ダンジョンに死の恐怖がいるのは間違っているだろうか。(仮) 作:TE
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漸くあの少年が登場します。
でも原作突入はもう少しかかると思います。
では本編をどうぞ。
第9話~進捗と新たな眷属~
ハセヲが異世界へと飛ばされ、ヘスティアを初め、様々な神や人と出会ってからもう一週間が経過した。
広大で危険なダンジョンをソロで潜り続けるハセヲ。
そんなハセヲのステイタスが今日更新された。
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ハセヲ
Lv.1
力 :D 511 →S 929
耐久:G 224 →A 831
器用:B 793 →SS 1023
敏捷:F 352 →A 880
魔力:I 0 →I 0
《魔法》《スキル》
・・・変化無し
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ありえない。
誰もが感じたことだろうが、事実である。
ハセヲがたった一週間でアビリティ『S』に到達したどころか限界突破の『SS』を成してしまった。
恐らく
限界突破もそうだが、一週間でランクアップの権利を得てしまう偉業も成してしまった。
これでもし、ランクアップしてしまったら前代未聞の出来事となってしまう。
そうなれば神々達がハセヲの事を狙い始めるだろう。
それだけはどうにかしたいヘスティア。
最悪はランクアップの報告はしないという裏技を使おうかと四苦八苦しながら悩みこんでいる。
当の本人ハセヲはステイタス云々については然程気にしてはいない。
それよりもダンジョン探索の進捗が最悪な事にハセヲは苛立ちを覚えていた。
現在の探索完了階層は10階層。
普通に考えれば充分以上なのだがハセヲは違った。
必死に探索して手掛りは0。
つまり成果は何も得ていないのだ。
だが、それは仕方ないと言える。
ダンジョンは広大だ。
下へ降りるだけなら兎も角、手掛りを探す為、隅々まで探索しなければならないし、モンスターの邪魔も入る為どうしても時間がかかってしまう。
そこでハセヲはもっと効率的にダンジョン探索をするにはどうしたらいいか考える。
そこで一つの要因が浮上した。
『ヘスティアとの約束』。
つまりはダンジョン探索の時間制限が原因だと思い至ったのだ。
だが、ヘスティアにはなんだかんだで世話になっているし、ミアハとの約束もある。
どうすれば良いかと頭を悩ませていた時、ヘスティアの溢した独り言を思い出す。
『なんで誰もボクのファミリアに入ってくれないんだろう・・・』
ヘスティアのファミリアは未だにハセヲ一人。
頑張って勧誘しているが成果は0なのだ。
「俺以外の眷属が入れば・・・」
ヘスティアを任せてダンジョンに潜れるかもしれない。
だが、問題は眷属が誰でも良いという訳ではないって事だ。
ハセヲが居なくても大丈夫な人材が理想であるが、そう簡単に見つかるとは思えない。
それを理解しているハセヲは溜息を吐き、とりあえずは現状維持だと諦めて探索の準備を行なう事にした。
「お前みたいな田舎者にうちのファミリアに入る資格はねえ!とっとと帰りな!」
「そ、そんな、あっ!・・・ぜ、全滅」
僕の名前はベル・クラネル。
冒険者になる為に迷宮都市オラリオにやってきた。
だけど、現実は非常だった。
冒険者になる為には神様のファミリアに入らなければならないから、ギルドに紹介してもらった所を訪ねたんだけどまさかの全てファミリアから門前払いをされてしまった。
今も門番さんに突き飛ばされて尻餅をつきながら絶望している。
「ど、どうしよう・・・。村へ帰ろうにも路銀がもう底をつきそうだし、このままじゃ・・・」
「なにやってんだ、お前?」
門の前で途方に暮れていたら門が開いて男性が出てきました。
怖い雰囲気でしたが、さっきの門番さんより優しそうなので僕は思い切って、男性にしがみついて声をかけた。
「あ、おい!?」
「お願いします!チャンスを下さい!僕はどうしても冒険者になりたいんです!どうか、お願いします!」
「はあ?ここじゃなくても他のファミリアがあるだろ?」
「ここ含めてギルドから紹介してもらった全部のファミリアから門前払いされちゃったんです!」
「なに?って、いい加減離れろ!鬱陶しい!」
男性はしがみつく僕を片手で無理矢理はがして地面へと置く。
僕は全力でしがみついてたのにあんなあっさり剥がされるなんて・・・。
これが冒険者の力なのか・・・。
「つうか、ここ、ロキ・ファミリアは誰であろうと加入希望者には試験が受けられる筈なんだが?」
「え?門番さんに資格はないと言われて追い払われてしまいました・・・」
「その門番の野郎に勝手な判断をされた訳か。たくっ、ロキの奴、ちゃんと下っ端の教育もしとけつうの」
こ、この人、神様の事を呼捨てでタメ口を聞いてるんだけど!?
もしかして、ここのファミリアの偉い人なのかも!
「どうかその試験を受けさせてください!」
「あー、それは俺の判断じゃ出来ないぞ」
「ど、どうしてですか!?」
「だって、俺、ここの者じゃねえし」
「・・・え?」
ここの人じゃないの?
違うのに余所の神様を呼捨てでタメ口だなんてどういうことなの!?
僕が内心で驚いていると男性は僕の事をジロジロと見始めました。
「ふむ・・・。おい、ガキ。冒険者になれればファミリアはどこでもいいのか?」
「え?まあ、はい」
「そうか。なら、俺が入っているファミリアはどうだ?」
「ええ!?」
僕は驚きを声を上げると同時に喜びを感じた。
だって、ロキ・ファミリアじゃないけど、ファミリアの勧誘をしてもらえたんだもん!
「い、良いんですか!?」
「最終的に決めるのは神様だが、全く問題ないだろう。お前、名前は?」
「は、はい!僕はベル・クラネルです!」
「俺はハセヲだ。着いて来い、うちの神様に会わせてやる」
「はい!宜しくお願いします!」
これが僕とハセヲさんとの出会い。
僕の憧れの一人となる英雄との出会いだった。
「そういえば、ハセヲさんはどうしてロキ・ファミリアの拠点に?」
「ん?ツケ代のお知らせだ」
「ツケ?」
「ロキに無理矢理飲みに付き合わされて、最終的に飲み代をかけた勝負をするんだが、その度に酔い潰れるから忘れないようにツケ代の伝票を渡しに行ってんだ。ちなみに俺の3戦全勝だ」
「・・・・・・」
とても悪い顔をしながら話すハセヲさん。
ロキ・ファミリアもそうだけど、ハセヲさんがいるファミリアに入っても大丈夫なのだろうかと心配になりました。
「こ、ここがダンジョン・・・」
「ああ」
俺、ハセヲとヘスティア・ファミリアに加入したベルはダンジョンへと潜っている。
俺がヘスティアにベルを紹介したら大喜びでファミリア加入を許可。
すぐに
「そういえば、武器は何を使うんだ?」
「僕はこの短剣です」
ベルの短剣は俺が持つ双剣より一回り小さくてとても頼りない印象だ。
防具も胸当てのみと心許ない。
「せめて、武器だけでも新調すべきか・・・」
「あの・・・?」
「いや、なんでもない。折角、ダンジョンに入ったんだ。モンスターを倒してみろ」
「い、いきなりですか!?」
驚くベル。
どうやら見学気分だったんだろうが、俺はそんなに甘くねえ。
とっとと、ソロでもダンジョンに潜れるようになってもらわないと困るからな。
「まずはあそこにいるゴブリンだ」
「ま、まだ心の準備が・・・」
「・・・がたがた言ってるとあのゴブリンの方へ投げんぞ!」
「は、はい!」
ベルは短剣を構えてゴブリンの方へ向かう。
ゴブリンもベルに気づいたらしく、臨戦態勢となった。
「お、落ち着け。落ち着け。大丈夫。大丈夫・・・」
「・・・・・・」
俺も初戦闘ではかなり緊張していたが、それ以上だな。
手や肩に力が入りすぎてる。
「ベル。目標を変更してやる。『倒す』んじゃなくて、『一撃』を入れて来い」
「い、一撃?」
「どこでもいい。一撃だ。それが以外は何も考えなくていい」
「わ、分かりました!」
少し落ち着いたベルは短剣を前に出すようにして構える。
まだ少し距離があるのでどう間合いを詰めて一撃を与えるのか、ベルの冒険者としての重要な一歩が試される。
「うおおおおっ!」
「ギギギッ」
最初に動き出したのはベル。
真直ぐに間合いを詰めるベルにゴブリンは尖った爪で迎撃しようとする。
「こん、のおおおっ!」
ベルは速さを緩めないように斜めにゴブリンの攻撃を避けると、短剣でゴブリンの首へ一閃。
これは俺にとって嬉しい誤算だった。
ベルには戦闘で大事な物をしっかりと持っている。
それは、相手の攻撃をしっかり見れる『目』と『度胸』だ。
誰でも痛い事から反射的に目を背けてしまう傾向があるが、それではダメだ。
痛い目に合いたくないなら、相手の攻撃をしっかりみて対処すればいいだけの話だ。
それをベルは出来た。
これだけでも俺としてはベルへの評価が上がる。
「ベル!ゴブリンはまだ死んでないぞ!」
「っ!」
「ギ、ギギギッ・・・!」
ベルは俺の声に慌ててゴブリンの方を向く。
踏み込みが甘かったようで傷が浅く、ゴブリンは傷口に手を当てながら急に逃げ出した。
2対1で不利だと判断したのだろう。
「ベル!今のゴブリンは恐いか?」
「恐くないです!」
「じゃあ、行け!」
「はい!!」
ベルはさっきよりも走るスピードが上がっていて、逃げるゴブリンの背後まであっという間に追いついた。
一撃当てたのと不様に逃げるゴブリンを見て緊張が解けたのだろう。
「はああああああっ!!」
ベルの短剣がゴブリンの首へ一閃。
これがダンジョンで初めてベルがモンスターを倒した瞬間だった。
「はあ、はあ、はあ・・・」
僕、ベル・クラネルは、ダンジョンのモンスターを初めて倒す事が出来た。
その高揚感からなのか心臓の鼓動が激しくなっているのを感じている。
「ベル」
そんな僕に話しかけてきたハセヲさん。
この人のおかげでモンスターを倒せたと言っても過言ではないと思う。
最初の倒せという無茶振りは驚いたけど、それも態とで、難易度を下げる事で緊張のふり幅を調節させたんだと思う。
「ハセヲさん!僕、モンスターを倒せました!」
「うっせえ!ザコ相手に一々喜んでんじゃねえよ!」
うっ。
確かにダンジョンのモンスターとはいえ、ゴブリン一匹を倒したくらいで喜んでいては駄目だよね。
子供のようにはしゃいでハセヲさんに報告した自分が恥ずかしくなってきた。
「ほら。次行くぞ」
「あっ・・・」
ハセヲさんが僕の横を通り過ぎる時に僕の頭に手を置いた。
それもぽんぽんと2回続けてだ。
まるで、よくやったと褒めてくれているような、そんな優しさを感じた。
「なにぼさっとしてやがる!置いて行くぞ!」
「あ、ま、待ってください!ハセヲさん!」
ハセヲさんは僕が思っている以上に優しい人なのかもしれない。
僕はそんな事を思いながらハセヲさんの後を付いて行く。
「ベル。次は一対多数でやるぞ。軽めに5匹だ」
「・・・え?」
僕はこの後、短剣が持てなくなるまで戦闘をやらされる事になる。
ハセヲさんは僕が思っている以上にスパルタでした。
最近の悩み、ハセヲのツンが上手く書けない泣
ハード買ってリメイクやろうかな、、、
そんかお金ないけど泣
と言うわけで、
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