ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮)   作:TE

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書けましたので投稿します。

お気に入り登録や感想・評価をしてくれた皆様、本当にありがとうございます!

今回はいつもより遅くなってしまい申し訳ないです。
もっと早くかけるように頑張ります。

では本編をどうぞ!


第7話~冒険者とサポーター~

第7話~冒険者とサポーター~

 

「これは確かに異常だな」

 

ヘスティアに自分のステイタスを紙に書いてもらって読んだハセヲは淡々と呟いた。

 

そのステイタスが、

 

~~~

ハセヲ

 

Lv.1

力 :H 181 →D 511

耐久:I  93 →G 224

器用:G 205 →B 793

敏捷:H 110 →F 352

魔力:I   0 →I   0

 

《魔法》《スキル》

・・・変化無し

 

~~~

 

である。

 

この上昇がたった一日で成してしまっていると、他の誰かに言っても誰一人として、神様でさえ信じる者はいないだろう。

それ程にありえないものだった。

 

「ハセヲ君は驚いてないようだね・・・。もしかして予想してた?」

「なんとなくな。だが、これで確信出来た。俺が一刻も早く強くなる為に必要なのは(トライエッジ)への復讐心なんだ」

「・・・・・・」

 

レアスキル【臥薪嘗胆】。

自分が復讐する相手を想えば想う程、強くなれる。

 

そんなレアスキルを持つハセヲにヘスティアは悲しみを感じている。

 

どんな時でも三爪痕(トライエッジ)という鎖に縛り続けられているハセヲが可愛そうで仕方なかったのだ。

 

「ハセヲ君。余計なお世話かもしれないけど、言わせてほしい。復讐という因果に囚われないで欲しい。君がそんなものに苦しむ姿を見たくないんだ」

「・・・・・・」

 

ハセヲはヘスティアに返事をする事はせず、ソファーへ横になる。

ヘスティアもそれ以上は何も言わず、ベッドに潜り込んで眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くか・・・」

 

時刻は、早朝3時。

外は真っ暗で日も上っていない時間に俺、ハセヲはダンジョンへ潜っていた。

 

時間が時間なだけに日中に比べても人は少ない。

それが狙いでもあり、俺が試したかった事を行うには絶好の時間帯だ。

 

「さてと、昨日は邪魔が入って5階層の探索が出来なかったから、まずはそこからだな」

 

俺は走って5階層へと向かう。

途中モンスターと遭遇するが、無視してさっさと目的の5階層へと降り立った。

そして、モンスターを倒しながら元の世界に帰る方法を探す。

 

「・・・モンスターは変わらず、元の世界に帰る為の方法は手掛りすらなし。次は7階層だ・・・」

 

6階層は前回調べた。

だから7階層へと向かうが、この時点で冒険者がちらほら見え始める。

恐らく6時くらいにはなっている筈だ。

冒険者がいてもおかしくない。

 

「7階層に入る前に朝飯にでもするか・・・」

 

俺は5階層と6階層を繋ぐ階段で朝飯にする事にした。

この空間は滅多にモンスターは通らないし、仮に通ってきたとしても十分に対処出来るから問題はない。

 

「・・・ん?」

 

俺がおにぎりを食べていると、上から足音が聞こえてくる。

しかも複数だ。

目だけ動かして確認すると5人程の冒険者達だった。

 

それなりに装備が整っている冒険者達だが、最後尾にいるボロボロなマントを着て身の丈以上の大きなリュックを背負った奴がいた。

 

「さっさと来いよ、サポーター!もたもたしてんじゃねえ!」

「す、すみません・・・」

「これ以上苛々させっと報酬はなしだからな!」

「・・・・・・」

 

冒険者達は俺の前を通り、下の階層へと進んでいった。

 

『サポーター』。

文字通りで、冒険者のサポートをする人達の事。

冒険者の様々な負担を減らしてくれる為、とても重要視されている。

 

だが、殆んどのサポーターは冒険者の落ちこぼれと蔑ろにされている。

前線で戦えない奴が危険を伴って稼いだ冒険者の懐を貪る最低な奴らと思われているかららしい。

 

まあ、俺はスキルのおかげで荷物に関しての負担はない以上、サポーターなんていらねえからどうでもいいんだが・・・。

 

「あいつの目・・・」

 

さっきのサポーターの目が蔑んだ物を見るような、そんな冷たい目をしていた。

それがとても気になってしまう。

 

「・・・・・・さっさと7階層に行くか」

 

どうして気になったのか考えたが、結局俺には理解する事は出来なかった。

俺は気にする事を止めて戦闘と探索へ赴くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわあああっ!?」

「に、逃げろおおおおっ!?」

怪物の宴(モンスターパーティー)だあああっ!?」

 

7階層のとある場所で冒険者達が悲鳴を上げながら逃げていた。

その後ろから迫るは『新米殺し』と恐れられる蟻型モンスター『キラーアント』である。

 

一体や二体ならば問題はなかったのだが、その数は数十体は居り、おぞましい光景となっていた。

 

どうしてこんな風になっているのかというと、各個撃破でキラーアントを倒していたのだが、一人の冒険者が仕留め損ねてしまい、ピンチになると仲間を呼ぶキラーアントの習性を使われてしまったのだ。

 

あっという間に冒険者達が対応できる数を超えてしまい怪物の宴(モンスターパーティー)となった為、逃走をしているのだが、このままでは追い詰められてしまうのが明白だった。

 

「おいおい!どうすんだ!このままじゃあ俺達死ぬぞ!?」

「落ち着け!とりあえず、サポーターを使って時間稼ぎだ!」

「おう、って、そのサポーターがいねえぞ!?」

 

サポーターを身代わりにしようとした最低冒険者達だったが、そのサポーターの姿はどこにもなかった。

既にキラーアントの餌食になったのかは冒険者達が確認する術はないし、そんな余裕もない。

 

「どうすんだよ!?」

「もおダメだあああああ!?」

「ま、待て!あそこを見ろ!」

 

一人の冒険者が指差した先を全員が見ると黒い軽装の青年がいる。

それを見た冒険者達は同じことを考えて必死にその青年の下へと走っていく。

 

「どけ!」

「後は任せた!」

「少しは時間稼ぎしろよ!」

 

冒険者達はすれ違い際に青年へそんな言葉をかけて去っていく。

そう、これは冒険者達が青年にモンスターをなすり付けたのだ。

 

「・・・・・・」

 

モンスターの大群がもうすぐそこまで来ているのだが、青年は慌てた様子はない。

 

もう諦めたのか?

 

いや違う。

青年の表情は絶望に溺れてなどいなかった。

 

「ちょうどこの武器に慣れてきて、大勢のモンスターと戦いたいと思っていた所だったんだ」

 

先頭にいたモンスターが青年に襲いかかろうとした瞬間だった。

青年から半径5メートルにいたモンスター達が一瞬のうちに真っ二つとなって消滅する。

 

青年の両手には、いつの間にか身の丈以上の大きな鎌を持っていて、この大鎌で強固な甲殻を持つキラーアントを豆腐のように斬ってしまったのだ。

 

そんな異様な出来事にモンスター達の足が止まり、警戒するモンスター達は青年を囲んで逃げ場のない壁となった。

 

「・・・約70体くらいか?まあ、このくらいPK(プレイヤーキラー)100人に比べたら可愛いもんか」

 

青年、いや、ハセヲは、大鎌を握り直してモンスターの壁へと突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・静かになった」

 

一人黙々とモンスターの死骸から魔石を取り出す少女が先程まで鳴り響いていた戦闘音が消えた事に気づく。

 

彼女は小人族(パルゥム)のリリルカ・アーデ。

キラーアントが仲間を呼び出した辺りから戦闘から抜け出して岩陰に身を潜めていた。

 

怪物の宴(モンスターパーティー)となり、同伴していた冒険者達が逃げ出した所までは確認できていた。

もし、あそこで身を潜めず一緒に逃げていたら今頃は身代わりにされて死んでいた事だろう。

 

戦闘音が消えたという事は冒険者達が全滅したとリリルカは考える。

標的がいなくなれば怪物の宴(モンスターパーティー)のモンスター達は散り散りとなるので、それまでは身を潜めるべきである。

 

「この音は・・・まさか・・・」

 

しかし、リリルカは微かに聞こえる音に気づいた。

その音が何かを切り落とす音だと分かったのはリリルカが魔石を幾度もなく取り出す作業を行なうサポーターだから分かったのだ。

 

そこで更なる問題が発生する。

怪物の宴(モンスターパーティー)を殲滅したのは一体誰なのか、であった。

 

リリルカが同行していた冒険者達の可能性は皆無。

たまたま通り掛かった冒険者パーティーが倒した、または協力して倒したと考えるのが普通だ。

 

もし、後者だったらリリルカは冒険者達に酷い目を合わされてしまうだろう。

なので、細心の注意を払いながら音の先へと向かった。

 

「・・・1人?」

 

音の発信源までたどり着いたリリルカだったが、その光景を見て唖然としていた。

 

同行していた冒険者の姿はなく、黒い軽装を着た青年、ハセヲが1人でキラーアントの死骸から魔石を取り出していた。

 

「・・・だあああっ!めんどくせえ!」

 

ハセヲの叫びに驚くリリルカ。

その叫びの理由は魔石だった。

 

「数体ずつなら兎も角、こんな沢山のを1人でやってられるか!!」

 

身の丈以上ある大鎌で魔石を取り出すのは中々難しいものだったが、それ以上に魔石を取り出す死骸の量がハセヲのイラつきを増加させていた。

 

ハセヲは怪物の宴(モンスターパーティー)を全滅させたは良いものの、後処理の事は全く考えていなかった。

少なくともまだ始めてから今までの半分以上はあるだろうモンスターの死骸に気が遠くなるハセヲはついに我慢の限界を超えた。

 

「5階層のも加えればノルマ(25,000ヴァリス)は達成してんだ。ドロップアイテム以外は全部消すか・・・」

「ま、待ってください!」

 

細かい作業にイラついたハセヲは死骸を一蹴しようと大鎌を構えたとき、ハセヲの独り言を聞いていたリリルカが思わず声をかける。

 

「ん?お前は・・・」

「わ、私はリリルカ・アーデと申します。お兄さん。その、魔石の取り出しをお手伝いしましょうか?」

 

リリルカはどうして飛び出してしまったんだろうと後悔する。

勿体無い精神からなのかは分からないが、この機会を逃してはならないと感じたのかもしれない。

 

「思い出した。お前、さっきこの怪物の宴(モンスターパーティー)を擦り付けてきた冒険者達のサポーターだろ?」

「そ、そうです・・・」

「ん?いや、擦り付けられたのを怒っている訳じゃねえから安心しろ。寧ろ感謝してるくらいだ」

「は、はあ・・・?」

 

怪物の宴(モンスターパーティー)を擦り付けられて感謝と言うハセヲにリリルカの理解が追いつかない。

 

「っと、魔石の取り出しだったな。まあ手伝ってくれるならお願いするか」

「あ、ありがとうございます!リリ、精一杯頑張ります!」

 

残りの魔石回収はリリルカのおかげで捗りあっという間に終わってしまう。

 

「魔石の数は78個で、ドロップアイテムが全部で23個。まあまあだな」

「何言っているんですか!大収穫ですよ!しかもドロップアイテムの中には、希少種『ブルー・パピリオ』のブルー・パピリオの翅(ドロップアイテム)があったんですよ!これだけで10,000ヴァリスはします!」

「お、おう・・・」

 

興奮気味のリリルカに圧されるハセヲ。

すぐに我へ帰ったリリルカは咳き1つ入れて話題を変えることにした。

 

「それで、ハセヲさん。同行している冒険者様方達は何処に?」

「は?俺はソロだぞ」

「・・・はい?」

 

リリルカの表情が固まった。

実は彼女はハセヲの事を同業者(サポーター)と思っていたのだ。

 

まさか80体はいただろう怪物の宴(モンスターパーティー)を1人で殲滅できる筈などないと考えるのが普通である。

 

それに魔石回収も回収用のナイフが破損したから、大鎌(冒険者の予備武器だと思っていた)で行なっているのだろうと考えていた。

 

「だから、俺はソロでダンジョンに潜っている普通の冒険者だ」

「え、あ、その・・・」

 

『普通』というワードに色々と引っ掛るリリルカだが、とりあえずやらなければならない事を行なうことにした。

 

「す、すみませんでしたああああああ!!」

 

冒険者(ハセヲ)サポーター(リリルカ)の立場の違いがはっきり分かる構図(土下座)が完成した。




如何でしたでしょうか?

次回もハセヲとリリが絡むお話です。
ベルと会う前に顔見知り程度にしておく予定なのですが、、、

どうなるかわかりませんが、楽しみにしてもらえると幸いです。

感想・評価をお待ちしてます!
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