ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮) 作:TE
楽しんで読んで頂けたら幸いです!
では、本編をどうぞ!
第21話~慢心と過信と彼女の事情~
「よーし!やるぞ!!」
「ふぅ・・・」
俺、ハセヲは、やる気に満ちたベルと共にダンジョンへ来ている。
様々な目的はあるが、一番の目的は『【
先日の
その結果は―――
~~~
ハセヲ
Lv.2
力 :I 34 → H 106
耐久:I 16 → I 55
器用:I 67 → H 198
敏捷:I 31 → I 92
魔力:I 50 → H 162
覚醒:I
《魔法》
変化なし
《スキル》
変化なし
~~~
で、ベルは―――
~~~
ベル・クラネル
Lv.1
力 :F 321 →D 547
耐久:G 201 →F 303
器用:F 332 →D 556
敏捷:E 413 →B 700
魔力:I 0 →I 0
《魔法》
変化なし
《スキル》
変化なし
~~~
といった具合だ。
ベルの成長が凄い事になっている。
これはベルも張り切って力を試したくなるのも分からなくもない。
というか、俺のステイタスにもある項目が追加されている。
『覚醒』
これは『発展アビリティ』というレベルアップ時に入手できるかもしれないものらしい。
というか、レベルアップ時に現れる筈なのにどうして少し経った今頃現れたのか・・・。
考えても仕方ないからいいのだが、使える機会があれば使ってみようと思っている。
「今日は何階層から行きますか?なんか10階層でも行けそうな気がします!」
「朝からテンション高いな・・・」
「はい!だって
ベルは最早、ゲームを買ってもらって早くやりたい子供のようである。
まあ、実際に子供の年齢ではあるんだが・・・。
「・・・まずは8階層だ」
「はい!」
今のベルはなんだか不安を感じる。
8階層にやってきたハセヲとベルは、キラーアントの大群と戦闘を行なっていた。
「うおおおおおおっ!」
「よしっ!次!」
「おいっ、ベル!深追いすんな!囲まれるぞ!」
「はあああああっ!」
キラーアントの大群に突っ込み手当り次第倒していくベルの姿は正に無双。
ハセヲの言葉は全く届いていないようで、倒しては次ぎ、倒しては次ぎと、どんどん進んでいく。
「次は、いっ!?」
ベルは急に体勢を崩して動きが止まってしまう。
まだ灰となっていないキラーアントの死骸に足を取られてしまったのだ。
いつもならこんなミスはしないベル。
簡単に倒せるからと慢心し、注意力を怠った結果だった。
先行し、キラーアントに囲まれたベルに逃げ場はない。
「バカが!!」
「うわっ!?」
ハセヲはキラーアントを踏み台にして、あっという間にベルの下へ駆けつけ、片手でベルを上空へと投げ上げる。
そして、すぐに大剣から大鎌へと持ち替えた。
「【環伐弐閃】!」
大鎌のアーツで周囲にいたキラーアントを一掃する。
一掃されて後続のキラーアントの動きが止まり、その間に上空にいたベルが地面へと落ちた。
「痛たた・・・」
「ぼさっとすんな!退くぞ!」
「は、はい!?」
ハセヲに一喝してベルはすぐに立ち上がり、その場を離脱する。
そして、安全な場所までたどり着くとハセヲはベルの頭に拳骨を落とした。
「あぐっ!?」
「・・・どうして殴られたか分かるか?」
「・・・はい。ハセヲさんの忠告も聞かず先行してしまったからです」
「それじゃあ、どうしてそうなった?」
「
ベルは背中を丸くして己の失態を説明していく。
話せば話すほど自分がなんて事をしてしまったのだと感じていく。
青ざめるベルの姿に溜息を吐いたハセヲは話し出した。
「ベル。そのナイフはお前と共に成長していく。切れ味はお前が強くなっていると教えてくれているようなものだ。慢心するなとは言わない。お前に足りないものは『自信』だからな。
「あ、ありがとうございます」
「だが、『過信』はするな」
過信。
それはハセヲ自身にも心の中で言い聞かせるように言った。
ハセヲは力を手に入れ、過信し、幾度も敗北をしてきた。
そんな経験をベルにさせたくはないハセヲは厳しく今回の事を叱っている。
「過信は死に直結すると肝に刻んでおけ」
「は、はい!」
ハセヲの言葉には説得力と重みを感じたベルは力強く返事をした。
これで先程のような失態は起こす事は早々ないだろう。
「んじゃあ、ギルドに戻るぞ」
「え?もうですか?」
ノルマである金額は既に達成してあるが、いつもより早い帰宅に不思議に思うベル。
「昨日の
「・・・え?」
「お前、エイナに踏破階層を報告してなかったろ。俺がベルはソロで8階層まで行ってると話したらかなり怒ってたぞ」
「あっ・・・」
そういえば、と思い返すベル。
5階層でミノタウロスに襲われてからソロでの踏破階層については何も報告をしていなかった。
何故ならば、最近はハセヲとパーティーを組んで潜っているから尋ねられる事はなかったし、ソロの時は偶々エイナが不在の時が多かったので報告する機会がなかったのだ。
「とりあえず、今日は厄日だと思って、思いっきり叱られて来い」
「そ、そんなー・・・」
朝の時と全く逆のテンションのベルにハセヲは思わず、笑ってしまうのであった。
「さて、どうするか・・・」
生けn、じゃなくてベルをエイナに預けた俺、ハセヲはこの後の行動をどうするか考え中である。
またダンジョンに潜るのでもいいが・・・。
「やあ、ハセヲじゃないか」
「ん?」
急に声をかけられて振り向くと、ロキ・ファミリア団長のフィンがいた。
その後ろにティオネもいる。
「どもっす。ティオネも昨日ぶりだな」
「ええ、昨日はお世話になったわ」
「
「別に感謝されるような事はしてないっすよ」
俺は俺でティオナに助けられたしな。
「そんな謙遜しなくていいさ。リヴェリアも、モンスターの攻撃を受けてピンチだったレフィーヤを助け、
「お気持ちだけで十分です、と言っといてもらえます?」
仮にも大手ファミリアの副団長に感謝の言葉を言われる姿を見られたら周りがなんて思うか分かったものじゃない。
「一応伝えておくよ。無駄だと思うけどね」
「そうっすか・・・」
「ハセヲ。さっきから気になってたけど、変にかしこまらなくていい。ロキと話すときみたいにいつも通りで構わない」
「だ、団長!それは流石に・・・」
「おう。分かった」
「ハセヲ!なんでそこは謙虚じゃないのよ!!」
怒ってくるティオネだが、あの話し方って結構面倒なんだぜ?
「ふふふ。そうだ、ハセヲ。君が良ければこれから一緒にダンジョンへ行かないか?」
「ダンジョンに?」
「ああ。僕とティオネの他にアイズ、ティオナ、リヴェリア、レフィーヤの6人で一週間程潜るつもりなんだ」
これはまたロキ・ファミリアの中でも有力な面子が集まったパーティーだな。
しかも一週間も潜るとか今の俺では考えた事がない。
「とても魅力的なお誘いだが、どうして俺を誘う?レベル1のルーキーだぜ?」
「ハセヲはレベル1とは思えない実力を持っているようだからね。僕達の戦闘に十分付いていけると思うんだ」
「・・・そういって俺の実力を測ろうとしてんじゃねえの?」
「それは、どうだろうね?」
フィンめ。
見た目に反してかなりの策士なんだろうな。
まあ、じゃないとロキのファミリアで団長なんてやれねえか。
「そういうのは抜きにしても来てほしいという気持ちは変わらないよ。ティオナも喜ぶだろうし、僕も個人的に助かる」
「はあ?どういう事だよ?」
「さっき言ったパーティーの参加者を思い出してもらえれば分かるよ」
参加者?
確か、ティオネとティオナ、アイズにリヴェリア、最後にレフィーヤ・・・。
ああ、そういうことか・・・。
「色々と大変だな・・・」
「分かってくれるか?」
男1人に対して女5人とか肩身が狭いわな。
「だが、悪い。今回は止めとく」
「理由を聞いても?」
「唯でさえ俺を含めて2人しかいないファミリアだ。一週間も出てるとうちの神様が泣いちまう。それにもう1人の奴はまだ危なっかしいから面倒見てやらないといけねえんだわ」
今日のベルの様子だと当分は無理だって思っちまう。
「・・・君はそういうのはどうでも良い人間だと思ってたが、ベートとの一件で変わったようだ」
「おかげさまで・・・」
「そうか。ではまた誘うとするよ。じゃあまた。行こう、ティオネ」
「はい、団長!じゃあね、ハセヲ。今度、ティオナに会いに来てやりなさいよ?」
「は?あ、ああ、分かった」
フィンとティオネはそう言ってギルドから去っていった。
よく分からねえが気が向いたらティオナに会いに行くか。
「さあて・・・」
このままダンジョンに行ったらフィン達と会う可能性が高い・・・。
アイテムの補充も必要ないし、武器や防具なんてもっと必要ない。
今日は大人しく拠点に戻るか?
「ん?」
少し先に全身を隠すマントに身の丈以上あるリュックを背負った見覚えのある奴がいた。
顔は見えないがリリルカで間違いない。
どうやら1人ではなく、リリルカの目の前に5人の冒険者らしい奴らと一緒に居た。
「おっ・・・」
リーダーらしき冒険者がリリルカの目の前で小袋を取り出した。
すると、何を思ったのかその中身を地面へぶちまける。
チャリンと鳴る音からして硬貨であるのは間違いなさそうだ。
リリルカは落とされた硬貨を拾い、5人の冒険者はそんなリリルカの姿を嘲笑いながらその場から立ち去っていった。
サポーターの対応が悪い奴らは沢山居ると知ってはいたが、あそこまで露骨にやっていると呆れを通り越して感心する。
「・・・はあ」
せっせと落とされた硬貨を拾うリリルカだが、横通る奴らはリリルカを見ても無視したり、哀れみの表情を向けるだけで誰も手伝おうとはしない。
俺は溜息を吐きながらリリルカの下へ行き、すぐ近くにあった硬貨を拾う。
「・・・ハセヲ様?」
「・・・・・・」
俺に気づいたリリルカは驚きの表情をしていたが、話は落とされた硬貨を拾い終えてからだ。
返事をしないで硬貨を拾う俺を見て、察したリリルカも硬貨を拾うのを再開させる。
少しして硬貨を拾い終えた。
俺が拾った分をリリルカに渡した。
「ほらよ。これで全部か?」
「・・・はい。ありがとうございます、ハセヲ様。お見苦しいところを見せてしまいましたね」
「別に・・・。さっきの奴らは?」
「日雇いでリリをパーティーに入れて下さった冒険者様です。お給金は最初話した金額よりももっと低いお給金でしたけどね」
「そりゃあ酷いな・・・」
俺が素直な感想を口にすると、リリルカは苦笑しながら話し出した。
「でも、それが『普通』なんですよ。私みたいなフリーのサポーターに約束を守ってお金を払う冒険者様は滅多にいません。ましてやハセヲ様みたいに上乗せする人なんていませんよ」
「そういうもんか・・・」
ギブ&テイク。
仕事以上の働きをしてくれれば、それに見合った金を渡すのは当然である。
このオラリオでは違うようだ。
「・・・ええ。えっと、リリのつまらない事情よりハセヲ様です!色々とハセヲ様のご活躍をお耳にしてますよ?レベル5の冒険者を倒したり、
「ちょっと待て!?なんだ最後のは!?」
恐らくヘスティアとドレスを買いに出掛けた時とティオナ達と
「真偽は定かではないとはいえ、流石ハセヲ様です!もしかして、リリも侍らしている女性方の1人に加えようと考えてます?」
「考えてねえよ!?そもそも侍らしてねえからな!?」
俺がそんな最低な奴に見えるなら心外だぞ!?
まあ、いい。
これ以上リリルカのペースで話されたら面倒だ。
「なあ、これからダンジョンに行こうと考えているんだが、どうだ?」
「・・・すみません、ハセヲ様。前にも言いましたが、リリはハセヲ様とパーティーを組みたくないのです・・・」
「・・・・・・」
「それでは失礼します」
リリルカは、お辞儀をしてその場から立ち去ってしまう。
実はというと前にリリルカとパーティーを組んでしばらくして、あいつの方からこれ以上は俺とパーティーを組みたくないと言われてしまったのだ。
別に俺は何もしていない。
リリルカには何か思うことがあったのかもしれないが、今聞いたことで何も答えてはくれないだろう。
「おい!俺と組まなくていいから白髪の少年を見かけたらそいつとパーティーを組んでやってくれ!」
「・・・・・・」
背を向けたリリルカに言葉をかけるが、何も反応なくリリルカは人ごみの中へと消えていった。
改めて考えると俺はなんでリリルカに声をかけたり、ダンジョンへ誘ったり、ベルを紹介したりしているんだろうな。
横通る奴らみたいに無視すればいいのに・・・。
知らない仲ではない。だから放っておけなかった。
とりあえず、そういうことで納得しておこう。
色々と気分が乗らなくなった俺は拠点へと帰るために足を進めるのであった。
如何でしたでしょうか?
今回は原作か外伝かの分岐点になるお話でした。
ハセヲは原作でリリルカ編へ。
どうなるかは私にも分かりません!
早めに投稿出来るように頑張りますのでよろしくお願い致します!
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