ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮) 作:TE
やっと書けたので投稿します。
現場が変わっただけでこんなに書くスピードが落ちるとは、、、
申し訳ないです。
では、本編をどうぞ。
第27話~助っ人と【死妖精】~
「おらっ!もたもたしてっと置いてくぞ!!」
「わーってるよ!」
「なんでハセヲさんは、レベル1なのにそんなに速いんですか!?」
「・・・・・・」
俺、ハセヲは、【ロキ・ファミリア】の『ベート』と『レフィーヤ』、【ディオニュソス・ファミリア】の『フィルヴィス』との3人で即興パーティーを組んでダンジョンへと潜っていた。
どうしてそんな事になっているのかというと、リリを助けてダンジョンから出て来た後、俺はロキに野暮用がある事を思い出し、ベル達と別れて、ロキがいるであろう拠点へとやってきたまでは良かったんだが、タイミングが悪かった。
入り口辺りに、ロキと男神『ディオニュソス』、レフィーヤにベート、フィルヴィスが居て、俺は空気を読めずに声をかけてしまったんだ。
「よお、ロキ。この前の賭けの支払いまで残り三日だぞ。リヴェリアからちゃんと許しをもらえたか?」
「ハセヲはん!ちょうどええところにきた!!」
「はあ?」
ロキに口早で状況を説明される。
ダンジョンの24階層でモンスターが大量発生している報告があるらしいのだが、その原因が怪物祭で暴れまわっていた食人花を裏で操る奴が関わっている可能性があるらしい。
そんな恐れがある中で、タイミング悪くその24階層の調査依頼をアイズが受けてしまい、一人で24階層へ向かってしまったそうだ。
本当に食人花を裏で操る奴が関わっているならば、アイズだけでは危険とロキ達は判断して、現在アイズの手助けが出来る戦力であるベート、レフィーヤ、フィルヴィスの3人を向かわせようとした時に俺がやってきてしまったみたいだ。
つまり結論を言うと、アイズの手助けをしてほしい、とのことだった。
というか、さらっと面倒な事を聞かされてしまった気がするんだが・・・。
「ロキ。君がそこまで推薦する子なんて珍しい。この子は何者なんだい?僕は見た事がないが・・・」
「ハセヲはんは、最近冒険者になった子や。見たことがないのも仕方ないやろ」
「と言うことはレベル1って事じゃないか。危険すぎるのではないか?」
「大丈夫やろ。少し前にベートと喧嘩して、ベートを倒した実力があるしな」
「っ!あの噂は本当だったのかい?へえ、この子が・・・」
「帰っていいか?」
もう嫌な予感しかしない。
それにさっきから犬野郎ことベートが凄い形相で俺を睨んでいるし・・・。
下手したらダンジョンで攻撃を仕掛けてくるんじゃねえか?
「ダメや。協力してくれたらハセヲはんのステイタスについて今後聞かんでおいてやるわ。勿論、ディオニュソスにも関わらんように約束させる」
正直言って、ロキの提案は願ってもないものだった。
俺のステイタスはあまり周囲に知られたくからな。
「・・・本当だろうな?」
「もちろんや。ディオニュソスもええな?」
「少し残念だけど仕方ない。約束しよう」
言質を取る事は出来た。
これはやるしかねえな・・・。
「分かった。協力する・・・」
「流石、ハセヲはんや!」
「ありがとう。感謝する」
ロキとディオニュソスから感謝の言葉を言われるが―――。
「俺は反対だ!こんな奴、アイズの足手纏いどころか向かう俺達の邪魔になるだけだろうが!!」
やっぱりというか、ベートが猛抗議してきた。
まあ、気持ちは分からなくもないが・・・。
「レフィーヤ!てめえもそう思うだろ?レベル1が
「えっ!?えっと、私は・・・」
ベートに睨まれてレフィーヤが目を伏せるようにして考え込む。
まあ、俺としては反対されて行かなくなっても別にいいんだが・・・。
「・・・私は、賛成です。ハセヲさんなら問題ないと思います」
「んだと!てめえ、正気か!?」
「はい!ハセヲさんは、怪物祭の時、食人花相手にも劣っていませんでした。24階層でも問題ないと思います!!」
「ぐっ・・・。そっちのてめえはどうなんだ?」
「・・・私はディオニュソス様が決めたのであるならば異論はない」
レフィーヤの気迫に驚いた様子を見せるベート。
俺も正直かなりびっくりしている。
あんな風に自分の主張を言える奴だったんだな。
ベートは黒髪のエルフ『フィルヴィス』にも聞いたが、どうやら賛成のようだ。
「決まりやな。頼んだで、ベート」
「ちっ!おい、格下!」
多数決で俺が加わる事が決まり、ロキはベートに肩を叩いてお願いする。
観念したようで舌打ちするベートは俺に指を向ける。
「緊急事態だ。俺たちに付いて来れない様だったら問答無用で置いていくぞ!良いな!」
「・・・ああ」
アイズを手助けに行くパーティーがこんなピリピリさせて大丈夫なのか?
俺はそう思いながら頷き、アイズの手助けへとダンジョンへ向かう事になったのである。
と言う訳で、俺たちはあっという間に16階層へとやってきている。
流石というべきか全員余裕がありそうだ。
レベル的に考えれば俺は必死に付いて行かなければならないんだろうが、俺もまだまだ余裕がある。
そんな俺の様子にレフィーヤは驚いているようだ。
「ちっ!さっさとくたばっちまえよ」
「聞こえてんぞー」
ベートの悪口も段々慣れてきて動じなくなった俺は適当に返事を返しながら進んでいく。
その後ろにはレフィーヤとフィルヴィスがいる訳だが、そちらもそんなに問題はなさそうである。
そんなこんなで18階層へと入る。
俺としては初めての階層だ。
帰ったらちゃんとエイナに報告しないとだな。
「は、ハセヲさん。助けてください・・・」
「な、なんだよ?急に情けない声で話しかけやがって・・・」
「だ、だって、こんな居心地の悪いパーティは初めてで・・・」
ああ・・・。
レフィーヤが言いたいことはよく分かる。
口を開けば罵倒ばかりのベートに、出発してから一度も言葉を発していないフィルヴィス。
そりゃあ、レフィーヤがナーバスな気持ちになるのは仕方ないだろう。
「つか、俺は大丈夫なのかよ?自分で言うのもなんだが絡み難いだろ?」
「ハセヲさんは、大丈夫です」
「なんで?」
「ティオナさんやヘスティア様と話すハセヲさんを見てたら、そんな怖い人じゃないんだなと思ったんです」
いや、あいつらはまた別だろうに。
あの2人は突っぱねてもすぐに帰ってくるからそんなやり取りを何度も繰り返したくないから俺が折れて話を聞いてやってるだけだ。
まあ、俺も無暗に近寄んなと言うつもりはないんだけどな。
ヘスティアに言ったら泣きそうだし・・・。
「それでですね。フィルヴィスさんとお話がしたいんですけど、何か良い手はないですかね?」
「・・・ティオナみたいに根気良く話しかけるしかないんじゃないのか?何にせよ、きっかけが必要だろうしな」
「な、なるほど。私、やってみます!」
そう言って、レフィーヤはフィルヴィスの方に向かって話しかける。
「き、今日は良い天気ですね」
「・・・・・・」
「18階層に天候のクソもあるか、アホ」
ベートの言う通りである。
確かに天候の話を話題の始まりにする奴はいるがダンジョンでは意味ないだろ・・・。
「は、ハセヲさん・・・」
「内容はともかく、根気良く、頑張れ・・・」
「は、はいー・・・」
その後もレフィーヤはフィルヴィスに話しかけるが一向に反応する様子はない。
それでも諦めずに話しかけようとした時にベートが声をかける。
「うるせえっての耳障りだ。使えねーなら捨てるでいいだろ。仲良しこよしになる必要がどこにある」
ベートの言うことも一理はあるが、そこまで言わなくても良いだろうに・・・。
「・・・私も貴様と馴れ合うつもりは毛頭ない。下賤な狼人め」
フィルヴィスがようやく話したと思えば、あっちも同じ意見だった。
これはレフィーヤの胃が痛くなるだろう。
そう言った後、フィルヴィスが先行しようとするが、そこにベートが待ったをかける。
「おい、間抜け。アイズの居場所もわかってねえだろ。先に街へ行くぞ」
「私に触れるな!!」
ベートがフィルヴィスの肩に触れようとした時だった。
急にフィルヴィスがベートの顔へ目掛けてナイフを振ったのだ。
「あァ?」
そのナイフがベートに当たることはなく、片手でナイフを受け止めていた。
とりあえず俺は思った事を口にした。
「惜しい」
「ハセヲさん!?」
「聞こえてんぞ、格下ァ!!」
聞こえるように言ったからな。
一悶着あったが、アイズの目撃情報と向かった場所を調べるために冒険者が勝手に作った街『リヴィラ』へと到着した。
初めてくるが、今は観光している場合じゃない。
アイズの情報を探るべく、色々な店で聞き込みをするが、マントを被った集団と行動していたというくらいで、それ以外の有力な情報は得られずにいた。
「お前の鼻で追えないのかよ?」
「無理に決まってんだろ、アホが!まだ心当たりがある。あのデカブツのところに行くぞ」
「デカブツ?」
ベートの案内で向かい、出会ったのは街の元締めをしている左目に眼帯をした男『ボールス・エルダー』。
どうやら、アイズはこの男にも会っていたようで、とある防具を預けにきたらしい。
「これは・・・」
「よく整備されていて綺麗、ですけど性能は低い防具ですね。どうしてアイズさんはこれを・・・」
「なるほど・・・」
俺はその防具を見てある話に合点がいった。
あの防具はベルのものだ。
あいつが、リリに裏切られてオークの大群に襲われていた時、誰かに助けてもらったと言っていた。
霧で顔が分からなかったらしいが、その正体はアイズで間違いないだろう。
何かしらで落としたベルの防具を拾ってすぐに依頼を受けて、失くしたら困るからここに預けたんだろうな。
どうやら、いつの間にかアイズに貸しを作ってしまったようである。
これは少し気合いを入れねえとな。
「ハセヲさん?どうしました?」
「ん?ああ、なんでもない。ボールスって言ったか?ほらよ」
「おっ?へへへっ、兄ちゃん分かってんじゃねえか!」
俺は、情報とベルの防具を預かってもらっている感謝を込めて少しのお礼を渡す。
ボールスはすぐに金を数え始める辺りかなりお金にがめついようだ。
「ところで・・・お前等【
ボールスがそんな事を言い出して俺たちの足を止めた。
「【
「いや、
「じゃあ、なんでそんな名前が付いてんだよ?」
俺がそう聞くとボールスは深妙な表情で次の言葉を言った。
「あのエルフとパーティーを組んだ連中は全員死んでやがるんだ」
どうやらこのパーティーメンバーは色々と問題がありそうである。
「・・・・・・」
ボールスと別れたハセヲ達は変な空気が流れていた。
その原因は、ボールスから聞いたフィルヴィスの過去。
大切な仲間を何度も目の前で失う悲しみは計り知れないものである。
そんな中、ベートがフィルヴィスの下へと歩み寄っていき声をかける。
流石のベートも何かしら励ましの言葉をかけるのだろうか。
「詳しい話は知らねえけどな・・・。要はてめえは仲間を見捨てておめおめ生き残っちまったわけだな。ざまあねえな」
なんて事はなかった。
かけたのは戒めて追い詰める言葉。
そんな非常な言葉にレフィーヤが憤慨する。
「ベートさん!!どうしてそんな―――」
「その通りだ」
そんなレフィーヤを止めるようにフィルヴィスが肯定した。
「私はあの日、
予想外な反応にベートは戸惑いながらフィルヴィスを見ている。
「噂を聞いたのだろう?どうする?ここで別れるか?私はお前たちを殺すかもしれないぞ?」
「別れねえし、殺せるものなら殺してみろ」
ベート、レフィーヤ、フィルヴィスが一斉に言葉が発せられた方へと向いた。
そこにいたのはハセヲで、先ほどの言葉を発したのもハセヲだ。
「まあ、俺は絶対に死なないけどな」
「・・・どうしてそう言い切れる。そんな確証はどこにもない。この世界、ましてやダンジョン内など尚更だぞ?」
「そうだな。それでも、俺は死なないと言い切れる。自分に確証を与えられるのは自分だけだからだ」
「・・・自分に確証を与えられるのは自分だけ?」
ハセヲの言葉を復唱し、唖然としているフィルヴィス。
ハセヲはそんなフィルヴィスを置いていくようにして話を続ける。
「お前の過去は俺たちが想像するよりも遥かに酷いものなんだろう。それでもお前は何度かパーティーを組んでいた。それはなんでだ?お前は取り戻したかったんだろ?
「・・・・・・」
「だが、
ハセヲの言葉にフィルヴィスは片足を一歩後ろに動かした。
たじろいでいるのだ。
過去の自分が歩んでいた道を見透かされていることに。
「もう
「う、うるさい!うるさいうるさいうるさい!!!!」
頭を抱えてハセヲを拒否するフィルヴィス。
そしてフィルヴィスはハセヲを思いっきり睨みつけた。
「私は汚れているんだ!だから私に近づいてきた者達が
「そうか?後ろの奴は違いそうだが?」
ハセヲが言ったと同時にフィルヴィスの手に温もりを感じた。
一瞬の心地よさを感じたが、すぐに我に返ったフィルヴィスは振り向くと手を思いっきり握るレフィーヤの姿があった。
「は、放せ!!私は―――」
「汚れてなんかいない!!」
フィルヴィスの言葉を遮ったレフィーヤはすぐに話し出した。
「貴方は汚れてなんていない!私なんかより、ずっと美しくて優しい人です!」
「な、何故そんな事が分かる!私とお前は会って間もない筈だ。適当な事を言うな!」
「た、確かに会って間もないです!でも、ハセヲさんとの話から一人で生きようと決めた佇まいの美しさ。誰も巻き込みたくないという優しさを感じれました!フィルヴィスさんは、誇り高く美しい心の持ち主です!!」
言いたい事は言えたレフィーヤは思いっきり目を瞑りながらフィルヴィスの手を握り締める。
ある程度の抵抗を覚悟してたが一向に反応がないフィルヴィスにレフィーヤは恐る恐る目を開けて確認した。
「・・・・・・」
そこには顔を真っ赤にしているフィルヴィスがいた。
レフィーヤの真っ直ぐな言葉に恥ずかしさを感じてしまったのだろう。
「よ、よくそんな恥ずかしい言葉を言えたものだな・・・」
「そうだな。俺にも言えねえよ。ベートはどう思う?」
「・・・知るか」
「ええっ!?ひ、酷いですよ、みなさん!私、かなり覚悟を決めて話してたのに!?」
三人の反応にショックを受けるレフィーヤは顔を真っ赤にして抗議する。
そんなレフィーヤが面白かったのか、フィルヴィスは手を口に当てて噴き出している。
「くっ・・・くくくっ。お前は本当に変わったエルフだな」
「そういう奴が人を変えるんだ。そろそろ行こう。ほら、ベート。さっさと案内しろ」
「てめえ・・・格下が偉そうに仕切ってんじゃねえ!」
ハセヲとベートが歩き出すとフィルヴィスはそんな二人の後姿を見て思ったことを思わず呟いた。
「その変わった奴に自分も含まれていると自覚しているのだろうか?あの人間は・・・」
「・・・してないでしょうね」
フィルヴィスの呟きにレフィーヤが答える。
二人は目を合わせて苦笑いするとハセヲ達を追いかける為に走り出すのであった。
如何でしたでしょうか?
少し強引にハセヲを外伝コースへと突っ込ませました。
特に最後のシーンはかなり迷って書いてました。
フィルヴィスさんの過去半端ないですよ、、、
と言うわけで次はいつ更新出来るか分かりませんが、頑張りますので応援よろしくお願いいたします!