ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮) 作:TE
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早いなー
では、本編をどうぞ!
第18話~剣姫とじゃが丸くん~
「あ、アイズ・ヴァレンシュタイン、さん!?」
ベルの大声がダンジョンに鳴り響く。
俺、ハセヲはというとただ視線だけを向けた。
それに気づいたようでアイズは軽くお辞儀をして挨拶をしてくる。
「わあああああああああああああっ!!??」
「・・・は?」
そんなアイズに軽いお辞儀で返そうとしたら、ベルが奇声を上げて9階層へと上がる階段へ登っていってしまった。
あ、あの野郎、逃げやがった!
「・・・・・・」
「あ?お、おい?」
「また、逃げ、られた・・・」
今度はアイズが両手両膝を突いてしまう。
とりあえず声をかけてみたが、どうやら顔を合わせただけでベルに逃げられた事がショックだったらしい。
「あー・・・大丈夫か?」
「うん・・・」
少しして立ち上がるアイズ。
無表情だけど、雰囲気が暗い感じがするからまだ引き摺ってそうだ。
「今からでもベルを連れ戻すか?」
「ううん・・・ハセヲさんにも、用事があるから・・・」
「・・・は?俺?」
「・・・私と戦ってほしい」
アイズの用事が俺と戦う事って意味が分からないんだが・・・。
とりあえず、確認してみるか。
「・・・俺とお前が戦う理由はないと思うんだが?」
「私は、もっと強くなりたい。ハセヲさんと戦えば、強くなれると思った」
「なんで俺と戦えば強くなれると思うんだよ?」
「あの子が、この階層にいたから」
あの子、っていうのはベルの事だろう。
でも、それに何の意味があるんだ?
「あの子は、つい最近までは5~6階層でやっとの筈の冒険者だった。でも今では、10階層で戦えている。この成長は異常・・・。同じファミリアで一緒にいるハセヲさんが影響していると思った」
「流石にそれはないと思うんだが・・・」
そんな言葉ではアイズは納得しないだろう。
ならば、やる事は一つだ。
「・・・分かった。やってやる。一応、確認するが命のやり取りはなしだからな?」
「分かってる・・・」
アイズがレイピアを鞘から抜いて構える。
俺も双剣を取り出して戦闘準備を整えた。
「・・・・・・」
「・・・・・・行くぞ!」
俺とアイズの戦闘が始まった。
「うおおおおおおおっ!!」
ハセヲとアイズとの戦闘が始まって、先に動いたのはハセヲだった。
双剣でアイズに斬りかかるが、レイピアでいなされたり、すれすれで避けられたりと一回も当っていない。
「ふっ!」
「ぐっ!」
そんなハセヲの攻撃の合間を縫ってレイピアを振るうアイズ。
ハセヲはギリギリで避けるが、攻撃を止める事はしない。
アイズは手を抜いている。
それを理解しているからハセヲは守りを捨てて攻めに徹している。
「【破裏剣舞】!」
「っ!?」
ハセヲが独楽のように回転し、その勢いのまま双剣でアイズを攻撃していく。
初めて見る技に少し驚きながらもレイピアで防いでいく。
「なっ!?」
回転が終わる頃、ハセヲの手には双剣ではなく、大剣が握られている。
ハセヲは手数の多いアーツでアイズの足を止め、双剣から大剣に切り替えて強烈な一撃を狙っていた。
「うらあっ!!」
「くっ!?」
アイズは大剣による横薙ぎをレイピアで盾にして防ぐが、衝撃から耐えるために踏ん張るとレイピアが破壊されてしまう。
そう判断したアイズは力方向に身を任せて吹き飛ばされる。
「【虎乱襲】!」
吹き飛ばされ、足が地面に着いていないアイズにハセヲが追い討ちをかける。
大剣を突き出しながらアイズに一直線。
「っ!」
「ちっ!」
間一髪で足が地面に着いたアイズが全力でその場から離脱して、ハセヲの攻撃を避ける。
絶好のチャンスを逃したハセヲは思わず舌打ちを吐いてしまった。
「・・・まだ続けるか?」
「ううん・・・。止めておきます。これ以上は借り物の剣を壊してしまいそうだから・・・」
戦闘の決着は引き分け。
と言っても、お互い本気ではなかったし、アイズの武器も借り物だったのでノーゲームであると2人は同じ事を考えていた。
「大丈夫だと思うが、怪我はないか?」
「はい・・・。ハセヲさん、双剣が消えて大剣が出てきたのはスキル?」
「そんな感じだ・・・」
ハセヲのスキル【
レベルが上がった事で武器を2種所持が出来て、アイテムは50種も所持が可能となった。
ハセヲはアイズの質問に適当に答え、アイズはそれ以上詮索はしない。
「俺と戦ってどうだ?何か掴めそうか?」
「分からない・・・。でも、ハセヲさんの実力はよく分かったと思う。とても強かった」
「そりゃあどうも。ベルに逃げられて落ち込んでたとはいえ、【剣姫】と呼ばれレベル5の第一級冒険者に褒められるなんて光栄だな」
「・・・・・・」
ハセヲの言葉にジト目で睨むアイズ。
そんなアイズのプレッシャーにハセヲは苦笑する。
「冗談だよ。んな顔すんなって」
「ハセヲさんって、意地悪ですね・・・」
「悪かったって!なんかお詫びに奢ってやるから!何がいい?高い物じゃないやつにしろよ?」
「・・・じゃが丸くん」
意外な選択に驚くハセヲであった。
「さて、と・・・じゃが丸くんだったな?」
「うん・・・!」
俺、ハセヲはアイズにじゃが丸くんを奢る為に街へと訪れている。
ヘスティアがお世話になっている店に行こうと思ったが、今日は定休日なんだよな。
「ハセヲさん、あそこ!じゃが丸くんの店、ありました!」
「お前、テンション高くね?」
普段やダンジョン内と全然違う様子のアイズに俺は若干引き気味である。
そんなに好きなんだな、じゃが丸くん。
「いらっしゃいませ!って、ハセヲじゃないか」
「タケ?」
じゃが丸くんの店員がまさかの知り合いだった。
それは、神であるタケミカヅチ。
ヘスティアと同じように『タケ』と呼んでいる。
こいつのファミリアも零細で、神でありながらもバイトをしていると知ってたが、まさかヘスティアと同じ食品の店だったとは・・・。
「風の噂で聞いたぞ?お前、ロキ・ファミリアの奴と喧嘩したんだってな?」
「まあな」
「あまり大手のファミリアと問題を起こすなよ?下手したらファミリア同士の戦争に勃発するかもしれないんだからな?」
それはヘスティアにも言われたな。
まあ、次からは気をつけることにしよう。
「ああ。気をつけるよ。それより、注文いいか?おい、アイズ。何がいい?」
「小豆クリーム味!」
即答!?
相当好きなんだな・・・。
「へい!毎度!って、ん?アイズってあの【剣姫】?」
「そうだが・・・」
「な、なんで喧嘩して間もないのに、同じファミリアの子と一緒にいるんだよ!普通ありえないだろ!?」
タケが凄く驚いた表情でそう言ってきた。
言われてみれば確かにそうだな。
「なんだかんだで個人の喧嘩だから、な?」
「うん。それより、じゃが丸くんを」
こいつ、じゃが丸くんが絡むとキャラが変わってないか?
「ま、まあ、お互いが良いならいいんだが・・・」
「タケミカヅチ様!追加の食材を持ってきました!」
タケが微妙な顔をしながら話していると横から聞き覚えのある声が聞こえた。
「ん?は、ハセヲ!?」
「おう」
タケの眷属であるヤマト・
驚いた拍子に落とした箱から、材料が覗いて見えることからして、どうやら、タケのバイトの手伝いのようだ。
「喧嘩で大怪我をしたと聞いたが大丈夫なのか!?」
「この通り無事だ。というか、近い」
「え?あ、す、すまない・・・」
俺が仰け反ってしまうくらい詰め寄っていた事に気づいたヤマトは慌ててその場を離れる。
というか、動きが前と比べて速くなってないか?
「ヤマト。お前、強くなってないか?」
「その通りだ!私はつい最近レベル2になったんだ!長かったがタケミカヅチ様やファミリアの皆のおかげだ!それと・・・その、ハセヲ。お前のおかげでもある。感謝する・・・」
どうやら、ヤマトはレベル2へとランクアップしたようだ。
小さな声であったが、その一端に俺が絡んでいるらしい。
というか、どうして視線を逸らしながら言う?
顔も真っ赤だし、違うファミリアだから気恥ずかしいのか?
「・・・おい、ハセヲ。
「わ、分かった・・・」
笑っているが目が笑っていないタケに肩を掴まれながらそう言われた。
というか、掴まれてる肩が痛い。
「・・・よく分からねえが、ランクアップおめでとう、ヤマト。頑張ったな」
「あ、ありがとう!そ、それでだな?今度、一緒にダンジョンへ行かないか?レベル2となった私の実力を見てもらいたいんだが・・・」
「どうするんだ、ハセヲ?まさか、可愛い
俺の肩を掴むタケの力がさらに強まった。
マジで痛いから止めてもらいたい。
まあ、断る理由もないからいいが・・・。
「あ、ああ。良いぜ?」
「ほ、本当か!?では日時は私が決める。決まったら連絡するが良いか?」
「わ、分かった・・・」
「約束だぞ!!」
何故かヤマトとダンジョンへ行く約束をしてしまった。
ヤマトは、嬉しそうに鼻歌を歌いながらその場から去って行ってしまう。
ん?
タケの手伝いは良いのか?
俺はタケにヤマトの事を訪ねようとしたが―――
「俺が手塩をかけて育てた
「・・・・・・ハセヲ。じゃが丸くん、まだ?」
嫉妬という怨念に囚われたタケと、一向にじゃが丸くんが来なくて嘆いているアイズがいた。
なんというか、とてもカオスな空間で俺はその場から逃げ出したくなった。
「おい、ヘスティア。帰ってきたと思ったら俺だけをこんな店に連れてきてどうしたんだ?」
無事に帰ってきたハセヲが拠点でベルと一緒に夕飯を食べていると、急にヘスティアが帰ってきた。
だが、ヘスティアは慌てた様子でハセヲに武器を持って一緒に来て欲しいとお願いしてくる。
事情は分からないが言われた通りにしてヘスティアに付いて行ったハセヲは、とある建物の前までやってきた所で訪ねる。
「話は中で・・・」
ヘスティアはそう言って建物の方へと歩き出し、ハセヲもその後を付いて行く。
エレベーターのようなものに乗るとヘスティアが話し出した。
「ハセヲ君。ベル君とキミとで一番大きな違いが何かって分かるかい?」
「違い?」
「言っとくけど、強さではないよ。そんな根本的な問題ではない」
ヘスティアの言いたい事をハセヲはもう察している。
周りを見れば一目瞭然だった。
「・・・装備」
エレベーターから降りると、その階は様々な武器や防具が並べられている。
ここは、武器や防具を扱う所だが、ただの武器や防具ではない。
値札を見れば簡単には手が出せない金額であるのを見て、かなりの高級店であるとハセヲは理解した。
「そう!ハセヲ君は数え切れない程モンスターを倒しているのに、刃こぼれをしないし、メンテナンスもしていない3種類の武器。打って変わってベル君は3000ヴァリスくらいの小刀だ。ベル君が何度戦闘で破壊されてきたか・・・」
「まあ、今日もダンジョンで壊してたけどな。あいつ、いくら言っても安物しか買わねえし・・・」
今回壊した原因は、オークと戦った時にベルが無闇に攻撃したからなのだが、言ったら説教されるので黙るハセヲ。
そして少し前に、ハセヲが安物じゃなくて良物の武器に新調しろと言って、それなりのお金を渡して買いに行かせたが、零細なファミリアだと理解しているベルは遠慮して安物の小刀しか買って来なかった事があった。
「そこでボクはもっとベル君の負担を減らす為に最高の武器を用意してあげようと考えたのさ!」
「もしかして
2人がある扉の前で止まる。
ヘスティアは口角を上げてハセヲに答える。
「そう!とある神友に会う為さ。この武器・防具専門店で大手のファミリアである【ヘファイストス・ファミリア】の主神『ヘファイストス』にね!!」
扉を開け、中を見ると赤髪で眼帯を付ける女神『ヘファイストス』が待っていた。
如何でしたでしょうか?
アイズの話し方が正直自信がなかったりします、、、
次回はヘファイストスとのお話。
早目に投稿できるように頑張ります!
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