ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮)   作:TE

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では、本編をどうぞ!


第5話~神との会合と神の幸せ~

第5話~神との会合と神の幸せ~

 

「おお?なんや珍しい奴がおるやんけ?」

「ろ、ロキ!?なんで君がここにいるんだ!?」

 

楽しもうとしたハセヲやヘスティアの元に現れたのは、神様『ロキ』である。

 

「ここはうちのお気に入りの店なんや。居て何が悪い?いつも金に困ってる貧乏神のドチビがいる方がおかしいねん」

「ぬぐぐぐっ」

「ん?」

 

睨みつけるヘスティアの隣に座るハセヲにロキの目が向けられた。

 

「ほう。見かけん顔やな。名前はなんていうん?」

「・・・ハセヲだ」

 

ハセヲはロキの異様な雰囲気を感じ取った。

だからハセヲは軽く睨みつけながら威嚇をする。

そんな様子のハセヲに何を思ったのかにやりと不敵に笑いだす。

 

「なかなか面白い奴やな、自分!気に入ったで!しかも中々のイケメンやし」

「はあ?」

「おいこら!僕の眷属にちょっかいを出すのは止めたまえ!」

「ドチビの眷属やと?ハセヲはん・・・本気か?」

「どういう意味だい!?」

 

信じられないといった表情でハセヲを見るロキにヘスティアが怒声を上げた。

そんなヘスティアを無視してロキはハセヲに話しかける。

 

「ハセヲはん。このドチビに愛想が尽きたらいつでもうちの所に来るんやで?君なら大歓迎や」

「な、なんだってえ!?」

 

まさかの勧誘に驚くヘスティア。

それもそうだろう。

美男美女が大好きなロキがハセヲに声をかけるとはヘスティアは思ってもいなかった。

 

「・・・俺はどこにでもいる普通の冒険者なんだが?」

「そうには見えへんけど、いやな?君はうち好みのイケメンなんよ」

 

ロキの好みは美男美女であれば広範囲であり、ハセヲもそうの範囲に入っているようだ。

 

「止めろ止めろ!ハセヲ君はボクの子だ!引き抜きをしようとするんじゃない!」

「別に良いやんけ!まあ今回は頭の片隅に入れといてもらえればそれでええよ。折角の酒の席なんやから飲もうやないか!」

 

ヘスティアが居ない方に座ったロキがハセヲの肩を組んで乾杯しようとしている。

そんなロキの行動に流石のハセヲも驚いた。

 

「お、おい。いきなり何すんだ!」

「別に良いやん!スキンシップ、スキンシップ!」

「むむむむっ~!気安くボクのハセヲ君に触れるんじゃない!離れろ!」

 

ヘスティアはハセヲを強引に引っ張ってロキから引き離そうとする。

しかし負けじとロキがハセヲの腕を強く掴み直して引き戻す。

 

「ドチビと飲んだって何も楽しくないやろ!うちと飲んだ方が100倍楽しいで!」

「ふっ!よく言うよ!君みたいな貧相な『胸』で楽しめるとは思えないね!」

「なあっ!?」

 

ヘスティアはいきなり爆弾を投下してしまう。

ロキは唯一のコンプレックスである胸をバカにされた事で怒りが一気に込みあがってしまう。

 

「この貧乏ドチビがああああああっ!!」

「なんだい?やる気かい?相手になるよ!ハセヲ君が!」

「俺かよ!?」

 

2人に挟まれて料理を食べながら傍観していたハセヲが驚く。

しかもヘスティアはロキから反撃を受けない為にハセヲを壁にしている。

 

「・・・おい、ドチビ。ここは酒場や。酒場で戦うんならその内容は一つしかない」

「な、なんだい、それは・・・」

「それは・・・飲み比べや!!」

 

ドンッと、ロキはジョッキを掲げてそう叫んだ。

そんな姿にハセヲはとても嫌な予感がした。

 

「内容は簡単!どちらが多くのお酒を飲むことが出来るかや!勝敗については、どちらも飲めなくなった時はその杯数。他にギブアップと途中で吐いたり気絶したらその時点で負けや!」

「お、おい!そんな勝負をしたら飲んだ量だけお金がかかるじゃねえか!」

「流石はハセヲはん。良い所に気づいたな。勿論、そのお金は負けた方が全額払うんや!さらに!今日、全部のお勘定も負けた方が払う!」

 

ハセヲの嫌な予感が的中してしまう。

もし、これで負けてしまったら今の手持ちの金で払えるとは思えない。

この勝負は絶対に受けてはいけないものだった。

 

「まさか眷属の前で尻尾を巻いて逃げるなんてしないやろうな?」

「上等だ!受けてたってやる!」

「おい待て!何受けようとしてやがる!」

 

受けてはいけないのにロキの挑発で間単に即答しようとするヘスティアを全力で止めるハセヲ。

 

「安心するんだ、ハセヲ君!ボクにはとっておきの秘策があるんだ!任せてくれたまえ!」

「あ、おい!」

 

ハセヲの制止を振り切るヘスティアはロキの目の前に立って言い放った。

 

「その勝負受けてたとう!ボクとハセヲ君でね!」

「なんでそうなる!?」

「2対1で戦えば勝てると思ってるようやけど、まあええ。勝負や!」

「おうともさ!」

「なんでこうなるんだ・・・」

 

こうして、ハセヲ・ヘスティアVSロキの酒飲み比べ対決が始まった。

そして、数十分後。

 

「ど、ドチビのくせに、な、中々やるやないか」

「き、君もなロキ」

「ふぅ・・・」

 

顔を真っ赤にしてもう明らかに限界寸前だと分かるヘスティアとロキ。

ハセヲはというと少し頬が赤くなっているが、ぐびぐびと酒を飲んでいる様子を見るとまだ余裕がありそうだ。

 

ちなみに杯数だと、ヘスティアとロキが15杯、ハセヲは18杯をつい先程飲みきった。

 

「すみません。魚系の料理を1つ。エールも追加で」

「かしこまりましたにゃ!」

 

ハセヲはエールだけではなく、料理まで注文する。

そんなハセヲにロキは愕然としている。

 

「な、なんやねん!うちらより飲んでいるのになんであんなに平気そうなんや!」

「俺にも正直分からねえ・・・。というか酒をこんなに飲んだのは初めてだな」

 

現実世界(リアル)では親戚の集まりとかで叔父達に飲まされたくらいしかハセヲは飲んだことはなかった。

 

「未成年の良い子の皆。お酒は二十歳からだよ。誰かに飲むよう言われても絶対に飲まないでね。神様との約束だ、よ・・・がくっ」

 

誰に向けられた言葉か分からないが、ヘスティアはその言葉を最後にテーブルへ顔を突っ込んでダウン。

ヘスティア、リタイア。

 

「こ、これでうちと一騎打ちになったな、ハセヲはん」

「そうだな。エール追加」

「まだ飲めるんか!?」

 

さらっとおかわりするハセヲ。

これでハセヲ19杯でロキが15杯と差が広がってしまう。

 

「くっそ~!負けてたまるかい!エールおかわり!」

 

負けじとロキがお酒を追加する。

この対決はまだまだ続く、そう思われたが、数分後に動きがあった。

 

「んぐんぐ、ぷはぁー!これで並んだで!勝負はこれ・・・ひゃら・・・」

「あ、おい・・・」

「ぐー・・・」

 

20杯目を飲みきった瞬間、ロキがテーブルへ崩れ落ちた。

どうやら寝てしまったようである。

 

「・・・これは俺の勝ちということで良いのか?」

 

21杯目の酒を飲みきったハセヲ。

一人寂しく呟いたが誰も答えてくれない。

 

「そうだね、あんたの勝ちだね」

「ん?あんたは?」

 

とても豪快そうな女性でハセヲよりも身長が高く頑強そうな身体をしている。

 

「あたしはこの店の店長『ミア・グランド』さ。あんた、見かけによらず酒豪なんだね。驚いちまったよ」

「俺も不思議でしょうがねえよ。つか、本当にいいのか?全部こいつに勘定させちまって」

 

ハセヲ的にはこんな不毛な対決でお金のやりとりをしたくなかったのでどうしたものかと困惑している。

そんなハセヲの不安を吹き飛ばすかのようにミアが笑った。

 

「ロキから約束したんだから問題ないさ。逆に割り勘とかされたらロキのプライドが許さないだろうね」

「なるほどね」

「それにロキのファミリアは大手だからこれくらいの出費は痛くない。まあ、今遠征中の幹部達が帰ってきたらしこたま怒られるだろうね」

 

眷属に叱られる神様っているんだとハセヲは思ったが、自分の神様も似たようなものだから納得してしまう。

 

「んじゃあ、会計はこいつにお願いするとしてこの状況をどうするかだな・・・」

「すーすー・・・ハセヲ君のアホー」

「アイズたん、萌えー・・・ぐーぐー」

 

テーブルで眠り寝言を言う神様達にハセヲは溜息を吐きながら思考を巡らせるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

ダンジョン禁止令が出て二日目。

俺、ハセヲは一人で町をぶらついていた。

 

ヘスティアはというとバイトだ。

二日酔いで頭を悩ませていたが頑張って向かっていった。

 

「とりあえず、明日からはダンジョンにいけるんだ。潜る為に所持品を整理するか」

 

適当な場所で腰を下ろして現在の所持品を確認する。

装備は、双剣『回式・芥骨』にしている。

双剣が一番慣れているし扱いやすいのもあるが、上層では小型のモンスターが多く、出現数もそんなに多くないから大振りな大剣や大鎌では逆に不利だ。

 

せめて、2種類装備できれば楽になるんだが、それは今考えても無駄だ。

 

アイテム系は昨日換金したばかりだから何もない。

お金は少しあるが殆どヘスティアに預けてる。

大丈夫だと思うがあいつ無駄使いとかしないだろうな・・・。

 

「今は強くなる事を優先すべきだ。だから、回復や補助系のアイテム。後は非常食だな」

「おや?そこの銀髪で黒い軽装を着た少年。君はもしかしてハセヲと言わないか?」

 

やる事を決めた俺は立ち上がり歩き出そうとしたとき、長髪で人が良さそうな男に声をかけられた。

しかも、何故か俺を知っているようだ。

 

「そうだが、あんたは何者だ?ただの人間じゃなさそうだが・・・」

「人間じゃないからな。私はミアハ。神だ」

「また神様かよ・・・」

 

俺はついそう呟いてしまった。

神様ってのはこう簡単に出会えてしまうものなのか?

 

「君は中々面白い反応をする。『また』って事は他の誰かとも会ったのか?」

「昨日、ロキって神様と飲み比べ対決をしたよ」

「どういう経緯でそうなったのか気になるが、ロキと仲良くなるなんて凄いじゃないか」

 

どう凄いのか俺には分からないが、とりあえず、この神様がどうして俺の事を知っているのか聞いてみるか。

 

「まあ色々あって、です。それで、その、ミアハ・・・様はどうして俺の事を?」

「ふははは。無理に敬語使わなくてもいい。零細で最弱なファミリアの神だからな」

 

それは敬語を使わなくて良い理由になるのか・・・?

今までヘスティアやロキには敬語を使わなかった(とうか、使う気にもならなかった)が、ミアハは神様っぽい雰囲気を感じられたから使った方が良いかなと思った。

 

だが、本人から許可をもらったし別に良いだろ。

 

「どうも。それでなんでミアハは俺の事を知っているんだ?」

「それはハセヲの主神から話を聞いていてな」

「ヘスティアから?」

「ハセヲがダンジョンに潜って一日過ぎても帰ってこないから、心配したヘスティアが色んな人に君の特徴を説明しながら聞き回っていたんだ。神友である私の元にもね」

 

ミアハの言葉を聞いて俺は心の中で驚いていた。

・・・ヘスティアがそんな事をしてたなんて知らなかった。

会って間もない俺にそこまで心配するなんて・・・。

 

「私達、神はダンジョンに入ることは禁じられているからギルドに探索願いを頼もうともしていたらしい。だが、ダンジョン帰りの冒険者からハセヲ君の目撃情報を知って心底安心したそうだ」

「だけど、俺は三日も帰らなかった・・・」

「話によると数時間おきにギルドに行ってはハセヲの事を尋ねていたらしい。君はとても愛されているんだな」

 

ヘスティアにとって俺は家族。

家族が何日も帰ってこない不安は俺には全く分からないものだ。

両親が共働きで一人が多かったからそういう感覚が疎かったのかもしれない。

 

「ヘスティアは私の神友だ。出来る限り悲しませるような行動はしないでもらいたいのだが?」

「約束は出来ない・・・が、善処する」

「ふははは。正直だな。そんなハセヲにこれをやろう。回復薬(ポーション)だ」

 

ミアハから5本の回復薬(ポーション)を渡される。

回復薬(ポーション)って確かそこそこ高い代物じゃなかったか?

 

「良いのか?」

「正直苦しいが私のファミリアのご贔屓してくれれば問題ない。私のファミリアは道具屋を経営していてな。小さい店だが品質には自信がある」

「そうか。じゃあ、俺はこれを」

 

そういって俺は小包みをミアハに投げ渡す。

 

「お金?」

「俺のせいでミアハ様にうちの神様が迷惑をかけたようだからその迷惑料だ。大して金は入ってないが勘弁してくれ」

「いや、さっき渡した回復薬(ポーション)の3倍は買えるお金が入っているぞ」

「問題ない。これからなるお得意様のチップとでも思ってくれ」

 

嘘は言っていない。

あれくらいダンジョンに入ればすぐに稼げる。

そして、今後お世話になるミアハに良い印象も得られるからな。

 

「・・・分かった。ありがたく頂戴しよう」

「じゃあな」

「ハセヲ。神友(ヘスティア)の事、よろしく頼むぞ」

「・・・おう」

 

別れの言葉を言って歩きだす俺にミアハがヘスティアの事を頼まれてしまう。

俺は振り向くことはせず、片手を適当に振りながらそう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー・・・今日はいつも以上に疲れた気がする~」

 

バイトが終わりふらふらになりながら帰宅しているヘスティア。

今まで休んでいた分の埋め合せと二日酔いのせいで疲労がピークとなってしまったのだ。

 

「今日はもうベッドに飛び込んで眠ってしまおう。そうしよう」

 

愛しのベッドを求め歩む足を速めるヘスティア。

地下への階段を下りているときあることに気づいた。

 

「・・・ん?なんだこの良い匂いは?」

「やっと帰ってきたか」

「ハセヲ君!?」

 

ふらふらっと匂いを辿っていったらそこにはエプロンを着けているハセヲがいた。

そして、ハセヲの手には匂いの発生源と思われる鍋がある。

 

「その良い匂いがするのはなんだい?」

「シチューだ。疲れてくるだろうと思ったから栄養豊富な料理を作った」

「それをハセヲ君が作ったのかい!?」

 

見かけによらず料理が得意だったハセヲ。

現実世界(リアル)では両親の帰りが遅いから自分で作る事が多く自然と料理がある程度出来る様になっていた。

 

「し、しかもボクの為に?」

「う、うっせえ!ただ俺が食べたくなっただけだ!お前はついでだ、ついで!もう出来たからさっさと手を洗ってきやがれ!」

「う、うん!」

 

ハセヲの照れ隠しだと理解しているヘスティアはさっきまでベッドを所望していたのに頭の中はハセヲへの感謝とシチューを食べたいという欲求に変わっていた。

 

「あ、おい!」

「ん?なんだい?」

「その、お、おかえり・・・」

「っ!?」

 

急にハセヲに呼び止められて何かと思ったら『おかえり』の一言。

その一言を言うとすぐに食事の準備で背を向けるハセヲ。

そんなハセヲの顔はヘスティアから見えないが、耳が真っ赤になっているのが分かる。

 

『おかえり』という何の変哲もない普通の挨拶。

それはヘスティアにとって、ずっと前から待ち望んでいた言葉でもあった。

 

「うん!ただいま!」

 

何億年も生きてきた中で一番の満面の笑みで返事を返すヘスティアは感動のあまりハセヲの腰へダイブしてしまい、その後は説教を受ける事になる。

 

だが、ヘスティアは説教の最中でも幸せの気持ちで一杯なのであった。




如何でしたでしょうか?

ロキとミアハの口調とか正直自信ないです、、、

次はどうするか、そろそろベル君を登場させるのもありかなと考えていたり、、、

まあその時の気分でとなりますが、頑張りたいと思います。

頑張るために、感想・評価をお待ちしております笑

よろしくお願い致します!
ではでは!
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