どうにもならない、そんな時…なんだけどさぁ! 作:#任意の文字列
ウルトラマンガイア9話『シーガル飛び立つ』、いい話でした。ファイターチームのそれとは違うエキスパートチームの戦いとそれに挑む者達のドラマ、大変すばらしかったです。
今回はチームシーガルの皆さまが全員登場。ピースキャリーのパイロットというおいしいポジションにいる神山リーダーと違い、未熟さが目立つ松尾は活躍の場が欲しいとねだる。だが神山リーダー曰くシーガルはレスキュー専門なので出番がない方がいい…と、今回は神山リーダーのプロ意識と松尾の成長が描かれた物語でした。落ちもバッチリで完璧なシーガル回だったと思います。神山リーダー以外のチームシーガルが普段道具の手入れを行う、というのも現実のレスキュー隊っぽくてグッドです。現実のレスキュー隊も出動がないと暇らしいので。
今回の怪獣は光熱魔石レザイト。ウルトラマンの固形物っぽい怪獣はどいつもこいつもレアな能力持ちなのですが、レザイトもその例にもれず、奇怪な能力で事態を悪化させました。何気に我夢の提案通りやったら事態があらぬ方向に発展した事例ですけど、こいつマイナーだからなぁ…一度見たら忘れられないがその一度見る機会がなかなか与えられないレザイトさんは、これを機に躍進することが出来ればと思います。
割と危ない橋を渡っている二次創作者の屑
夕焼けの平原を、巨大な恵比寿様が歩いている。それだけ聞くとシュールな光景が目に浮かぶかもしれないが、事態は深刻だ。ハッキリ言って状況は最悪に近い。それだけ驚異的な存在が、この地に生まれたのだから。
小高い丘から皆でその光景を眺めているが、見た者は皆一様に固まってしまう。まあ、動く巨大な恵比寿様なんて、反応に困るからしょうがないのかもしれない。またただ一人、この怪獣が出現するきっかけを作ってしまった人物のみ、ぐおお、と頭を抱えて唸っているが、今更何を言ってもしょうがないので、ベムラーさんには早く復活してほしいところである。ともかく自分もその異様な怪獣を視界に収めつつ、かつて恵比寿様であったものの名前を口にした。
「コダイゴンジアザー、か…」
「…コダイゴンジアザー?」
自分の呟きに、隣にいたラキュースが反応する。周りの皆も、怪獣の方から自分の方に注意を移している。思ったより、自分の呟きはよく聞こえたらしい。情報共有はしておくべきだし、とりあえず自分の知っていることを話すことにした。
「あの怪獣の名前は、魔神怪獣コダイゴンジアザー…コダイゴン同様、空洞の物体にグロテスセルが流し込まれたことにより誕生した怪獣」
「…そういえば、
自分の説明に、復活したらしいベムラーさんの補足が入る。やはりこの人は、M78ワールドの出身らしい。それも、ウルトラマンメビウスとそれにつながるウルトラマン達が来訪した、TV本編の世界に近い宇宙のようだ。やはり彼の正体は…いや、今は置いておこう。それよりもまずは、コダイゴンジアザーである。
魔神怪獣コダイゴンジアザー。魔神怪獣コダイゴン同様、グロテスセルが注入されることで完成する怪獣だ。違いがあるとすれば、注入された物体の違いに加え、注入されたグロテスセルの量が挙げられる。嘗てウルトラマンメビウスが戦ったコダイゴンジアザーは、コダイゴンを三つは作れる量のグロテスセルを一つの物体にすべて注入した事により、コダイゴン以上の強度を手に入れたのだ。その結果、ただでさえ強いコダイゴン以上の固さ、それに加え卓越した格闘センスに高速移動能力・飛行能力までも入手し、飛び道具まで持つことになってしまった。そしてコダイゴンジアザーはウルトラマン二体と互角に戦う事の出来る怪獣となってしまい、ウルトラマンメビウスと共に戦ったウルトラマンヒカリは、撃破するのに多大な労力を支払うハメになったのである。
さて、今回出てきたコダイゴンジアザーだが、その登場の経緯がメビウスと戦った個体のそれに非常に酷似している。瓶が落ちて割れた、という事故の事はともかく、割れた瓶に入っていたのは、コダイゴンが三つ作れると言われていた量のグロテスセル。なら、あのコダイゴンジアザーも、メビウスが戦った個体と同程度の実力を持つ、と考えていいだろう。つまるところ、あの怪獣は相当な強豪怪獣なのである。
だが、登場経緯も実力も同じなら、対処方法も同じという事だ。なら話は早い。要はそこから策を練ればいいだけの話である。
「店主さん、あの恵比寿様について―」
自分はその策のカギを握る人物、店主のおじさんに話を聞こうとして―
「…店主さん?」
―そこで、ようやく店主さんが立ったまま気絶していることに気が付いた。…なんたることだ。そんなに恵比寿様が大事だったのか。残酷な現実に打ちのめされそうになっていると、イミーナから声を掛けられた。
「アルシェ、なんで店主さんなの?」
「…あのコダイゴンジアザーの元になった像には、グロテスセルが入るだけの隙間があったと思った。それを聞き出せば、あれの攻略方法も見つかると思って」
「…なるほど!グロテスセルも物体、入り込むための隙間がないと入れない。そしてその隙間は、弱点になる…そこを突ければ、硬い怪獣の装甲を破壊し、グロテスセルを気化させることが出来る。そういうことかな?」
「はい、その通りです。その隙間になりそうな…例えば壊れている箇所があるか、みたいなことを、聞きたかったのですが…」
「…まあ、この状態では聞けないか…」
自分とベムラーさんの視線は自然と、立ち往生してしまった店主さんにそそがれた。店主さんがこの状態では、聞きたいことも聞き出せない。相手が相手だから、弱点があれば知りたかったのだが、上手くいかないものである。
自分が店主さんに聞きたかったことと、その意図は、先程の会話の通りである。あの恵比寿様にグロテスセルが入り込めたという事は、それだけの隙間があると考えられるから、それの有無を聞き出したかったわけである。結果はこのざまだが。
…嘆いていても仕方がない。どっちにしろ、あの怪獣の進路に温泉地が含まれる以上、やる事は一つだ。覚悟を決め、自分は皆に周知する。
「…イミーナ、店主さんを安全なところに連れて行って。店主さんが目覚めたら、恵比寿様には壊れた所がないか聞いてみて。そこがあいつの弱点になるはずだから」
「わかったわ。後はヘッケラン達ね…」
「…ティア、ティナ、のろしを上げて、ターマイトさん達に合図を送れるかしら。ガガーランとイビルアイがいるから、何とか伝わると思うのだけど」
「…!なら、二人はヘッケランに合流したら、ヘッケランの指示に従ってもらえないかしら。たぶんあいつ、ここの人たちの避難誘導をすると思うから」
「だそうよ。頼めるかしら」
「…大丈夫。この状況だし、仕方ない」
「…私も。できればイミーナさんに「ティア?」…冗談だから、鬼リーダー。だから指をワキワキさせるのはやめて。怖いから」
「はは、元気な事だ…なら私は、店主さんを運ぼうか。これでも力には自信がある。…アルシェ君とラキュース君は、どうするのかな」
大体の行動方針が決まり、ベムラーさんが自分たちに向かって質問を投げかけてくる。自分はその問いかけに対し、まずラキュースの顔を見る。ラキュースもこちらに気が付き、真面目な表情で頷いてくれた。…よし。
「自分とラキュースは、為すべき事を為しに行きます。皆には、後の事を頼みます」
「…そうか。元はと言えば元凶は私だ。口出しするべきではないのだろう。だが、これだけは言わせてほしい」
「はい、なんでしょう」
「武運を、祈っている」
…ひょっとしたら、この鎧の人物は、もう自分たちが何者か、察しがついているのかもしれない。ベムラーさんの表情は相変わらず鎧で読めないが、そう思わせるだけの凄みがあった。やはり、彼なのだろうか。
…本当にそうなら、こんなにうれしいことはない。ベムラーさんの言葉を胸に刻むと、ラキュースにもう一度目配せし、そして同時に駆けだした。
それなりに怪獣に接近したところで自分は足を止め、同じく止まったラキュースにある事を伝える。
「ラキュース、今回の敵は強い。あいつはウルトラマンを二人相手取れるだけの膂力、硬度、速度、技巧…すべてを兼ねそろえた、化け物。見た目に騙されず、敵の行動に気を付けて戦ってほしい」
「わかったわ。あなたがそういうのなら、きっと危ない敵なのね…でも、たぶんだけど、大丈夫よ」
「…それは、どういう?」
らしくない気がする楽観論に思わず疑問を呈すると、ラキュースは自分を見つめ、勝気な笑みを浮かべた。
「だって、アルシェがいるから。アルシェという、怪獣退治の専門家…私も含め、みんなを救ってきた勇者と共に戦えるもの。負ける気なんて、まるでしないわ」
―…なるほど。
「…そこまで、期待されても困る」
どうやら、ラキュースの中の自分の評価は、自分の想像以上に上位に位置づけされているらしい。意外と言うか、なんというか。なにがきっかけでそうなったのかよくわからない。だから、そんなに期待されても、少し困る。
…だが。
「でも、あなたがそこまで期待してくれるのは…悪くない」
「アルシェ…!」
「なら、あなたの期待にも、応えて見せる。…行こう!」
「ええ!!」
戦友の期待を胸に、背後から新たな変身アイテム、『ルーブジャイロ』を取り出す。ラキュースも同時にそれを取り出すと、自分たちは突如別な空間に飛ばされたような感覚を覚えた。
それを意に介することなく、プロセスを進めていく。
「「セレクト!クリスタル!」」
ガイアとアグルの『ルーブクリスタル』が自分たちの手で煌めき、自然と力が入る。それをジャイロに装着すると、高らかにジャイロを掲げた。
≪ウルトラマンガイア!≫≪ウルトラマンアグル!≫
「纏うは大地!生命の営み!」
「纏うは大海!生命の育み!」
そして、ダメ押しのハンドル操作で、自分たちは光に包まれた。
「ガイアァァァァァァァァァァ!!」
「アグルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」
光になった自分たちは、その姿を巨人のそれに変えていき、大空へと飛び立つ。光が消え巨人の姿が確立したところで、二人同時に地面に着地する。
その結果、地面が大きく揺れそこから土砂が噴出する。宙を舞う土砂がパラパラと降り注ぎ、その音と地面の変化に怪獣が振り向いたところで、二人のウルトラマンが同時に構えを取った。
「デュアッ!」
「デゥアッ!」
目前に、巨大な恵比寿様がいる。恵比寿様は右手に釣り竿、左手に鯛を持ち、ご機嫌そうな様子だ。やはりコダイゴンジアザー、こう、正面に構えてみても、やはり非現実的な怪獣に思える。怪獣は皆非現実なのだが、それはそれとして、だ。
「…Aa~N?」
コダイゴンジアザーはこちらを見ると、髭をさすりつつガンつけてくる。その緊張感のない仕草に思わず脱力しそうになるが、油断してはならない。こいつはウルトラマンが戦ってきた怪獣たちの中でも、かなりの実力者だ。慎重になるのに越したことはない。
相手から目を離さないようにしつつ、並び立つアグルの近くに寄る。
「ラキュース、気を付けて。あいつはこの距離でも、油断ならない…!」
「わかったわ。でも、あんまり怖くは―え!?」
「なっ!?」
それは、ラキュースに話しかけた一瞬の出来事。コダイゴンジアザーは、自分たちが会話したその一瞬の間に、前傾姿勢を取ると、その体勢のままスライドするように高速で移動した。その移動のあまりの速さに、一瞬怪獣の姿を見失ってしまう。一体どこに、と探そうとした瞬間、後方で地面をこするような足音が聞こえた。
その意味を理解し、素早く後ろに振り向く。果たしてそこには、釣り竿を振りかぶり、今にも自分を打ち据えんとするコダイゴンジアザーの姿があった。
「うあっ!」
「!アルシェ!」
自分がそれに反応するよりも早く、怪獣の振りかぶった釣り竿が自分を打つ。その釣り竿には見た目からは信じられないほどの威力が込められており、その衝撃で自分は吹き飛ばされてしまった。
そして自分より一瞬遅れて反応したアグルに対しても、コダイゴンジアザーは容赦なく襲い掛かる。その鈍重そうな見た目とは裏腹な速さでアグルに接近すると、そのまま釣り竿で打ちつけ始めた。
「く、この…!」
もちろんアグルもタダでやられるわけではなく、その釣り竿を間一髪躱し、後退して距離を取ろうとする。だがコダイゴンジアザーもそれを許す気はないらしく、さらに距離を詰めそのまま釣り竿を振りかぶった。
そんな一進一退の攻防が繰り広げられるが、先に動いたのはアグルだった。アグルは怪獣から距離を取りつつ、右腕を伸ばす。するとそこに光が集まり、それが伸びることで『アグルセイバー』が形成される。
アグルはそれを確認すると、釣り竿で襲い来る怪獣に斬りかかった。
「これで、どうだっ!」
ラキュースの気迫と共に振るわれた光の剣は、まず怪獣の釣り竿へと吸い込まれるように伸びていき、そのまま釣り竿を両断した。
それに怪獣が一瞬硬直したのを、ラキュースは見逃さない。そのまま返す刀で振り抜かれたアグルの剣が、コダイゴンジアザーへと迫っていく。アグルの一撃は確実に怪獣を捉えており、それにより怪獣は両断される…はずだった。
「なっ…!」
ラキュースの驚愕が、はっきりした形で伝わってくる。その視線の先には、コダイゴンジアザーの体に直撃し―そのまま、真っ二つに折れた光の剣があった。コダイゴンジアザーの強固なボディは、アグルの剣に打ち勝ち、そのまま折ってしまったのだ。
そして怪獣は、硬直するアグルに迫っていく。そうはさせない。自分はそこで地面を強く蹴ると、勢いをつけて進撃し、怪獣目掛けて飛び蹴りの姿勢を取った。
「デェアッ!!」
自分の闘志が乗り移ったガイアの雄たけびと共に繰り出されたキックは、コダイゴンジアザーの体に直撃した。その勢いで怪獣は横に少し押し出される。その姿に、ダメージは見当たらない。
「…固い…!」
そして自分はというと、始めてこの怪獣の恐ろしさというのを実感していた。わかっていたとはいえ、こいつの固さははっきり言って異常だ。これまでも固い怪獣というのは何体も存在していたが、その中でもこいつの硬さは最高位に属するといってもいいだろう。おそらく元々の恵比寿様の材質は木材だと思うのだが、それがここまで化けてしまうのである。げに恐ろしきはグロテスセルだ、と認識を改める。
だが、ここで手をこまねいていてもしょうがない。気合を入れなおすと、自分は怪獣目掛けて突撃した。
「はあっ!」
「…?」
自分の動きに対し、まるで危機感を持っていない様子のコダイゴンジアザーに対し、まずは拳を振りかぶる。全力で振り抜いた拳は、しかし当たる直前になって躱されてしまう。
めげずに何度も拳を振り抜くが、結果は同じ。自分の速度に対し、相手の反応速度の方が完全に上回っていた。
「~♪~♪」
まるで鼻歌のような陽気な声を上げつつ、余裕な感じで回避し続けるコダイゴンジアザー。このままではまずい。自分はもう一度右の拳を振りかぶり、殴り飛ばそうと構えを取り、そこでコダイゴンジアザーの反応があったのを確認する。
「…そこっ!」
その反応で動いた方向に、本命である左の拳を叩き込む。パンチは見事に直撃し、すこし後ろに下がるコダイゴンジアザー。やはり拳から伝わってくる硬さはとんでもないが、気にせず打ち込む。
しかし追撃のため振り抜かれた拳は、すでに釣り竿を捨てたコダイゴンジアザーの手にすっぽりと収まった。そして、怪獣はそのまま、自分の腕を力任せに捻り上げた。
「くぅう…っ!」
その信じられない膂力に、思わず苦悶の声を上げてしまう。流石というべきか、その膂力もまた異質で、これもこれまで戦った怪獣の中で上位に位置する。こちらが力を込めてもまるでびくともしない怪獣の腕を見て、これはまずいと脳が警告を上げた。
「させない!」
だが、今の自分は一人ではない。もう一人のウルトラマンの機敏な動きから繰りだされた空中かかと落としが、怪獣の腕に直撃する。その衝撃に怪獣の腕が離れ、たたらを踏みそうになるが何とかこらえた。
「アルシェ、大丈夫!?」
「うん。それより、今はあいつを」
「ええ!」
隣に駆け寄ってきたラキュースの声に応え、アグルと頷き合うと、先ほどのアグルの蹴りで少しバランスを崩した様子のコダイゴンジアザー目掛けて突っ込み、そのまま二人並んでキックを叩き込んだ。
さすがにウルトラマン二人分の威力を体の重さや硬さで防ぎきる事はできなかったのか、コダイゴンジアザーはこれまで以上に後方に押し出される。手ごたえはばっちりだったから、これは少しくらい効いたのだろうか。そのまま追撃を繰り出さんと、再び二人同時に突進し、そのまま蹴りを叩き込もうとする。だが、キックが命中すると思われた次の瞬間、すさまじい音と共に、地面が爆発した。
「なっ…!」
「これは…!?あいつはどこ!?」
爆発的に広がった土煙が止むと、コダイゴンジアザーの姿はどこにもいなかった。と思ったのもつかの間、後方で何かが落ちたような音が聞こえる。二人同時に後方へ振り返ると、そこには自分たちと距離を取った怪獣の姿があった。どうやら、さっきの爆発は、奴が跳躍した際にできたものらしい。それらしい動きが間宅見られなかったから、ノーモーションでジャンプしたのだろう。
そしてコダイゴンジアザーは、自分たちに向かって、左側に抱えていた鯛の口を向けていた。…まずい!
「SHO-BAI・HANJO-!」「ラキュース、避けて!」
「えっ?…きゃっ!」
怪獣の鯛から不思議な掛け声が出るのと、自分がラキュースに警告を発したのは、ほぼ同時だった。そこに戸惑ったのか、一瞬動きが止まったアグルに対し、鯛から発射された光の弾―名前は鯛砲―が降り注ぐ。その猛攻はアグルに命中し、そのまま吹き飛ばしてしまった。
そして自分にも、鯛砲は容赦なく降り注いでくる。何とか回避してはいるものの、コダイゴンジアザーはアグルから標的を自分に変え、どんどん鯛砲を撃ってくるため次第に厳しくなってきていた。格闘戦を挑もうにも、結構距離を離されてしまったため、ここから相手の攻撃をかいくぐってこちらの一撃をお見舞いするのは少々難しい。
なら、光線技だ。相手の硬さを考慮している暇はない。自分は鯛砲を躱しつつ、ウルトラマンではない自分自身の手を動かし、求めていた『オーブリングNEO』をつかみ取った。
≪ゼットシウム光線!≫
そして『オーブリングNEO』を操作した際の音と共に、自分も光線発射の構えを取る。ガイアの体もまたそれに合わせて構えを取り、一気に十字を組んで狙いを定めた。
「アアァァ…デュアッ!!」
掛け声とともに発射された紅白の光線は、迫りくる鯛砲を弾き飛ばしつつ、コダイゴンジアザー目掛けてまっすぐ飛んでいく。意表を突かれたのか驚きを体で表現する怪獣に対し、光線が直撃する。火花が散るような音が鳴り響き、一瞬輝いたかと思うと、爆発を起こした。
それと同時に、吹き飛ばされていたアグルが復帰してくる。隣に立つアグルから、声が聞こえた。
「やったわね」
…それ、フラグ。一瞬本気で言いそうになったが、まあラキュースはそんなこと言われてもわからないだろうし、自分も怪獣を倒した際心の中でやったかくらい言うので、ここは何とかこらえた。
だが、今回はフラグだったらしい。爆発の煙が晴れると、そこには鯛砲こそやんだが自身はまるで平気そうなコダイゴンジアザーの姿があった。コダイゴンジアザーはこちらを一瞥すると、挑発するような笑みを浮かべた。
…やはり、難敵である。自分はその事実を噛み締め、再び突撃した。
後編は11月10日土曜17時半に投稿予定。相変わらずオバロ成分行方不明ですまない…
皆もウルトラマンチャンネルにてウルトラマンガイア10話『ロック・ファイト』を見よう!