ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮) 作:TE
私自身驚きの連日更新ですね、、、
土日は無理だろうなー
と言うわけで、本編をどうぞ!
第13話~誰の為に~
「ハセヲ君。どういうつもりなの?」
「・・・何が?」
「何がじゃない!分かってるでしょ!」
ギルドのカウンターで俺、ハセヲはアドバイザーのエイナに尋問されていた。
その内容はというと―――
「どうして、まだ冒険者になって一月も経たないベル君をソロでダンジョンに潜らせているんですか!」
―――である。
まあ、確かに普通の冒険者は最低でも3人以上でダンジョンに潜るからソロで潜るのは大変危険であるのは知っている。
少し前までは俺と2人パーティーだったのに昨日からソロで活動を始めたのがばれてしまい、お説教を受けているのだ。
「しかも、ベル君は調子に乗って5階層まで潜った挙句、ミノタウロスに襲われたんだよ!」
それは俺もベルから聞いた。
一太刀与えたが結局追い詰められて『アイズ・ヴァレンシュタイン』という冒険者に助けられたらしい。
しかも、その美しさに一目ぼれしたらしく、アイズ・ヴァレンシュタインの為に強くなると張り切っていた。
勿論、ヘスティアにはその事は内緒である。
「ミノタウロスねえ。確か遠征帰りのロキ・ファミリアの連中がポカして逃げられた奴らの事だよな。完全にそいつらの不手際じゃねえか」
「そ、それは・・・」
「逃げられたのは、まあ、仕方ないかもしれない。格上の相手に怯え逃げるのはよくある。だが、17階層から5階層の間までに仕留め切れなかったのはどうなんだって話だ」
実力者揃いのロキ・ファミリアの冒険者ならミノタウロスを簡単に倒せる冒険者なんて沢山いる筈だ。
「遠征帰りで疲労していたからとかそんな理由なら落胆ものだな」
「ははは。耳が痛い話だね」
「ん?」
背後から声が聞こえてきたので振り向くとそこには、金髪のガキと緑の髪で長髪のエルフと立派な髭を生やした男がいた。
「なんだ、手前らは?」
「ちょ、ちょっと!?失礼でしょ!この方達はロキ・ファミリアの重鎮達よ!」
大慌てなエイナの説明によると、
金髪のガキは、ロキ・ファミリアの団長【
緑の髪のエルフは、【
エイナが妙に緊張して紹介してたが・・・。
立派な髭の男は、【
ドワーフの男で背中に大きなリュックを背負っている辺りかなりの力を持っているのは分かる。
3人共、レベル6の第一級冒険者。
初めてみたが、確かにそこらの冒険者より雰囲気が違うな。
「改めて、フィン・ディムナだ。よろしく、ハセヲ」
「ども・・・。俺の事を知っているようっすけど」
「ああ。ロキから君について話は聞いているよ」
やっぱりか。
「僕達が居ない間、お世話をしてくれてありがとう。ロキがあんな楽しそうに遠征で僕達が居ない時の話をしたのは始めてだよ」
「お世話つーか、無理矢理付き合わされただけっすけど。まあ、そのおかげでただ飯が食えたんすけどね」
「ロキが迷惑をかけてすまないな。ただ飯?どういうことだ?」
リヴェリアがそう訪ねてきたが、ロキの奴黙ってやがるな?
「ロキと酒場でよく飲むんすけど、いつも酒の飲み比べ対決で支払いを決めるんすよ。何回行ったか忘れたけど俺の全勝で全部支払ってもらってんだ」
「・・・初耳だな。これは帰って問い詰める必要があるな・・・」
ロキ、俺は悪くないから恨むんじゃねえぞ?
「がははははっ!ロキと飲み比べで全勝するとは中々見上げた男ではないか!」
「どうも・・・」
ドワーフってやっぱり豪快な奴が多いようだ。
これ以上話していると面倒な事になりそうな気がするのでそろそろお暇しよう。
「それじゃあ、俺はこれで」
「ああ。時間を取らせてすまなかったね」
「ハセヲよ。今度、酒の飲み比べをしようではないか!」
「まあ、機会があれば・・・」
「あ、ハセヲ君!ベル君の事、ちゃんと考えて上げてよ!」
「へいへい」
フィン達のおかげでエイナの説教を回避出来た俺はそのままダンジョンへと向かう。
さりげなく、ガレスと変な約束をしてしまったが、まあ、奴らと飲む機会なんてそうないだろう。
「ハセヲ」
「うおっ!?」
ハセヲはダンジョンの探索が終わって帰っていると、背後からメイド服を着たリュー・リオンが話しかける。
「なんでお前はいつも俺の背後から話しかけてくるんだ!わざとか?わざとなのか!?」
「そういう訳ではないのですが・・・」
申し訳なさそうにしているリューを見る限り、本当にわざとではない様子である。
そんなリューを責め立てる事が出来ないハセヲは舌打ちをするしか出来なかった。
「それで、今日も慣れない客呼びか?毎回かなりの確率で逃げられているのによくやるよ」
「私も向いてないと分かってはいるのですが、これも勉強だとシルに言われまして。まあ、それはいいとして。ハセヲ、今日はうちで食べませんか?クラネルさんも来店してますよ」
「ベルが?」
てっきり拠点に帰っていると思っていたハセヲ。
朝方にベルがリューの友人『シル・フローヴァ』と来店する約束をしていたのだが、ハセヲが知る由もない。
「飯はまだだからいくか・・・」
「ありがとうございます。クラネルさんはカウンターの奥の席にいますので」
「分かった」
リューの説明を聞いてハセヲはベルの下に向かう。
店に入るといつも以上に騒がしい様子なのがすぐに理解したハセヲ。
その原因はハセヲがよく知る人物がいるテーブルだった。
「おおっ!ハセヲはんやないか!」
「げっ、ロキ・・・」
「げっ、ってなんやねん!相変わらず冷たい奴やなー」
「ば、バカ!来るな!肩を組むな!」
ハセヲは思わずそう悪態を吐いてしまう。
それほど、今の状況が悪かった。
ファミリアでもない赤の他人に主神が仲良さげに話しかける。
そんな光景にロキ・ファミリアの団員が全員ハセヲに注目してしまうのは当然と言える。
「やあ、ハセヲ。さっきぶりだね」
「・・・どもっす」
「ははは。毎回そんな感じで絡まれているんだね」
色々と察するフィンだが、止める気はないようで酒を飲み始める。
「ガハハハッ!まさかこんなに早く飲む事になるとは思わんかったぞ、ハセヲ!」
「ハセヲ。貴方のおかげでロキの隠蔽を暴く事が出来た。感謝する」
フィン、リヴェリア、ガレスとハセヲと面識のある3人が話しかける光景に他の団員がさらにハセヲを注目する。
これは逃げられない、そう感じたハセヲ。
「なんや?フィン達はもう会ってたんか?」
「ああ。魔石の換金の時にね。彼は僕達3人を前にしても物怖じしない態度をしていたよ」
「はははっ!神のうちですらそういう態度やからな!面白い子やろ!」
ばんばんとハセヲの背中を叩くロキ。
ハセヲの内心はこれ以上注目を集める話は止めて欲しいと思っている。
「せや!また飲み比べで勝負を―――」
「あー!君はあの時の!!銀髪君!!!」
ロキの言葉を遮ったのは、第一級冒険者【
食事中だったのか、大きなスプーンでハセヲを刺しながら叫んでいた。
「ど、どうしたんや、ティオナ?」
「その人、昨日ダンジョンで会ったんだよ!ミノタウロスに襲われてたんだ!」
「ミノタウロスって、17階層で返り討ちしたら集団で逃げ出したあれ?」
「うん!私が間一髪って所を助けたのに怒られたんだ!」
「ほう・・・どういう事や、ハセヲはん?」
ロキに睨まれるハセヲ。
ロキだけではなく、テーブルにいた団員達の目がどういうことだと睨んでいる。
普通の冒険者だったら腰を抜かすだろう光景にハセヲは頭痛を感じながら弁明を始める。
「・・・人の獲物を奪われたらそりゃあ怒るだろ?」
「でもでも!銀髪君、レベル1でしょ?ミノタウロスに敵う筈ないじゃん!」
駆けつけた時には既に2体のミノタウロスを倒していたハセヲなのだが、ティオナはそれを知らない。
2体はティオナが駆けつけた時には灰となり、最後の1体と対面している場面しか見ていなかったのだ。
「俺には勝てる手段があったんだ」
「そうには見えなかったよ!それに―――」
「あーはははっ!止めろ止めろ!その人間が言ってる事は正しい!」
ハセヲに反論しようとするティオナを止めたのは、
彼は【
「冒険者にとって獲物の横取りはご法度。怒られるのは当然だ。例え、レベル1が無謀な手段をとって死ぬ事になろうともな!」
「・・・・・・」
ベートの明らかな挑発にハセヲはぐっと堪える。
これ以上悪目立ちをしたくないハセヲにとって喧嘩を買うのは得策ではないと判断したのだ。
「・・・まあまあ、ええやんか!横取りは確かにあかん。でもティオナはハセヲはんの事を思って助けてくれたんやからお礼の一つも言ってあげなあかんって」
「・・・それもそうだな。怒って悪かった。助けてくれてありがとう」
「え?あ、うん!いいよー!」
「ちっ・・・・・・ん?」
ハセヲの謝罪にティオナは笑顔で許した。
これでいざこざは解決したのだが、ベートは面白くない顔をしながら酒を一気飲みする。
その時、ミノタウロスの事である出来事を思い出した。
「そうだ、アイズ!お前のあの話を聞かせてやれよ!」
ベートのいう『あの話』がこれから起こる惨事のきっかけになるとは知らずに。
俺、ハセヲはどういう訳かロキ達と酒の席を一緒にしている。
どうにかして逃げ出す手段を考えなければと思っていたときだった。
「そうだ、アイズ!お前のあの話を聞かせてやれよ!」
「・・・あの話?」
犬耳野郎が言う『あの話』というのが何なのか理解できていない様子の女。
・・・アイズ?
あの女がベルが一目惚れした『アイズ・ヴァレンシュタイン』か。
見た目では判断できないとはいえ、あんな細い女が最強の一角を担う冒険者とは思えないな。
「奇跡的に5階層まで登ってきたミノタウロスに襲われていた『トマト野郎』の事だよ」
『5階層まで登ってきたミノタウロス』。
その言葉に俺は心当たりがあった。
視線を犬野郎に向ける。
「そのミノタウロスに襲われていた如何にも駆け出しの冒険者がいたんだけどよ。ミノタウロスに追い詰められていてよ。そいつは可愛そうなくらい震えあがってたんだ」
間違いない、ベルの事だ。
今にも大声で笑い出しそうな顔をする犬野郎に俺は心の中で何かが少しずつ溜まっていくのを感じた。
「ふむぅ?それでその冒険者どうなったん?助かったん?」
「間一髪でアイズがミノを細切れにしてやったんだけどよぉ。そいつ・・・あのくっせー牛の血を全身に浴びて、真っ赤なトマトになったんだよ!」
笑い堪える犬野郎。
なんだこの感情?
俺の事じゃないのにどんどん膨れ上がって来やがる。
「それにだぜ?そのトマト野郎。叫びながらどっか行っちまって・・・・・・ぷくくっ!」
犬野郎は我慢の限界なのか笑いながら喋っている。
・・・落ち着け、俺。
今にも殴りかかりたい気持ちを抑える。
「うちのお姫様。助けた相手に逃げられてやんのおっ!!」
『アハハハハハッ!!』
ロキ・ファミリアの奴らが一斉に笑い出す。
こいつら、人の痴態を影で笑って何が楽しい?
「冒険者怖がらせてまうアイズたんマジ萌えー!!ハセヲはんもそう思う―――っ!?」
何を言ったか頭に入って来なかったがロキは俺の下から離れた。
ちょうどいい。
俺はロキ・ファミリアのいるテーブルから離れ、接客に戻っていたリューに話しかける。
「エールを2杯・・・」
「・・・分かりました」
俺の注文を受けたリューはキッチンへと向かった。
「雑魚じゃあ、アイズ・ヴァレンシュタインには釣り合わねえ!」
「ベルさん!?」
犬野郎の声が聞こえたと思ったら近くでベルを呼ぶ女の声。視線を向けると店から飛び出すベルの姿が見えた。
「・・・お待たせしました」
「ああ。これ、酒とベルの飯代と迷惑料・・・」
「・・・無茶はしないように」
金が入った袋を受け取ったリューがそう言ってきた。
無茶をするな?
それは無茶な話だぜ。
俺は注文した酒を持って犬野郎の背後に回った。
全員、店から出て行ったベルに視線を向けている。
難なく回りこめたがそれに気づいた犬野郎が首だけ回して俺を見る。
「ああ?お前なんのよ―――」
バシャアアアアアアアン!!
「・・・・・・」
先程まで盛り上がっていた店内が静まり返った。
俺が何をしたのか。
それは、泥酔犬野郎に頭から酒を飲ませてやっただけだ。
唖然となる一同で一番早く我に返ったのは、酒まみれになった犬野郎だった。
「て、てめえ!なにしやがる!!」
「何をだと?」
俺は酒を一気に飲み乾してこう言い放った。
「俺の仲間を酒の肴にして笑ってんじゃねえぞ!!この犬野郎が!!」
後先の事など考えず、
如何でしたでしょうか?
新キャラ出すぎて辛い泣
なんとか書けてると思いますが変な所がありましたら言って頂けると嬉しいです!
次回はベートと対決か!?
早めに更新出来るように頑張ります!
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