ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮) 作:TE
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今回も何人か新キャラが出てきます。
楽しんで読んで頂けたら幸いです。
では本編をどうぞ!
第17話~神々の交流~
「ハセヲさん。大丈夫ですか?」
「あ、ああ・・・」
俺、ハセヲは早朝からダンジョンへ行く為にベルと共に歩いている。
「リューさんの朝稽古ってそんなに大変なんですね・・・」
ベルが言う通りで俺は、朝日が昇ってきた薄暗い時間帯にリューと朝稽古を行なっていた。
昨日、アーニャが言っていた通りに、リューは恐ろしく強く、稽古とは思えない猛攻を仕掛けてきた。
その稽古はベルが来るまで続き、その時には俺はかなり疲れ果てていた。
一応、リューは満足げだったので文句は言わずにその場を去ったが・・・。
「やられっぱなしは好きじゃねえ・・・。明日は本気で相手をしてやる・・・」
「あはは・・・。そういえば、神様、本当に帰ってきませんでしたね」
「ああ。クローゼットにドレスがあったから一度は帰ってきたみたいだが・・・」
知らない素振りをしているが、俺は拠点に帰ってきたヘスティアと会って話をしていたりする。
『ベル君の為にちょっくら行って来る!』
そんな一言を最後に出て行ってしまったのだ。
ヘスティアの奴・・・。
今度は何をやらかすつもりなんだか・・・。
「まあ、気にしててもしょうがねえ。俺達は俺達にしか出来ない事をやるだけだ」
「そ、そうですね!じゃんじゃんお金を稼いで神様を驚かせちゃいましょう!」
ヘスティアの為にと気合いを入れるベル。
お金を稼ぐのも大事ではあるが、今回は別に目的があったりする。
まだ、ベルには伝えていないがな。
「ハセヲさん!今回は2人でダンジョンに潜るんですよね!何階層に行きますか?6階層ですか?それとも思い切って8階層とか!」
「10階層だ」
「・・・はい?ハセヲさん、今なんて?」
硬直するベルが油が切れた人形のように此方を見て質問してきた。
「10階層だ。ベル。今日はお前に『大型級』と戦ってもらう」
「え・・・えええええええええっ!?」
朝からベルの叫び声が響き渡った。
ベルの叫びから時間を遡る。
場所は、ガネーシャ・ファミリアの拠点。
今回はここで、神のみが参加出来る
ハセヲやベルに言ったとおり、
「おい、本当に来てるぞ」
「ああ。噂は本当だったな」
「だが、あれは本当に
そんな様子の男神達を横目にして優越感に浸りながらヘスティアはワインを口にする。
「あら、ヘスティア。久しぶりじゃない」
「『ヘファイストス』!やっぱり君も来てたんだね!」
ヘスティアに声をかけたのは、神友である女神『ヘファイストス』。
久しぶりの神友との再会に満面の笑みでヘスティアは迎えた。
「ええ。でも珍しいわね。貴女が
「うぐっ!?それは、ドレスを汚したくなくて・・・」
本当は豪華な料理を食べたいヘスティアだったが、食べカスでドレスを汚したくないので食べる事を抑制している。
「そう。私が一番気になっていたのはそこなのよね。正直、貧乏な貴女がそんな綺麗なドレスを持っているなんて思いもよらなかったわ」
「ふふふ。神様想いの
ヘスティアは満面の笑みを浮かべながら淡い青を基調としたドレスをヘファイストスに見せびらかす。
そんな様子のヘスティアを遠くから見ていた男神は見惚れていた。
「
「当然さ!昔のボクとは違う!
「違う意味で心配になってきたわ・・・」
「ふふ・・・相変わらず仲が良いのね」
ヘスティアとヘファイストスが談笑している中、1人の女神がやってくる。
その女神は言葉では表せない美しさを醸し出している。
『美の神 フレイヤ』。
そんな女神が話しかけてきた事に驚くヘスティア。
「すぐそこで会ったから一緒に会場を回ってるのよ」
「お邪魔だったかしらヘスティア?」
「そんな事はないけど・・・ボクは君のこと苦手なんだよね」
普通に言い辛い事を平然と言葉にするヘスティア。
フレイヤはというと全く気にしてない様子である。
「私は貴女のそういうところ好きよ?それとそのドレス、とても似合ってるわ。綺麗よ、ヘスティア」
「そうだろ、そうだろ!ハセヲ君がボクの為に選んでくれたドレスだからね!」
ヘスティアのドレスはハセヲが選んだものであった。
ハセヲは金を払うだけで選ぶつもりは全くなかったのだが、ヘスティアにお願いされて渋々選んだのである。
「ハセヲって子がねぇ・・・。中々良いセンスしてるじゃない」
「本当ね。今度私にもドレスを選んでもらおうかしら?」
「ダメに決まってるだろ!ハセヲ君をフレイヤに紹介したら魅了されちゃうじゃないか!」
「あら?そんな事はしないわよ?そのハセヲって子が良い子だったらもしかするかもね?」
「ぬぐぐっ!やっぱりボクは君が苦手だ!」
ヘスティアを揶揄うフレイヤにそれを楽しそうに眺めるヘファイストス。
そんな3人が仲良く談笑している中、とある女神が参上する。
「おーい!ファーイたーん!フレイヤー!ドチビー!!」
「・・・ロキ。何しに来たんだよ、君は」
ヘスティアか大嫌いなロキが合流する。
「なんや?理由がなきゃきちゃあか―――」
ロキがヘスティアを見て、細目を思いっきり開いて驚きの表情を見せた。
「ど、ドチビがドレスを着とる!?どういう事や!?」
「な、なんでそんなに驚く!
「いやいやいや!零細なドチビのファミリアがドレスを買う余裕なんてある訳ないやん!!どんだけ借金したんや?」
ヘスティアは零細なファミリアとして有名なのでロキの驚き具合は当然と言えば当然なのかもしれない。
「借金なんてする訳ないだろ!ボクの
「
「ロキ・・・だから今回は珍しくドレスだったのね・・・」
「ロキ・・・君って奴は・・・」
ロキの思惑に、怒りで身体が震え出すヘスティア。
いつ殴りかかるか分からない状況である。
「まあ、でも!どうせ、安モンのドレスやろ?どこで買ったんや?」
「『天女の羽衣』って店だけど・・・」
「んな!?」
「あら?高級店ね?」
「そうね。私のドレスもその店で買ったわ」
「ウチもや・・・」
まさかの同ブランドと思わなかったロキは愕然としてしまう。
まさかヘスティアが自分の眷属の紹介でその店を知ったとは夢にも思わないだろう。
「そう言えば、ロキ。貴女のファミリアの名声をよく聞くわよ?上手くやっているみたいじゃない」
「い、いや~。大成功しているファイたんにそう言ってもらえるとなぁ~」
「でも、醜聞も聞いたわ。第一級冒険者であるロキの子が冒険者になったばかりのルーキーに喧嘩で負けた、ってね」
「へえー」
ヘファイストスがロキのを褒めたと思ったら、すぐさまフレイヤが貶しにかかった。
そんな様子を首を傾げながら見ているヘスティアはそんな事もあるんだなー、と他人事のように聞いていた。
そのヘスティアが気に入らなかったロキは睨みつけながらヘスティアの頬を摘まむ。
「ハセヲはんの事や!この糞ドチビがあああああああっ!!」
「痛たたたたたたたたっ!?な、なんふぁっへ!?」
頬を摘まれながら驚くヘスティア。
これで、ハセヲが大怪我した理由が判明されたのだが、予想外な事過ぎて理解が追いつかない。
「そ、その噂は本当だったの?しかも、そのルーキーがヘスティアの子だったなんて・・・」
「ハセヲはんは一体何者何や!正直に話してもらうで!ウチの子が怪我されたんやから知る権利は十分にある!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!ボクはハセヲ君が誰かと喧嘩して大怪我した事は今日知ったんだ!それがロキの子なんて今初めて知ったぞ!」
昼に店を紹介してくれたアイズ達もロキの子達だったとは知らなかったヘスティア。
だが、ロキにとってはそれはどうでもいい事である。
「十中八九、レアスキルやろ!ウチの子を倒したとき、異様な力を出しおった!」
「それは・・・」
ロキの推測はずばりで、【死の恐怖】のスキルであるとヘスティアも思った。
だが、それを正直に言えばハセヲの身が危険に陥る可能性が高い。
「・・・それを君に話すつもりはないね!」
「なんやと・・・」
「そもそも!ハセヲ君は無闇に喧嘩を売る子じゃない!ロキの子がハセヲ君を怒らせるような事をしたんじゃないのか?」
「ぐっ・・・」
これまたヘスティアの推測は当っていた。
ベートがハセヲと同じファミリアのベルを馬鹿にした事がきっかけである。
「それにハセヲ君だって君の子に全身青痣だらけで酷く重症だったんだ!これはもうお互い様のようなものじゃないのかい?」
「んぐ・・・」
怪我だけで言えば、全身青痣だらけのハセヲに対して、気絶はしたものの叩きつけられた衝撃のものなので怪我自体は軽傷なベート。
どちらが酷いと言うならばハセヲだと思う人が多いだろう。
「・・・まあ、ええ。事を大きくするつもりはないからな」
「あら?やけにあっさり引くのね。何を考えているのかしら?」
「べっつにー?ハセヲはんとは飲み仲間でもあるから仲良うしたいしなー」
「の、飲み仲間?ど、どういうことなんだい!?」
あっさり引くロキを不思議に思ったフレイヤが聞くが、ロキは適当に返す。
ヘスティアがダメならダメもとでハセヲ本人に聞くつもりだったロキ。
しかし、ヘスティアが『飲み仲間』という言葉に動揺していた。
実はハセヲはロキとたまに会って飲んでいる事をヘスティアに話していなかったのだ。
ハセヲとしては話す事ではないと悪気はないのだが、別の神と会っていると知ってはヘスティアも気が気でない。
それを悟ったロキは悪い笑みを浮かべて行動に出る。
「どういう事も何も、ウチとハセヲはんは2人っきりで酒を飲むくらい仲がええって事や。ハセヲはんは酔った勢いで愚痴ってたで?バイト以外、外に出ないぐうたらでだらしない神だーってな」
「ぐふっ!?」
『酔った』というのは嘘だが、愚痴を言っていたのは本当だったりする。
「それにな?ウチが抱きつくとハセヲはんは頬を赤らめながら慌てるんやで?可愛ええなあー。ウチの魅力でハセヲはんはメロメロちゅう訳やなー」
これも本当であるが、メロメロなのかは定かではない。
ちなみにロキが抱きついた後は、ハセヲにアイアンクローをされて引き剥がされるのがお決まりの流れであったりする。
「・・・メロメロ?それは嘘だね!絶対に嘘だね!」
項垂れていたヘスティアはロキのある部分を指差しながらこう言い放った。
「その無乳で、男を、ハセヲ君をメロメロに出来る訳がないだろ!!身の程を知るんだね!!!」
「な、なんやとおおおおおお!!」
この後、
ちなみに勝利したのは
時は戻って―――。
ダンジョンに潜っているハセヲとベルは宣言した通り、10階層まで潜ってきていた。
「はあ、はあ、はあ・・・」
現在、9階層へと続く階段の前で休憩しているのだが、ベルは仰向けになって身体を休めている。
それほどまでに疲労が溜まっているのは、その10階層で出現するモンスター達と戦ったからだ。
ベル個人での最高到達階層が8階層なのだから一気に10階層までくれば、そうなってしまうのも当然であろう。
「ふむ・・・」
しかし、ハセヲとしてはどうも納得がいっていない様子である。
それは、ベルの動きがモンスターによって明らかに変わっていたからだ。
この10階層では、ベルにとって初めて戦うモンスターばかりである。
『インプ』や『バッドバット』などの小型は少し苦戦しながらも問題なく倒せた。
しかし、『オーク』が相手だと苦戦し、最終的にはハセヲの手を借りなければ倒せない状態である。
「なあ、ベル。聞きたいことがある」
「な、なんですか?ハセヲさ―――」
「ん?お前は・・・」
上体を起こしてハセヲに視線を向けたベルが喋っている途中で、顔を真っ赤にして固まってしまった。
そんな様子のベルにハセヲは不思議に思ったが、背後に気配を感じて振り向くとそこには1人の女性がいた。
その女性は、ハセヲもベルもよく知っている女性であった。
「あ、アイズ・ヴァレンシュタイン、さん!?」
ベルの大声がダンジョンに鳴り響くのであった。
如何でしたでしょうか?
リューとの朝稽古とヘスティアとロキの争いを見たかった方はすみません、、、
リューの朝稽古はまた別の話で書くつもりです。
ヘスティアとロキの争いは、書こうと思いましたが、原作とそんなに変わらなくなってしまいそうなのでやめました。
期待していた読者様は本当に申し訳ないです。
次回はアイズがハセヲとベルに接触か?
では、また次回にて!
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