ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮)   作:TE

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少し短いですが、書けたので更新します。

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では本編をどうぞ!


第8話~サポーター事情とアルバイト~

第8話~サポーター事情とアルバイト~

 

「・・・少しは落ち着いたか?」

「は、はい。取り乱してしまい申し訳ありませんでした、ハセヲ様」

「とりあえず、正座とその様付けを止めないか?」

「ダメです」

 

俺、ハセヲは目の前で正座する少女『リリルカ・アーデ』を見ながら溜息を吐いた。

 

どうやら、こいつは俺の事をサポーターと勘違いしていたようで、魔石を回収している間、馴れ馴れしい態度を取ってしまった事を後悔しているようだ。

 

確かについさっきまで俺の事は『様』じゃなくて『さん』だったし、敬語は変わらないがサポーターとしての愚痴を聞かされていた。

 

情報収集という意味で黙って聞いてたが、サポーターはかなりのブラック企業であるのは確定である。

 

「とりあえず、立て。別にお前の愚痴を誰かに言うつもりはねえから安心しろ」

「は、はい・・・」

 

ったく。

魔石回収は早く終わったのに、予想外な事で時間を食われたぜ。

時間的にもう正午くらいだろうし、7階層の探索も終わってるから一回引き上げるか。

 

「おい、ガキ。ギルドに行くから付いて来い。手伝ってくれた報酬もやらねえといけないし、換金しに行くぞ」

「え?報酬を頂けるのですか?」

 

こいつは俺の事をどんだけ冷血な最低野郎と思ってやがるんだ。

手伝いの礼くらいするのは当然だろうが。

 

「さっさと来い。置いて行くぞ」

「あ、待ってください!ハセヲ様!」

 

俺とガキはギルドに行って換金を行なった。

魔石の数は78個で、ドロップアイテム(レア含む)が23個。

合計で22,200ヴァリスとなった。

 

「す、すごいです、ハセヲ様。普通ソロじゃこんなに稼げませんよ」

「実際、普通じゃなかっただろあれ(怪物の宴)は」

 

それでも俺のアイテムボックスには他の魔石とドロップアイテムがあるから稼ぎはさらにあがる。

スキルに関わる事だから言わないけどな。

 

「それじゃあ、手伝ってくれた御礼をやらないとな。ほら」

「あ、ありがとうございます!えっと・・・っ!?」

 

俺はヴァリスが入った袋を渡すとガキはすぐに金額を確認する。

ガキは驚いた表情に変わるとすぐに俺の方を見た。

 

「は、ハセヲ様。袋間違えていませんか?13,000ヴァリスと換金額の半分以上ありますが・・・」

「間違ってねえぞ。それがお前の報酬だ」

「いやいやいや!?おかしいですよ!ただ魔石回収を手伝っただけで6割も払うなんてありえません!」

 

確かに手伝いで半分以上などおかしいだろう。

しかし、これは、手伝いだけの報酬ではない。

 

「これは口止め料だ。ガキ。お前には俺のスキルを見られているからな」

「・・・・・・」

 

スキル名や詳細は知られていないが、武器やアイテムの出し入れが出来るスキルがあると思われただけでも口止めしないといけない事柄だ。

 

「それにもう1つ。6割と言ってたが7割の間違いだろう?」

「っ!?」

 

コートで顔が隠れているから表情は分からないが、恐らく青ざめているだろう。

このガキは魔石とドロップアイテムをさらっとちょろまかしてやがる。

俺は敢えて何も言わずに放置していた。

 

ここぞと言う時の切り札にする為だったが、効果抜群のようでよかったぜ。

 

「事情があるんだろうが、こういうのはちゃんと人を選べよ」

「・・・ご忠告ありがとうございます、ハセヲ様。またご縁がありましたら宜しくお願いします」

「おう、じゃあな」

 

特に話すことはなく、俺とガキは別れた。

だが、このガキと近い将来また会うことになるとは俺は思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リリルカと別れた後、ハセヲは軽く昼食を取る為に適当な屋台を探していたのだが―――

 

「普通のじゃが丸くん、2個よろしくね」

「かしこまりました!・・・なんで俺がこんな目に」

 

エプロンを着たハセヲがじゃが丸君売り場でアルバイトをしていた。

どうしてこんな事になっているのかというと、数十分前。

 

 

~~~

 

『ハセヲ君!!丁度良い所に現れてくれた!!』

『ヘスティア?なんだ、その格好は・・・』

 

ハセヲが何を食べるか考えているとエプロンと頭に変な装飾を着けたヘスティアが声をかけて来た。

 

『これはアルバイトの制服さ。って、そんなことより、ハセヲ君にお願いがあるんだ!』

『な、なんだよ?』

『実は神友のミアハと大切な約束をしていたんだ。だから、バイトを代わって欲しい!』

『断る』

『即答!?そんな事言わずに頼むよ~』

 

懇願するヘスティアを無視して行こうと思ったハセヲは足を動かす。

しかし、ヘスティアは諦めない。

 

『もしかして、怖いのかい?』

『・・・ああ?』

『モンスターと戦う冒険者でも人との接客は怖いなんて情けないな、ハセヲ君は!』

『テメェ・・・俺が人との接客くらいで怖がる訳ねえだろうが!』

『それじゃあ、頼むよ!はい。これ、制服ね』

 

ヘスティアは流れるようにエプロンと頭の装飾品をハセヲに渡す。

挑発に乗って頭に血が上ってしまったハセヲはその流れに頭がついていけなかった。

 

『ちょ、おい!』

『よろしくー!』

 

~~~

 

―――という感じで押し付けられたハセヲは渋々アルバイトの代わり勤めている。

物覚えが良いハセヲは店長が指導してくれた事はすぐに覚え、アルバイトを問題なくこなしていた。

 

「あの糞女神め。帰ったらツインテールを引っこ抜いてやる・・・」

「ありゃ、材料が少なくなってきたね。助っ人君。補充してくるから少しの間、店番をお願いするね」

「了解っす」

 

店長が材料の補充で店を離れ、ハセヲは一人で店番をする事になった。

ハセヲはとりあえず、簡単な仕込みや掃除をしてお客と店長を待つ。

 

「今、やっとるか~」

「いらっしゃいませええっ!」

 

店長ではなく、客が来た。

ハセヲは渾身の営業スマイルで接客を開始した。

 

「・・・ぷっ!な、何しとるんや?は、ハセヲはん・・・ぷふふふっ」

 

しかし、客は人ではなく(ロキ)だった。

 

「ろ、ロキ!?」

「あははははっ!!何しとんねん、ハセヲはん!ドチビをからかいに来たんやけど、こんな面白いもんが見れるとは思わんかったわ!」

「ぐっ・・・」

 

大爆笑するロキ。

そんなロキの姿を見てハセヲは凄く精神的なショックを受けていた。

 

「いや、さっきの営業スマイルは満点やったで!普段からそういう風にしたらめっちゃモテるで!」

「余計なお世話だ!買うもん買ってさっさと消えろ!」

「ちゃんと買うもん買うから安心してえな。というか、今更やけど凄いタメ口やな。一応神なんやで、うち?」

 

基本、誰でもタメ口なハセヲはヘスティアだけでなく、ミアハにもタメ口である。

 

「初対面で泥酔して酔い潰れた挙句、俺がロキのファミリアの拠点まで送ってやった時からお前を神とは思えなくなったから良いんだよ」

「うぐっ・・・」

 

そうなのだ。

ハセヲがロキと酒飲み比べ勝負(第5話参照)をして、酔い潰れたヘスティアとロキをどうするかと迷ったが、結局はロキを拠点まで送り届けてあげたのだ。

 

「しかも、最初はおんぶで運んでいたら途中で目を覚ましたロキが抱っこで運べと要求してくるし」

「うぐぐっ・・・」

「拠点に着いて団員の奴らに引き渡そうとした嫌がられ、寝室のベッドまで運んで、とせがまれる。その時は両手両足を俺の身体に巻きつけてたな。団員が凄い引いた目をしてたよ」

「うぐぐぐっ・・・」

「ベッドに寝かせたら眠るまで手を掴んで頭を撫でろと要求したのはどこの神様だったかな?」

「ぐはっ!?」

 

今度はロキに精神的ショックを受けて膝から地面に崩れ落ちた。

 

「・・・別にええやん!最近、皆スキンシップしても嫌がられるし、お願いしても大抵スルーされるから何でもお願いを聞いてくれたハセヲはんが珍しかったんや!」

「そのスキンシップやお願いは殆んどがセクハラと無茶振りだから仕方ないだろうな」

「ちょっ!?なんで知っとるん!?」

「帰るときに、頭を下げてきた団員達から聞いた」

 

ロキが眠った後、ハセヲが帰る時にすれ違う団員達からお礼と謝罪、軽い愚痴を聞かされていた。

ちなみに軽い愚痴というのは『セクハラがなければ良い神様なんですが・・・』『発想が親父なんすよね』など神様とは思えない評判であった。

 

「まあ、それはどうでもいいか。買うもん買ってとっとと帰れ」

「冷たいなー。じゃが丸くん、一個ちょーだいな」

「どうもー」

 

俺はじゃが丸くんを渡してロキからお金を受け取った。

 

「それじゃあ、またな。今度、飲みに誘うからよろしゅうー」

「ロキの奢りなら考える」

「これ以上散財したらママに怒られるかもしれへんけど、まあええわ。よろしゅうな!」

 

さらっと飲みの約束をしたロキはその場を去っていった。

ハセヲはその後、何事もなくアルバイトを終わらせて帰宅する。

 

「おかえり、ハセヲ君!」

「・・・ただいま」

 

すでにヘスティアは帰っていて、笑顔でハセヲを迎えた。

ハセヲは渋々帰宅の挨拶をするとヘスティアは満足して部屋の奥へと歩きソファーへと座る。

 

「すまなかったね、アルバイトを代わってもらっちゃって」

「もう絶対しないからな。というかミアハとの約束ってなんだったんだよ?」

「ふふふ。それはこれさ!」

 

ヘスティアが取り出したのはとても小さい小瓶だった。

ハセヲはそれが何なのか分からず、それを察したヘスティアは説明を始める。

 

「これは香水さ!とても貴重な花を使っているミアハの特注品!神友のよしみでキープしてもらったんだ!」

「・・・・・・」

「実はもう使ってるんだけどどうかな?良い香りがしないかい?・・・って、ハセヲ君、どうしたんだい?笑顔なんだけど、目が全く笑っていないし、僕の自慢のツインテールを掴んだりして・・・」

 

アルバイトを代わった理由が香水。

ロキに笑われた原因は香水。

 

ハセヲの堪忍袋の緒が切れた。

 

「ふざけんなああああああああっ!!」

「痛ああああああああっ!?千切れる!?ボクのツインテールが千切れちゃうううううううううっ!?」

 

ヘスティアの悲痛の声が響き渡る。

無駄にフローラルな香水の良い香りにさらに怒りが増したハセヲはその怒りが静まるまで続いたのであった。




如何でしたでしょうか?

リリとの再会はベルが来てからですのでよろしくお願いします。

そして、ある意味名台詞をを使えて満足している作者です。

こんな名台詞をどんどん使えていけたらなと思います。

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