマントに秘密がある。
このマントは『
火耐性や防寒にもなる便利なアイテムとの事で見た目は普通のマントで疑っていたのだが、どうやら本当のようだ。
「ふーん。少しはヘスティアにも感謝しておくか」
というのも、このマントを用意してくれたのは他でもないヘスティアだった。
俺は一週間後には13階層に潜る、とヘスティアには伝えておいたのだが―――
『こ、こうしてはいられない!』
と言って、ヘスティアは血相を変えて拠点から飛び出していった。
暫くして戻ってきたヘスティアにどうしたのかと聞いたが、あいつは教えてくれなかった。
昨日の夜にベルが居ない所で呼び出されたのだが、その時に渡されたのが
正直、止められると思ったがヘスティアは許してくれた。
『ハセヲ君は、ベル君の為に自分の目的を後回しにしてくれたんだ。そんなハセヲ君を止めるなんて事はしないさ』
そう。
俺はベルがソロである程度戦える力を手に入れるまで、ダンジョンの探索を控えていた。
ベルとの鍛錬を終えた後、再びダンジョンに行く事もあったが、限られた時間しか潜れないので経験値と金稼ぎを中心に活動していた。
『それにステイタスも13階層以降でも十分に戦える筈だからね。もう逆にこのステイタスでランクアップしないのが不思議に思うけど・・・』
ダンジョン探索が行なえない分、経験値稼ぎをした俺は一気にステイタスが上昇している。
~~~
ハセヲ
Lv.1
力 :S 929 →SF 1301
耐久:A 831 →SG 1222
器用:SI 1023 →SE 1425
敏捷:A 880 →SI 1050
魔力:I 0 →I 0
(※本来はS以降は「SS」とSが並ぶ仕様なのですが、多すぎるので第12話からは下から数え直す仕様となっております。)
《魔法》《スキル》
・・・変化無し
~~~
ランクアップにはきっかけが必要となるのだが見当も付かないので今の所はどうでもいいだろう。
このステイタスなら13階層以降も戦えるのなら問題ない。
というか、このステイタスは絶対に他の人には見せられないだろうな・・・。
『ボクは帰るきっかけを探す事の力にはなれないけど、これくらいの手伝いはさせて欲しいんだ』
とても申し訳なさそうに言うヘスティアの顔を見て俺は心が痛くなるのを感じた。
少し前だったら、そんな事感じる事さえなかったのに。
俺はこの世界に来て何かが変わってきているのかもしれない。
『お礼なんて不要さ!オーダーメイドで200,000ヴァリスもしてしまったけどハセヲ君の力になれるのなら安いもんさ』
そんなヘスティアの言葉に俺は石の様に固まってしまった。
200,000ヴァリス?
0が多くないか?
詳しく話を聞いてみたら本来の
俺がヘスティアからもらった
それだけではなく、耐久性も本来の物より優れた物が使われているらしい。
その割当て金額を確認してみた。
~~~
元々の値段(100,000ヴァリス)
+
カラーリング(70,000ヴァリス)
+
性能アップ(30,000ヴァリス)
~~~
性能アップよりカラーリングの方が金が掛かっていた。
『いや~、黒は意外と変えにくい色らしくて無理を言ってやってもらったらこんな金額になってしまったんだよ。って、どうして目が笑っていない笑顔を向けながらボクの自慢のツインテールを掴むんだい?というか、これデジャブ―――』
この後のヘスティアは、まあいいとして・・・。
ヘスティアはうちが零細なファミリアである事をちゃんと理解しているのか?
まあ、最近、俺とベルで金を稼いで少しずつ余裕が出来て、家具などを買い揃えたり出来ていたが、高額な装備にオプションを付ける余裕はない。
例えそれが俺の為だったとしてもだ。
あいつの浪費癖もどうにかしないといけないな。
俺はまた別の心配事を抱えながらダンジョン探索を再開するのであった。
「・・・おかしい」
13階層で探索を行なってから暫くして、ハセヲはある違和感を感じていた。
「モンスターが全然出現してこない・・・」
ハセヲとしては探索が楽になるから大助かりな状況ではあるが、その状況がかえって不安を感じてしまう。
だが、気にしすぎていてもどうしようもならないし、13階層の探索はあと少しで完了するので先を急ぐ事にした。
「・・・何もない、か。この階層もはずれだな」
13階層に帰る手掛りを見つける事は出来なかった。
溜息を吐くハセヲは次の14階層へ降りる為、移動しようとした時だった。
「ブモモオオオオオッ!!」
ハセヲがダンジョンに潜ってから一番の咆哮。
振り向くとその咆哮に見合った巨体と雰囲気を醸し出すモンスターがいた。
その正体は顔が牛のモンスター『ミノタウロス』だった。
「ミノタウロス?エイナさんの話だと15階層から出現する筈だろうが。しかも―――」
「ブルルルッ」
「オオオッ!」
「3体もいやがる。どうなってんだ?」
最初に現れたミノタウロスの背後からさらに2体のミノタウロスが現れた。
計3体のミノタウロスがハセヲの前に立ちはばかるという異常な光景が発生してしまう。
「レベル1の冒険者じゃ絶対に敵わないらしいが―――」
「ブオッ!?」
レベル1あるいはレベル2成り立ての冒険者であれば余りの異常事態に恐怖で動けないかもしれない。
しかし、ハセヲは違った。
「オオオオッ!」
「遅いんだよ!」
凄い速さで真ん中に居たミノタウロスの前へと接近するハセヲ。
接近されたミノタウロスは剛腕から放つ拳で迎い撃つが、擦れ擦れで避けるハセヲ。
「せいっ!」
「―――」
ハセヲはがら空きになったミノタウロスの首元へ双剣を一閃。
あっさりとミノタウロスの首を切り落した。
首と胴体が切り離されたミノタウロスは声を上げる間もなく絶命してしまう。
「どうした?掛かって来いよ」
「ブ、ブオオオオッ!!」
ハセヲの左右に居たミノタウロスは絶命した者と同じように拳でハセヲを攻撃する。
当ったら骨は粉々になるだろう攻撃にハセヲは避けずに双剣を構えている。
「・・・オークやシルバーバックよりも力があるな。流石は中層クラスの大型級だ。少し手が痺れたぞ」
「オオオ!?」
2体のミノタウロスからの挟撃を双剣で防いだハセヲ。
自分よりも細くて小さい人間に片手で防がれると思っていなかったミノタウロスは驚愕している。
「はあああっ!!」
ハセヲは独楽のように回転してミノタウロスの拳を弾き飛ばす。
弾き飛ばされて体勢を崩したミノタウロス。
その生じた隙をハセヲは見逃さない。
「オラオラオラオラ!」
ハセヲは何度も何度も双剣でミノタウロスを切り刻む。
まるで炎のような猛攻にミノタウロスの反撃は許されず、呆気なく倒される。
残るミノタウロスは1体。
ハセヲがその1体へ狙いを定めた、その時だった。
「とりゃあああ!」
「オオオ―――!?」
「・・・は?」
ハセヲやミノタウロスではない掛け声が聞こえたと思ったら、ミノタウロスの横から第三者が飛び蹴りでミノタウロスを吹き飛ばしてしまう。
吹き飛ばされて頭から壁へと突っ込んだミノタウロスはピクリとも動かない。
飛び蹴りと頭から壁に突っ込んだ衝撃で絶命したようだ。
そんなミノタウロスを見た後、ハセヲは急に現れた第三者に目を向けた。
「ふう。君、大丈夫~?」
そんな気が抜けるような声で喋りかけてくる少女。
褐色肌で露出が多い民族衣装を着ており、ミノタウロスを蹴り飛ばすなんて信じられない小柄な容姿をした少女であった。
僕、ベル・クラネルは冒険者になって2週間が経ちました。
主神ヘスティア様や先輩のハセヲさんと楽しく過ごしています。
ヘスティア様は美しくて可愛くて優しい神様だし、ハセヲさんは訓練の時は怖いけどそれ以外は面倒見の良いお兄さんのような人です。
そんな2人と出会えただけでも、僕は迷宮都市に来て良かったと思っています。
「ブオオオオオオオオッ!!」
「うわあああああああっ!?」
でも、そんな楽しい日々が間もなく終わろうとしています。
ハセヲさんの
そしたら中層にしか現れない筈のミノタウロスと出くわしてしまい、絶賛追いかけられています。
必死に逃げていますが、今の僕のステイタスではいずれ捕まり、殺されてしまう。
「い、行き止まり!?」
目の前に見えたのは壁しかない部屋。
無我夢中で逃げていたらまさかの行き止まり。
まさに絶体絶命のピンチです。
「どうするどうするどうする!?」
僕は頭の中をフル回転させて、この危機をどうすれば乗り越えられるか考える。
『思考を止めるな。身体を動かせ。止まった瞬間、死ぬと思え』
そんなハセヲさんの教えを守っているんだけど、格上のモンスター相手にどうすれば・・・。
「正面の壁に背後から追いかけてくるモンスター・・・よし!」
僕は一か八かの作戦を実行する事にした。
「こ、こ、だあああああああっ!!」
「オオオオッ!?」
僕の短剣がミノタウロスの目へと突き刺さった。
何をしたかというと、全速力で壁へと跳び、その壁を蹴るようにして方向転換をしてミノタウロスへ突っ込んだ。
予想通り、急な方向転換に動揺するミノタウロスは隙だらけで僕が目に短剣を突き刺すには十分であった。
流石に倒すまでには至らなかったけど、逃げるには今がチャンスだ!
「オオオッ!!」
「うわっ!?」
ミノタウロスが僕の逃げる道を妨げるように腕を振り下ろしてきた。
僕は慌てて後方へと下がって距離をとる。
「やばいぞ。出口を陣取られた」
「オオオオオオオオオオッ!!」
「ぐっ!?身体が!?」
僕の短剣を抜いたミノタウロスはそれを地面に叩き付けて破壊してしまう。
これで僕の攻撃手段が消えてしまい、さらにミノタウロスの咆哮が僕の意思を問わずに萎縮させ動けなくなってしまう。
「オオオオオッ!」
「ぐはっ!?」
ミノタウロスの拳が僕の胸に当る。
胸当てのおかげで少しはダメージを減らせたけど、大ダメージなのは変わらない。
「うううっ」
「オオオッ」
少しずつ距離を詰めてくるミノタウロス。
その姿はまるで死刑執行人のようだ。
僕の人生はこんな呆気なく終わってしまうなんて・・・。
嫌だな・・・。
僕が密かに期待していた女性との出会いを求めるのは間違いだったんだろうな・・・。
その事をハセヲさんに言ったら凄く呆れた顔されたっけ・・・。
「オ―――」
「えっ?」
僕が内心で笑っている間に、ミノタウロスが僕に止め刺そうとした時だった。
動きが止まったと思ったら、次の瞬間にはミノタウロスは細切れとなってしまったんだ。
その時にミノタウロスの血を浴びてしまったんだけど、そんな事気にならない出会いが起こる。
「・・・えっと、大丈夫?」
それはまるでエルフ以上の美しさで天使様のような女性が僕の目の前に居た。
やっぱり、ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていなかったんだ!
如何でしたでしょうか?
少しだけですが神々の嫁が登場です笑笑
ハセヲのステイタスやベルのステイタスはどうですかね、、、
上げすぎたような気もするけど気にしないで頂けたら幸いです。
次回も早く更新出来るように頑張りますのでよろしくお願いいたします!
感想・評価もお待ちしてますのでよろしくお願いいたします!
ではでは!