ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮) 作:TE
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タイトルにもありますが、異常だと思われる内容が含まれるのでご注意下さい。
では、本編をどうぞ。
第6話~異常な成長~
「いいかい、ハセヲ君。ダンジョンに行くのは止めないけど、必ずその日には帰ってくること。そして、帰ったら必ずボクに連絡すること。良いね?」
「・・・了解」
拠点の入り口でダンジョンに挑もうとするハセヲにヘスティアは注意事項を嫌というほど伝えている。
ミアハとの約束もあるので、ハセヲは溜息を吐きながら了承する。
「それじゃあ、頑張ってくるんだよ、ハセヲ君!いってらっしゃい!」
「・・・いってきます」
ハセヲはヘスティアに見送られながらダンジョンへと向かう。
ヘスティアはそんなハセヲの姿が見えなくなるまで手を振り続けていた。
「せいっ!」
「―――ッ!?」
ダンジョンに入った俺、ハセヲはヤモリ型のモンスター『ダンジョン・リザード』を撃破。
正直、ゴブリンとコボルトは飽きたので新たな階層へとチャレンジしている。
ちなみに今は4階層だ。
「石畳の造りががらりと変わってジメジメとした洞窟に変わっちまったが、モンスターの強さはそんなに変わらないようだな」
不意打ちが多くはなったが警戒を怠ることなく進んでいる為、今のところノーダメージでここまで来ている。
「蛙型のモンスター『フロッグ・シューター』も大した事はなかった。魔石も2枠(99x2)分集まったからそろそろ下の階層へ行ってみるか」
魔石が198個で、ドロップアイテムが計50個。
計算すると、29,800ヴァリス。
「稼ぎのノルマは達成だな。後は探索をメインにするか」
俺の目的はあくまでこのダンジョンで元の世界に帰る方法を探すことだ。
この4階層まではノルマを達成する間に探索は済ませたから、ここからは探索メインで適当にモンスターを蹴散らしながら進んでいこう。
「ここが、5階層。特に変わった様子は・・・ん?」
今、金属音が聞こえた。
どこかで戦闘が行なわれているのか?
「少し様子を見てくるか・・・」
よく考えてみれば俺以外の冒険者の戦闘は見たことがなかった。
何か面白い発見があるかもしれないし興味もある。
「・・・あれだな」
男一人女二人のパーティーのようだ。
前線で刀を構える長い黒髪を後ろに結ってる女と遠くからでも大柄だと分かる体格で戦斧を持つ男に後衛で心配そうにしている気弱そうな女。
前衛・中衛・後衛と役割分担がしっかりされてそうなパーティーだ。
実際に良い連携で多くのモンスターを撃破していっている。
そしてあっという間に周りにいたモンスターが倒されてしまった。
「おい!そこに隠れているのは分かっているぞ!姿を現せ!」
「ちっ・・・」
その戦闘分析を行なっていたら、結っている女に気づかれてしまったようだ。
殺気を飛ばしている様子からして、このままだと敵と見なされそうだから素直に姿を現すことにしよう。
「貴様、何者だ?どうして隠れて私達を見ていた?」
「・・・俺は新米冒険者だ。他の冒険者の戦闘がどんなものなのか気になって見ていた」
「本当か?我らの獲物を掠め取ろうと企んでいるのではないだろうな?」
「はあ?んな訳ねえだろ」
この女、さっきから俺の言い分を一切聞こうとしない。
しかも何故か妙にピリピリしているというか切羽詰っているような、そんな余裕のない感じだ。
「・・・お前、もしかしてハセヲという名ではないか?」
「ああ?」
男にまさかの名前を言い当てられてしまう。
なんかデジャブを感じるんだが・・・。
「確かに、俺はハセヲだ。どこかであったか?」
「いいや。だが、俺らの主神『タケミカヅチ』様が銀髪で黒い軽装の少年を見かけたら伝えて欲しいと、数日前に言われたのを思い出してな」
「あー・・・」
男がいう『タケミカヅチ』という神様は、先日会ったミアハと同じでヘスティアの神友なのだろう。
こいつらは、その『タケミカヅチ』って神様の眷属って訳か。
「それは確かに俺だ。ダンジョンで三日ほど篭っていたらうちの神様に心配させちまってな」
「なるほど。タケミカヅチ様の神友の頼みであった訳だ。おっと自己紹介をしていなかったな。俺は『カシマ・桜花』だ。よろしくな。・・・というか、三日も篭ってたって本当なのか?」
「ああ。モンスターを倒すのに少し夢中になりすぎてな」
「とてもじゃないが信じられないな」
俺がカシマと話していると横から髪を結っている女が割って入ってきたと思えばそんな事を言ってきやがった。
「んだと?」
「さっきお前が言ってただろう。新米冒険者だと、そんな者がダンジョンを三日も篭れる訳がない。どうせ、モンスターに怯えて逃げ隠れていたのだろう」
「おい、
ランクアップか。
Lv.1からLv.2まで上がるのに相当な時間がかかるとヘスティアから聞いたな。
話だと最速が1年で、あのロキの眷属が成ったそうだ。
「そもそも。お前はどうして5階層にいる。
「・・・・・・」
髪を結ってる女が面倒くせえ。
ピリピリするのは分かるが、一々突っかかってくんじゃねえよ。
「確かに新米冒険者でソロが5階層で戦うのはきついと思うが・・・」
「そうだろう?だからまた逃げ回る羽目にならぬよう上の階層へ戻るがいい」
「・・・・・・いい加減にしろよ?」
「・・・なに?」
さっきから上から目線で話してくるこいつらの相手はもううんざりだ。
さっさと言いたい事を言って狩りの続きだ。
「お前らみたいに仲良しさんごっこでパーティーを組んでのんびりモンスターを倒している奴らにとやかく言われる筋合いはねえ!」
「なんだと!あ、貴様!どこに行く!今の言葉取り消せ!」
「俺は事実を言ったまでだ。それに、のんびり仲良しパーティーと仲良くお話している時間はねえ」
そうだ。
俺は速く強くならないといけない。
強くなって、元の世界に帰って、
俺はその目的を果たす為に。
立ち止まってる暇はないんだ。
「貴様ああああっ!」
「おい、
髪を結っている女・・・長いから堅物女でいいや。
堅物女が立ち去ろうとする俺の前に回りこんできた。
「武器を抜け!貴様にはお灸をすえる必要がある!」
刀を向けて堅物女がそういってきた。
だけど、俺はそんな茶番に付き合ってやる筋合いはない。
「・・・・・・」
「なっ!?」
だから、俺は武器を手にせず、堅物女の方へと歩いていく。
堅物女はそんな俺の行動に驚いた表情を見せる。
しかし、堅物女の刀が下げられることはなかった。
よく見てみると刀の刃を逆さにして峰打ちにしている。
「貴様は一度痛い目に合う必要がある!自らの行動を悔やむがいい!」
「・・・痛い目?」
「はあああっ!」
堅物女は逆刃にした刀で俺に斬りかかってくる。
どうやらこいつは俺が何の苦労も知らない能天気野郎に見えているようだ。
痛い目なら会ってきた。
大切な人を奪われ、救う為に挑んだ戦いは敗れ、
そんな俺に能天気野郎と罵るか?
ふざけんじゃねえ!
何も知らない奴が、俺を見定めるな!
「なっ!?」
上段から襲い掛かってくる堅物女の刀を半身で避ける。
堅物女はそれで決めるつもりだったようで、重心が前に行き過ぎて体勢が崩れている。
俺は半身になった勢いそのまま一回転すると双剣を取り出して、堅物女の刀へ一閃。
「はああああああああっ!!」
堅物女の刀からピシッと悲鳴を上げたのが聞こえた。
俺は双剣のギミック機能であるチェーンソーのように刃を回転させて刀を削っていく。
そして、刀の限界はすぐだった。
「せいっ!!」
「なっ!?そ、そんな・・・」
ぱきんっと大きな音を慣らしながら刀は圧し折られた。
堅物女は全身の力が抜けたかのように膝から地面に落として、折られて柄のみとなった刀を唖然と眺めている。
戦意喪失した堅物女に俺はある言葉を送ってやった。
「良かったな。折れたのが、『刀』で」
「っ・・・!」
俺の言った意味をすぐに理解できた堅物女は俯いて身体を震えさせている。
これ以上は何も言う事はないのでさっさとこの場から立ち去ろう。
「待ってくれ、ハセヲ!」
「・・・・・・」
カシマが俺を呼び止めようとしているが、それを聞く必要はない。
「
「・・・ちっ!」
俺は正直驚いた。
カシマは敵討ちで俺に襲い掛かってくるものだと思っていたが、まさかの謝罪の言葉だった。
振り向いてみれば、カシマと気弱そうな女は堅物女の元にいて、気弱そうな女は堅物女に声をかけていて、カシマは俺に向かって頭を下げていた。
そんな光景を見て、俺はなんとなく胸糞悪くなった。
「ほら、よっ!」
「ぐうっ!?」
「み、
「これは・・・魔石とドロップアイテムか?」
俺は、この階層にくるまでに手に入れた魔石とドロップアイテムを取り出して、魔石を頭を下げるカシマの足元へ、ドロップアイテムを意気消沈している堅物女の頭目掛けて投げた。
「やる」
「は?あ、おい!」
一言だけ言って俺は走って、その場から抜け出した。
カシマが何か言いたげだったがしらん。
走っていると階段を見つけた。
走っている時、モンスターとすれ違い様に倒したりしたが、4階層と然程変わらない印象だった。
「このまま6階層にいくか・・・」
そう決断した俺は6階層へと潜るのであった。
ダンジョンから潜って戻ってきたハセヲは魔石とドロップアイテムを換金しにギルドへ向かったのだが、それから約2時間はギルドに滞在していた。
その理由は、ハセヲの目の前にいる担当アドバイザーのエイナが原因だった。
「ハセヲ君。『冒険者は冒険してはならない』って言葉を私は教えていなかったかしら?」
「・・・教えてもらいました」
「だよね~?ハセヲ君は勉強熱心で優秀な子だから覚えてるよね~。それじゃあ、これは何かしら?」
笑顔でエイナはテーブルにあるものを置いた。
それはドロップアイテム『ウォーシャドウの指刃』。
「ウォーシャドウは6階層で出てくるモンスター。新米殺しとも呼ばれているモンスターのドロップアイテムがどうしてあるのかしら?」
「俺が6階層で倒したからです」
「冒険者になって一週間も経ってないルーキーが倒せる相手じゃないんだよ!?」
ハセヲの非常識な行動にエイナはテーブルを叩いて怒りを顕にする。
一旦落ち着かせてエイナは話を続ける。
「それがまだ一個ならまだいいわ。いや良くないけど・・・。それでも、そのドロップアイテムが大量に換金されたわ」
今回、ハセヲが換金したのは、
・魔石(99個)が入った袋x3
・
・
『ウォーシャドウの指刃』は上層のドロップアイテムの中ではレア度が高く、1個400ヴァリスで換金されている。
それもあって、今回のハセヲの稼ぎは57,900ヴァリスとなった。
「一体どんな無茶をしたらこうなるの!『冒険者は冒険してはならない』。これを守らないとあっという間に死んじゃうよ!」
「はい・・・」
2時間に亘る説教に流石のハセヲもげんなりしていた。
そんな様子のハセヲを見たエイナは溜息を吐く。
「今日はこれくらいにしておくけど、次もまた無茶な行動をしたらこの程度じゃ済まさないからね?」
「こ、これ以上があるのか・・・」
「分かった?」
「・・・分かりました」
少し間があったが反省はしているだろうと判断したエイナはそのままハセヲを解放する事にした。
しかし、翌日にハセヲの事で頭を悩ませられる事になるとはこの時微塵も思っていなかった。
「さあ、ステイタスを更新しようか!」
ハセヲが帰ったのは結局日付が変わる直前くらいだった。
怒るヘスティアに遅れた経緯をしっかりと説明したハセヲは遅くなった件については許された。
だが、神友であるタケミカヅチの眷属と喧嘩した件と一気に6階層まで潜った件についてはしっかりと怒られる羽目になる。
「まったく
「わかった」
「本当に分かってるのかい?」
溜息を吐くヘスティアはステイタスの更新を続ける。
ハセヲの感想を聞く限り問題なく戦えたとの事だった。
だが、いくらハセヲが異常とはいえ、新米冒険者が6階層で問題なく戦えるなんてありえない。
しかも、
ますますありえない。
しかし、ハセヲが嘘を吐いてないのは間違いなかった。
そこでヘスティアはハセヲのステイタスを更新する事にしたのだが・・・。
「・・・あ、ありえない」
ステイタスを更新して発したヘスティアの一声。
驚きを通り越して恐怖を感じていた。
ハセヲがダンジョンに入る前のステイタスは、
~~~
Lv.1
力 :I 0 →H 181
耐久:I 0 →I 93
器用:I 0 →G 205
敏捷:I 0 →H 110
魔力:I 0 →I 0
《魔法》《スキル》
・・・変化無し
~~~
だった。
三日間ダンジョンに篭ったからって、このステイタスの上昇は異常だった。
だが、そのステイタスでも6階層で無双したり、
そして、今現在のハセヲのステイタスが、
~~~
Lv.1
力 :H 181 →D 511
耐久:I 93 →G 224
器用:G 205 →B 793
敏捷:H 110 →F 352
魔力:I 0 →I 0
《魔法》《スキル》
・・・変化無し
~~~
今までの異常が可愛く思える程に成長していた。
この異常な原因はレアスキル【臥薪嘗胆】である事は明白だった。
如何でしたでしょうか?
やはりハセヲのステイタスは無理矢理過ぎましたかね?
命ファンの方は申し訳ないです。
やられ役をやっていただきました、、、
もう少ししたら感想で書いて頂いた、設定集をあげる予定なのでよろしくお願いします。
そして、ユーザー名を公表致しますので、何かありましたら、、、
感想・評価も頂けたら大変嬉しいです!
よろしくお願い致します!