ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮)   作:TE

22 / 40
書けましたので、投稿します!

いつもより少し短いですが楽しんで頂けると幸いです!

では本編をどうぞ!


第22話~一時の平常と不穏なお誘い~

第22話~一時の平常と不穏なお誘い~

 

「そろそろ時間ですね、ハセヲ」

「くっそ!今日も一本取れなかったか・・・」

 

俺、ハセヲはリューとの朝の訓練をしていたが、終わりの時間となってしまったようだ。

初回で次から本気を出すと言ってから一度もリューから一本を取れていない。

 

それが本当に悔しくて悪態を吐きながら地面へとへたり込んだ。

 

「ふふふ。そう易々とやられませんよ。ですが、動きが初回よりも格段に良くなっています。ハセヲは本当にレベル1なのですか?」

「ああ、そうだよ」

 

本当はレベル2だが、面倒だからレベル1という事にしておこう。

 

「私の目測が間違えていなければ、ハセヲはレベル2どころかレベル3でも良い戦いが出来るでしょう」

「そりゃどうも。レベル3に良い戦いが出来る俺から一本も取られないリューはレベル4以上って訳だ。一体何者なんかねー?」

「それは、その・・・」

 

俺の言葉に押し黙ってしまうリュー。

どうしてこいつは、人の冗談を聞き流す事が出来ないんだ?

 

「別にリューのレベルがなんだろうと何者であろうとどうでもいいんだがな。レベルだけで勝ち負けが決まるわけじゃねえし」

「そうですか・・・。そういえば、いつもならクラネルさんが見学しているのに今日は来ていませんね?」

「ん?ああ、今日から俺とあいつは別行動だ」

「そうなのですか?理由を聞いても?」

 

話に食いついたリューに俺は先日のベルの失態を説明する。

 

「―――と言う訳で危機感知を磨かせる為にソロで活動させているんだ。まあ、サポーターとパーティーを組むならオーケーとは言ってある」

「何故、サポーターは良いのです?」

「ベルは俺に頼りすぎている面がある。サポーターと持ちつ持たれずの関係の中で自分のやれる事をしっかり把握させたいんだよ」

「つまりハセヲと一緒にいるクラネルさんは戦闘では使えないサポーター達と同レベルであると?」

 

変わらず無表情なのだが、威圧感を増したリュー。

俺はそんなリューに溜息を吐いて答えた。

 

「なんだその曲解した答えは?しかもその言い方だと俺がサポーターの事をそう思っている言い方に聞こえるじゃねえか」

「違うのですか?」

「違えよ!ったく、お前だってサポーターは寧ろ重要だと思っている癖にわざと悪く言って俺を試そうとするな」

「ばれましたか」

 

リューの威圧感は消えて、いつも通りになる。

しかも、少しだが口角が上がって微笑んでいるように見える。

 

「ばればれだ。お前は分かりやすいんだよ」

「・・・初めて言われましたね」

「だろうな!・・・そんな怒るなよ」

「・・・怒っていません」

 

だったら睨みつけてくんな。

そんなこんなでリューとの訓練が終わり、俺はその場を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すぅー、はぁー」

「み、(みこと)、大丈夫?」

 

ギルドの入り口付近で2人の少女がいる。

『ヤマト・(みこと)』と『ヒタチ・千草』である。

 

深呼吸をして気持ちを落ち着かせている(みこと)を心配して声をかける千草であるが、どうして2人がそこにいるのか?

 

「おう。待たせたな」

「は、ハセヲ!?」

 

それは今来たハセヲと待ち合わせをしていたからである。

少し前に(みこと)がハセヲとダンジョンへ行く約束をしており、それが今日なのだ。

 

本当は(みこと)とハセヲの2人っきりだったのだが、当日になって臆病風に吹かれた(みこと)は千草に土下座までして一緒に来てもらうようにお願いしたのだ。

 

「な、なんだよ、ヤマト?怒ってるのか?」

「お、怒ってなどいない!」

「それじゃあなんで声を荒げて・・・って隣にいるのはダンジョンで会った・・・」

 

緊張のあまりてんぱってしまう(みこと)を遅れて怒っていると勘違いしてしまうハセヲは(みこと)の隣にいる千草に目を向けた。

 

「あ、はい。ヒタチ・千草です。今回は私もダンジョンにご一緒させて頂きます。よ、宜しくお願いします」

「おう。で、ヤマト。いい加減機嫌直したか?」

「だ、だから怒っていないと言っている!」

「はいはい」

「むむむー」

 

ハセヲに適当にあしらわれる(みこと)は頬を膨らませている。

そんな(みこと)の様子に千草は思わず笑ってしまう。

 

「ち、千草殿!?どうして笑うのです!?」

「ご、ごめん。(みこと)が可愛くて・・・」

「なっ!?」

 

まさかの言葉に顔を真っ赤にする(みこと)

どうでも良さげにハセヲは歩き出した。

 

「ほら行くぞ。ランクアップしたヤマトの実力を見せてくれんだろ?」

「あ、ああ!格段に強くなった私の姿を見せてやる!」

「・・・(みこと)、楽しそう」

 

ハセヲの後を着いて行く(みこと)の姿を見て千草は安心し、2人の後を着いて行くのであった。

 

そして、3人はあっという間に12階層までやってきた。

(みこと)を前衛、ハセヲが中衛、千草が後衛と役割を決めて順当に進んできた。

 

そんな3人は怪物の宴(モンスターパーティー)に遭遇してしまい、モンスターの大群が襲い掛かっていた。

 

「はあああああっ!!」

 

(みこと)がシルバーバックを撃破。

それでもモンスターはまだまだ沢山いる。

 

「ハセヲさん!この数は3人じゃ無理です!退却しましょう!」

「いや・・・まだだ」

 

千草が退却を提案するがハセヲはそれを拒否。

なぜ拒否するのか千草には理解できないでいると(みこと)が声をかける。

 

「ハセヲ。何か策があるのか?」

「ああ。試したい事がある」

「た、試したいって、こんな時に!?」

 

怪物の宴(モンスターパーティー)で試したい等と正気ではないハセヲに千草はただ驚愕する。

その時、ハセヲと(みこと)は目を合わせていた。

 

「分かった。その策とはなんだ?」

(みこと)!?」

 

ハセヲの策を受け入れる覚悟を決めた(みこと)に千草は驚きの表情を見せる。

危機的な状況なのに(みこと)の落ち着きようはなんなんだと、長年一緒にいる千草は感じていた。

 

「まあ、策と言ってもいつも通り戦ってれば問題ない。気をつける点は何が起こっても戸惑うな、それだけだ」

「策でもなんでもない・・・」

「承知した!行くぞ!」

 

(みこと)は勢い良く、モンスターの群れへと飛び込んでいった。

 

「ヒタチ。お前も行くぞ!」

「えっ!?わ、分かりました!」

 

(みこと)に続くハセヲと千草。

 

そして、ハセヲはある能力を発動させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「【武獣覚醒】!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!これは!?」

 

一番槍を務めた(みこと)がある異変を感じる。

 

モンスターの動きが遅い。

 

「はあっ!!」

 

モンスターを倒す時の手応えが軽い。

戸惑いはあるも確実にモンスターを倒していく。

 

「せいっ!」

「やあっ!」

 

ハセヲだけではなく、千草もモンスターを軽々と倒している。

この時の千草は(みこと)と同じ感覚になっている。

 

「す、すごい・・・。上層で最も硬いモンスター『ハードアーマード』も一太刀で簡単に倒せた・・・」

「おい!ぼさっとすんな!」

「あ、は、はい!!」

 

突然の出来事にやはり動きが止まってしまう千草にハセヲは一喝して動かせる。

 

「喋るより身体を動かせ!今の状態は長く続かない!」

「了解した!」

「は、はい!!」

 

ハセヲの推測が正しいならこの【武獣覚醒】には時間制限がある筈、ゲームでのデメリットは、時間制限とソロでは発動する事は出来ない事である。

 

オラリオではどうなっているのかを確認する為に、ハセヲは【武獣覚醒】の効果を内心で検証していた。

ステイタスの向上率、発動中の感覚、持続時間など、今後使う為のメリット・デメリットがないかを探している。

 

そんなこんなで3人はあっという間にモンスターを殲滅する事に成功した。

 

「お前ら大丈夫か?」

「私は問題ない!千草殿は?」

「わ、私も大丈夫、です・・・」

 

疲れている様子だが、特に問題なさそうな2人に安心するハセヲ。

平然としているハセヲだが、いつもより倦怠感を感じていた。

これは、(みこと)と千草が本来感じる筈のダメージで、それを全てハセヲが受け持つ形となっているとハセヲは推測する。

 

「魔石やドロップアイテムを回収して今日は終わりにするか?」

「うむ。千草殿もそろそろ限界だろうし、そうしましょう」

「す、すみません・・・」

 

全員で魔石の回収を終わらせると外へ出る為に歩き出す。

そこに(みこと)がハセヲに話しかけた。

 

「ハセヲ。怪物の宴(モンスターパーティー)の時に何を使ったのだ?スキルか?」

「まあ、そんなとこだ。というか、あの時はよく了承したな?普通、断るだろ?」

「あんな局面で考える余裕なんてなかったのによく言う。まあ・・・私はハセヲなら背中を任せられる男だと思っているからそんな判断をしたわけなのだが・・・・・・あっ」

 

喋っている途中で急に止まる(みこと)

自分が何を口走っているのか気づいてしまったようだ。

 

振り向くと、少し気恥ずかしそうにしているハセヲと口元を両手で隠してはいるが、目元が笑っている千草がいる。

 

(みこと)の顔が一瞬で真っ赤になる。

 

「い、いや!違う!?ち、違くもないが、兎に角違う!!」

「お、おう?」

 

思ったより信頼されていて恥ずかしくなっていたハセヲだったが、(みこと)の必死な様子にただただ相槌を打つ。

そんな時に千草が動いた。

 

「ハセヲさん。(みこと)はね?ファミリアでも背中を任せられる男はいないんですよ?」

「そうなのか?カシマとかダメなのか?あいつもレベル2とかだろ?」

(みこと)にとって背中を任せられるのは意味合いが違うんです。どんな障害でも一緒に乗り越えられる運命の―――」

「ち、千草どのおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」

 

先程よりも必死な形相で(みこと)は千草を取り押さえた。

千草はあっという間に押し倒されてしまい、言葉の続きはなんなのかは分からず仕舞いとなってしまう。

 

ダンジョン内で戻った筈の(みこと)の調子が悪化した状態で冒険は終了となるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハセヲが(みこと)達と冒険をして数日。

 

ハセヲはとある裏路地で男性の冒険者と話をしていた。

 

「・・・もう一回、言ってもらっていいか?」

「だから、お前もあの小人族(パルゥム)の女サポーターに騙されてたろ?仕返ししてやらねえか?奴が騙し奪ってきた全てを奪ってやるんだ!」

 

その内容は―――

 

小人族(パルゥム)女サポーター(リリルカ)を嵌める作戦の勧誘だった。




如何でしたでしょうか?

色々ツッコミ所があるかもですが楽しんで頂けたら幸いです、、、



お気に入り登録や感想・評価をしてくれてる読者様、本当にありがとうございます!

誤字報告をしてくれている読者様も本当に助かっています!

これからもこの作品をよろしくお願い致します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。